朝早くに目覚め、顔を洗い、朝食を食べ、村長の家に向かった。あ!あのおじいちゃん本当に村長だったよ!すごくね?
「おお!黒竜様!お待ちしておりました。あの話は子爵様にお伝えしたのですが、証拠がないので本体で屋敷まで飛んで来いとおっしゃられて。まあ確実に面白がっている顔でしたがあれは」
「あ、そう?じゃあ飛んでくよ。地図見たいのある?無ければ書いてくれね?」
「はい。用意しております。このバツがついたところに屋敷がございます」
「あんがとさん。世話になったね。また来るよ」
「はい。いつでもお越しください」
え?展開が速くないかって?そりゃそうだもう3日も経ってるんだもの。
『では世話になった。感謝する』
村の広場で竜に戻って飛びあがる。目標地点まであと数十秒!僕ガチ早!
『ふむ。もうついてしまったか』
下には中々大きな街並みが広がっている。まあ向こうからは点みたいにしか見えないだろうけどね。それにしても本当に僕はこの姿のときは偉そうだな。はっ!?これがギャップ萌えかっ!?
そんな冗談を吐きながら下に降りる。え?大パニックになるだろって?大丈夫だ。《人化》した状態で羽根だけ適度な大きさで出してるから。それじゃあこんにちはー。
舐めてたわー。何をなめてたって、この世界の人たちの黒竜への対応だ。僕は神かってくらい丁寧に接してくれる。はっ!?もしかして僕いつの間にか神になってたんじゃ。
「黒竜様?どうかなさいました?」
「あ、ごめんなんでもない。めんごー」
というわけで今子爵様とお話し中です。いい人そうでよかったー。
「それでは黒竜様はあの村から連れてきた私たちの養子という設定でトリステイン学校に入学していただくということでよろしいですか?」
「うん。ありがとー」
「いえいえ、この程度何ということもありません」
ホントいい子や―。
「正体出してもいい?」
「はい。ですがいきなりはやめた方がよろしいかと。それとお名前を教えてくださいますか?」
「あー、僕の名前はね、クロノウスだよ。クロでいい。よろしくね」
「はい。よろしくお願いいたします」
黒竜であることをばらしてもいいかという問いに大丈夫ですと答えてくれるおっさんまじかっけー!それにしてもこの人は子供いないんだね。かわいそうに。あ、そうだ。こうやってお世話になってるんだからお返しはしなくちゃ。
「ねえねえ、父さん。これとこれあげるよ。売ったら結構な金になるから」
「父さん!?とこれは?」
「これは俺の血と鱗三枚だよ。使い方は一任するよ」
「な!?」
貴族が声を荒げることはそうそうないって言ってたけどウソだったのかなあ?まあどっちでもいいけど。
一つ目は竜の生血。飲んだものを完全な健康体にする。毒や病気、内臓破損などに効果がある。めっちゃ高い。傷を治すことで有名な水の精霊の涙をしのぐのだ。しかし相当上位のドラゴンのものしか効果はない。
二つ目は黒竜の鱗。その硬さはさることながら、魔法に対する耐性も付いている。かなりヤヴァイものだ。巨大な鱗が三枚。一枚一枚が超貴重品だ。
「あ、ああ。ありがとう」
「うん。これからよろしくね」
さあ、これで僕も学院に行けるぞ!