マックイーンは愛し愛されたい   作:風神・雷神

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合宿編突入です

10話目になります。




合宿の始まり

太陽日差しが強くなるこの夏、私たち学園の生徒は合同合宿のため宿泊施設がある海沿いの町に大型のバスで向かって居ます。

 

日を合わせて4日間は合宿期間になります。

 

バスは全三両からなり、私は2号車のバスに乗っています。後ろの座席に座るテイオーが上から覗くように見ながら、聞いてきました。

 

「でも、楽しみだね!海だよ!海!肝試しと近くの神社のお祭りもいいよねー。あと、学園の方で花火買ってくれて砂浜でやるんだって!」

 

まったく、彼女は。今回私たちは遊びに来たわけではないのですよ。彼女に言葉を返します。

 

「テイオー。私たちは、遊びに行くわけではありません。合宿として行くのですから、はしゃいでばかりではいけませんよ」

 

「えー。じゃあ、マックイーンは楽しみじゃないの?」

 

「そ、それは……」

 

正直、楽しみじゃないと言えば嘘になります。ですが、それはそれです。

 

今回は、そんなことに現を抜かしてはいられないのです。なぜなら、私は一度レースで一着を逃しているのですから。今回の合宿で大きく変化することはないのでしょうが、その足掛かりを得られればいいと思っています。気を引き締めなければいけません。

 

ですが。

 

肝試しとお祭りと花火……ですか。

 

なんですの!その如何にも楽しそうな催しの数々は。是非とも彼と一緒に行ってみたくなってしまうではありませんか!

 

 

「まあ、練習はしっかりやって終わった後に楽しむ分にはいいと思います。ですが、練習がメインということを忘れてはいけませんよ。テイオー」

 

「またー。素直じゃないんだからー」

 

私も遊ぶことに否定的ではないのです。むしろ、肯定的に思っています。なので、何も問題はないのです。

 

ですが、私には少し不安に思うことがあります。

 

あれは、合宿が始まる数日前のことです。

 

 

いつもと同じように、練習メニューを聞くため、彼がいるトレーナー室へ向かったのですが、丁度彼はいませんでした。なので、来るまで待っているか考えていると、机の上に置いてあった書類が目に入りました。その書類は、他のウマ娘さんたちのいろいろな情報が記載されていました。正確に話せば、ナリタブライアンさん、ビワハヤヒデさん、スーパークリークさん達の速さや、作戦などの情報が載っていました。

 

ただ、この方たちにはある共通点がありました。そして、この方たちは、私には持っていないあるものを持っていました。彼が、レースの強敵になりそうな方達をリストアップしたのは分かります。わかっているのですが、どうしても思ってしまうのです。

 

「わ、私より胸が大きい方ばかり……」

 

そう、私より少しだけバストが豊満だったのです。ほんの少しだけですが……。

 

以上から、彼は胸が大きな子が好きなのではという可能性が出てきました。

 

なぜ、この不安が合宿に関係あるかと言えば、練習の時海を泳いだりする時、学園指定の水着になります。その時に、体のプロポーションが強調されてしまうので、彼に見られた時に失望されてしまうのではと思ってしまいます。

 

これは、あくまでも可能性の話ですが、もしもがあるかもしれません。

 

なぜなら、私は彼の好きなタイプを知らないのですから。

 

もしそうだったら私は、一体どうすれば……。

 

そんなことを考えていると、携帯を見ていた隣の座席に座るゴールドシップが話しかけてきます。

 

「どうした?そんな真剣に考えこんで。トイレか?」

 

「ゴールドシップ、あなたという方はなぜそのようなことを……。は!」

 

彼女に注意しようとしますが、今は置いておきましょう。彼女に聞かなければいけないことを思いつきました。彼女なら、私が知らない知識を覚えているかもしれません。か、彼女に聞いてみましょう。

 

「ゴールドシップ。その、一般的な男性の方はむ、胸が大きい女性の方がす、好ましく思われるのかしら……。ど、どうなのでしょう」

 

「いや、知らん」

 

彼女は、知らないようです。しかも、『何でこんなこと聞くんだよ』と言いたげな困惑した表情をしていました。ですが、彼女は少し考えると私を見てめんどくさそうに言います。

 

「でも、まあマックイーンなら大丈夫だろ。たぶん」

 

「そ、そうですか……」

 

彼女は、何を思って大丈夫と言ったのでしょうか。

 

そんなことを話しているとバスの窓から目的地が見えます。

 

いよいよ、合宿が始まります。

 

 

 

 

砂浜で練習を始めて、少し経ちましたが、今日彼の姿を見ていません。

 

前日、先に向かっていると言ってましたが、それにしてもどこにもいません。どこに行ってしまったのでしょう。

 

辺りを見渡しても、彼らしき人はいません。

 

すると、一緒に練習をしていたテイオーとゴールドシップが喉が渇いたので、なにか買う為に海の家に向かいます。私も、飲み物が欲しかったので探すのをやめ、彼女たちに同行します。

 

きっと私の見えない所でお仕事に励んでいるのでしょう。

 

海の家に着くと、鉄板で焼きそばを作っているタオルを頭に巻き黒いTシャツを着ていた男の人に注文を願いしようとして声を掛けます。

 

「すみません。スポーツドリンクとニンジンジュースのハチミツ増し増しで……あら?」

 

顔をよく見れば、よく知っている顔で驚きます。間違えるはずがありません。

 

探しても見つからなかったわけです。お店の中で働いたのですから。

 

でも、なぜこんなところに……。

 

「と、トレーナーさん!?ど、どうしてこんなところに!」

 

そこには、私のトレーナーさんが黙々と働いていたのです。




いったい彼は何をしてるんでしょうね
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