家探すドラゴンおもろい
首が太いとか言われけどそこがいいんですよ
前回のあらすじ。
学園から、大型バスに揺られて数時間。私は合宿のため太陽をもろともせず他の子たちと一緒に砂浜の上で走り込みをしていました。学校指定の水着を着て、居ると聞いていたトレーナーである彼を探しています。しかし、いくら探してもいらっしゃいません。
私は一緒に走っていたテイオーとゴールドシップたちと一緒に海の家に行きました。注文をするため、お店の方に声をかけると知っている顔で驚いてしまいます。
そう、私の担当トレーナーさんだったのです!
「と、トレーナーさん!?何をやってらっしゃいますの!こんなところで!」
「え?あ、ほんとだ。マックイーンのトレーナーがいる。なんで?」
「よう兄弟!あたしがいなくて寂しかったか?」
「…いらっしゃい」
私たちが、驚きのあまり彼に声をかけると、気だるそうに接客をします。いつもクマは目立ち、黒く淀んでいるような目をしていますが、今の彼はさらに元気そうではありません。心配になります。
でも、どうして…まさか、私と組んで勝てないと分かり、自分の力のなさが原因と思い込み、トレーナーをやめ海の家に転職を……そんなことはダメですわ!
私は焦ってしまい答えを待たずに彼に聞きます。
「いけません!トレーナーさん!私を置いて辞めないで下さい。あなたが、居なくなってしまったら私は……」
「いや、トレーナーは辞めない。今回は、学園側の指示で店を手伝ってるんだ。変な誤解をしないでくれ」
「…でも、なぜ?」
「今年は、求人で人が集まらなかったらしくてな。今年の合宿の期間中だけ、人手が足りなくて、忙しい原因でもある学園へ、店が相談したんだ。そして、俺が駆り出され、バイトとして働いているんだ」
焼きそばを鉄板の上でヘラを使い器用に作りながら、私の質問に答えます。しかし、なぜ彼が働かなければ。そして、原因?私が疑問に思っていることをゴールドシップが聞いてくれます。
「だからって、なんであんたが働くんだよ。人が集まらなかったのと、学園は関係ないだろ」
「まあ、関係はないわけではないんだ。客がウマ娘だと作る料理の量が倍以上に跳ね上がるからな、どうしてもいつも通りの人員じゃ足りなくなるんだ。店側も対応出来なくなるから、合宿期間中だけ人手を貸して欲しかったんだろな。そんな理由もあり、経験者の俺が派遣されたわけだ」
「へー。そうなんだ。でも、経験者ってバイトでもしてたのかあんた?」
「昔、少しだけ屋台でバイトをしてたんだ。その経験をここで活かせと学園の上の奴が俺をここに推したんだ。立場上断れなかった。仕方がない。」
そんな理由があったのですか。でも一番は、彼が辞めるのではなく良かった。ですが、スーツを着ていない彼を見るのは、とても新鮮に感じました。黒のTシャツを着て、黙々と作業をするいつもとは違った彼もとても素敵です。
彼に見とれているとテイオーが何か思いついたかのように話します。
「そういえば、僕お腹すいちゃった。マックイーンのトレーナーが作った焼きそば食べてみたいし頼んでもいい?いいよね!」
「いいな、あたしも腹減ったしもらおっかなー。不味かったら文句でも言うか。マックイーンはどうすんだ?」
「あなた達……。そうですわね。私もいただきましょ……はっ!」
冷静に考えて見れば、彼が鉄板で作っているのですから、彼の手作りの焼きそばが食べられる。その事実だけで私の気分を高揚させます。ですが、普段料理などをしてると思えない彼の焼きそばは果たして美味しいのでしょうか?まあ、不味くても私はすべて食べますが。
そんなことを、考えているとゴールドシップが私に顔を近づけ、耳打ちをしてきます。
「おい。いい機会なんだし、祭りの時暇か聞いちまえよ。で、一緒に行く約束しちまえって」
「あ、あなた急に何を。で、ですが、その、い、今は、水着なので…あの……」
誘えるのなら、誘いたいですが、今私は水着なので彼に誘う勇気が湧いてきません。私は、自分の胸を見下ろします。
「はぁ。仕方ねーなー。まったく」
ゴールドシップはそう言うと、彼の前まで向かいます。一体何をするつもりなのでしょうか。
「マックイーンのトレーナーさん。このゴールドシップ様の焼きそばの量多めに、サービス・シ・テ・ク・レ♡」
彼女は、胸の谷間を強調するようなしぐさをします。ご、ゴールドシップ。あ、あなたは一体何をしているのですか!しかも今は水着ですから、なおさら胸が強調されて……い、いけません!
私が呆気に取られていると、それを見た彼の反応が気になり顔を見ます。これで、喜んでいたり、嬉しそうなら、そうゆうことですわ。今の私では、絶望的になってしまいますが。
見れば彼はとても嫌そうな顔をして、出来上がった焼きそばを使い捨てのフードパックに入れていきます。見たところ、どれも量は一緒に見えます。
その作業を見ていたゴールドシップが吠えます。
「おい、なんで量一緒なんだよ。そこは、タッパーもう10個追加するところだろうが。このゴールドシップ様のだっちゅーのだぞ!ふざけんな!」
「注文通りだろうが、何をそんなに怒っているんだ。そんなことしたら、在庫がなくなるだろうが。あと、学園の助っ人として来ているんだ。勝手な真似はできない」
「クソー。やり損じゃねーかよー!」
私たちは、他にも注文を済ませ、頼んだものを待ちます。すると思っていたよりも直ぐに、彼が持ってきてくれました。
「焼きそば3つとその他飲み物。料金は、学園側が払うから大丈夫だ」
「ありがとうございます。トレーナーさん」
「素直に喜べねーが、ありがとな。マックイーンのトレーナー。じゃあ、テイオー連れて先に戻ってるわ」
「え?ちょ、なんで僕の腕つかむの。なんで引っ張るの!?わかったから。あと、マックイーンのトレーナー、焼きそば、ありがとうー。じゃあマックイーン、私たち先戻ってるよー」
そう言うと、彼女たちは先に戻ってしまい、彼と私が残されました。
まさか、ゴールドシップ。あなた……。
彼女が、作ってくれた折角のチャンスなので私は、深呼吸をして、彼に勇気を出して聞いてみることにしました。先ほどの不安はもうありません。
「と、トレーナーさん。最終日のお祭りなんですけど、ご、ご予定がなかったら屋台などを、い、一緒に回りませんか?」
つ、ついに誘ってしまいました。そう、私が密かに楽しみにしていた、彼と一緒にお祭りを回るという催しを。さあ、彼の返事はどうでしょうか。
「すまない。確かその日、この店も屋台を出すんだが俺が店番をしなくてはいけないんだ。だから、一緒には回れない。他の奴等と回って来てくれ」
「わ、わかりました。トレーナーさんも忙しいでしょうに、お聞きしてすみませんでした。さっきの二人と一緒に回ってきます。では、お仕事頑張って下さい」
彼には、断られてしまいました。
そう言い、私はその場を足早に後にします。先に向かっていたテイオーとゴールドシップに追いつくと彼女らと一緒に練習に戻ります。正直、とても楽しみにしていました。一緒に祭りを回るなど是非やってみたかったのですが仕方がありません。
彼に作って頂いた焼きそばを食べても味がわかりませんでした。
そして、心の中で思うのです。
合宿最後の楽しみが終わりましたわ……
お、終わりましたわ……。
同時刻、海の家
?「おい、お前3日後の夜の予定空いてるか?」
?「どうした?急に。空いてるけど。まさか……」
?「聞くな。野暮ってもんだろ」
?「……だな」
?「「店長。ご相談したいことが……」」
アニメに出てたモブ二人個人的に好きなんですよね