何とか、完走したいので今はこの作品を書いてこうと思います。
誤字脱字のご指摘ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。
注意なんですけど作者はマックイーンにわかなので違うなと思ったらごめんなさい
マックイーン視点です
季節は巡り、南から暖かく穏やかな風が頬を撫でる。トレセン学園の正門から本校へ続く道は綺麗な桜のトンネルが出来上がっていた。
ついにウマ娘としてデビューが決まり私、メジロマックイーンはトレセン学園こと、日本ウマ娘トレーニングセンター学園にやってきました。
ここに来た目的は、ウマ娘として学園で生活し、母と祖母が獲得した「天皇賞」で3世代勝利の悲願を叶えるため。そして、幼かった頃の彼との再会の約束を守るため。
この日をどれだけ待ち望んでいたか。この学園に入るために、日々トレーニングを欠かさず、勉強も抜かりなく取り組みました。天皇賞の三世代勝利は、私にとってもメジロ家にとっても大切なことですが、私個人一番大切なことはまたここで彼に会えること。しかも長い年月が経ち成長した想い人にまた会えることを楽しみにしていました。
すこし前に、使用人に頼み、彼がいるのか調べてもらった結果、彼らしき人がいることがわかりました。彼はいる、約束を守って確かにいる。その事実が私の気持ちを高揚させていたのです。
一体どんな姿になっているのかしら。
昔と違って背は彼のほうが高いのでしょうか。
子供の頃もかっこよかったですから、大人になった彼はもっとかっこよくなっているのでしょう。
髪型は短髪、それとも長髪かしら。どちらも似合うと思うけど短髪のほうが彼らしくて私は好きです。
声はどうでしょう。きっと声変わりして少し高音だった昔よりも、低い声になっているのでしょう。
そんな彼に、自分の名前を呼ばれたら、尻尾や耳が反応して、私の感情が丸分かりになってしまわないか。考えるとキリがありません。
今着ている制服を見て、彼はなんと言ってくれるのでしょう。
似合っている。
かわいい。
と褒めてくれるかしら。
もし、成長した私に一目ぼれして、その日のうちに結婚を申し込まれたら。
私は断ることができるのでしょうか。断れる自信がありません。きっと了承してしまいます。
気づけば手で頬を抑え尻尾はゆらゆらと左右に揺れ緩みきった顔をしていました。
だが、すぐに今の自分の姿を想像して、ハッとしました。
誇り高いメジロ家の代表として見られる私がこんなところを見られたら、はしたないと思われてしまう。お婆様の顔に泥を塗るようなことは避けなければいけません。
駆け足で桜のトンネルを通り、学園のエントランスへ向かいながら、彼を想う。
早く会いたい。
入学初日、午前中は軽い校内の説明、午後から今まで努力してきた成果を見せる、選抜レースでした。
このレースの結果で、トレーナーたちは自分がスカウトするウマ娘を決めます。
順位が高ければ、高いほどたくさんのトレーナーからスカウトの話が来て、練習方法、人柄といった自分が安心して任せられるトレーナに出会えるチャンスが増えます。
トレーナーとして彼もこのレースをどこかから見ているのでしょうか。
だとしたら、私は負けられない。
散々の結果でお情けで選んでもらうなんてありえない。
メジロ家の誇りもあるが、今の私の実力を見て情を捨ててスカウトするか判断してほしい。
彼には堂々と勝ち馬のメジロマックイーンを選んで欲しい。
他の誰でもない私を。
なぜなら、約束通り私はあなたと一緒に最強のウマ娘になるのですから。
選抜レースは無事に終わりました。
私は、2馬身差で堂々の一着。学園に入るまで必死に努力してきた自分に感謝しました。あの日々があったからこそ今の私は勝てたのですから。
走り終わった後、彼を探しに観客席に行きましたが、ぞろぞろと彼ではないトレーナー達がスカウトしようと取り囲んできました。
「マックイーン!!さっきのレース、見事だったわ!!ぜひお話させてもらえないかしら」
「私と組みましょうマックイーン。あなたなら天皇賞も夢じゃないわ」
「マックイーン君。たくさんのウマ娘を優勝へ導いたこの僕と一緒に!」
「イイヤ。アメリカカラキタボクトクミマショウ!」
我先にと求めてもいないのに誘われてしまいます。勧誘を断りながら彼等を見回して彼を探しますがどこにもいません。
思えば彼らしき人をまだ見ていません。私は少し不安になりました。
私の走りを見て失望した彼は、スカウトする気がなくなってしまったのだと。
私以外のウマ娘を勧誘しに行ってしまったのではないかと。
胸が苦しくなる。落ち着こうと、冷静でいようとして呼吸が早くなる。走っていた時よりもずっと苦しい。
不安な感情がこみ上げてくる。
けれど、やはり彼を信じる。約束通り私の元にきてくれると。
勧誘する周りのトレーナー達の声が行き交う中、私は祈る。
ここにいるのならどうか。
他のウマ娘でもなく。
私を迎えに来てください。
「マックイーン」
聞き覚えがあるような声で名前を呼ばれて振り返る。
一瞬で分かった。
人混みの隙間からよく知っている少年の面影を残した男の人が見えた。
私を囲んでいた人たちを縫うように進む。
すぐに通り抜けられると、名前を呼んだ彼が目の前に立っていた。
間違えるはずがない。
彼の事はよく知っている。
一日でも忘れたことはなかった。
数秒前の私に言ってやりたい。
そんな心配はしなくてもいい。
彼は約束を決して破ったりしてはいないのだから。
最後まで、信じられなかった自分が恥ずかしい。
気づけば胸も苦しくなくなって、呼吸もいつも通りだ。
でも、そんなこと今となってはどうでもいい。
夢でも、幻でもなく現実で生きている彼が目の前にいるのだから。
彼に目を合わせる。
近くで見ると、短髪で、幼かった頃の面影を少し感じさせる整った目鼻立ちをしていた。
だけど、少し疲れているように感じる。
目の下にクマが出来ていて、少しやつれているので少し心配になる。紺のスーツに身を包む彼は大人の印象を感じさせる。
そんなことを思っていると、彼が話し出す。
「俺がお前を最強のウマ娘に仕上げる。どんな相手だろうと一着で駆け抜けられる速さを授ける。メジロの名に相応しい栄光ある勝利を約束する。だから俺のスカウトを受けろ」
一呼吸置いて彼は続ける。
「マックイーン」
ああ、真剣にそんなことを言われたら、今日という日を何度も繰り返しても、私は断れないでしょう。
ずっと前から決まっていた答えで返事をする。
「はい、お受けします」
首をちょこんと曲げ笑顔で返す。
スカウトを受け、今日彼との約束を果たしたのだ。
一連の流れを見ていた他のトレーナー達は驚きの表情を浮かべながら見ていた。その驚きはマックイーンをスカウトしている彼へと向けられる。
全員は思う。
なぜ、よりにもよって彼なのかと。
彼女は知らない。彼がここで何をしてたのか。
そして彼女は気づかない。
彼の目は嘘と欺瞞で酷く濁り、彼女の姿を見ようとしていないことに。
やっと再開できましたね
さあ、彼は何でトレセンにいるのでしょうかね~
それには深い理由があったりなかったりするような気がするような気がします