ドーバー基地の港湾の拡張と調査艦によって、発見された資源島現地名「ルナエ島」、国防軍名「旭島」の整備を並行して密かに進めて行った。
そこから、今日連合軍上層部とブリタニアのお偉いさん方との会談にヴィルケ中佐と坂本少佐とともに向かっていた。
「ヴィルケ中佐、上層部のお歴々方の反応はどんなものだったんですか?」
「こうして、会談の場を設けていても半信半疑でした。」
「まあー、それが普通の反応でしょう。」
「こうして、実物を見た私たちですらいまだに信じられないところがあるんだからな。」
「この機体も証拠の一つになるでしょう。」
そんな会話をしていると2機のスピットファイアと1人のウィッチがこの機の横を通過し
『飛行中の不明機へ、こちらブリタニア王室空軍(連邦空軍)。前方の国籍不明機へ、飛行目的及び行き先を明らかにせよ。』
綺麗なキングス・イングリッシュがレシーバーから聞こえてくる。
中佐の打ち合わせの際に決めた応答を返す。
「ブリタニア王室空軍機へ、こちら日本国防海軍機、要人輸送任務を遂行中。司令部に確認願う。」
『Japan?……了解した。確認を行う』
相手は聞きなれない国名に不振がっているようだったが、気にせずに指示を待った。
『確認した。こちらの誘導に従い、進路を取れ。』
指示に従い、機体が右に傾いた。ウィッチが先頭を行き、残り2機でこの機体を挟み込むような形でいる。
「(相手の機体は、年代的にはスピットファイアMk.XIかMk.XVIあたりかな。あの機体にはあんまいい思い出ないけどな)」
護衛と監視を兼ねての配置だろう、変なことをしたら確実に撃墜できるように。
一般的にロンドンは霧の町、と呼ばれている。メキシコ湾から流れ込む暖流と北海からの寒流がちょうど合流する箇所にブリテン島が存在する為に緯度と比較して湿度が高いのがその理由だ。だが、この日のロンドンは晴れ渡っている。
着陸を予定している飛行場も。しかし、そこの飛行場は霧とは違う空気に包まれていた。
5m間隔で、武装した兵士が基地の周りを取り囲み、駐機場エリアにも同じように展開していた。
準備が粗方整った頃に、不意に南側からプロペラが大気を切り裂く音が聞こえてきた。そちらの方を向くと、優に翼の長さと同じ位の回転半径を持ったプロペラローターを一対ずつ備えた機体が、ウィッチと二機のスピットファイアに護衛されて基地に向かってくる。
「来たようだな」
「そのようですね」
その光景を飛行場の外縁部から眺める四つ目があった。その人物は女性で、艶やかな長い黒髪に体のラインが浮き出るようなぴっちりとしたジーンズを穿いている。そして、首からかけた細長いスコープを右目で覗き込んでいる人物は帝政カールスラント空軍機械化航空歩兵総監、アドルフィーネ・ガランド少将だ。
不愉快そうにしているもう一人は、この国ブリタニア空軍戦闘機軍団司令官たるトレヴァー・マロニー空軍大将だ。
「それにしても、本当なのかね?70年後から来たというのは。」
嫌味の混じった声音で、目の前の年若い少将に尋ねる。
「それに関しては報告してきた張本人…ヴィルケ中佐が「あれ」に乗り込んでいるそうですから、後ほど本人たちを交えてゆっくり聞けばいいでしょう。」
その嫌味を受けた本人は特に気にした様子もなく、ただ件の機体を眺めている。そのうちプロペラが発する高周波音が周りの大気を満たし、その音源が次第に近づいてきているのを感じた彼女は照準眼鏡GwZF4を目から外す。
「しかし、なんだあの機体のプロペラは。あれでは着陸するときに地面に接触してしまうのではないか?」
「まったくもって同感ですが……まあ、70年後から来たということですから、何らかの手段を用いているでしょう。」
その言葉はある意味的を射ている。しかし、機体(オスプレイ)の行動を真に予想できた人物はいなかったであろうが、機体が近づくのに合わせ基地配備の高射砲群が目標に向けて施行する。
その時、誰もが驚く行動を件の機体がとる。その機体の巨大なプロペラがゆっくりと上を向いたのである。誰もが呆気に取られているようだった。
プロペラを上に向けたまま誘導路の駐機場に向かって自走していく異界の輸送機をこの場の全員が不思議なものをみる眼差しで見つめていく。
その上空をスピットファイアとウィッチが通過していく。
そして、機体が指定の位置に到着するとプロペラの回転が止まり、後部のカーゴドアが開く。
兵士がそこに向けて駆け寄り、一斉に銃口を向ける。
「やれやれ、なかなか手厚い歓迎だな。この世界は出迎えはこんな感じなのか?」
兵士はその様子にポカンとしていた。出てきた人物の若さに驚いてるのかそれとも、流暢なクイーンズ・イングリッシュに驚いてるのか。その場の指揮官と思われる人物が周りを叱咤し、俺と大鳳達、ヴィルケ中佐達を車に案内する。
それぞれ、案内された車に分乗し目的地へと向かう。
ロンドンのウェストミンスター地区ホワイトホール(ビック・ベンなどがある場所)に連合軍総司令部は存在する。古風な建築物が軒並び、その中の一見古いだけのビルに司令部がある。しかし、その内部は1944年当時としては最高を誇る通信システムを始めとした指揮通信設備が整っている。
車を降りてから案内されたのは、その中に設けられた一室。短機関銃を持った兵隊数名と案内役-軍属の女性によって案内された。
「こちらでお待ちください、準備が出来次第改めてご案内します。」
案内された部屋の椅子に腰かけ、こちらも多少の打ち合わせをしながら待っていると、扉が開いた。準備ができたのかと思い立ちあがると、ヴィルケ中佐、坂本少佐が入ってきて、その後ろに軍服を着ていない黒髪の女性が最後に入ってきた。
首にドイツ(カールスラント)の十字勲章を下げていることから、ただの軍属等ではないとは思われる。
「ヴィルケ中佐、会談の準備ができたのですか?……それとも、他の用件ですか?」
「えぇ……そんなところです。」
少し呆れを含んだ苦笑を浮かべながら、こちらの問いかけに返答がきた。
「日本国防軍横山将暉元帥です。それで、そちらの女性はどなたですか?」
「紹介ありがとう。私はカールスラント空軍アドルフィーネ・ガランド少将だ。」
「確か、カールスラントの
「その認識で問題ない」
「それで、少将はなぜにここへ?」
「何、ヴィルケ中佐の言が気になってね。それで一足先にあっておこうと思ってね。後、私のことはアドルフィーネで構わないぞ」
「公の場所以外ではそう呼ばせてもらう。それで、ただ自分に会いに来たというわけではないでしょう?」
「いや、今のところは特にはない。強いて言えば、未来から来たというあなたに興味があったのでね」
「それは光栄なことですね」
「あえて言うのなら、ブリタニアのトレヴァー・マロニー大将に注意しろ」
「ただそれだけさ」と言って立ち上がり、部屋から退室していった。
「なかなか掴みどころのわからない人物ですね、ヴィルケ中佐」
「心中お察しします」
ちょっとした質問感覚で聞いたつもりだったが、この感じだと相当あの人物相手に苦労していることが窺い知れる。
二人も退室していった後に、極秘展開している部隊に対して命令を追加したりした。
閑話休題
数十分後に、先ほどの女性が準備が整ったと会談場所に案内された。
確実に位の高いと思われる軍人が3名入ってきた。それぞれ軍服の色は異なっている。
それに続いてミーナと坂本が入ってきた。最期にアドルフィーネ少将が室内に入ってきた。
入ってからは未来から来たのは本当なのかといった当たり障りのない話から開始された。
特に先程、指摘されたマロニー大将がしつこかった。技術供与に関することを重点的に指摘し、遠回しに”技術を差し出せ”と言ってきて面倒だった。周りの様子を見つつ、こちらの世界を知ってからでも遅くないということを言って他の上層部のお歴々方も(内心では大将と同じような考えだろうが)、それに同意して大将は引き下がっていった。そこからは最初の接触について話題が切り替わった。
「 ―― 報告によると最初に接触した際、横山元帥自らだったと聞いてますが、間違いないですか」
「そうです、丁度発艦体制に入っていましてね。異常事態につき状況確認優先ということで発艦、偵察に出たんです」
「そこで、ネウロイと501の面々と接触したと ―― 」
「……先程から気になっていたのだが、後ろ3人の兵科を教え願いたいのだが ―― 」
「あぁ、失礼しました。そう言えば紹介がまだでしたね」
「大鳳です、大型空母の艦長と副司令をしています、階級は中将」
「翔鶴です、大鳳と同じく大型空母の艦長と副司令補佐をしています、階級は少将」
「金剛です、超弩級戦艦の艦長と翔鶴と同じく副司令補佐をしてます、階級は少将」
「……ウィッチは見慣れていますが、私と同じくらいの女性で将官とは……思いもよりませんでした」
「それはそうでしょうね、自分も含めて国防軍内でもこの年齢での将官なんて稀ですよ。この部隊が特別なんです」
(流石に、ネウロイの例もあるから、未知のはずの人工知能の公表はもう少し、お互いを知ってからにしておいたほうがいいな)
そんな会話を行っている間にも翔鶴、金剛が説明の為の準備を進めていく。大容量のノートパソコンとプロジェクターを取り出し、セッティングされていく。
多少の事情を知っている、坂本とミーナを除いた4人の視線が2人の手元に集中する。
「それは……なんだね?」
おずおずと左端にいる海軍軍人と思われる中将が聞いてくる。
「そうですね……正式名称はノートブックと呼ばれていますが、こちら風に言うのであれば
そんな会話をしている中でも準備は進み、坂本とミーナに対して説明する際に使用した資料を交えて始まった。
大まかな時代の推移から、国名の違い、第一次・二次世界大戦、日本が経験した太平洋戦争こと等を事細かに、その中でネウロイに対して、同じ作戦名が使われているのは驚いた。
そして、戦略爆撃・原爆の項目になったがその前にやっておかなければならないと思っていたことを実行に移す。
「あなた方は、原子爆弾や特殊爆弾なるものあるいはマンハッタン計画というものを聞いたことはありますか?」
原子爆弾には、馴染みがないのかピーンと来ていないようだったがマンハッタン計画という単語には反応が見られた。
「その様子ですと、こちらでもマンハッタン計画は実行されているのですね」
人同士の戦争が存在しないこの世界ならという淡い希望があったが、その願いは残念ながら叶わなかった様だ。この反応次第では原爆、核兵器の存在は徹底した秘匿を行おうと考えていたが、既に開発が進んでいるのならその危険性を訴える必要がある。
戦略爆撃と日本の迎撃戦闘、特別攻撃等の人間の狂喜を皮切りにB-29スーパーフォートレスによる日本への原爆投下の光景、水爆実験、原爆が投下された後の市内が映し出された時、腹の底からこみ上げてくる生理的嫌悪感を感じたのだろう、ミーナと坂本、ガランドの3名は思わず口元を抑えていた。加えて顔色も悪くなっている。それ以外の人物も大なり小なり衝撃を隠せないようだ。
「原爆投下後にソ連こちらのオラーシャから有効だった不可侵条約を一方的に破棄した後侵攻、その結果日本は御前会議によって無条件降伏を受諾を決定し、8月15日に玉音放送により降伏を宣言しました。」
「……こちらの世界と私たちの世界……どちらが良いかなど比べてはいけないものでしょうね」
「自分個人としてはどちらも大差ないと思いますよ、敵が人かそうでないかの違いだけですよ ――― 」
人による捉え方次第だが、この世界と自分の世界どっちがいいかというのは隣の芝生は青く見えるということわざのように人とは他人のものを羨むものだと思う。自分自身は民族間のわだかまりはこちらの世界の方が少ないし、結束力も上だとと感じる。
これも、ネウロイによる世界の団結(表面上)によるものだろう。
閑話休題
話は移り、21世紀の兵器の説明に変わった。
参考にするのは昨年度に行われた富士総合火力演習[総火演]を収めたDVDだ。隣国対策の離島奪還と、陸海空の密接な連携を伴った同時攻撃から、火力支援訓練などが行われている。
海・空双方の戦闘機(爆撃機)による爆撃デモ、10式戦車によるスラローム射撃、陸の自走砲と海の艦砲による同時攻撃・着弾訓練等々(富士山撃ちみたいなもの)
「話も終わったようなので言わせていただくが、そちらは何をお望みなのか?」
「まずは、物資の補給ですね。具体的に述べるのなら航空燃料と陸上車両等に使う燃料とこちらが要望する資源ですかね。後、根拠地としてこちらのルナエ島という島を譲渡していただきたいです。勿論、それ相応の対価はお支払いします。」
「具体的には ?」
「基本、技術情報の提供等がメインになりますが、それ以外の対価や範囲は今のところ限定させていただきます。」
「それは、なぜだ?」
「理由はあります。第一にこちらもあなた方もお互いのことを知らなすぎる為です。実際、最初に興味深い歓迎を受けたものですから」
そのことを聞いた上層部の連中は苦々しげにしていた。勿論、立場が逆なら同じことまったくやらないという確証はないが似たような対応をとることが想像できるため、深くは追求しないが ――――
「他にもありますが、70年以上という技術差がそれほど大きいということですよ」
はっきりと言ってやりたい部分がないこともないが、それを指摘するとこっちまで叩かれそうなことではある。(10代の兵士・ウィッチについて)
「それで、
「元居た世界に帰還する方法がある訳でもありませんし、一応緊急マニュアルによりこの場での全権は自分にあります……交戦した身としては我々も「ネウロイ」とは他人ごとではいられませんしね」
「それでは ―― 」
「ここに国防軍第1遠征機動打撃艦隊及び麾下兵力は連合軍に参戦、共にネウロイと戦うことを確約しましょう」
大まかな話が済み、詳細部分の調整に入ったところでそれはもたらされた。
「司令、御報告があります!」
「どうしたんだ、大鳳?」
「哨戒任務に出ていたE-2D/Eコールサイン「エクセル01」と護衛のF-3〔リッド隊〕より、敵ネウロイを確認とのことです!」
「分かった……一応確認するが誤報じゃないよな……了解、この機会に我々の実力を示しておくとするかな。大鳳、艦隊に第一種戦闘配置発令、空母群は即応隊四個全てを発艦させ、一個を直援につけろ。第二陣の準備を進め、第一陣発艦後十分以内に即時発艦待機まで持っていけ。」
「第1打撃隊と第1護衛隊、第2護衛隊及び駆逐艦2隻を増派し、航空隊とともに出撃させろ。」(14隻)
周囲への説明を行いつつもウィッチ隊の出撃に待ったをかけ、この場での戦闘を引き受けた。(ウィッチ隊も出撃態勢になっている)戦闘状況を説明するために追加の機材を搬入、設置を行うとちょうど先発隊がネウロイと接敵した。
「さて、それではご覧頂きましょうか。21世紀の対空戦闘を!」
話が進まない……申し訳ないです
後から出そうと検討している、作品の設定とか考えていてリリカルとセキレイの方はだいぶ先になると思います。
この作品もネタはあれど文章力のなさによって形にできていません。
どうか首を長くしてお待ちください