〜とある屋敷のあった跡地にて〜
ここは『紅魔館』という吸血鬼が住んでいると言われていた場所。
しかし、屋敷は跡形もなく、その影もない。
そしてその吸血鬼の姉妹「フランドール・スカーレット」と「レミリア・スカーレット」が倒れている。
そしてその姉妹の前には、二人に仕えていたメイドと執事見習いが二人を守るように立っている。
?「ふぅっ…、ふぅっ…、真白、まだやれるわよね?」
真白「ははっ、そりゃあ好きな人とならどこまでもやってやりますよ。咲夜さん。」
咲夜「ふふっ、戦いの最中なんだから、そういうのは終わってからにしなさい。」
真白「ええ。生きて帰ってこれたら、ですけどね。」
二人の目の前には、後に悪のカリスマと呼ばれる極悪人が立っている。
真白「さて、どうします?お嬢様方を少しでもここから遠くに離れさせないと。」
咲夜「…」
真白「…咲夜さん?」
咲夜「真白、私が囮になる。その内にフラン様とレミリア様を。」
真白「っ!駄目だ!咲夜さん!それじゃあ咲夜さんが!」
咲夜「真白、私の『個性』は特殊でね?ひとに『受け継がせる事が出来る』のよ。」
真白「咲夜さん!こんな時に何をっ…!?」
咲夜「真白、私の個性、貴方に託すわ。」ギュッ
咲夜が手を握った瞬間に咲夜の手から光が出る。その光は移動していき、やがて真白の体内に入っていった。
真白「咲夜さん。でも、『時を止める個性』がないと!」
咲夜「えぇ、流石に何分も稼げないでしょうね。」
真白「そういう事を言ってるんじゃないです!咲夜さんが死んじゃいます!」
咲夜「私はメイド長よ?貴方に戦闘のアレコレを教えたのは私よ?貴方よりは時間稼ぎは出来るわ。いいからフラン様とレミリア様を連れて逃げなさい。」
真白「嫌です!咲夜さんが死ぬくらいなら僕が代わりに!」
咲夜「いいから逃げなさい!!!」真白「っ!」ビグッ
咲夜「真白、フラン様とレミリア様を、頼むわ。」
真白「…………はいっ。」
咲夜「それと…」
真白「?」
咲夜「私も、貴方の事、好きだったわ。」
真白「っ!」
咲夜「さぁ、早く行きなさい!」ダッ
真白「〜〜〜〜!」ダッ
二人はそれぞれ反対の方向に走り出した。1人は時間稼ぎをする為に。1人は自分が仕える主の元へ。
二人共、涙を流していた。
〜〜〜〜〜〜
真白「…………」パチ
目を覚ます。そこは天井。
真白「また、あの夢か…」
(あれから、5年か…。)
真白「結局、あの後お嬢様方を安全な所に置いて戻ったけと咲夜さんは居なかった。あいつが連れ去ったのは確定だな。」
そんな事を呟いているとある事を思い出す。
真白「そういえば、あの時が確か10歳だったから…。」
歳相応の生活はしてないな。
(っと、もうすぐお嬢様方が起きる。朝食の準備をしないと。)
これは、僕が初恋の人の個性を受け継ぎ、最高のヒーローになるまでの物語だ。
…表向きは。
言い方を変えよう。
これは、僕が初恋の人の個性を受け継ぎ、『連れ去られた十六夜咲夜を取り戻す』、そして最高のヒーローになるまでの物語だ。
刃 真白(やいば ましろ)«男»
この小説の主人公。
5年前の10歳の時に初恋の人の「十六夜咲夜」をとある極悪人に連れ去られた。
紅魔館の執事見習いとして仕え始めたのはその2年前の8歳の時
買い出しに出かけていた咲夜に拾われたのがきっかけ。
それ以来、咲夜に武術やナイフの使い方を教えてもらい、フランの遊び相手やレミリアの話し相手になる。
10歳の時に後に悪のカリスマと呼ばれる極悪人の□□□・□□□・□□と対峙。
咲夜の個性である『時を止める個性』を受け継ぎ、フランやレミリアと共に逃げた。