ヒーラーとはいったい……
「理事長が海外出張により不在ということで今回は私が取り仕切る、まぁ、ほとんどのトレーナーは避難して残ったのがここ以外合宿場所が取れない、新人トレーナーだらけで私が最年長だからリーダーになるしかないだけだがな」
「なお今回の会議には第一発見者のオグリキャップと生徒会長のシンボリルドルフが出席するが構わないな。」
桐生院「あの〜」
「なんでしょう桐生院くん」
「先輩少しキャラが変わりましたね、この問題警察に通報すれば解決するんじゃないですか?」
「昨日の金曜ロー○ショーって何か知ってる?JA○Sだからな、通報したときイタズラだと思われて相手にされなかった。」
「第一10mのサメなんてなんとかするのは警察でも無理だろう。」
「オマケに陸にあがって動き回る。全力疾走すれば人間でも逃げられる速度だからいいがこれはかなりまずい」
「デモゴルゴンって怪物がいるが人間の全力疾走より少し遅い速度で追いかけてくる奴がいるがあれのヤバさは折り紙付き、なんせパニックに陥った人間よりは速いからな。」
「怪物がいるがアレだから気分的にはB級映画の世界に迷い込んだみたいだ。」
ルドルフ「トレーナー君、乃河トレーナーについては説明しなくていいのか?」
「俺は慣れたが説明が必要だな、俺の同期のアグネスタキオンのトレーナーの乃河悠一くんだ、元の姿はイケメンだが今は謎の未確認生物UMAになってる。」
乃河くん「どうもアグネスタキオンのトレーナーの乃河悠一です、タキオンの薬で発光したことがありますがこの姿になったのは初めてです。」
「ツッコミどころは沢山あると思うが第一発見者のオグリに話を聞こう。」
オグリ「…あのサメ?は海で腹筋や腕立て伏せやマラソンとかで全身のトレーニングをしていた時に見つけたんだ。」
「私はトレーナーが不安になっているから多めに腹筋をする為に速めに自主トレーニングをしていたんだ。そうしていたら海にとても大きな影が見えて近づいてみたらあのサメだったんだ。海からあがって追いかけてきた」
「その後は急いで逃げてルドルフと合流してトレーナーのところに行った。」
「さて、この話を聞いてどうにかできると思った人は手を挙げてくれ。」
ハイッ!と言って葵ちゃんが勢いよく手を挙げた。
「こういうときの為のマニュアルはありませんか?」
「あるけど役に立たんわ!マヌケ!先祖代々鋼の意志を継いでるだけはあるわ!
サメが出たときは備え付けられてる水中銃で誰かに退治してもらうことになってるが10mのデカブツにあんな棒が効くか、心臓に届くのも難しいはずだ。オマケにアレの皮膚はレジンなどの素材を容易く削ることができる。ぶつかるだけで大怪我の可能性もある。更に水中だけなら危険性は減るが残念ながら奴は水陸両用だ、陸で追い詰めることができても海に逃げられる、そうなると人間に恐れを持つようになって襲わなくなるか、人間に憎しみを持って人を優先的に襲うようになる怪物が誕生するかのどっちかだ。」
葵ちゃんがショックを受けている。
「ながながと言ったが言いたいことはやつの対処方法は今の所どこにもない。ただし我々で考えないといけない。」
鏡祥太郎「木原さん、言われたとおりサメの偵察をしてきました、大きさは正確には16m程で人間をわざわざ襲うような性格ではないようです。近くにある動くものに襲いかかるようです。発見時刻から一時間後ぐらいに海に戻りました。」
「いいニュースと悪いニュースをありがとう、聞いたと思うがジョ○ズの2倍ぐらいの大きさらしい。ジョブズではない、海に戻るということは長く居られないのか陸にいる必要がないのに気づいたかのどっちかだがまたあがってくる可能性はあるだろう。近くにある動く物体に襲いかかる、
ジョジ○のノトーリアスBIGかな」
「トレーナー君今日はキレッキレだな。」
「フハハハ!今の時代にこんなクソみたいなB級サメ映画みたいなことが起きるとこうなるよ。しかもデカさがジョー○の2倍の大きさというのが安直すぎる。タイトルはビッグシャークだな。」
ここからはルドルフの視点でお送りします。
正木君が大爆笑しているようだ、よほど頭にキテるらしい、今度サメのジョークを作ろう。
今は事件の解決だ、せっかくのトレーナー君との久しぶりの夏合宿だ、あんな怪物に台無しにされては困る。
ルドルフ「トレーナー君あのサメの対処方法は思いついたかい?」
木原正木「思い付いたがあのサメの鼻っ柱に蹴りを叩きこむのは考えたが無駄だろう、顔面に近づくのも危険だし、人間の蹴りが聞くような大きさじゃないだろう。」
「第一銃があってもあの大きさだ、倒すのは難しいし時間がかかる凶暴化して暴れまわる可能性もある。」
「トレーナー君、サメが現れた理由は何だと思う」
「古代の巨大ザメ、メガロドンが現代に復活したって言われても納得できるサイズと形状だ、ただし昔のサメが陸を動き回れたかは謎だ。」
「冗談はさておいて、陸で活動するサメなんていないからな、人の手が加えられているのは確かだ。何度もいうがアホな映画の博士以外あんなバケモノを作るやつはいない。」
トレーナー君も私と同じように人工的に造られた生き物と考えているようだ。
「トレーナー君、乃河トレーナーの変化とあのサメは同時期に発生した。この2つは関連があるように思う。」
「その場合容疑者はアグネスタキオンになるな、早速話を聞きに行こう。」
「桐生院さんに鏡さんもアグネスタキオンに話を今のうちに聞きに行くということで構わないかい。」
鏡さんも桐生院さんも私達についてきてくれるようだ。
アグネスタキオンの合宿部屋に向かった。途中でテイオーに出会った。
「カイチョー!ボクも一緒に手伝うよ!」
「テイオー、とても危険なんだ。君は連れていけない。」
「それなら尚更手伝うよ!ボク、カイチョーの役に立ちたいんだ!」
「ルドルフここは俺に任せてくれ。」
トレーナーは頼りになるな
「テイオー今回の作戦はチームを分けて行動している。エアグルーヴやナリタブライアンは逃げ遅れた生徒の避難誘導や巨大ザメの情報収集をしてもらっている。」
「テイオー君にはそちらに回ってもらいたい。そしてオグリを連れて一緒に避難しておいてほしい。」
「!?そうか…トレーナーは私をおいていくのか……」
「オグリ今回のような問題は本当はトレーナーや生徒会だけで解決すべき問題なんだ、テイオー、オグリは一人だと迷子になってしまう。一緒に連れて行ってほしい、頼む。」
「……トレーナーワカッタヨ、オグリ先輩は僕がしっかり安全なところに連れて行くからね。」
「その代わり今度はボクのトレーナーになってね!」
「あぁ、オグリが最強になったらな。」
テイオーが『イツニナルカワカラナイヨー』と言っているが。一年半後には最強になってもらう予定なんだがな。
「ルドルフ、タキオンを探すぞ。」
「トレーナー君、何か取り返しのつかないことになってる気がするんだが。」
トレーナー君まさかオグリの次はテイオーのトレーナーになるつもりなのか!私のトレーナーに戻って私と一緒に歩んでくれるはずじゃないのか…
「どうしたルドルフ?タキオンを探さないと解決は遠退くぞ」
「トレーナー君、君はオグリキャップを有馬記念に出走させるつもりかい。」
「あぁ、いま話すことではないが年末の有馬記念に出させるつもりだ。スケジュールは建てているがオグリにはまだ伝えていない。目の前のレースに集中してもらいたいからな。有馬を気にして菊花賞を勝てなくなれば元も子もないからな。」
「私も出走しよう。」
トレーナー君はあまり驚いてないようだが、桐生院さんと鏡さんはとても驚いている。
「今のオグリキャップの実力を測るためにも有馬記念で全力で勝負をする。」
これは敵対宣言と言えるだろう、それでもトレーナー君の表情は変わらない。君が育てたトウィンクルシリーズ最強のウマ娘皇帝シンボリルドルフの宣戦布告を受けてもトレーナーは微動だにしない。
少しだけ木原正木トレーナーの思考
ルドルフはトレセン学園に在籍している最強のウマ娘だその凄さは俺が彼女を育てた功績だけで、特別な資格を貰える程だ、彼女のG1勝利回数を伝えてなかったと思うが10冠だ、彼女の目標は7冠だったようだが出れるG1を片っ端から出続けて10冠だ、そりゃ記者もルドルフはつまらないって言うよ。
勝負服に付いてある勲章より多くのG1を勝利している。
彼女を育てたことで俺にはある願いができた。
ルドルフがトウィンクルシリーズを席巻した時にこの最強の彼女をもうひとり最強のウマ娘を育てあげ倒したいと思った。
オグリの気持ちに任せるが恐らく遅かれ早かれ彼女たちは激突する定めだったんだろう。
オグリは強いウマ娘と競い合いたい、ルドルフはすべてのウマ娘が幸福な世界の為に強さを示さなければならない。
ルドルフとぶつかるのはもう一年先だと思っていたがタマモクロス、スーパークリーク、オグリにはライバルがいる。
だが彼女は今頂点に立ったことで生徒会の仲間たちもついてきてくれているが、戦う相手としては孤独になってしまっている。彼女の玉座は私が破壊しなければならない。
そしてオグリに海外で惨敗したルドルフの代わりに、日本のウマ娘の強さを見せ付けること、それが俺のもう一つの夢だ。
ルドルフの視点
「トレーナー君ここがアグネスの部屋だ。」
トレーナー君が高速でノックをする、鍵は掛かっていない。勢いよく開ける。
「アグネスは何処だ!」
「ひいぃ、アグネスデジタルです〜」
「違うわ!やばい方のアグネスのタキオンだ!」
「二号くん少し静かにしてくれないかい、今キミにも使用した薬をウマ娘にも使えるように更に改良しているところだ。」
「そうかそうか、ところで今の乃河くんを見てもらいたい。」
「タキオン、姿が変わりましたが私です、美しくなりました。」
アグネスタキオンが絶句している、デジタルの方は目を輝かせているようだ、トレーナー君は話を進めるためにショックを与えたようだ。
「タキオン今外で巨大ザメが出現している、何か心当たりはあるかい?」
「………私の薬では巨大化はしないはずだが……」
「乃河トレーナーはこの姿になってから体重が500kg程になっている、身体能力は格段にあがったようだけどね。」
「私の薬で巨大化やその姿になったのなら二号くんにも効果が起きている筈だ。結果が早く出るように効果が十倍早く出るようにしたからね。」
トレーナー君を研究に使ったようだ、許せないが事件の解決後に処分しよう、
「俺の体力が上がったのも飲んだ当日だけだ。失敗作だったのか、他の要因があるかどれかだな。」
「二号くんその後食べた物や飲んだものはなんだい、それと何か特別な行動はしていないかい?」
「特段変な行動はしていないが寝る前にコーラを飲んで遅めの食事を取っただけだ。合宿中は食事を作るのが面倒だからカップ麺を作った。」
「トレーナー君、カップ麺だらけでは栄養が偏るから私が食事を作ってあげよう。」
遊びに行く口実ができた。処分は軽くしよう
「そうか!モルモット君その姿では私の弁当が作れないじゃないか!」
「タキオンすみません、どうか美味しい料理の作り方を覚えてください。」
乃河トレーナーとアグネスタキオンが弁当の話を始めたので遮った。
「とにかく実験としてモルモット君にコーラを飲ませようその次はカップ麺だ。」
乃河トレーナーはとても食べづらそうだがコーラを飲んでいる。
「あとは少し時間が経つのを待っていてくれたまえ。」
2時間後
乃河トレーナーがヒトの姿に戻った。桐生院さんがとても驚いている。アグネスタキオンが安堵の表情をしている、トレーナーが急いで乃河トレーナーを移動させて服を用意した、元に戻ったら全裸になるのを危惧していたんだろう。
トレーナー君の携帯から音楽が流れるどうやら電話がかかってきたようだ。
トレーナー君が相づちをうって話を聞き出している。
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「タキオンあのサメは君の薬が原因のようだ」
「どういうことだ、二号くん」
「鏡君から連絡があったが再び陸にあがってきた。今度は四本脚でさっきの乃河くんのようなUMAのような姿らしい。」
「君が原因だと確定した。残念だが一旦確保しなければならない」
トレーナー君がカッコよく決めている。
「私が思うにあのサメはキミが海にぶん投げた、薬品で変化したものだと思うんだが。」
「君があんなもの作らなればこうはならなかったんだぞ!」
「キミが海に放り投げなければここまで大事にならなかったんだ!」
「トレーナー君今は問題解決が先だ。」
「解決方法はいたってシンプルサメの口の中にコーラを入れるだけだ、正直いって乃河君がコーラで戻ったのも訳わからんが解決するならそれは些細なことだ。実は俺最近コーラのステマを延々としているような気がするがもう気にしないぞ。」
トレーナー君がそう言ってコーラを用意すると言って部屋をあとにした。
私達は作戦を用意してトレーナー君を待った。元に戻るのに2時間かかるのも考えて作戦を考えた。
トレーナー君が2Lのコーラを5本用意してやってきた
トレーナー君に作戦を説明した、私が一旦おとりとなってサメの前で走り、誘導して、走ってサメが疲れたあとトレーナー君達にコーラを口の中に入れてもらう。
これが今回の作戦だトレーナー君は少し不安そうだが了承して、早速作戦を決行した。
ビーチ
まず私がサメの前に立って走る。
サメが私を追いかけてきた、第一段階は成功だ。
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もう三十分以上走っているがサメが一向に疲れない。
このサメはどうやら足が生えて速くなり体力の消耗が少なくなったようだ。朝のときは簡単に逃げられたものが振り切れない。だがあと三十分は逃げれる筈だその前に体力を消耗させればいい。
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あれから二十分ほど経った、ビーチでは普通に走るより多めに体力を消費するようだ、私の方が先に限界が来てしまったようだ。
私の体が砂浜に倒れ込む。
最後はトレーナーの側と決めていたがどうやらそれは無理なようだ、最後に見た顔は不安そうな顔だった、最後に見る顔はやはり笑顔が良かったのだろう。
私は後悔している、学園の問題を解決できずに夢を叶えることも出来ずに私が消えてしまうのがとても悔しい。
地平線からすごい速度で走る人影が見える。
私が一番見たい幻覚だ、最後に幸せな気持ちになれた。
私の体はサメに食べられるのだろう、両親にはこんなことになってしまったことを不甲斐ないと思っている。
サメの口の中は想像より暖かった。それにさっきまで嗅いでいた筈なのに懐かしい香りがする。
「ルドルフ今君が3年前にされたがっていた、お姫様抱っこをしている。」
「……トレーナー君どうしてここへ?」
信じられない、トレーナー君が私を助けに来てくれたようだ。
「お姫様抱っこは無反応か、ルドルフ一人で犠牲にするようなことをさせてすまない、エアグルーヴを呼んでいるから、安心して休んでくれ。」
「……トレーナー君、とても脚が速いんだね。」
「タキオンが作っていた薬を大急ぎで5本飲んだ、単純な薬で飲めば飲むほど体力が強化されるようだ。」
「それと猛スピードで逃げてるから手荒になるかもしれないけど許してくれよ。」
そう言ってトレーナー君は私をエアグルーヴの方向に放り投げた。
私はエアグルーヴの側で安心して休んだ。
トレーナーの視点に戻ります
「ルドルフから引き継いで一時間以上走ってようやく疲労してきたようだな。」
サメの動きがようやくゆっくりになった。
コーラを口に放り投げようとしたとき、私の手がUMAの形になった。
「嘘だろ……」
ガブッと頭から逝かれた。
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「……変な夢だったな。」
「一日頑張って働く夢かつ、自分が死ぬ夢を見ると朝から元気がなくなるな」
しかし夢で良かった。あんな冗談みたいなことで死にたくないからな。
着替えて部屋を出よう。
UMAがいた。うん、これは『時計』だな。
「乃河君サメのことは覚えているかい。」
「えぇ、もちろん覚えてますよ。木原さんしっかり頭から食べられてましたから。」
「たづなさんから説明は受けていると思うが本来『時計』は一人3回までだ、俺はもう使い切っている。乃河君が使うしかないはずだ。」
「時計は自分のウマ娘に関わることにしか使えず、自動発動するようです。私の場合はタキオンがあのことで薬を作るのをやめることがトリガーになったようです。」
「ただ木原さんがあの時のことを覚えているのに驚きました。使用者しか覚えていない筈です。」
「俺はしっかり夢を覚えておくタイプだからな。そのおかげだろう。細かいことはいいからコーラを飲んでくれ。」
「えぇ、もちろんいただきます。それと実は私も昨日のJAW○を観たんですよ。」
「なるほど、感想を言ってくれ。」
「映画は面白いですけど、現実だと巨大ザメは嫌ですね。それにJA○Sと比べたら悪いですね、私達を襲ったのはかなりB級ですから。」
「そのとおりだな、さぁ、ルドルフとオグリが来る前にコーラを飲んでくれ。」
「あの後大変でしたよ、時計が発動するまででしたがルドルフさんずっと泣いてましたよ、あんな姿始めてみましたよ。オグリさんは冷凍庫に入ってあるおにぎりを泣きながら食べてました。」
「今回はそうならないさ。どうすれば助かるか予想は建ててある。」
昨日に戻ってくれれば薬を飲み干してコーラを飲めば万事解決だが、朝に戻ったので、他の方法を取る。
一つの行動を変えるだけで充分だったようだ。そうテイオーとオグリにも手伝ってもらうことだ、こうすることでルドルフのスタミナは解決される。アグネスデジタルにも手伝ってもらったが一番スタミナがあった、愛の為せる技だな。
ルドルフは意識してなかったと思うが取り返しのつかないこととはそういうことだろう。
それに心なしかオグリの根性とスタミナが鍛えられた気がする。成功ということだろう。
サメは二度と発生しないのでまた明日から普通の合宿だ、いろんな人間が『時計』を使って何度もやり直さない限り大丈夫だ、終わらない夏休みは絶対にあってはならないからな。
夏合宿はまだまだ続きます。具体的には8月まで続きます。そのあとはハイスピードで展開が進みます。