12月が始まる頃
雪がシンシンと降り、木々にも降り積もり美しい情景が広がるトレセン学園、そして朝早くに練習場に積もった予想外の大雪を轟音の中除雪する理事長と我々。
グォーン!グォン!グォン!
……広いおかげで騒音などがあっても外には聞こえないのだ!
「理事長!そのマシンがあれば我々は不必要なのでは!」
「否定!このマシンは雪が積もっているとパワーが足りなくなる。」
「なるほど!だから我々もスコップで雪かきするんですね!」
理事長代理がふんふん言いながら雪を退かしている。あっ倒れた。ココンとグラッセが呼びかけながら運んでいる。
桐生院「先輩、すごい雪かきうまいですね。」
「イヤミか、君のほうが圧倒的に除雪できてるぞ。」
「トレーナー見てくれ、用務員のおじいさんがすごい量の雪を運んでいるぞ。」
「凄いな、俺達より体力ある、しかしオグリごめんな、練習場がこれでまともに朝練ができなくてすまない。」
「昼からの練習までに使えるようにするために私も精一杯手伝うから、任せてくれ!」
「私もあれだけの雪を運べばトレーニングになるかも知れない。私は用務員さんの手伝いをしてくる!」
「あぁ、この前腰をやってたからしっかり手伝ってくれ。」
二百キロ以上のバーベルを持ち上げるオグリにあれがトレーニングになるかはわからんがいいことなので送り出そう。
目が滑りっぱなしですまないがそういうことだ。
ちなみにこの雪はどうかなるのかというと運んだあと生徒たちが雪合戦をする。彼女たちも中学生と言うことだ。
クリスマス頃にもう一度大雪が降るとニュースで見たがその時はオグリはファン主催のクリスマスパーティに出るからその日以外に降ればいいけどな。ホワイトクリスマスにも限度がある。俺は出席するつもりはない、たまにはファンと水入らずになってもらおう。
いつもは芝を管理してくれる人がいるが大雪で遅れるそうなので我々で除雪するしかないのだ。
「トレーナー君、除雪活動への協力感謝する。」
「気にするな、生徒たちの指導が俺たちの仕事だからなそのために準備しているだけだ。」
そうは言っても雪かきは大変だ、12月は有馬記念を始め大きなレースが多いからコースで練習をする生徒が増える。一刻も早く雪をどかさないと行けないのだ。さっきから雪かき大変と言い続けているがそれだけ大変と言うことだ。
生徒会の仕事を適度にサボるブライアンもレース場で走るために手伝ってくれている。というかトレセン学園の生徒会が激務すぎるんだ。日頃の仕事に雪かきまで手伝うってそらブライアンもサボるよ。
様々なことを適当に考えながら雪かきを続けた。
途中オグリが雪を運ぶのを手伝ってくれたり、桐生院が凄まじい動きで転けそうになっていた同期を助けたり色々あったがつつがなく終了した。
そうしたあと生徒たちを朝の授業まで見送ったあとそれぞれの仕事に戻る。俺は偵察で得た資料の閲覧と対策づくりそしてオグリにあったトレーニングの考案と色々する。練習中の栄養補給用のスポーツドリンクとかを作る。チームトレーナーだとサブトレーナーがこういったことをするところもあるので少しだけ楽ができるようになる。
なお乃河くんは鏡くんのチームキャロッツのサブトレーナーだがドリンクなどを用意するのを禁止されている。何故ならタキオンのトレーナーだからだ。
まぁタキオンは一応許可を取ってからのませにくるけどな
俺も理事長にチームトレーナーをしてほしいって頼まれてるけどオグリへの指導が終わるまで待ってもらっている。その後はどうするかは考えていない。まぁ普通にチームを作ると思うが。
そういったことを考えながら仕事をしているとエアグルーヴがやってきた。
「授業中に来るとはどうしたんだエアグルーヴ?」
「今は休憩時間だ。貴様に頼みたい仕事がある。」
エアグルーヴは俺にクリスマスの日に一人暮らしのウマ娘にプレゼントを届けることをしてほしいそうだ。
「寮のウマ娘にも届けるのもしようか」と提案したが今年は鏡トレーナーと桐生院トレーナーが届けてくれるそうだ。
プレゼント選びも手伝うのでこの時期に話が回ってきたというわけだ。
あと5年前までは俺の師匠のトレーナーがプレゼントを配ってた。立派な髭を蓄えたお爺さんだから純粋な生徒はサンタを信じてくれた。
中学生になっても信じてるのは流石にピュアすぎる。
三年前に俺は乃河くんと寮のウマ娘にプレゼントを部屋に届けた。途中起きていたウマ娘に『サンタさんだぁー』と追いかけられたが二手に分かれて撒いた。
なおバレないようにしなければいけない、本来トレーナーはウマ娘寮に入ってはいけないからだ。
あと純粋な子供の夢を壊さないように決して正体がバレてはいけない。でも高校卒業までサンタを信じさせるのは不可能だと思う。
俺は今年は一人暮らしの生徒にプレゼントを届けるからそこいらへんはかんがえなくていいな。
マルゼンスキーやミスターシービーはそこいらへん大丈夫だろう。
ちなみに専属トレーナーはプレゼントではない。毎年こっそりやってるアンケートで欲しいプレゼントの欄に専属トレーナーをかく生徒もいるが人手不足なのとそうそういいパートナーが見つかるはずもないので無理だ。理事長が昔いろんな生徒に対応できるように生徒に合わせたトレーナーを作りたいと言っていた気がするがトレーナーを作るというのはよくわからないし首を突っ込むと怖いことになりそうなので忘れることにしよう。
ということでアンケートの結果を見てみよう……
マルゼンスキーはなんとかなるがシービーのほうがわからない、まさかアンケートに答えていないとは基本的にほとんどのウマ娘がアンケートに答えるがここに来てタブーを破るとは……いや違うなジンクスを破壊したんだ。
『ジンクスは破壊してこそです!』セェーガー
最近聞いていないSEG○の音と謎の声を聞いた気がするが気のせいだろう。
………!これだ!
電話を取り出し同期の名前を選ぶ。
「之河くん少し懐かしいものを探して買ってきてほしいがいいかな」
「えぇ、エアグルーヴさんにサンタさんの手伝いをしてほしいと頼まれていたのでもちろん手伝いますよ。」
「いややっぱり新しい方にしてくれちっちゃくなったやつのほうがソフトを色々揃えなくていいからな。」
「わかりました、時代が求めた例の16ビットのものですね。」
「察しがいいね、流石は同期一の天才だ。」
「ハハハ、もう同期半分もいないんですけどね。」
「あと新型が開発中だがそっちは興味が出たら来年のプレゼントに書いてくれるだろうし、好きなものを調べるのに丁度いいからな。」
「来年のことも考えているんですね。それでは僕はタキオンの弁当を作るので失礼します。」
サンタの仕事も入ってしまったがそれよりオグリの有馬記念が重要だ。
……この時期になると考えることが増えるな。
今日もオグリのトレーニングを見よう。
練習用レース場
「トレーナー今日はなんの練習をするんだ?」
「今日はヤエノムテキを連れてきた。併走をするぞ」
雪かきを手伝ってくれたときに併走を頼んでおいた。来年以降ぶつかる相手かもしれないのでちょうどいい相手だ。
「よろしくお願いします」
ヤエノムテキが左手を差し出した。
オグリが両手で握り返した。
ヤエノムテキは困惑している。
「私も今日はよろしく頼むぞ」
そう言ってオグリはヤエノムテキから外側に立った。
……オグリ天然なところあるんだな。
菊花賞以来の顔合わせで左手を差し出し(利き手と逆の握手はマイナスの意味があると言われている)まさかの宣戦布告とはなかなかやると思ったがオグリの天然が勝った。併走で外側に立つのは速い方のウマ娘が基本だ。
土壇場で皐月賞に現れたオグリに敗北しダービーはチヨノオー共々オグリに再び敗北し菊花賞で共にクリークに敗北したが強敵であるのは変わりない。皐月賞の時の鬼気迫る走りはとても恐ろしかった。オグリが居なければ彼女が勝っていただろう。チヨノオーもそうだ。
三時間後
「走っていれば体は暖かいが止まるととても寒いな。」
「……今からでも勝負服のへその部分暖かくしようぜ」
「今日の併走はここまでですか?」
「今日はありがとうな。雪も降ってきたし今回はここまでだ、一時間後には止むらしい。」
「ということで飯でも奢ろう。いい練習相手になってくれた礼だ。」
「トレーナー私も一緒に行っていいか」
「もちろんだ」
「あまり人から施しを受けるばかりではいけないのですが…」
???「見つけたよ。貴方カレンのお兄ちゃんと一緒にいた人でしょ。」
突如背後に恐ろしい気配を感じオグリの方に逃げてしまった。
「アッ、貴方はカレンチャン!」
なぜ喜んでいるんだ。
「トレーナー彼女は何者だ?」
「……わからん、俺の知り合いにこんなかわいい妹がいるやつなんて居ないはずだ。」
……いや待てよ、俺の後輩に母親が再婚して美少女の妹ができたとはしゃいでいたアホがいたなその妹か?
「君はまさか円堂の妹……」
「なにその名前、あんまりカワイクない気がする。」
「私のファンの人もいるみたいですし、これからあそこのカフェでゆったりしながら少し『おはなし』しませんか」
話しくらいなら聞いてあげたほうがいいんじゃないか…
一時間後
「カワイイカレンチャン!!」
「トレーナー一体どうしたんだ」
「カレンってば少し加減を間違えちゃったみたいこんなんじゃ全然可愛くないからもっと修行しなくちゃ」
ウォーカレンチャンカワイイ!
「カレンチャン貴方のお兄ちゃんはチームキャロッツのサブトレーナーをしています。」
「私がそのチームの所まで案内いたしましょう!」
「トレーナー感情の変化がすごすぎないか」
「フフ、ありがとう早くお兄ちゃんの所に案内してね」
チームキャロッツの練習場
「モルモットくん今日は寒すぎるから今から屋内トレーニングにしよう。」
「タキオンでは気分転換に将棋をしましょう。あなたは賢いですが鍛えておいて損はないでしょうしね。」
「見つけたよ!お兄ちゃん!」
「貴方は無人島に現れた謎のウマ娘!」
「モルモットくんカワイイ妹がいたんだねぇ。私に紹介してほしかったよ。」
「謎のウマ娘じゃないよ!お兄ちゃん昔カレンと約束したことを忘れたの!?」
「………ハ!?」突如思い出される記憶
「貴方のことを思い出しました。私はとんでもないことを言っていたんですね。そして貴方は夢に進んで私の前にもう一度現れました。どうか今は私のチームに入ってください。」
「喜んで入るよ!」
fin
「……改めて冷静になると何が起こってるか何もわからないなニュー○イプの会話か」
「トレーナーは正気を失うのは早いけど戻るのも早いな」
オグリのファン感謝イベントが近いがこんな調子でいいんだろうか。
之川トレーナーは正気ですがハジケリストの素質を持っています