ウマ娘オグリン伝説   作:まとらよ

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お米とのりで美味しくご飯を食べよう


芦毛の食いしん坊

 さて、改めて自己紹介をしよう。オグリキャップのトレーナーの勤続5年目の凄腕中堅トレーナーの木原正樹だ。私の現状について説明したいというかする。

 

ルドルフを無敗の三冠ウマ娘にしてから2年がたった訳だが、実は私は故郷の高校を卒業したあと、すぐさまトレーナー試験を受けて合格した。かなり珍しいパターンだ。しかし、教員免許というのは高校卒業だけでは中学生までの教育しか出来ないのだ。

 

それにより、ルドルフと別れた訳だが、その後理事長からある物を貰った、それは特別免許状と呼ばれるものだ。これにより私は高等部の教育ができるようになった。

本来の物は10年更新だが私のものは、5年更新であり、長いスパンのウマ娘教育において、失敗はかなりまずい、結果を残せなければ、私は高等部ウマ娘の教育資格を失ってしまう。

 

そうなるといいところまで、育成したウマ娘を他のトレーナーに掻っ攫われることになってしまう。

 

そしてそれを受け取ったのがルドルフと別れた直後の2年前だ。つまり3年以内に結果を残さなければ私の特別免許状は取り消されるわけだ。

 

そして今は2月後半、私としては制度が変わったお陰で出走できるようになった、皐月賞に出て欲しいがそのためには、G3かG2を勝たないといけない、そのためにオグリと相談したいんだが、オグリに負担を与えないようにスケジュールを組まないといけない。相談したいんだが……

 

 

 

 

午後から授業で模擬レースがあるという、オグリキャップと、昼食を一緒にとることになった。

 

 

 

もう驚かないが、傍らに置かれたバッグには、とんでもない量のパンやおにぎりか詰め込まれている。

 

 

オグリ「購買部で買ってきたんだ。これでエネルギー補給はバッチリだろう。」

 

 

「すごい量だな、何食分だ?」

 

「一食分だ。」

 

「相変わらず凄まじい量だな、慣れてしまった。自分に驚いた。」

 

「腹八分と行ったところか。食べ過ぎたら、動けなくなってしまうからな。」

 

「腹八分!?」

 

「カフェテリアだと制限なく食べてしまうから、たまにこうして購買部で買って済ませるんだ。」

 

 

買い込んだ食料を広げ、オグリキャップは【いただきます】と丁寧に手を合わせ食事を始めた。

 

青が広がる空の下、まるでブラックホールに飲み込まれるように食料がオグリキャップの中へ吸い込まれていく

……。

 

「ごちそうさまでした。」

 

「よく噛んで食べたか…?」

 

「もちろんだ。」

 

「『いただきます』『ごちそうさま』そしてよく噛み味わうことが食べ物を作ってくれた人に対する感謝だとトメさんに教わった。」

 

「……大事なことの多くは、故郷の人たちに教わったんだ。恩返しのためにも、私はこの学園でまた成長しなくては。」

 

「……ああ。トメさんと言えば、よく差し入れにくれたおにぎりは美味しかったな。私の大好物だったんだ。」

 

「まん丸で砲丸のように大きくて、しっとりしたのりに巻かれていてな。」

 

「具も盛りだくさんで、焼いたタラコや高菜の漬物、昆布の佃煮が入っているんだぞ。」

 

「どこから頬張ってもすぐに具材にいきついて、とても幸せな気持ちになれるんだ。」

 

(ぐぅぅぅ〜……)

 

「む……思いだしたら、またお腹が……。腹八分目には少しばかり足りなかったか。」

 

「ううむ……買い足すにしても、今から購買に行って間に合うだろうか……。」

 

「私のおにぎりをあげよう。」

 

「……!もらっていいのか?」

 

「ふふっ、ならば遠慮なくいただこう。」

 

ボケたつもりだがボケが微妙すぎた。全く気づかれない言い方がなんか微妙に下ネタっぽいだけだしな。

 

そんなことを考えていたら、オグリキャップは目を輝かせながらおにぎりを取ると、すごい勢いで食べだした。

 

そして、あっという間に用意しておいた3つのおにぎりをすべて平らげてしまった。

 

「ごちそうさまでした。時にトレーナー、これは君の手作りなのか?」

 

「トメさんのおにぎりと同じだ……とても優しくて、心がぽかぽかしてくるような、そんなおにぎりだった。」

 

「何か特別な握り方でもしているのか?」

 

「握り方は普通だ、ただ特別な海苔を使っている。」

 

「どんなのりなんだ?」

 

「俺の故郷の名産品の味付け海苔だ。俺の故郷は他にもにんじんの出荷量が3番目に多いとか踊りの祭りが県の最も大きな祭りだったり、そんな場所だ。」

 

「塩とか醤油とかの味がよく効いててうまいだろう。」 

 

「のりも美味しかったが他になにかあると思うんだ。」

 

「本当に適当に握っただけだぞ。」

 

「……技法では無いとなると、他になにか秘密が?良ければ、今度キミが握ってるところを見せてくれないか?」

 

「こっちに出てきてから、このおにぎりの味が恋しくてな。自分で握れるようになりたいんだ……お願いできるだろうか。」

 

「構わん、むしろ毎日おにぎりを作ってやるぞ。」

 

「……!ありがとう!君にトレーナーをお願いして本当によかったと思っているぞ。」

 

「久しぶりに食べた優しい味で、お腹も気持ちも満たされた。トレーナー、午後の模擬レースは期待していてくれ!」

 

 

その言葉通り、オグリキャップは模擬レースで圧倒的な勝利を収めてみせた。

私のおにぎりがオグリキャップの力の源になれたのは嬉しかったが……。

 

(ぐうぅぅぅぅぅ………)

 

できれば1つぐらい残しておいてくれたら良かった、と少しだけ思うのだった。

 

 

 

オグリキャップとレース後話した結果、弥生賞に出ることになった。ファン数が不安だったがどうやら笠松時代の記録も加味して出走できるらしい。

 

中央初のレースだ、しっかり支えてやらないとな。

 

数日後

 

俺は1つ恐ろしいことに気が着いた。

あれから毎日おにぎりを作っているが、オグリキャップがお腹一杯になるには最低でも30個は必要だと言うことに、またオグリキャップの食欲には限りはなく、食事のあとに食べ物の話をするとさらにお腹が空いてしまう。トメさんは何者なんだ本当に

これの分を加味すると1日50個あると確実だ。

少しでも不満を残さないために50個毎日作っている。おにぎりを作り続けることがこんなにも苦しかったのか、私は後悔している。

 

「トレーナー!今週の週末念入りに練習したいから3食おにぎりを作ってくれないか?」

 

私は自分の頭がおかしくなったのかと考えた。

 

とりあえず言葉を思い出そう。

 

【3食おにぎりを作ってくれないか?】

 

ふまんをのこさないようにしないといけないんだった。

 

「アア!モチロンダ。イクラデモツクッテヤルゾ!」

 

「キミノ、エガオガ、イチバンノホウシュウダカラナ!」

 

 

「……トレーナー!私のためにありがとう。君の作ってくれたおにぎりで必ずレースで優勝してみせる!」

 

私はおにぎりを作り続ける機械になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

弥生賞のレース後

 

 

実況「強い!強すぎる!8馬身以上の着差で勝利したのはオグリキャップ!」

 

 

 

というわけで見事皐月賞への切符を手にした。オグリキャップだった。

 

 

弥生賞まで毎日おにぎりを作り続けた私は母の日に感謝の気持ちを伝える大切さを本当の意味で理解できた気がした。

 

 

 

 




皆もママを大切にしてね。
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