OVER RIDERS:百鬼夜行〜Worst and best matching〜   作:桂馬

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二話:傷だらけの邂逅

先の戦闘の翌日。

ラボの自室で、新田は考え事をしていた。

 

(これからどうすべきか……戦闘に関しては一対一なら問題なく圧倒できる。ただ一対ニだとどうなる?もしくはもっと多くの敵がいたら?頼れるのは自分一人だ。そのためには……新しい兵器を作らなければ)

 

鈴「よし、対複数の戦闘で有利に立ち回るための装備を作ろう。雑魚散らしに役立つような装備を」

 

カフェからテイクアウトしたコーヒーを飲み干し、ゴミ箱に捨ててから立ち上がる。

 

鈴「そうと決まったら作成開始。工場借りますか」

 

新田は部屋を出て、ラボの一階へ。

そこには最先端の設備が揃った工場があり、数人の発明家が作業をしている。

 

鈴「失礼、隣借りるよ」

 

発明家A「…………」

 

無視……というより集中してて気付いてないだけだ。まあいつものことだが。

 

鈴「ま、こっちはこっちで気にせずやりますか」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

鈴「……さて、こんなものかな」

 

半分ほど作業を終え、若干ふらつきながら立ち上がる。

時計を見るとすでに夜中の2時を過ぎていた。

 

鈴「ありゃりゃ。思った以上に時間取ってたか」

 

使っていた機械の電源を落とし、装備を外して元の場所へ。

あくびをかみ殺しながら重い足取りで自室へ戻る。

……そして自室へ戻ったらベッドにダイブし、そのまま眠る。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

鈴「……んん」

 

目を擦りながら起き上がる。

ふと時計を見ると……朝の8時過ぎ。いつもよりは眠れているらしい。

 

鈴「……うん。シャワー浴びるか」

 

着替えを掴んでシャワー室へ。

シャワーを浴びてから着替え、バイクで外へ。その辺のファストフード店で朝ご飯を済ませると、すでに10時を過ぎていた。

 

鈴「ご馳走様。ここから帰ってアレを作ろうかな……っと」

 

『warning。warning』

 

鈴「この通知が来たってことは……スラッシャーかぁ」

 

地図に示された場所は、ラボの近くにある山の奥。

放っておいても被害は出ないかもしれないが、放っておく理由もない。

バイクにスマホをセットして、ヘルメットを被り現場へ向かう。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

男は、木の上でで目を覚ます。

 

???「……傷は治ってる。なら……もう一度あいつらを探さねえとな」

 

その辺に実っていた果実を一つ貪ってから、男は木から降りて歩き出す。

 

数分とたたず、男は目的のものを見つける。

実っている柘榴を、自身の爪で切り落として貪る怪物……スラッシャーを。

 

???「見つけたぞ……てめえらぁっ!」

 

スラッシャー「グゲッ!?」

 

男はスラッシャーに殴りかかる。しかし、スラッシャーには傷一つつかず、逆にスラッシャーの反撃に遭い吹っ飛ばされる。

 

???「クソが……っ!」

 

しかし、男は立ち上がってもう一度スラッシャーに向かっていく。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

鈴「……このあたりかな」

 

反応が近くなったところで、バイクを降りてベルトをつける。

……そんな新田の後ろで、ガサリと音が鳴る。

 

鈴「ッ!そこにいたか!」

 

スラッシャーA「グガァッ!」

スラッシャーB「ガッガァ!」

 

茂みから顔を出したスラッシャー二体は、真っ直ぐに新田に襲いかかる。

 

鈴「まとめて相手してあげよう」

 

『メタルアックス』

『ポイズンボム』

『コンプリート。一致率75%』

 

鈴「変身!」

 

『バトルモード"紫毒のヴァルキリア"。いざ、開戦!』

 

新田は斧を手にして、向かってくるスラッシャー達に攻撃する。

 

スラッシャーB「ガアッ!?」

スラッシャーA「ゴガッ!?」

 

鈴「単純な動きなら問題ないかな」

 

スラッシャーA「ゴッ!ゴガゴガッ!」

スラッシャーB「ガッガァッ!」

 

今度はスラッシャーの一体が前に出て、新田に近づき爪を振り上げる。

新田は横へ回り込んで躱し、そのまま斧で一撃を叩き込む。

 

スラッシャーA「ゴアッ!」

 

しかし、新田の後ろにスラッシャーが回り込み、爪を無防備な背中に叩き込む。

 

スラッシャーB「ガガァッ!」

 

鈴「うぐっ!?」

 

その隙を見逃さず、もうひとりのスラッシャーも新田に攻撃を仕掛ける。

 

スラッシャーA「ゴッ!ゴアッ!」

 

鈴「っ……!痛ぁ……!」

 

容赦のない二連撃が、新田の腹部に入る。

新田は吹き飛ばされた衝撃で枯葉の上を転がり、木の根にぶつかる。

 

鈴「……ここは、一旦こっち……!」

 

二つのコアを外してから、青色のコア……"ブルーランス・コア"と黄色のコア……"イエローバレット・コア"を取り出し、セットして横に倒す。

 

『モードチェンジ!"氷海のスナイパー"!百発、百中!』

 

氷の塊が埋め込まれたかのような装甲と、その氷の間を雷のように走る黄色の線。腕には銃が握られている。

 

鈴「こういう奴らには……遠距離戦だ!」

 

引き金を引き、数発弾丸をスラッシャー達に打ち込む。そして周りに人がいないことを確認してから、スラッシャー達と距離をとりながら弾丸を打ち込んでいく。

 

スラッシャーA「ゴォッ!?」

スラッシャーB「ガガッ!?」

 

鈴「一気に決めてやる!」

 

"ブルーランス・コア"を銃にセット。

すると青い光がバレル先端に集まっていく。

 

鈴「……今っ!」

 

十分に溜まったところで、スラッシャー達に銃口を向けてトリガーを引く。

すると青いビームがバレル先端から吹き出し、スラッシャー達は爆散する。

 

『変身解除』

 

鈴「……はぁ。なんとか、なったけど……思った以上に消耗が激しいな。早急に対策を考えなきゃ……」

 

肩で息をしながら、木の幹に背を預ける。

そして静まり返った森の中に……自分以外の、誰かの呼吸音が聞こえる。

 

鈴「……誰?」

 

……返事はない。

しかし、荒い呼吸音は聞こえる。自分の後ろから。

意を決して振り向き、その音の主の方へ歩いていく。

そこにいたのは……ボロボロの服を纏った、1人の青年だった。

 

鈴「……!?だ、大丈夫!?」

 

???「……だ、大丈夫だ」

 

鈴「……なわけないでしょ。とりあえず応急処置するから……」

 

???「必要ない……それより、早くここから逃げろ……」

 

鈴「逃げろって、なぜ……?」

 

???「バケモンがいるんだよ、この近くに……!しかも二匹だ。いいから早く逃げろ……!」

 

鈴「……そいつらなら私が倒した。だからさっさと傷見せなさい。ほら」

 

???「……え?」

 

鈴「あーもう!いいからこっちに来る!とりあえずうちのラボで傷診てあげるから!」

 

???「ちょっと待て、あいつらを倒したって、どういうことだ……おい引っ張るな!歩けるから!」

 

新田はボロボロの青年をバイクの後ろに乗せ、ラボに向かって走り出す。

 

???「……なあ、本当にあのバケモンを倒したのか?あんた」

 

鈴「私が嘘をつく理由がない。まあ、疑問に思うのも無理はないと思うけどね」

 

???「……どうやったんだ?」

 

鈴「……それを明かせるほど、私は君と親しくない。私は君の傷を治す。それだけだ」

 

???「……頼む。方法があるなら教えてくれ。俺にはどうしても力が必要なんだ」

 

鈴「だったら、まずは大人しく傷を治すことだ」

 

???「……わかったよ」

 

2人を乗せたバイクは、そのままラボへと走っていった。

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