OVER RIDERS:百鬼夜行〜Worst and best matching〜 作:桂馬
先の戦闘の翌日。
ラボの自室で、新田は考え事をしていた。
(これからどうすべきか……戦闘に関しては一対一なら問題なく圧倒できる。ただ一対ニだとどうなる?もしくはもっと多くの敵がいたら?頼れるのは自分一人だ。そのためには……新しい兵器を作らなければ)
鈴「よし、対複数の戦闘で有利に立ち回るための装備を作ろう。雑魚散らしに役立つような装備を」
カフェからテイクアウトしたコーヒーを飲み干し、ゴミ箱に捨ててから立ち上がる。
鈴「そうと決まったら作成開始。工場借りますか」
新田は部屋を出て、ラボの一階へ。
そこには最先端の設備が揃った工場があり、数人の発明家が作業をしている。
鈴「失礼、隣借りるよ」
発明家A「…………」
無視……というより集中してて気付いてないだけだ。まあいつものことだが。
鈴「ま、こっちはこっちで気にせずやりますか」
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鈴「……さて、こんなものかな」
半分ほど作業を終え、若干ふらつきながら立ち上がる。
時計を見るとすでに夜中の2時を過ぎていた。
鈴「ありゃりゃ。思った以上に時間取ってたか」
使っていた機械の電源を落とし、装備を外して元の場所へ。
あくびをかみ殺しながら重い足取りで自室へ戻る。
……そして自室へ戻ったらベッドにダイブし、そのまま眠る。
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鈴「……んん」
目を擦りながら起き上がる。
ふと時計を見ると……朝の8時過ぎ。いつもよりは眠れているらしい。
鈴「……うん。シャワー浴びるか」
着替えを掴んでシャワー室へ。
シャワーを浴びてから着替え、バイクで外へ。その辺のファストフード店で朝ご飯を済ませると、すでに10時を過ぎていた。
鈴「ご馳走様。ここから帰ってアレを作ろうかな……っと」
『warning。warning』
鈴「この通知が来たってことは……スラッシャーかぁ」
地図に示された場所は、ラボの近くにある山の奥。
放っておいても被害は出ないかもしれないが、放っておく理由もない。
バイクにスマホをセットして、ヘルメットを被り現場へ向かう。
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男は、木の上でで目を覚ます。
???「……傷は治ってる。なら……もう一度あいつらを探さねえとな」
その辺に実っていた果実を一つ貪ってから、男は木から降りて歩き出す。
数分とたたず、男は目的のものを見つける。
実っている柘榴を、自身の爪で切り落として貪る怪物……スラッシャーを。
???「見つけたぞ……てめえらぁっ!」
スラッシャー「グゲッ!?」
男はスラッシャーに殴りかかる。しかし、スラッシャーには傷一つつかず、逆にスラッシャーの反撃に遭い吹っ飛ばされる。
???「クソが……っ!」
しかし、男は立ち上がってもう一度スラッシャーに向かっていく。
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鈴「……このあたりかな」
反応が近くなったところで、バイクを降りてベルトをつける。
……そんな新田の後ろで、ガサリと音が鳴る。
鈴「ッ!そこにいたか!」
スラッシャーA「グガァッ!」
スラッシャーB「ガッガァ!」
茂みから顔を出したスラッシャー二体は、真っ直ぐに新田に襲いかかる。
鈴「まとめて相手してあげよう」
『メタルアックス』
『ポイズンボム』
『コンプリート。一致率75%』
鈴「変身!」
『バトルモード"紫毒のヴァルキリア"。いざ、開戦!』
新田は斧を手にして、向かってくるスラッシャー達に攻撃する。
スラッシャーB「ガアッ!?」
スラッシャーA「ゴガッ!?」
鈴「単純な動きなら問題ないかな」
スラッシャーA「ゴッ!ゴガゴガッ!」
スラッシャーB「ガッガァッ!」
今度はスラッシャーの一体が前に出て、新田に近づき爪を振り上げる。
新田は横へ回り込んで躱し、そのまま斧で一撃を叩き込む。
スラッシャーA「ゴアッ!」
しかし、新田の後ろにスラッシャーが回り込み、爪を無防備な背中に叩き込む。
スラッシャーB「ガガァッ!」
鈴「うぐっ!?」
その隙を見逃さず、もうひとりのスラッシャーも新田に攻撃を仕掛ける。
スラッシャーA「ゴッ!ゴアッ!」
鈴「っ……!痛ぁ……!」
容赦のない二連撃が、新田の腹部に入る。
新田は吹き飛ばされた衝撃で枯葉の上を転がり、木の根にぶつかる。
鈴「……ここは、一旦こっち……!」
二つのコアを外してから、青色のコア……"ブルーランス・コア"と黄色のコア……"イエローバレット・コア"を取り出し、セットして横に倒す。
『モードチェンジ!"氷海のスナイパー"!百発、百中!』
氷の塊が埋め込まれたかのような装甲と、その氷の間を雷のように走る黄色の線。腕には銃が握られている。
鈴「こういう奴らには……遠距離戦だ!」
引き金を引き、数発弾丸をスラッシャー達に打ち込む。そして周りに人がいないことを確認してから、スラッシャー達と距離をとりながら弾丸を打ち込んでいく。
スラッシャーA「ゴォッ!?」
スラッシャーB「ガガッ!?」
鈴「一気に決めてやる!」
"ブルーランス・コア"を銃にセット。
すると青い光がバレル先端に集まっていく。
鈴「……今っ!」
十分に溜まったところで、スラッシャー達に銃口を向けてトリガーを引く。
すると青いビームがバレル先端から吹き出し、スラッシャー達は爆散する。
『変身解除』
鈴「……はぁ。なんとか、なったけど……思った以上に消耗が激しいな。早急に対策を考えなきゃ……」
肩で息をしながら、木の幹に背を預ける。
そして静まり返った森の中に……自分以外の、誰かの呼吸音が聞こえる。
鈴「……誰?」
……返事はない。
しかし、荒い呼吸音は聞こえる。自分の後ろから。
意を決して振り向き、その音の主の方へ歩いていく。
そこにいたのは……ボロボロの服を纏った、1人の青年だった。
鈴「……!?だ、大丈夫!?」
???「……だ、大丈夫だ」
鈴「……なわけないでしょ。とりあえず応急処置するから……」
???「必要ない……それより、早くここから逃げろ……」
鈴「逃げろって、なぜ……?」
???「バケモンがいるんだよ、この近くに……!しかも二匹だ。いいから早く逃げろ……!」
鈴「……そいつらなら私が倒した。だからさっさと傷見せなさい。ほら」
???「……え?」
鈴「あーもう!いいからこっちに来る!とりあえずうちのラボで傷診てあげるから!」
???「ちょっと待て、あいつらを倒したって、どういうことだ……おい引っ張るな!歩けるから!」
新田はボロボロの青年をバイクの後ろに乗せ、ラボに向かって走り出す。
???「……なあ、本当にあのバケモンを倒したのか?あんた」
鈴「私が嘘をつく理由がない。まあ、疑問に思うのも無理はないと思うけどね」
???「……どうやったんだ?」
鈴「……それを明かせるほど、私は君と親しくない。私は君の傷を治す。それだけだ」
???「……頼む。方法があるなら教えてくれ。俺にはどうしても力が必要なんだ」
鈴「だったら、まずは大人しく傷を治すことだ」
???「……わかったよ」
2人を乗せたバイクは、そのままラボへと走っていった。