龍と人間   作:むつさん

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オリジナルのお話
筆者が創り出す独自の世界観の日常的なお話

どうぞごゆっくり


誕生日の出来事

龍と人間

 

 

 

帰路を進む森の中。

普段は誰もいない森に気配を感じた。

感じる気配を便りに探す。

 

少し開けた場所に人の姿をした、しかし人ではない何かが居た。

それが脅威かどうかなんて考えずに近づいてしまった

 

男「君達は…」

 

女性の姿をした人の様な何か達

みすぼらしい布地を身に纏うだけ。

ただその奥は鱗や肌が隠れていた。

 

??「来るな!」

 

その何かは火を放つ

その火は猛烈に襲い掛かってきた…

 

…………

 

 

突然目が覚めると朝日が眩しかった。

 

男「もう朝か…」

 

 

誕生日用の朝食を用意する。

誰かの為ではなく、自分の為だけに。

 

男「もうそろそろ、6年位経つかな」

 

6年前の同じ日に

 

私はこの館で、この家で一人だけになった

 

誕生日の数ヶ月前に両親が出掛けてくると行ったきり帰ってこなくなった。

そして。親が雇っていた使用人達は…誕生日前日の夜中に、私が眠っている間に立退いた

 

そう、一人だけの誕生日を迎えた

 

 

今日がその六年後。

まだあの頃は魔術の学業を習っていた。

 

親は夜逃げ

使用人は立退き、

周りから散々馬鹿にされ悲しい顔をされ

 

でも手を差し伸べる人はいなかった。

 

そんな不幸を抱えている上当時嫌われていた魔術使いを目指していたのだから、救いの手はなかった

 

親もきっと魔術使いを目指していたから私を捨てたんではないかとそう思っていた時期もある。

 

ある人が魔術校を最上級魔術師として卒業して。行政や私生活での活用など提案して周りを認めさせた。それで魔術師を馬鹿にする人も居なくなったが。

 

もう何年も前の事だ

 

食事を終えて片付ける。

部屋に戻って仕度をして。

 

館を出て森を出て街に向かう。

 

街で仕事をして生活する為のお金を稼ぐ、

正直お金には困ってはいないので数日に一度だが、使いっぱなしではいつか底を尽きる。

 

そうならないためにも、仕事は必要だ。

 

朝は郵便配達。

昼飯時過ぎまで食事処の配膳をして

夕方には帰る。仕事の日はそんな感じ

 

…今年も。

 

男「何もない誕生日か」

 

特に祝いがあるわけでもなく仕事を終えた

 

 

帰路を向かう森の中。

誰もいないはずの森に気配を感じた

 

男「誰か…いや、何かいるな…」

 

気配を頼りに森を歩くと

開けた場所に人の女性の姿をした、でも人ではない何かがいくつかいた。

 

角があり尾がある、獣人か…?

恐る恐る近付くとこちらに気付き

弱々しくも威嚇してきた。

 

みすぼらしい布地の奥は鱗がたまに見えるが誰かに襲われたような痕跡もあり、痛々しい傷もいくつか見える。

 

男「君達、大丈夫か…?」

 

???「く、くるな…」

 

人の姿をした獣は手から弱い火を放つがすぐに消えた、その後息が切れるように膝から崩れる。

 

男「大丈夫じゃないな…」

 

??「こ、来ないで…だれか…助けて…」

 

他の獣が庇うようにして蹲る。

 

男「行動で示せばいいかな…」

 

自分も含めてバリアフィールドを展開したあと。獣達を向けて治療魔法を施す。

 

?「これは…あ…あなたの…」

 

???「傷が…」

 

??「助かるの?…助けてくれるの…?」

 

男「ひとまずは、ね」

 

治療魔法を止めると、獣達は立ち上がった

 

男「もう、大丈夫かな」

 

?「魔法使い…魔法使いなんだよな…」

 

??「でも助けてくれたよ…あの人間達とはきっと違うよ…」

 

???「早く行こう…」

 

魔法使いが何かあるのだろうか…

 

男「待ってくれ。その状態では何かに襲われたら危険だ。」

 

???「私達は龍だ…大丈夫だ…」

 

明らかに大丈夫な様に見えない

 

男「こっちに来て。」

 

?「ついて行こう…」

 

??「大丈夫…かな…」

 

疑心暗鬼になりつつもついてくる。

龍…龍人…それとも化けれるのか?

 

……

 

ひとまず家までついた、

 

?「ここが貴方の巣か…」

 

男「巣というか、家だね、こっち来て」

 

自室の隣の客間。

ソファに座らせて怪我の治療をする。

しっかり者の青髪

大人しめな雰囲気の白髪

気の強めな赤髪

 

青髪「そ、それは…」

 

男「キズ薬、傷を治すためだよ」

 

赤髪「この程度の傷なんてことは…」

 

男「少し大人しくして。」

 

白髪「えっ…何するの…」

 

男「滲みて痛いかもしれないけど」

 

白髪「ひゃう…」

 

足の切り傷に薬を染み込ませたコットンを当てると、肩をすくめて痛がった

もう一度当てようとすると赤髪が腕を掴んできた

 

赤髪「本当に大丈夫なんだよな」

 

男「僕も魔法は無限に使えるわけじゃない。本当なら魔法で治してあげたいが、今はこれしかない。」

 

赤髪「毒だったりしたら」

 

男「少なくとも人間の素肌にはこれしかない」

 

青髪「…この魔法使いを殺したって…助からないかもしれないんだ…信じてみるよ…」

 

赤髪「…わかった。」

 

三人の怪我に丁寧に処置していく。

 

男「これでよし。」

 

青髪「どうして、私達を助けるんだ、」

 

男「君達の事情をまだ知らないし、怪我をしてる人を放っておける程、僕は出来た性格してない。だから君達を助けた」

 

赤髪「さっきも言ったが私達は龍だ。怪我が治って体力が戻ればお前を殺すことだって容易なんだ。わかってるんだよな。」

 

白髪「助けてもらったのにそんなこと…」

 

男「構わないさ。それで君達が満足ならね。何が君達に最善かどうか、考えてから行動するといい。」

 

青髪「恩を仇で返すようなことはしたくない、いくら相手が人間だろうと私達にも理性はある。無作為に殺めるようなことはない」

 

赤髪「とは言っても。私達もこの状況だ。この姿になってからどれだけ経ったか…」

 

男「龍なんだよな。魔法使いとの因縁はどういう理由なのか、聞かせてもらえるか」

 

白髪「あなたも魔法使いなんですよね」

 

男「他の人間からは魔術師と言われてるかな、意味合いは一緒だけどね」

 

赤髪「恐らく呪いの類の魔法。だろうな、私達の力を抑えつけるものだろう。黒い魔法を受けてから私達全員、龍の姿を失い仮の姿であるこの姿でしか行動できなくなった。力が出ないわけではなくある程度の力は残っている。」

 

青髪「私は雷の龍」

 

白髪「私は氷の龍」

 

赤髪「私は炎の龍」

 

男「なるほど呪術か…」

 

赤髪「お前の知識ではわからないのか」

 

男「そうだな第三者から見ればあまり違いがないように思うだろうが、【魔法】と【呪術】では変わってくる。」

 

青髪「どう違うんだ」

 

 

 

この世界における魔法は空気中に溢れているマナと言われる魔力の素を集め、そこに炎や氷のマナを含めて具現化し放つことで魔法となる。

 

呪術は身体に触れている触媒にマナを集め特定の呪文の周波による変換を加えることにより具現化し放つことができる。

 

 

 

男「その魔法使いは手に何か持ってなかったか?」

 

赤髪「ああ…人の形と同じような木製の物があって、黒い何かがそれに集まってたな…」

 

男「黒いマナ…か…困ったな…」

 

白髪「厄介なんですか…?」

 

男「呪術や魔法を使用する際に使うマナを悪性に変える禁忌の術、聞いた話しかないが疫病を流行らせたり、術を受けた対象を操る事すら出来るとか。」

青髪「私達が受けたのはその強力な呪いなのか…」

 

男「おそらくね、黒いマナは体に取り込んで使用する。マナの反動に耐えきれないと死に至る。でもその分普通のマナよりも強力だろう」

 

赤髪「なら私達が受けたのは…」

 

男「ただの弱体呪いって言う訳にはいかなそうだな。」

 

赤髪「治す方法は…?」

 

男「ある…が…」

 

青髪「方法は?」

 

男「同じように黒いマナで解呪を試す必要がありそうだな」

 

男「そもそも魔法と呪術両方に適正があっても黒いマナに耐えれないと無理か」

 

赤髪「それほど…可能性としては?」

 

男「0か1の違いだな、黒いマナに適性が無ければ無理だ、あるなら術を覚えるだけ。呪術か魔法かどちらかで行うか両方必要か、両方覚えるのは数年近くあれば良いだろう」

 

白髪「10年くらいなら…」

 

男「龍なら10年位早いだろうな、だが俺は既に魔法のみならかなり学んできた。呪術も最近は独学で勉強している。」

 

赤髪「どれくらい掛かるんだ」

 

男「早くて数ヶ月か。」

 

青髪「それだけ実力があるのにどうして魔法を使って私達の怪我を治さない?」

 

男「さっきも言ったとおり、魔法は無限に使えるわけじゃない。俺は体内にマナを保管できるが普通は大気中のマナを使う。」

 

赤髪「つまりマナが枯渇していると」

 

男「正確には俺の中には残っていた、使い過ぎると死ぬかもしれないから避けてるが」

 

白髪「どういう事…」

 

男「マナを体内に保管して生命維持として居るんだ、だから使いすぎて空になると死にかねない。こう見えて結構息切れ状態なんだよ」

 

赤髪「先程の治療術が…」

 

男「マナは充分にあったがフィールドバリアを張りながら上級治療魔法となると消耗が激しくてな。立ち上がれないほど瀕死なのにすぐ歩けるようになったのは、かなりの施しがあったからだ。」

 

青髪「そうだったのか…」

 

男「話を戻すが、解呪には黒いマナを俺が使えることが条件だ、まだ試したことがない。最悪治らないと思っていいし解呪方法を探す過程で黒いマナに耐えれず俺が死ぬ可能性もある。」

 

赤髪「何故、黒いマナで死に至るんだ?」

 

男「呪術や魔法は触媒を通して術者がマナを消費するものがある、黒いマナは逆流して術者に無理矢理マナを流し込む。マナの器は器の中のマナの属性を消すためマナの浄化をするんだが、流れ込んだ際黒いマナが浄化しきれないと黒いマナ独特の悪性に負けて体内が腐敗して死に至る。マナの器が先程俺が言ったマナ保管による生命維持と同じ仕組みだ」

 

青髪「なんだか…魔法や呪術使いは大変だな… 」

 

男「意図的に体内にマナの器を作るんだが、本来はこんなことしなくていいんだよ、寧ろ、器を作るのは物好きの域だ。マナを取り込むと身体的な成長が抑制されて寿命が人間の通常の数倍まで伸びる」

 

赤髪「私達にも器はあるのか、もしくは作らなければならないのか?」

 

男「どうだろう、龍は自身の体内にあるマナを使うと聞くが実際にはどうなんだ?」

 

白髪「そうなのかな、」

 

青髪「力を使うとき活力とは違う何かを失う、そういうものだと思って気にしたことはないがそれがマナなのかもしれない」

 

男「器とは違うのかもしれないな」

 

赤髪「…つまり、私達では無理に近いな」

 

男「正直、素性も知らない他人にそこまで危険を及ぼす理由はないんだがね。」

 

白髪「…どうなっちゃうのかな…」

 

青髪「このままでも、生きていけるよ。」

 

赤髪「不便だが…なんとかやっていくしかない。」

 

男「で、聞くが、治してほしいのか?」

 

赤髪「しかし…私達は助けられても何も返せないぞ。」

 

男「見返りなんて要らないし、ほしいとも思わない。」

 

青髪「だが…これ以上世話になるわけには…」

 

白髪「あの…な…治して…ください!」

 

男「…よく言った。」

 

赤髪「お、おい…本当にいいのか…」

 

男「理由はないと言ったが、やらないとは言ってない、お願いを聞かないとも言ってないしな。お前達の呪いを解く過程で呪術も黒いマナについても学ぶとなれば知識が付く。一石二鳥だよ。そういうことだからやるんだ、見返りはなくても個人的な利益はあるからね。」

 

赤髪「物好きとは…こういうことなんだな?」

 

男「大体あってるよ」

 

 

青髪「それで…私達は何か協力できるだろうか。」

 

男「特にないかな。」

 

青髪「そうか…」

 

男「とりあえず腹を満たそう。帰ってきて長々と話してたしな。」

 

白髪「人間っていつも何を食べてるの?」

 

男「んー色々、まぁついてきて。」

 

三人を食堂まで案内して席に座らせる。

 

青髪「私達は待っているだけでいいだろうか…」

 

男「いいから。」

 

キッチンに移り冷蔵庫を眺める。

買い溜めた2日分ほど使うが…仕方ない。

キッチンで準備をしていると。

話し声が聞こえてくる。

 

赤髪「この先どうなるか…」

 

白髪「でもあの人は良い人間だね」

 

青髪「何か返せることはないだろうか…」

 

白髪「私達は龍だから、あの人を魔物から守るくらいはできるかな」

 

赤髪「その必要はないだろうな。恐らく、元の力を取り戻したとして、その時は既に黒いマナを使える筈だ…そうなれば私達が三人で掛かってもあいつには勝てない。それほど…」

 

青髪「暫くは従うしかないか…」

 

白髪「この館の使用人とか…」

 

青髪「人の真似事か」

 

赤髪「私達は龍だぞ。」

 

白髪「でもあの人間は助けてくれたよ?魔法とか私達にできないなら出来ることで…」

 

赤髪「手伝うと言っても魔法でどうにでもなるんだろう…」

 

青髪「魔法でどうにもならないところを私達で補うのなら…」

 

赤髪「そうだな…」

 

順番に配膳しながら聞いていた

 

男「気を重く考えなくていい。」

 

赤髪「今はまだ何ができるかなんてわからないが、そのうち何か…」

 

男「まずはここの暮らしになれることからだな。人間の生活になれる、それからだろう。まずは食事。フォークとか使ったことないだろ?」

 

白髪「どうやって使うの?」

 

青髪「こうか…いや、取りづらいな…」

 

赤髪「道具を使って食事をするなんて…手でいいだろ…いや汚れるか…」

 

男「仕方ないな、」

 

三人に食器の使い方を大体教えた。

箸、フォークやナイフ。皿の扱いなど。

 

白髪「慣れると便利だね」

 

青髪「うん、確かに楽」

 

赤髪「そこまで難しくないんだな。」

 

男「今後は頻繁に使うから。」

 

三人共食事を終えた。

 

男「さて、片付けるか。」

食器を操作魔法で纏めて流し台まで運ぶ。

 

赤髪「魔法ってそういう使い方もするのか」

 

男「物を動かすのは案外難しいんだよ」

 

白髪「そうなの?」

 

男「まあそんなにマナは使わないんだけどね。マナを物質に纏わせて魔法で動かす、マナを物質に纏わせるのが難しいんだ、マナは常に流れ続ける水の様なものだから留めさせておかないとけないんだ。それがちょっと大変かな」

 

青髪「水の流れを止める様なものだから普通なら無理だが…」

 

男「マナと魔法、その関係性だからこそできることだ。」

 

食器洗浄機に入れてスイッチを入れる。

とりあえずこれで大方洗える。

 

男「さて…どうしたものかな」

 

白髪「どうしたんですか?」

 

男「とりあえずだな、ついてきてくれ」

 

三人を連れて館の地下の書斎に連れて行く

 

青髪「ここは…」

 

男「こっち」

 

書斎の棚の仕掛けを外して更に地下に行く

階段を降りた先にドーム式の部屋

 

赤髪「魔法用の部屋だな」

 

白髪「なんだかくらくらする…」

 

青髪「ここ…もしかして」

 

男「三人共感じ取れるみたいだな。」

 

青髪「ああ…私達でもわかるほど…」

 

男「ここにはマナが充満してる。ここのマナの濃度は通常の50倍。探すのに苦労したよ。」

 

赤髪「さっきの書斎でも少し多いんだな」

 

男「敢えてそういう場所を選んでるから」

 

青髪「ここで、何をするんだ」

 

男「怪我の治療。」

 

治癒魔法。それだけ

でも他の魔術師は知らない独学のもの

一人ずつ別の魔法を施す

 

白髪「傷が治ってる。」

 

男「それぞれのマナを使った治癒魔法だよ」

 

青髪「私のは雷なのか」

 

赤髪「火を使った治癒魔法なんてあるのか」

 

男「俺の独学によるものだ。どうだ怪我の方は」

 

青髪「ああ、もうなんともない」

 

赤髪「大したものだな」

 

白髪「一瞬だったね」

 

男「これでいいだろう」

 

赤髪「ああ、もう痛みもない。」

 

青髪「さっきの治癒魔法よりマナを多く使うんだろう?大丈夫なのか?」

 

男「さっきも言った通り、ここのマナは通常よりも多い、かなりの量の使っているがそれでもまだ溢れるほど残ってる。今使用した分も数時間あればまた元に戻る。」

 

白髪「ちょっと苦しいかな…」

 

男「とりあえず戻ろうか」

 

地下を抜けて自室に戻る。

 

赤髪「大丈夫なのか?」

 

男「白髪の子。マナが濃くて苦しいみたいだったけど。今はどうかな」

 

白髪「今は、はい何ともないです。」

 

男「マナが濃くて体調不良を訴える人は少なくはない。大体はマナに適性がない、マナを摂取してしまうかのどちらかだろう。器を持っている人でも器の中が溢れて苦しくなることもある。この子は恐らく後者だろうね。」

 

青髪「つまり適性があって、でも摂取しすぎてってことか。」

 

男「生物関係はあまり詳しくないがマナの蓄積が出来るのだとしたら。器の役割をする何かがあるのかもしれないね。」

 

白髪「そうなのかな。」

 

男「まぁ、時期が来たらわかることだ、今は差し支えなければ無視でもいい。」

 

青髪「そうか。また苦しかったら言うんだぞ」

 

白髪「うん。」

 

男「さて、怪我は治ったがまだ身体は汚いままだな。」

 

赤髪「どうすればいい?」

 

男「どうするも何も、洗い流すしかないだろう。」

 

赤髪「となると、川に行くか」

 

男「龍ならな。今は人間の姿してるんだぞ」

 

青髪「そうだったな…」

 

男「ついてこい。」

 

浴室の使い方を案内する

流石に案内するだけだ混浴は俺の気が気じゃなくなる。

 

男「その後はこのタオルで身体を拭けばいい」

 

赤髪「風呂か…川みたいに冷たいのか?」

 

男「いや、寧ろ暑い」

 

白髪「私、暑いの苦手…」

 

男「とりあえず入って、無理しない程度に出てきておいで。」

 

白髪「わかった」

 

脱衣場を出て自室に戻る。

三人にも出たら自室に来るように言ってある

 

少し経つか、なんか嫌な予感はすると思った矢先から予感は的中した。

 

叫び声、呼ばれてるな

 

脱衣場に素っ裸の三人がいる。

思わず目を逸らすがそんな場合じゃなかった

白髪の子がぐったりしている様子、

 

男「逆上せたか…」

 

青髪「だ、大丈夫なのか?」

 

男「とりあえず二人とも身体を拭いて用意した服を着ろ。俺もこの子の身体を拭いて服を着させる。」

 

気を失いかけているとはいえ女性の身体を拭くのは普通なら避けるが…こういう状況だしな

 

男「大丈夫…じゃなさそうだな。しばらく安静にするんだ。」

 

白髪「う…ん…ちょっと…」

 

男「風呂は無理か」

 

青髪「かなり息が荒かったみたいだったから良くないのか」

 

赤髪「私は寧ろちょうどよかったが。別の方がいいのかもしれないな。」

 

男「そうだな。そうするしかないか」

 

青髪「私はこれでもいいんだが。」

 

男「この子は氷の龍だったか。それでかもしれないな。」

 

赤髪「だとしたら一人だけで入ることになるのか。お前はいいのか?」

 

男「俺か?俺は一人で入るぞ」

 

赤髪「すまないが一緒に入ってやれないだろうか。」

 

男「…検討しておくよ…」

 

…検討も何も普通は混浴はしないが…

 

男「とりあえず今日はここで寝てくれ」

 

三人を客室に案内する。

ベットは足りるから問題はないだろう。

 

赤髪「これが、寝床か。なんかやけに柔らかくて落ち着かないな…」

 

男「慣れればこれ以外では寝れなくなるぞ。それくらい睡眠には適してるからな。」

 

青髪「そうなのか。」

 

白髪「ふかふか…ちょっと面白いかも」

 

男「ほら早く毛布着ろ。電気消すぞ。」

 

赤髪「く、暗いな…こんなに視界も変わるのか…」

 

男「おやすみ。」

 

自室に戻ってベットに入る。

 

少しすると扉が空いた。

 

白髪「えっと…」

 

男「どうした。寝れないか」

 

白髪「うん…うるさくて…」

 

あぁ…いびきか…

 

ベットを空けて上着を着る。

図書室でも寝れなくはない

 

男「そうか、それならこのベット使え。俺は別のとこで寝るから」

 

白髪「えっと…一人は嫌…」

 

男「なら部屋には居るから。」

 

白髪「一緒はだめ…?」

 

男「はぁ…仕方がないな」

 

ベットで隣り合わせで横になると

くっつくように寄ってくる。

 

先程から気になるが。

この子はまだ幼さがあるように思える

寄り添って寝る習慣のある動物もいるが

龍もそうなのだろうか。

 

白髪「少しお話いいかな…」

 

男「ああ、少しな」

 

白髪「わたしね。お母さんもお父さんもホントはもういないんだ…」

 

男「両親が居ない…か」

 

白髪「少し前にね。わたしの巣の卵が盗まれた時、お父さんとお母さんが取り返しに行ったの。その時に二人は…人間さんにやられちゃった…私は怖くなって逃げて…助けてあげられなかった…卵も、お父さんもお母さんも…」

 

男「それから、ずっと一人なのか」

 

白髪「それから…別の山で一人で過ごしててさっきの二人に会った。」

 

男「そうか。二人とも優しそうで何よりだよ」

 

白髪「うん…」

 

男「二人は事情は知ってるんだよな」

 

白髪「話したから知ってる 」

 

男「それならいいか。俺も両親にはもうしばらく会ってないな」

 

白髪「あなたも…?」

 

男「多分どこかで生きているんだろうけど。街を探しても見当たらなかったしな。生きてるのかもわからない」

 

白髪「そうなんですね…」

 

男「そのうち帰ってくるだろう。」

 

白髪「帰ってこなかったら?」

 

男「別に構わない、親離れしないといけなかっただろうし。」

 

白髪「親離れ…」

 

男「俺のことは深く考えなくていい。」

 

白髪「私は帰る場所がなくて。二人に助けてもらいながら生きてた…」

 

男「お前は、まだあの二人よりも若いんだろ。」

 

白髪「うん…やっと飛べるようになったばかり。」

 

だから、寄り添って来るわけか

 

男「親にはなれないぞ」

 

白髪「そうだよね…」

 

男「だけど、ここにいる間は困ったりしたら頼ってくれていい」

 

白髪「ありがとう」

 

そこで話が途切れて。

気がつくと白髪の子は眠っていた。

何か考える間もなく俺も眠っていた

 




続きはいつか書きます。

また会えたら会いましょう
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