FAIRYTAIL~絶対なる黒龍戦記~   作:無颯

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大変お待たせしました。申し訳ありません。


基本原作通りかと思います。またオリジナルの敵が出てきていますが、何分主人公が規格外ですので……(汗)


とにかく本編をどうぞ。




猛威

「かはっ……!」

 

 

ドサッ……

 

 

「ふむ……中々数が減りませんね~。やはりこれだけ1人1人散り散りに配置されていると、時間が掛かるのは必然ですか……」

 

 

ギルドから少し離れた森の中で、10人目の“荒れくれの鮫”魔導士を倒したブランはそう呟いていた。すると、

 

 

「死ねやぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

ヒュンッ!!

 

 

「はっ?」

 

 

ザシュッ!!

 

 

背後の茂みから現れた男が魔法を繰り出そうとしてきたが、ブランは瞬時に男の目の前に現れ一閃。掛かった時間は1秒程度といった所だろう……。

 

「さて……レイルの方はどうなりましたかね~?」

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

その頃、ブランとは反対の森の中にいるレイルはというと……

 

 

「尖孔破(せんこうは)ッ!」

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

「ぐあ……あっ……」

 

 

潜伏していた数名の魔導士達を一撃で戦闘不能に追い込んでいた。ちなみにこれで倒した人数は20人を越えている……。

 

 

「こっち側は粗方片付け終わったかな。これはブランの方に大量の魔導士達が配置されていると考えるのが自然か……」

 

 

レイルは遠くの森から放たれている魔法攻撃を見ながら推測を立てる。

 

 

「早くこっちを片付けて、ギルドに戻らないと……!」

 

 

と、その時、

 

 

「っ!」

 

 

ガギギギギギィィィィンッ……!!

 

 

振り向き様にエコートレイサーで飛んできた何かを受け止め、弾き飛ばす。それは……ノコギリのような刃の付いた円盤状の物体だった……。

 

 

「シャシャシャシャッ!! や~っと見つけたぜ~……」

 

 

「……あなたですか……」

 

 

「ああ? 何だその“どうでもいい”みてえな表情は……? この俺が話しかけてやってんだぞ、おいッ!!」

 

 

レイルに対して苛立ちを露にしてくるのは、この厄介な状況を作り出した一番の元凶──ベイズ・シャークである……。

 

 

「今すぐ攻撃を中止し、投降してください。でなければ……力ずくで拘束します」

 

 

「おいおい、この俺をナメるのも大概にしろよ……」

 

 

そしてあっという間に一触即発の雰囲気に包まれる中、

 

 

「小僧がァァァァァァッ!!!」

 

 

「っ! ブラックメイク……茨鞭(ソーン・ウィップ)!!」

 

 

ベイズが突っ込んでくるのを見たレイルは造形魔法で棘(トゲ)のある黒い鞭を生成し、振るって攻撃をするが……

 

「無駄ァァァァァァッ!!」

 

 

バキィィィィィィィィンッ……!!

 

 

「っ……!!?」

 

 

ベイズが手を前に突き出したかと思うと、まるでガラスが割れるように黒金剛で出来た鞭が砕け散ったのだ。そして……

 

 

「弾けろォォォォォッ!!!」

 

 

バゴオオオオオオオオオオオオオンッ……!!!!

 

 

凄まじい轟音が響き渡り、盛大な土煙も巻き起こる。だがしばらくすると徐々に視界も晴れ、状況がようやく見えてきた……。

 

 

「………………」

 

 

「チッ……間一髪避けやがったか……」

 

 

そこには舌打ち混じりで呟くベイズと、そんな彼から距離を取る無傷のレイルの姿があった。ただ先程と違うのは、彼らの間にとてつもなく深いクレーターが出来ている点……。すると、

 

 

「あなたは2つの魔法を使えるんですね?」

 

 

ここでレイルがそう尋ねる……。

 

 

「しかも1つは魔法の無効……いや、分解する能力。そしてもう1つは異常なまでの身体強化魔法……といった所ですか……?」

 

 

「……シャシャシャシャッ! 今の一発だけで俺の魔法の正体を殆ど読み切るか! 大正解だ。俺は2種類の魔法が使え、1つは魔法を分解する魔法“ディバイド”、そしてもう1つは身体強化魔法の一種“エンハンス”。だがな……」

 

ベイズはレイルの予想を認めながら……

 

 

「だからどうだってんだ?」

 

 

気味の悪い笑みを浮かべつつ、そう口にする……。

 

 

「予想が当たった所でお前はどうすることも出来ねえ。“ディバイド”はどんな魔法だろうと瞬時に分解できる。つまり俺の前じゃ全ての魔法は無意味だ。で、もしお前が普通にその腰の剣でやろうってんなら……」

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオンッ……!!

 

 

「てめえの体がぶっ潰されるだけだ……」

 

 

ベイズは右手で地面を殴り付け、2つ目のクレーターを作り出す。その一撃を受ければどうなるかは、火を見るより明らかだった……。

 

「魔法を封じられることは魔導士にとって“死”を意味するに同じ。つまりだ……」

 

 

そして……

 

 

「俺と戦うことになった時点で、テメエが終わるのは確定事項だったんだよッ!! じゃあなぁ!! 小僧ォォォォォォォォォォッ……!!!」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ……!!!

 

 

ベイズの渾身の拳が放たれた瞬間、彼は“これで終わった”と思い、たまらずニヤリと笑みを浮かべる。だが……

 

 

「っ……!?」

 

 

その拳はただ地面に突き刺さっているのみで、レイルはその場にはいなかった……。

 

 

「あなたはとんでもなく大きな勘違いをしています。1つは魔法を魔導士の要素として位置付け過ぎていること。そして、もう1つは……」

 

 

「チィッ!! 無駄だァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

 

背後から聞こえてきた声に、ベイズは悪態を付きながらも身体強化魔法で自らの防御力を極限まで上げた……。

 

 

「砕覇……双撃衝……」

 

 

ザシュッ!!×2

 

 

「ガフッ……!!??」

 

 

ドサッ……!!

 

 

それが何の意味も持たないとは知らずに……。

 

 

「あなた程度の身体強化魔法では、僕にはただの気休めにしかならないんです……」

 

 

「ば……馬鹿、な……!?」

 

 

レイルの冷めきった言葉に対し、ベイズはたったの一撃で自分が呆気なく地面に伏せていることを信じられないでいた。まあ、当然であろう。これではまるで、自らが“噛ませ犬”にすら匹敵しない相手のようにしか見えないのだから……。

 

 

「さて、決着は着きました。ですが……あなたには聞きたいことが沢山ありますので、このまま傷害未遂や器物破損などの容疑で検束魔導士部隊に引き渡させていただきます」

 

 

「っ!? ハッ、小僧が偉そうにしやがって……! んなことで俺がペラペラ喋ると思って……っ!!??」

 

 

そして、レイルが驚愕の表情を浮かべるベイズには目もくれず、このまま検束魔導士の下へ身柄を引き渡そうと考えていた、その時だった……。

 

 

「グガッ……ガッ……!!??」

 

 

「ッ……!?」

 

 

突如ベイズが両手で頭を押さえながら苦しみ出したかと思うと……

 

 

「アッ……!!!?」

 

 

ガクッ……!!

 

 

それを最後にピクリと動かなくなってしまった。これにはレイルも驚きを露にしつつも、直ぐ様駆け寄り状態を確認する……。

 

 

「ッ! 死んでない……!」

 

 

その結果、導き出されたのはベイズが生きているということ。だが、レイルの表情は全く変わらず険しいままだった……。と、そこへ、

 

 

シュンッ!!

 

 

「こちらも終わりましたか」

 

 

「! ブラン……!」

 

 

「ですが……何か予期せぬ出来事が起きたようですね? 一体何があったのですか?」

 

 

「うん、実は……」

 

 

ブランが一瞬にして背後に現れたため、レイルは先程の一部始終を説明する。

 

 

「この絶妙なタイミングで突然の意識不明……レイル、これはもしや…」

 

 

「うん…偶然じゃないよ。僅かだけど魔力を感じたから…」

 

 

「つまり、第三者の魔法による“口封じ”…ですか…」

 

 

「しかも一切周りには人の気配が無かった。多分、予め魔法を掛けられていた可能性が高いと思う。でもそうなると…」

 

 

「この魔法を掛けた人物はかなり周到ですね~。そして…実に厄介極まりない…」

 

 

と、その時、

 

 

「なっ!? ボ、ボスッ!!!??」

 

 

「テメエ等ッ!! よくもボスを…!!」

 

 

「! まだ残党がいたのか…」

 

 

“荒くれの鮫”の人間2人がやってくると、倒れ伏しているベイズの姿を見て怒りを露わにしてきた。すると、

 

 

「レイル、あなたは急ぎ妖精の尻尾へ戻ってください。残党狩りは私が引き受けます」

 

 

「…分かった。頼むよ、ブラン」

 

 

「ざけんなァッ!!」

 

 

「逃がすと思って…!!」

 

 

ブランの提案に同意し、即座に黒金剛の翼で飛び立つレイル。それを見た残党の男2人は当然魔法を放とうとするが…

 

 

ザシュッ!!×2

 

 

「「がはっ…!?」」

 

 

ドサッ…!×2

 

 

瞬時に一太刀を浴びせて戦闘不能に追い込む…。

 

 

「やれやれ…手早く済ませましょう…」

 

 

 

☆☆

 

 

 

「んん~~~! どうやらココが追ったどちらかが、ルーシィ・ハートフィリアって感じだねぇ…」

 

 

妖精の尻尾での戦闘は一方的な状況となっていた。マックスとラキはシュガーボーイのスライムによって捕えられ……

 

 

「うらあああああああああああッ!!!」

 

 

ズンッ…!!!

 

 

「んん~~~、やっぱり君も大きくなるのね猫ちゃ~ん」

 

 

「! 何……?」

 

 

リリーも自らを大型化させ、更に自在に大きさを変化させる“ムジカの剣”をシュガーボーイに振り下ろすが、あっさりとスライムに受け止められた上……

 

 

ドガッ!!

 

 

「ぐおっ!!?」

 

 

「俺じゃねえ!!!?」

 

 

ヒューズによって操られたナツの拳を受ける羽目になってしまった。しかも離れた所では、同様の被害をエルフマンによってワカバとマカオが受けている…。ちなみに残る1人のココは逃げたルーシィとミッシェルを追っていったため、この場にはいない。

 

 

「ぬぐぐぐっ……!! じれってえッ!! 何つーか、すっげえやりづれぇッ!!」

 

 

「“すっげえ”はウチの口癖!! 盗ったら駄目じゃん!!」

 

 

「やかましい!! ちゃんと戦えよテメエ等ッ!!」

 

 

あまりにも変則的な戦い方にナツが苛立ちを露わにすると、ヒューズは自分の口癖を言われたことに憤りを見せた。と、ここで、

 

 

「メアリーヒューズ、俺達に残された時間は限られている」

 

 

「分かってる! ウチ等もルーシィ・ハートフィリアを追うとするじゃん!!」

 

 

「行かせねえよォッ!!!」

 

 

「くふっ♪ ウチの指揮術の前では、何人であれ“服従”じゃん!!」

 

 

シュガーボーイの言葉を聞いたヒューズは、依然闘気を燃やし続けるナツに対し軽く木で出来たタクトを振るう。

 

 

「ぐっ!? クッソォッ…!!! 操られてたまる…」

 

 

バキッ!!

 

 

「かっ!?」

 

 

ドゴッ!!

 

 

「ぐへっ!?」

 

 

必死の抵抗も虚しく結局操られ、自らの両手で自分を殴ってしまうナツ…。

 

 

「ああ…ナツさんが…!」

 

 

「厄介な相手ね…!!」

 

 

またウェンディもスライムに捕らわれてしまっており、何とかシャルルが引っ張り出そうとしていた…。

 

 

「アハハハッ!! もうこれで全員お終いじゃん!!」

 

 

そしてそんな圧倒的な戦況にヒューズが勝ち誇った表情を見せていた、その時、

 

 

 

 

「ブラック・メイク…! 鉄器空襲(メタル・エアレイド)ッ!!」

 

 

ドドドドドドドドドドドドドッ………!!!!!

 

 

「なッ……!?」

 

 

「くっ…!!」

 

 

突如上空から無数の黒い武器類がヒューズのスライムに降り注いだのだ。しかもその降り注ぐポイントは絶妙で、マックスやラキ達を的確に避けながらスライムを分解した。しかもその武器類はヒューズやシュガーボーイにも襲い掛かり、2人は何とかそれを回避する…。すると、

 

 

「ウェンディ!!」

 

 

「! レイルさん…!!」

 

 

黒金剛の翼を広げたレイルが同様にスライムに捕らわれていたウェンディの下へ降り立ち、

 

 

「シャルル! 下がって!」

 

 

「ええ!」

 

 

ザザザザザザザァンッ!!

 

 

エコートレイサーを瞬時に抜いて纏わり付いているスライムを斬り裂き、ウェンディを解放した。

 

 

「ウェンディ、大丈夫!?」

 

 

「は、はい! 少し魔力と体力を消耗しちゃいましたけど…」

 

 

「そっか…よかった…」

 

 

ウェンディが大したダメージを負っていないことに安堵の言葉を漏らすレイル…。と、ここで、

 

 

『レイル(レイ兄)ッ!!』

 

 

「お前……あの男はどうしたじゃん!?」

 

 

「“荒くれの鮫”は殆ど壊滅させました。残党狩りもそろそろ終わる頃だと思います」

 

 

ギルドの面々が思わず声を上げる中、ヒューズの問いに対しレイルはそう答える。

 

 

「んん~~、このボーイを相手にするのは流石にとてつもなくハイリスクだね~……」

 

 

「チッ! 大層なこと言ってた癖に、全然役に立ってないじゃん……!!」

 

 

断トツに厄介な魔導士が戻ってきたことに、とてつもない危機感を覚えるヒューズとシュガーボーイ。どうやっても目の前にいる少年には“勝てない”……そのことは数刻前の戦いで思い知らされていたのだ。

 

 

「僕がいない間に随分やってくれたみたいですね。ここからは僕が相手しますけど…覚悟はいいですか?」

 

 

「んん~~、メアリーヒューズ」

 

 

「ハッ、分かってるじゃん…!」

 

 

結果、ヒューズとシュガーボーイの取った行動は…

 

 

「グォッ!?」

 

 

「っ!? くっ…!!」

 

 

ナツに大技を出させるというものだった。そして……

 

 

「ブラック・メイク! 防護殻(プロテクト・シェル)ッ!!」

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!

 

 

“火竜の煌炎”による大爆発が引き起こされた…。

 

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「ったく、ガジルの野郎、何処行ったんだ?」

 

 

「皆はもうギルドに戻ってんじゃねえのか?」

 

 

マグノリアの街中でそう話しているのは、ジェットとドロイの2人。どうやら未だにガジルを探しているようである。

 

 

「レビィのためにも俺等で見つけたかったんだけどな~…」

 

 

「明日出直すかぁ…」

 

 

と、その時だった…。

 

 

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ……!!!!

 

 

 

「っ!? な、何だありゃ!?」

 

 

「おい、あそこって…!!」

 

 

2人は爆発音の発生地点が“妖精の尻尾”であることに気付き、すぐさま向かう。そして到着してみると、そこには…

 

 

「「なっ…!?!?」」

 

 

「どうなってんだよ、これ…!?」

 

 

「何があったってんだ!? ていうか何だよあの黒いの!?」

 

 

黒煙に包まれ、更にあちこちが壊されたギルドの周辺と……所々に点在している半球状の黒い物体だった。すると、

 

 

「解除(キャンセル)」

 

 

シュンッ…!

 

 

その物体を発生させた張本人―――レイルの一声で黒い物体が崩れ落ち、ギルドの面々の姿が姿を見せた。どうやらレイルが“火竜の煌炎”の衝撃から守るために作り出した、黒金剛の防御壁のようである…。

 

 

「みんなッ!!」

 

 

「何があったんだ!?」

 

 

「! ジェットさん、それにドロイさんも…!」

 

 

「お前等、どこに行ってたんだよ!?」

 

 

ジェットとドロイに気付いたレイルが声を上げる中、エルフマンがそう尋ねる。

 

 

「ガジルを探しに行ってたんだよ。それより一体何があったんだ!?」

 

 

「じ、実は……」

 

 

ここでウェンディが2人に事の経緯を説明した…。

 

 

「ル、ルーシィが狙われてんのか!?」

 

 

「しかも襲ってきたのはあの“ゼントピア”の人間って、マジかよ!?」

 

 

「ええ。その上傭兵ギルドまで差し向けてきた所を見ると、相手はかなりの本気とみるべきです」

 

 

驚く2人にそんな補足を入れるレイル。

 

 

「とにかく急いでルーシィさん達を探しに行きましょう!!」

 

 

「そうね。そう遠くまでは言ってない筈だし」

 

 

ここで真っ先にそう提案してきたのはウェンディとシャルルだった。更に、

 

 

「俺も行くぜ!!」

 

 

「オイラも!!」

 

 

ナツとハッピー…

 

 

「俺も行こう」

 

 

リリーもそれに続いた…。と、そこへ、

 

 

「おやおや、これは中々派手にやられたようですね~」

 

 

「「「! ブランッ!!」」」

 

 

ブランが翼(エーラ)を生やしながら戻ってきた…。

 

 

「ブラン、もう残党狩りは終わったの?」

 

 

「ええ。全員捕縛しましたので、後は要請した検束魔導士部隊に任せておけば問題ないでしょう」

 

 

「なら丁度良かった。僕達はこれからルーシィさんとミッシェルさんの捜索に向かう。ブランも一緒に来て」

 

 

「分かりました」

 

 

こうしてブランも捜索のメンバーに加わったところで…

 

 

「よしッ!! 頼むぜお前等!!」

 

 

『はい(おう)(ええ)(アイ)!!』

 

 

マカオの掛け声と共に、レイル達はそれぞれ別れて捜索を開始したのだった…。

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

 

辺りがすっかり夜になった頃、ギルドから少し離れた場所にある渓谷にて……

 

 

「ルーシィさーーん!! ミッシェルさーーん!!」

 

 

ウェンディが大きな声で呼ぶが、返事が聞こえてくる様子はない。ちなみにあの後二手(ふたて)に分かれ、ウェンディとレイル、そしてシャルルとリリー、ブランが現在共に行動している…。

 

 

「マスターを探しているにしても、どんなルートを通っているのやら…」

 

 

「ウェンディ、レイル、ルーシィ達の行方は掴めないのか?」

 

 

「う、うん…ルーシィさんの魔力だけが辿れなくて…」

 

 

「多分、またルーシィさんの持ってるあの遺品が原因なんだと思う」

 

 

「成程。確かにあの遺品に掛けられた魔法は、あらゆる魔法的要素を阻害する効果を帯びているように感じましたからね~」

 

 

リリーの問いかけに対するウェンディとレイルの発言を聞いて、そんな推測を立てるブラン。すると……

 

 

「待ちなさーーーーーいッ!!!」

 

 

「おやおや、あれは……」

 

 

「ココ!!」

 

 

声が聞こえた方を振り向いてみると、そこには垂直の崖を猛スピードで疾走しているココの姿があり……

 

 

ダッ!!

 

 

「やあああっ!!」

 

 

ウェンディやレイル達よりも高い地点まで飛び上がったかと思うと、そのままサマーソルトキックを繰り出してきた。しかし、

 

 

「ブラックメイク! 円盾(バックラー)ッ!!」

 

 

ガンッ!!

 

 

「イッタ~~イッ……!!」

 

 

レイルが生成した円型の盾で防ぎ、そのあまりの硬さにココは思わず声を上げながらも見事に崖に着地した。

 

 

ピタッ!!

 

 

「9点、10点、8点!!」

 

 

「点数を付けてる場合か! 危ないだろココッ!!」

 

 

自らの着地の点数を付ける彼女にリリーが注意をするが、それに対しココは……

 

 

「ルーシィ・ハートフィリアを見失いました! 彼女の居場所を教えなさい! あと私、“猫嫌い”なんで、馴れ馴れしくしないで下さい」

 

 

「っ……(ガーンッ!!)」

 

 

「リリー……」

 

 

(そういえばリリーはエドラスの出身……。向こうのココさんとは仲が良かったのかな……?)

 

 

ショックを受けているリリーをウェンディが心配そうに見ている中、レイルはふとそんな想像をする。と、ここで、

 

 

「仕方ありませんねぇ。ここは私が彼女の足止めを致しますので、レイル達は引き続きルーシィ達を捜索してください」

 

 

「そうね。2人を探し出すのが最優先だわ」

 

 

「……いや、俺も残らせてもらおう」

 

 

ブランの提案にシャルルが同意する中、リリーも足止めに加わることを決断した。

 

 

「でもリリー、相手は……」

 

 

「同じ声や姿をしているとはいえ、彼女は俺の知っているココではない……。俺もギルドの一員だ。ここで戦わない訳にはいかん」

 

 

「……分かった。ここは任せるよ。行こう、ウェンディ、シャルル」

 

 

不安な表情を浮かべるウェンディに対するリリーの言葉を聞いて、レイルもこの場を2人に任せることに同意すると……

 

 

「ほら! 行くわよ、ウェンディ!」

 

 

「う、うん! リリー、ブラン、気を付けてね……!」

 

 

「! 逃がしませんッ!!」

 

 

ウェンディもシャルルと共にその場を後にする。当然それを見たココは追撃しようとするが……

 

ガシッ!!

 

 

「失礼」

 

 

「うわっ!?」

 

 

右足蹴りをブランが受け止め、そのまま放り投げた。

 

 

ピタッ!!

 

 

「8点、10点、10点!!」

 

 

相も変わらず着地の点数は付けているが……。

 

 

「あくまでも足止めに重点を置いて戦うとしましょう……。それでよろしいですね? リリー」

 

 

「……ああ、それで頼む」

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

「見つからないわね……」

 

 

「やっぱりただ探すには人手が足りな過ぎるか……」

 

 

ブランとリリーにココの足止めを任せ、引き続きルーシィ達の捜索を続けていたレイル達だったが、依然2人の行方は掴めない……。

 

 

「ど、どうしよう……! もしルーシィさんとミッシェルさんが先に向こうの人達に見つかったら……」

 

 

「特にマズいのはヒューズさんに見つかった場合だ。あの“指揮術”でどちらか一方でも操られれば、ルーシィさん達は基本的に手が出せなくなる……」

 

 

「それにルーシィって結構運も悪いから、その最悪な状況に出くわしてる可能性が十分あるわね……」

 

 

実際この時、ルーシィとミッシェルはヒューズを相手に追い込まれつつあるのだが、当然レイル達が知る由も無い…。

 

 

「とにかく今は手当たり次第でも探すしかない。今度は僕が向こうの方を探すから、ウェンディは…っ!!?」

 

 

そしてレイルが指示を出していた、その時、

 

 

(何だ…この高い魔力は…?)

 

 

突如感じたその魔力の量にレイルは驚きを露わにする…。

 

 

「この魔力…」

 

 

「う、うん、もしかして…」

 

 

「! 2人共、この魔力の持ち主に心当たりがあるの?」

 

 

「あ、はい!」

 

 

「行ってみれば分かるわよ。もしかしたらアンタも知ってるかもしれないし…」

 

 

「?」

 

 

シャルルの意味深な発言が気になりつつも、とりあえずレイル達はその魔力の持ち主がいると思われる場所に向かうことにした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「! 居たわ!」

 

 

「あ! それにエルザさんもいる!」

 

 

「やっぱりさっき感じたもう1つの魔力はエルザさんだったか。でもあの向こうにいる人と魔法生物は一体……」

 

 

ようやく近くまで来たレイル達が見たのは、虎柄で重厚な“巨人の鎧”を身に付けているエルザと、その隣に立つオールバックに髭面が特徴の中年の男。そしてそんな2人と向き合う様に巨大なタコのような魔法生物に乗っている、白髪と白髭が特徴の中年の男が対峙している様子だった。すると、

 

 

パァンッ…!

 

 

「! あれって…!」

 

 

「信号弾……まさか…」

 

 

少し離れた上空に突如現れた信号弾の光を見てウェンディが驚く中、レイルはその信号弾が自分達にとって“最悪な結果”を知らせていることに気付く…。

 

 

ドォォォォンッ…!!!!

 

 

「! 逃げるわよ…!?」

 

 

「追いかけないと…!」

 

 

「いいよ、ウェンディ、シャルル。深追いするのは危険だ。とりあえず今はあの2人と合流しよう」

 

 

白髪の男が巨大タコのような生物に乗って去っていくのを、シャルルがウェンディと共に追おうとするが、レイルはそう言って2人を諌め、エルザと隣の男のいる場所へ降り立つ…。

 

 

「エルザさん! ギルダーツさん!」

 

 

「! ウェンディ、それにシャルルも一緒か……!」

 

 

「おお、久し振りだな」

 

 

(! この人があのギルダーツ・クライヴ……聖十クラスの実力を持つと言われている、“妖精の尻尾”最強のS級魔導士……)

 

ウェンディが言ったその男──ギルダーツの名を聞いたレイルは、直ぐ様目の前にいる男の素性を思い浮かべていた。と、ここで、

 

 

「ん? そっちのは新入りか……ッ!!!」

 

 

ダッ!!

 

 

「えっ……!?」

 

 

「っ!! 黒龍一閃……疾凰(しっこう)!!!」

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオンッ……!!!!

 

 

それは突然のことだった……。ギルダーツがレイルに気付いた瞬間、いきなり血相を変えて一気に距離を詰め、自らが持つ超上級破壊魔法“クラッシュ”を発動。あまりのことにウェンディが声を上げる中、危険を感じ取ったレイルは瞬時にエコートレイサーに高密度の魔力を溜めて縦に一閃した。その結果、レイル自身は何ともないものの、背後の木々数十本がバラバラに砕かれる……。

 

 

「ちょ、ちょっと!? いきなり何してんのよアンタ!!??」

 

 

「おい!! 今のは一体何の真似だギルダーツ……!!?」

 

 

ここで目の前での出来事に言葉を失っていたシャルルとエルザが慌てて尋ねると、それに対しギルダーツは……

 

 

「っ……! いや、何でもねえ……」

 

 

「何でもない訳が無いだろ!? 今のは間違いなく本気だった!! 喰らっていればタダでは済まんぞ!?」

 

 

「だ、大丈夫ですか、レイルさん……!!?」

 

 

ハッとした表情を浮かべたかと思うと、一言そうポツリと呟いたのだ。これには

エルザも驚愕しながら理由を問い詰めに掛かる一方、ウェンディは心配そうな様子でレイルに尋ねる……。

 

 

「うん、平気だよ、ウェンディ……。エルザさんも、その辺にしておいて下さい。僕は大丈夫ですから」

 

 

「なっ!? レイル、それはどういう……」

 

 

「お願いします」

 

 

「………………」

 

 

レイルのそんな言葉を聞いたエルザは、釈然としない様子でありながらも一先ず押し黙る……。

 

 

「自己紹介がまだでしたね。僕はレイル。レイル・アスフォードといいます。実は……」

 

 

そう言うとレイルは自分の素性や、自らに課せられた“妖精の尻尾への同行”という任務など、今の自分の妖精の尻尾における立ち位置をギルダーツに説明した。

 

 

「そうだったのか……。いや、さっきはホントすまねえことをした。この通りだ」

 

 

「あ、いえ、頭を上げてください……! ギルドの紋章も入れていない以上、疑われるのは当然ですから」

 

 

頭を下げてくるギルダーツに対し、レイルは若干慌てて言葉を返した。と、ここで、

 

 

「話の途中で悪いけど、急いでルーシィ達を探した方がいいんじゃないかしら?」

 

 

「やっぱり、さっきの信号弾って……」

 

 

「少なくとも何か奴等にとって有利な事が起きたのは間違いない。とりあえず、あの信号弾が打ち上げられた場所へ向かおう」

 

 

「それより結局何が起きてやがんだ? ルーシィが狙われてる事と言い、そろそろ説明して欲しいんだが……」

 

 

「あ、それについては僕が道すがら話していきますので」

 

 

こうしてレイル達はエルザとギルダーツを加え、信号弾の場所へと向かうことにした。だが実はその間、ギルダーツが時折レイルの方に意味深な視線を送っていたことは……レイル本人以外気付かなかった……。

 

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

その後、レイル達は離れた所にある荒野でルーシィとミッシェル、更に先に来ていたナツやハッピーと合流。だが話によると、ヒューズによって持っていた父の遺品を奪われたらしい。そして一先ずギルドへと帰還した一行は、事の経緯を残っていたメンバーに話した……。

 

 

「何だって!? レギオン隊!?」

 

 

「ってことはレイルの言う通り、相手はゼントピアの連中か……!」

 

 

「ああ、間違いねえ」

 

 

「確かに“対魔導士用”と言っていいような特殊な魔法を使っていました。成る程、あの人達がゼントピアの暗部を担う戦闘集団ですか……」

 

 

ギルダーツがマカオやワカバに話す中、レイルはレギオン隊の使用していた魔法を思い返しながら呟く。ちなみにギルダーツとエルザが対峙していたのは、レギオン隊リーダーのバイロで、彼もまたエドラスにいた人間の別人らしい……。

 

 

「にしても、フィオーレ最大の教会組織が何で?」

 

「よく分かんねえが、聖戦がどうとか言ってやがったな……」

 

 

「聖戦……“正義のための戦争”ですか……」

 

 

そしてマカオやギルダーツ、レイルが話している中、

 

 

ドンッ!!

 

 

「んな事は関係ねえんだよ!! ルーシィ、形見はぜってぇ取り返すからな!!」

 

 

「うん………」

 

 

机を叩いて怒りを露にするナツがルーシィにそう言うが、ルーシィは俯きながら頷くだけだった。

 

 

「そんなに落ち込まないでよ。魔法で操られてたんだしさ」

 

「ごめんなさい……私、何も出来なくて……」

 

「ううん、ミッシェルのせいじゃないよ……。私が………」

 

 

ハッピーが励ましの言葉を、ミッシェルが謝罪の言葉を掛けるが、それに対しルーシィは太ももの上に置いた両拳を強く握り締め……

 

 

「私が……弱かったから……」

 

 

「…………」

 

 

「ルーシィさん……」

 

 

自身の無力さを痛感しているルーシィを見て、ナツは何も言わず、ウェンディは心配そうな表情を浮かべた……。

 

 

「ゼントピア聖誕祭を前にしての教会襲撃事件………謎の針と不吉な一説………それを狙ったレギオン隊………そして聖戦……か……」

 

「気に入らねえ……!」

 

 

マカロフが意味深に呟く中、ナツは依然として苛立ちを隠せない……。

 

 

「あいつ等に妖精の尻尾がナメられてるのも気に入らねえし、ヤられっ放しで終われるかっての……!!」

 

 

「……うん……!」

 

 

その言葉にハッピーも頷いて同意する。と、ここで、

 

 

「追跡にしに行った連中はどうなったんだ?」

 

 

そう尋ねてきたのはグレイ。彼はエルザと共に別の依頼をこなしていたのだが、帰還した所でギルド襲撃の詳細を聞き、ナツの救援に向かっていたのである……。

 

「ウォーレンによると、どのチームも見失ったらしい」

 

 

「まあ、相手は暗部として陰で動くのは得意でしょうから、例えブランでも追跡はかなり難しいと思います」

 

 

「あの“荒くれの鮫”の連中の方もやっぱりダメなのか?」

 

 

エルザの報告を聞いたレイルが自らの考えを述べていると、今度はレイルとブランが倒した“荒くれの鮫”から手掛かりが得られないかどうかマカオが尋ねてきた。ちなみに連中を検束魔導士部隊へ引き渡した事や、リーダーであるベイズ・シャークが意識不明となった事は既にギルドの面々には報告済みである……。

 

 

「ええ。断言は出来ないですけど、恐らくリーダーのベイズ以外は特に情報を持っていないと思います。だからこそ、こうしてベイズ1人が口封じされている訳ですし……」

 

「確かに、その方が合理的ね」

 

 

「ってことは、そっちからも手掛かりになりそうな物は得られねえか……」

 

 

それを聞いたシャルルとグレイは思わずそう呟く。

 

 

「だが終わりじゃない……。“始まった”……と言える……」

 

 

「おおよッ!! 百倍返しの楽しみが増えたってもんだ!! だろ?」

 

 

「! うん……!」

 

 

エルザの言葉にナツも同意し、ルーシィもそれを聞いて一気にやる気を取り戻した。

 

 

「奴等が言う“聖戦”……レギオン隊は何か大きな事を成し遂げようとしている。そのために、あの針が必要だった。そして、そこに刻まれた言葉……」

 

 

「『時は刻まれ、やがて混沌が訪れる』……でしたね……」

 

 

「! 何処かにあの時計が本当にあるんだ……! それが聖戦に使われるってこと……?」

 

 

エルザとレイルがレビィによって解読された針の文字を考えていると、ルーシィは解読の際に自分の部屋で見つけた本の内容を思い出し、そんな推測を立てる。

 

 

「『混沌が訪れる』って……その“聖戦”のことじゃないのかい?」

 

 

「あ……ああ………?」

 

 

「ナツー、大丈夫? 話分かる?」

 

 

「う、うるせえよ……!!」

 

 

カナの言葉に一応頷くナツだったが、ハッピーにそう指摘されると思わず顔を背けた……。

 

 

「ルール無用って奴か」

 

 

「俺向きじゃねえかッ!!」

 

 

ここでグレイがそう言うと、ナツも珍しく同意するが……

 

 

「あのねー、世の中ルールがあるから何とかなってるって所もあるでしょ?」

 

 

「人の物盗ったら泥棒、とか?」

 

 

「出かける時は鍵を掛けて、とか?」

 

 

ハッピーがそう指摘すると、カナとミッシェルが具体例のようなものを挙げてきた。まあ、最後に関しては少々違う気もするが……。

 

「どんな自由も、ある一定のルールの上で成立する。そうでなければ、ただの無法だ」

 

 

「まあ、余程の極限下なら例外と言えなくもないですがね……」

 

 

「つってもそれ、聖戦で勝ち取るものかぁ……?」

 

 

マカロフとレイルの会話に疑問を感じたマカオはそう呟く。

 

 

「また物騒なことになってきたなぁ……」

 

 

「そもそも人の物を強奪するってのは、聖なる行為とは言えねえなぁ……」

 

 

ワカバの呟きを聞いて、ギルダーツはレギオン隊の行動自体をそう評価する。そんな中……

 

 

「全くです。こんなこと、“あいつ”が許す筈が……(ボソッ)」

 

 

「? レイルさん?」

 

 

「! あ、ゴメン。何でもないよ、ウェンディ」

 

 

レイルにそう言われたウェンディは、若干疑問を感じつつも気にしないことにした……。

 

 

「手掛かり……か……」

 

 

「もしかすると……レギオン隊は他の部品を探しているのかも……」

 

 

と、ここで、ルーシィとミッシェルがそう呟くと……

 

 

「奴等の目的を知れば、遺品の意味も自(おの)ずと分かる」

 

 

「調べるしかねえなぁ。どうせ奴等の居場所も……。てか俺等を嗅ぎ付けて寄ってくるかもな」

 

 

「それ乗った!!」

 

 

エルザに続いてグレイがそう言い、それを聞いたナツは俄然やる気を見せる。

 

 

「出発だ!!」

 

 

「でも、何から調べれば……?」

 

 

ナツはそう言うものの、肝心の目星が付いていないことに気付いたルーシィ。すると、

 

 

「私が占ってみるよ。多少は絞り込めると思うんだけどね」

 

 

「聞いたか今の!! さっすが俺の娘ぇッ!!」

 

 

「あー、はいはい……(汗)」

 

 

親バカ全開のギルダーツに呆れながらも、カナはお得意のカードによる占いを始めた……。

 

 

「えっと、ギルダーツさんってカナさんにはいつもあんな感じなの?」

 

 

「そ、そうですね。カナさんと父娘だって分かってからは、凄い変わり様なんです。あははは……」

 

 

「ホント、あれを見るとギルド最強のS級魔導士にはとても見えないわね……」

 

 

その様子を見たレイルが思わず尋ねると、ウェンディは苦笑いを浮かべ、シャルルは呆れ混じりに呟く。と、その時だった……。

 

 

「ッ……!!??」

 

 

「? どうしたの、シャルル? 」

 

 

「いえ……何でもないわ……」

 

 

突然不安と驚愕が入り混じったような表情を浮かべるシャルルに気付き、ウェンディがそう尋ねる。

 

「でも、顔色も悪く見えるし……とにかく無理はしない方がいいよ?」

 

 

「ええ、そうね……」

 

 

シャルルはレイルの助言を受け取るが、何処となく“心ここに在らず”といった様子だった……。と、ここで、

 

 

「出たよ!!」

 

 

カナが占いの結果が出た旨を伝えた。

 

 

「何処だ!?」

 

 

「ここよ!」

 

 

ナツの問い掛けに対し、カナは自らが投げたカードが刺さっている地図の1か所を指し示す。

 

 

「占いでは、この場所みたいよ!」

 

 

「! あっ……!!」

 

 

「? ルーシィさん、この場所に心当たりがあるんですか?」

 

 

「ここって……!!」

 

 

レイルがそう尋ねるも、ルーシィはその指し示された場所に驚くばかりだった。まあ、当然である。何故ならそこは……彼女にとってあまりにもよく知る場所だったのだから……。

 

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