FAIRYTAIL~絶対なる黒龍戦記~   作:無颯

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やはり亀のような速度の更新となってしまいました。大変申し訳ありません…。



今回がある意味ターニングポイントになるかと…。最後にオリジナル展開として、とんでもない人物が登場します。



また、ここから設定していたOP曲とED曲も変更したいと思います。




OP → “Song 4 u” ~浜崎あゆみ~

(“テイルズオブエクシリア2” 主題歌)



ED → “Re:Start” ~BACK―ON~

(“テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー2” ED2)




以上の曲でお送りします。尚、今回もOPの曲が好きです。



長文失礼しました。では、どうぞ。


現れる者達

「もうすぐ合流地点の筈だ」

 

 

 

 

「結構時間が掛かったわね」

 

 

 

「少々道草を食ってしまいましたからね~」

 

 

 

「ハハッ、まあそう言ってやるなよ…」

 

 

 

 

エルザとシャルルの会話を聞いたジェイドの発言に、ガイは苦笑いを浮かべる。レイル達一行は、とある砂漠地帯へとやってきた。どうやらここが合流地点のようである…。と、ここで、

 

 

 

 

「あ、見てください!」

 

 

 

 

「どうやらもう、皆さん全員集まっているみたいですね」

 

 

 

 

「我々も参りましょう」

 

 

 

「そうだねぇ。皆が部品を回収できたかも気になることだし」

 

 

 

視線の先にいる“妖精の尻尾”の面々にウェンディとレイルが気付くと、ブランとカナがそう言った。そして早速彼等の下へと向かう……。

 

 

 

 

「すみません、お待たせしました」

 

 

 

「! レイル! それにエルザ達も一緒か」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

レイルやエルザ達に気付いてそう言ってきたのはグレイだった。

 

 

 

「時計の部品は?」

 

 

 

「大丈夫、回収できたわ」

 

 

 

 

「途中レギオン隊の方と戦闘になりましたけど、何とか…」

 

 

 

 

「ま、こっちは大したこと無かったけどな。ギヒッ!」

 

 

 

 

「そ、そんなこともない気がするけど…」

 

 

 

 

カナの問いに対し、各チームを代表してミラ、ジュビア、そしてガジルがそう答えた。まあ、レビィがガジルの余裕そうな発言にツッコんでいるが……。すると、

 

 

 

 

「こいつ等か、グレイ? 例の“クロニクル”から送られてきたお前達の監視役というのは…」

 

 

 

 

「監視役じゃねえよ。ギルドの紋章は付けてねえが、立派な仲間だっつーの」

 

 

 

 

「! あなたは確か…」

 

 

 

 

「“蛇姫の鱗(ラミアス・ケイル)”のリオン・バスティアですね~? 何故こちらに?」

 

 

 

「! ほう、俺を知っているとはな…。組織の実態が知れない以上あんまり信用していなかったんだが、どうやらそうでもないらしい」

 

 

 

 

グレイの隣にいる逆立った水色髪が特徴の青年──リオン・バスティアは、レイル達が自身のことを知っている旨を聞き、不適な笑みを浮かべる…。

 

 

 

 

 

「その変にしておけ、リオン……。そういやぁ、お前等の後ろに居んのは誰だよ?」

 

 

 

 

「! あ、そうでした! えっと…」

 

 

 

 

「構いませんよ、ウェンディ……。自己紹介が遅くなってしまいました。私はジェイド・カーティス。レイルと同様、クロニクルでは“元帥”の職を預かっています。そしてこちらは…」

 

 

 

 

「ガイラルディア・ガラン・ガルディオスだ。長いから“ガイ”でいいぜ? 色々とレイルが世話になってるみたいだが…まぁ、宜しく頼む」

 

 

 

 

 

「っ!? ク、クロニクル!?」

 

 

 

 

「ええっ!?」

 

 

 

ジェイドとガイはグレイの問い掛けを受けて紹介をしようとするウェンディを止め、自らそう名乗った。すると、それを聞いたリサーナとレビィが2人の思わぬ正体に驚きを露にする…。

 

 

 

 

「ジェイドさんとガイさんは、クロニクルから応援として来てくれたんです」

 

 

 

 

「少々突然のことではありますが、戦力の強化としては申し分ないかと」

 

 

 

 

「いや、“申し分ない”っていうか…」

 

 

 

 

「“元帥”ってことは、レイルと同じくらい強いってことだよな…?」

 

 

 

 

レイルとブランが補足のような言葉を述べたところで、ドロイとジェットは恐る恐るといった様子で尋ねる。

 

 

 

「とんでもないですよ。僕と違ってジェイドさんは、クロニクルの創設当時から元帥の一角を務めていましたし、何よりジェイドさんの異名はフィオーレ中に広まっていますから…」

 

 

 

 

「? 異名、ですか? 一体どんな…」

 

 

 

 

そしてレイルの発言の中で登場した“異名”という単語に対し、ウェンディが気になって聞こうとした、その時、

 

 

 

 

 

「“死霊使い(ネクロマンサー)”…」

 

 

 

 

「え…?」

 

 

 

 

「何だよリオン、知ってんのか?」

 

 

 

 

その問い掛けに答えたのは、リオンだった。これにはジュビアとグレイも少し驚きを見せる…。

 

 

 

 

「ジュラさんから聞いたことがある。その圧倒的な強さから、長年“聖十大魔導”への推薦を受けながらも拒み続けた男…。魔導士としての実力もさることながら、魔法研究においてもフィオーレで五本の指に入ると言われ、付いた異名が“死霊使い(ネクロマンサー)”……死者すら自在に操ることが出来るという噂から、そう呼ばれるようになったらしい」

 

 

 

「「し、死者を操る…!?」」

 

 

 

 

「根も歯もない噂に過ぎませんよ。全く、困ったものです」

 

 

 

 

「まあ、異名なんて割と適当に付けられるものだからなぁ…」

 

 

 

異名の由来を聞いて戦(おのの)くジェットとドロイに対し、ジェイドは呆れた様子でそう言い、ガイも補足をするように呟く…。

 

 

 

 

「何にせよ、レイル達がここまで言うんだ。協力してくれる以上、歓迎しねえとな」

 

 

 

 

「そうね。それに、あまりここでのんびり話している訳にもいかないもの」

 

 

 

 

「ああ。ナツやルーシィ達の姿が未だに見えんが、恐らくは…」

 

 

 

 

 

グレイとミラがそう言うと、エルザは“あるもの”に目を向ける。そこには…かなり深そうな大穴が開いていた…。

 

 

 

 

「この中にナツさん達が…?」

 

 

 

 

「そう考えるのが妥当でしょうね」

 

 

 

 

「なら、さっさと行くに越したことはないねぇ」

 

 

 

 

ウェンディの問いにシャルルが答えると、カナはやる気に満ち溢れた様子で呟く。そして……

 

 

 

 

「よし…行くぞッ!」

 

 

 

 

『はい(おう)(ええ)ッ!!』

 

 

 

 

エルザの掛け声と共に、レイル達は大穴の中へと入っていった……。

 

 

 

 

「レイル…(ボソッ)」

 

 

 

 

「うん、分かってる。ジェイドさんとガイさんも、多分気付いてる筈…(ボソッ)」

 

 

 

 

「これは最大限の警戒をしておくべきでしょうね~…(ボソッ)」

 

 

 

 

そう話すブランとレイルを始め、クロニクルの面々が険しい表情を浮かべているとも知らずに…。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆

 

 

 

 

 

「審問会に掛けるまでもないわァッ!! この場で裁かれよ、ココ!!」

 

 

 

 

「ダメーーーーーーーッ!!!!!」

 

 

 

 

地下で響き渡るのは、初老でありながらも屈強な体格をした白髪の男──バイロ・クラシーの怒りの声と、ルーシィの悲痛な叫びだった。バイロの頭上には膨大な魔力で構成された巨大な光の矢があり、その矛先は……目の前で膝まずいている少女──ココの方を向いている…。そして……

 

 

 

 

「ココーーーーーーーッ!!!!!」

 

 

 

 

ルーシィの叫びも虚しく、バイロが光の矢──“ディバイン・アロー”を放った、その時、

 

 

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオンッ…!!!

 

 

 

 

「間一髪、といった所か…」

 

 

 

 

「何ッ…!?」

 

 

 

 

その光の矢はココに当たることなく、間に入ってきた人物によって防がれた。それは……金剛の鎧に換装したエルザだった…。

 

 

 

 

「! 貴様は……!!」

 

 

 

 

「いつぞやは剣を交える間もなかったが……ようやく会えたな、バイロ・クラシー」

 

 

 

 

「妖精女王(ティターニア)…」

 

 

 

 

「気安く呼ぶなッ!! 仲間に易々と手を掛けようとするなど、反吐(へど)が出る…!」

 

 

 

 

「「エルザ!!」」

 

 

 

 

バイロが自身の異名を呼んだことに対し、激昂するエルザ…。一方ナツとルーシィは仲間の姿を見て思わず叫んだ。すると、

 

 

 

 

「弱い者いじめしてんじゃねえよッ!」

 

 

 

 

「! グレイ!!」

 

 

 

 

「ジュビア!!」

 

 

 

 

「あれ? 何でリオン?」

 

 

 

 

「俺達だけじゃねえぞ!」

 

 

 

 

ハッピーが本来居ない筈のリオンを見て首を傾げる中、グレイがそう言うと…

 

 

 

 

「! 皆! 部品を回収できたのね!」

 

 

 

 

「ガジルが居んぞ…」

 

 

 

 

「シャルルー! シャルル達も来てくれたんだね!?」

 

 

 

 

「! ってことは…」

 

 

 

 

他の妖精の尻尾の面々も、部品と共に姿を見せた。そしてロメオが気付いた所で最後に現れたのは…

 

 

 

 

「すみません、遅くなりました…!」

 

 

 

 

「ですが、肝心な所には間に合ったようですね~」

 

 

 

 

「「レイル! ブラン!」」

 

 

 

 

レイル達、クロニクルの面々である…。

 

 

 

 

「あれ? ねえ、ブラン、そっちの2人って誰?」

 

 

 

 

「ああ、詳しい紹介は省きますが、我々の仲間ですので御安心を」

 

 

 

 

ハッピーが後ろにいるジェイドとガイを見て尋ねると、ブランは状況を考慮して軽い紹介に留めた。すると、

 

 

 

 

「っ! ジェイド・カーティス! ガイラルディア・ガラン・ガルディオス! 何故貴様等がここにいる!?」

 

 

 

 

「無論、上からの命令を受けたからですよ? イオン様とアニスの捜索に加え、“妖精の尻尾に協力せよ”という命令を」

 

 

 

 

「っ!? たかが1ギルドに協力とは…血迷ったか…!!」

 

 

 

 

「血迷ってるのは、そちらじゃないのか? 時計の部品集めより、2人の捜索を優先すべきだろう!?」

 

 

 

 

「黙れッ! 我々はゼントピアの命(めい)により行動している…! イオン様の捜索も、“別の部隊が担っている”という報告を受けている…! 貴様等にとやかく言われる筋合いはない…!」

 

 

 

 

バイロはジェイドとガイの姿を見て驚きを露わにし、やや感情を昂(たかぶ)らせながらも、そんなやり取りを始めたのだ。と、ここで、

 

 

 

 

「残念ですが、そういう訳にはいきません」

 

 

 

 

「! 貴方は…?」

 

 

 

 

「初めまして、レイル・アスフォードと云います。ジェイドさんと同じく、クロニクルで八元帥を務めている者です」

 

 

 

 

「ッ!! 成る程、貴方が…。御話はイオン様から伺っています。貴方はイオン様が特に信頼を置いておられる御友人…出来れば貴方との敵対は避けたいのですが…」

 

 

 

レイルが自ら名乗ると、先程までとは一転して、敬意を払うように言ってくるバイロ…。

 

 

 

 

「僕も命令を受け…いえ、それ以上に僕の意志で“妖精の尻尾”の皆さんに協力しています。何より…誰かを悲しませるような今の貴方のやり方を、イオンが喜ぶ筈がない…。貴方には…賛同できません」

 

 

 

 

「…では…致し方ありません…。全ての部品を、取り戻すまで!」

 

 

 

 

「この人数を相手にか? 残るは、お前達がルーシィから奪った針のみ。時計は我々が全て集め、封印し、管理する! 大人しく…それを渡せ!!」

 

 

 

 

レイルの返答を聞いて、バイロが残念そうに呟く中、エルザは手にしている剣の切っ先を向けながら言い放った。それに対し、

 

 

 

 

 

「渡す訳にはいかんな。無限時計は元々ゼントピアの所有物。我等が管理する宿命にある」

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

「そうなの?」

 

 

 

 

「いんや、初めて知ったぜよ」

 

 

 

 

バイロの発言を聞いたミッシェルは驚き、ルーシィが思わず近くにいた土佐弁の男──ダン・ストレートに尋ねるが、彼はすぐにそう答える。だが…

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

「? ジェイド…?」

 

 

 

 

ジェイドが何とも言えない表情を浮かべていることに、ガイは気付いていた…。

 

 

 

 

「あなた方は、これに深入りし過ぎた。覗いてはいかぬ闇を見てしまった。最早、生きて帰ることも許されない!」

 

 

 

 

「ぬかせッ! 行くぞ!!」

 

 

 

 

「っ! 皆さん、待ってくださいッ…!」

 

 

 

 

「そうよ! あいつに魔法は…!」

 

 

 

「オラアッ!!」

 

 

 

 

「って、ちょっとぉッ…!?」

 

 

 

 

そしてエルザがそう言った瞬間、レイルやブラン、ジェイド、ガイ、ルーシィ以外の面々が一斉に魔法を繰り出しに掛かった。レイルとルーシィがそれを止めようとするが、ナツを始め誰も止まらない。すると…

 

 

 

 

 

「笑止ッ!!」

 

 

 

 

『っ!!?』

 

 

 

 

バイロがそう言って杖を振った瞬間、全員の放った魔法が消失してしまった…。

 

 

 

 

「これか! おっさんが言ってたのはッ…!!」

 

 

 

 

「この数で…!!」

 

 

 

 

「長年ゼントピアの暗部に居たのは伊達じゃないって訳か。こいつは一筋縄ではいかなそうだな…」

 

 

 

 

それを見たグレイとエルザが、彼と一戦交えたギルダーツの話を思い出しながら驚きを露わにする一方、ガイは冷静にそう言った。

 

 

 

 

「魔法が効かねえんだよ!」

 

 

 

 

「それについては私も把握していたが、これ程とはな…」

 

 

 

 

「でしょ? これじゃオイラただの猫だよ!」

 

 

 

 

「おやおや、それは私もあまり笑えませんね~…」

 

 

 

 

若干苛立ちを見せるナツの言葉にエルザがそう返す中、ハッピーの発言を聞いたブランは冷笑を浮かべて呟く。

 

 

 

 

「何人同時に来ようと変わりはありません。私の前では、魔導士は魔導士で無くなる」

 

 

 

 

「猫は?」

 

 

 

 

「もうあんたは黙ってなさいッ!」

 

 

 

 

ハッピーが再び茶々を入れた所で、ピシャリと注意をするシャルル…。

 

 

 

 

「ならば仕方あるまい…」

 

 

 

 

「素手でボコるしかねえよなぁ…!」

 

 

 

 

「来るが良い! 私は素手でも同時に50人を相手に出来るよう訓練されている!」

 

 

 

 

グレイとエルザが臨戦態勢に入る中、対するバイロは依然として自信を崩さない。一方で、

 

 

 

 

「成る程、それは厄介ですねぇ。では…後は任せましたよ、ガイ」

 

 

 

 

「いや、何でだよ!?」

 

 

 

 

「格闘は専門外ですし、私の槍は魔力で構成されていますので…」

 

 

 

 

「本音は?」

 

 

 

 

「面倒極まりません」

 

 

 

 

「…はあ、もういい…」

 

 

 

 

こちらではジェイドの清々しい程の発言に、ガイが呆れていたり…

 

 

 

 

「レイル、大変申し上げにくいのですが…」

 

 

 

 

「全然言いにくそうに見えないけど…。はぁ、ウェンディとシャルルを頼むよ」

 

 

 

 

「クックックッ、畏まりました…」

 

 

 

 

「気のせいかしら? アンタも敵の1人みたいに見えてきたわ…」

 

 

 

 

ブランの陰険さにシャルルが引きつった笑みを浮かべたりしていた…。

 

 

 

 

「あの、レイルさん…」

 

 

 

 

「? ウェンディ…?」

 

 

 

 

「無茶、しないでくださいね…?」

 

 

 

 

「…! うん、ありがとう、ウェンディ」

 

 

 

 

こんな若干甘いやり取りもあったりしたが、それは置いておき…

 

 

 

 

「へっ! タコ親爺も燃えてきたってか?」

 

 

 

 

「油断するなよ。こいつは相当な使い手だ」

 

 

 

 

「望む所だ…!」

 

 

 

 

エルザの注意を聞きつつも、戦う気満々のナツとグレイ。まさに現状は“一触即発”と呼ぶに相応しいものだった…。と、その時、

 

 

 

 

キィィィィィンッ!!

 

 

 

 

「っ…!!?」

 

 

 

 

突如バイロが手にしている鍵型の部品が光り出したのだ。更に…

 

 

 

 

「え…お父さん…?」

 

 

 

 

(! ルーシィさん…?)

 

 

 

 

それに呼応するかのように、ルーシィも呟き始める。そして…

 

 

 

 

「ここが…終わりの始まり…?」

 

 

 

 

キィィィィィィィィィンッ!!!

 

 

 

 

『っ!!??』

 

 

 

 

「これは……!」

 

 

 

 

ルーシィが再度呟いた瞬間、全ての部品が宙に浮き、1ヵ所へと集まり出した。これにはブランを始め、皆一様に驚きを露わにする…。

 

 

 

 

「おいおい…!?」

 

 

 

 

「何が起こるっていうの…!?」

 

 

 

 

ガイとルーシィがそう言う中、ついに集結した時計の部品達。その結果、姿を表したのは……空中に浮遊する1つの巨大な時計だった…。

 

 

 

 

ゴオーーーーーンッ…!! ゴオーーーーーンッ!!!

 

 

 

 

「うるせえッ!!」

 

 

 

 

「目覚まし時計…!?」

 

 

 

 

「うん…まさに、何かの覚醒を知らせる音…」

 

 

 

 

響き渡る轟音に思わずそう言うナツとハッピー、そしてレイル。と、ここで、

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ…!!!

 

 

 

 

「それよりまずいんじゃねえか!?」

 

 

 

 

「崩れるぞッ!!」

 

 

 

 

「何なの、これ…!?」

 

 

 

 

周りの状況から危険を察知したグレイとエルザが叫んだ。そして目の前の光景にルーシィが思わずそう呟く中、あることに気付いたのは…ナツやレイル達クロニクルの面々だった…。

 

 

 

 

「っ!? 何だ、この匂い…!?」

 

 

 

 

「! 誰かいるぞ…!」

 

 

 

 

「ええ。それもどうやら、一介の者達では無さそうでねぇ…」

 

 

 

 

 

「! レイル……!」

 

 

 

 

「うん…この感じ、間違いない…!!」

 

 

 

 

ナツ、ガイ、ジェイドがそう言っていると、ブランの言葉を聞いたレイルが声を上げ、ある一点に集中するよう促した…。

 

 

 

 

『ッ…!!』

 

 

 

 

土煙が晴れると、そこには6人の男女(?)の姿があった。

 

 

 

まず初めに目が行くのは、ピンク色の体と腹部の“スロット”のような表示板が特徴的で、人間かどうかも怪しい頭でっかちな人物。

 

 

 

2人目は銀髪のボブカットが印象的で、羽をあしらった服を着ている女性。

 

 

 

 

3人目は大鎌を持ち、ローブで自身を覆っているスキンヘッドの男性。

 

 

 

 

4人目はサングラスを掛け、黒と赤を基調としたタイツを身に纏っている男性。

 

 

 

 

5人目は黒みがかった赤毛が目を引く、右目が隻眼の男性。

 

 

 

 

そして最後の1人は、真っ白な肌と黒髪が印象的で、何処と無く“ピエロ”を連想させる風貌の男性だった…。

 

 

 

 

「っ!!?? コイツ等……!!!」

 

 

 

 

「これは驚きましたねぇ…」

 

 

 

 

そんな突如現れた集団を見て、その正体に気付いたのはナツやルーシィ、更にジェイドだった…。

 

 

 

 

 

 

「六魔将軍(オラシオン・セイス)!!!??」

 

 

 

 

(ッ!!? “六魔将軍”…7年前、妖精の尻尾を中心とした正規ギルド連合軍が倒した、バラム同盟の一角を務めた闇ギルド。確か…)

 

 

 

 

ルーシィが思わず驚きの声を上げる中、レイルは自身の脳内で“六魔将軍(オラシオン・セイス)”についての概略を軽く整理し…

 

 

 

 

「シャルル、確か君とウェンディも六魔将軍の討伐作戦に参加していたよね? あれが六魔将軍っていうのは、本当?」

 

 

 

 

「! 何であんたが知って……いえ、そんなことはどうでもいいわね…。間違いないわ! あの4人は確かに六魔将軍よ!! 他の2人は見たことないけど…」

 

 

 

 

(やっぱり本物の六魔将軍なのか。でも、確か…)

 

 

 

 

シャルルがそう言って示したのは、ローブの男と熊のような見た目の人物以外の4人だった。しかし、それを聞いたレイルはある疑問を抱く。それは…

 

 

 

 

「おいおい、六魔将軍は確かまだ“投獄中”の筈だぞ!? 何でこんな所に…!?」

 

 

 

 

 

「まあ、“評議院が脱獄を許してしまった”と考えるのが自然でしょう。とんだ失態と言わざるを得ませんね~…」

 

 

 

 

ガイが驚きを露わにすると、ジェイドは溜め息混じりに自身の推測を述べた…。一方、

 

 

 

「随分雰囲気違くねえか?」

 

 

 

 

「7年も経ってますからね…」

 

 

 

 

「メンバーも違うようだな…」

 

 

 

 

グレイやウェンディ、エルザはむしろ外見や構成の違いに驚いていた。すると、

 

 

 

 

「にょほほほほッ!! ほい来た~ッ! 激アツ~ッ!!!」

 

 

 

 

熊のような人物の腹部にあるスロットが回り始め、ある言葉が表示される。そこには…“六マ”という文字があった。そして…

 

 

 

 

「これぞまさしく六魔将軍!! いえいえいえ……“新生”六魔将軍とお見知り置きくださいませ~ッ!!!」

 

 

 

 

『“新生”六魔将軍ッ!!!??』

 

 

 

 

“新生・六魔将軍”という言葉に、思わず声を上げる妖精の尻尾の面々…。

 

 

 

 

「そう、いかにも我らは“新生六魔将軍”…」

 

 

 

 

「! お前、ミッドナイトか!?」

 

 

 

 

「その名は遠い過去のもの。“ブレイン2世”と記憶してもらおうか」

 

 

 

 

「何が“2世”だ!! いきなりノコノコ出てきやがって…どういうつもりだッ!?」

 

 

 

 

白色の男──ミッドナイトもとい“ブレイン2世”がそう言ったのに対し、ナツは苛立ちを露わにしながら叫んだ。すると…

 

 

 

「我が祈りはただ1つ…父の意志を果たすこと。形有るものは全て破壊されるべし…」

 

 

 

 

「まだそんな寝言を言ってるのか…!?」

 

 

 

 

「フッ…レギオン隊よ、妖精の尻尾よ。お前達の役目は今、終わった…」

 

 

 

 

(? 役目…?)

 

 

 

 

そんなナツのことを無視してブレインが言い放つと、今度は無限時計自体に“六マ”の文字が刻まれた。そして初めは彼の“役目”という言葉の意味が分からなかったレイルも、それを見た瞬間、

 

 

 

 

(! まさか…!?)

 

 

 

 

ある1つの推測に至った…。と、ここで、

 

 

 

 

「何じゃあれは!?」

 

 

 

 

「ダン! 渡してはならんッ!」

 

 

 

 

「合点承知ぜよッ!!」

 

 

 

 

その状況を見たバイロが、ダンと共に六魔将軍の下へ駆け出し始め…

 

 

 

 

「冗談じゃねえ!! それはこっちの台詞だァッ!!」

 

 

 

 

「邪魔すんなッ!!」

 

 

 

 

ナツもそれに続き始めた上に、ダンといがみ合い出した。すると、それを見て…

 

 

 

 

「フッ…蛆(うじ)共が、群がりおって…」

 

 

 

 

ブレインが鬱陶しそうに呟くと、右手から黒く禍々しい魔力をナツやダン、バイロに向けて放出してきた…。

 

 

 

 

「そんなもん、跳ね返してやるぜよッ!!」

 

 

 

 

これに対し、当然ダンは自らの持つマジックアイテム“リコシェ”を掲げ、前に出る。通常であれば向かってくる魔法はあらぬ方向へ飛び散ってしまうだろう。だが…

 

 

 

 

「ッ!!??」

 

 

 

 

ドガガガガガアアアアアアンッ!!!

 

 

 

 

「どわあああああああッ!!?!?」

 

 

 

 

(っ!? あのマジックアイテムの効果が発動しない…!?)

 

 

 

 

「あの盾(シールド)で跳ね返せないなんて…!」

 

 

 

 

魔法が跳ね返ることなくダンに直撃したことに、レイルとココは驚きを隠しきれなかった。

 

 

 

 

「のほわぁ~ッ! ルーシィ~!! 信じられんじゃあ~!!」

 

 

 

 

「ドサクサに紛れてしがみつくな~ッ!!」

 

 

 

 

当の本人もルーシィの足に泣き付いていた。緊張感が欠片も無いことについては、触れなくてよいだろう…。と、ここで、

 

 

 

「君は下がれッ!!」

 

 

 

 

「何!?」

 

 

 

 

「如何なる魔法も私の前では…!」

 

 

 

 

バイロが手で制しつつ、杖を掲げて対抗する旨を示した。だが…

 

 

 

 

ズオッ…!!

 

 

 

 

「ッ!!?」

 

 

 

 

ドガガガガガガアアアアアアンッ!!!

 

 

 

 

「「ぬおおおおおおおおおおおお(どわあああああああああ)ッ!!!??」」

 

 

 

 

魔法は無効化されることなく、ナツとバイロに直撃した。

 

 

 

 

「魔法の無効化はどうしたんだ!?」

 

 

 

 

「無駄ですよ。あれは恐らく…」

 

 

 

 

それを見たグレイが驚き、ジェイドが既に気付いた様子で何か言おうとするが…

 

 

 

 

「にょほほぉ~んッ! バイロさんの魔法が及ぶ範囲を屈折させて同時にアターックッ!! さっすがブレイン様~ッ!!」

 

 

 

 

「成る程、それなら先程のマジックアイテムで防げなかったことも説明がつきますね~」

 

 

 

 

「うん。屈折させてしまえば、あのマジックアイテムも一切意味を成さない…」

 

 

 

 

その前に熊のような人物がそう言うと、ブランとレイルは先程のダンへの攻撃に関して納得した。と、ここで、

 

 

 

 

「にしても、随分嫌な感じの魔力を持ってるな…」

 

 

 

 

「はい、私も感じます…!」

 

 

 

 

ガイの言葉にウェンディが同意した。それは恐らく、他の面々も感じていることだろう…。

 

 

 

 

 

「無限時計は、魔導士が己の刻印を刻むことにより、所有者を確定する…」

 

 

 

 

そういった瞬間、ブレインは一瞬にして無限時計の台座の上に移動し…

 

 

 

 

「よって今この瞬間、かの時計は我らの所有物となった…」

 

 

 

 

ゴオーーーーンッ…!!

 

 

 

 

「良い音色なこと…」

 

 

 

 

そんな彼の言葉に応えるかのように無限時計が鳴り響き、それを聞いた白いボブカットの女性―――エンジェルは耳を澄ませながら呟いた。ちなみに、そんなエンジェルを見て妙な反応をする者が約1名いたのだが…気にしなくてもよいだろう…。しかしここで、この状況に最も納得できない人物が声を上げる…。

 

 

 

「ちょっと!! いきなり出て来て横取りなんて、卑怯じゃないッ!!」

 

 

 

 

 

「! ルーシィさん…」

 

 

 

 

ルーシィの叫びを聞き、思わず何とも言い難い表情を浮かべるレイル。だが、当の新生六魔将軍の面々が取り合うわけもなく…

 

 

 

 

「聞こえる、テメエ等の憤りが…。混乱しているな…」

 

 

 

 

「フッ、笑える…」

 

 

 

 

「我等闇の者には、触れる事さえも許されぬこの時計…故にお前達に集めさせた…」

 

 

 

 

「てな訳で御座いましたッ!」

 

 

 

 

「っ! おのれ…!」

 

 

 

 

「利用、されてた? そんな……それじゃあ、お父さんは一体…何のために…?」

 

 

 

 

コブラに続いて、黒の全身スーツの男──レーサー、エンジェル、そして熊のような人物がそう言った。これにはバイロも憤りを滲ませ、ルーシィも呆然としてしまう。しかし…

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

そんなルーシィに目を向けている人物がいることに気付いているのは……ごく限られた者達だけだった…。

 

 

 

 

「何だか背中がゾクゾクする…! 怖いよ、アイツ等ッ…!」

 

 

 

 

「奴等から感じる魔力…」

 

 

 

 

「以前とは桁が違うな…」

 

 

 

 

「知ったことかッ!」

 

 

 

 

一方、ブレイン達の魔力を感じてそう呟くハッピー。そしてグレイとエルザの言葉に対し、ナツはそう言うと…

 

 

 

 

「俺等の手の中で踊れたこと、光栄に思え…」

 

 

 

 

「やかましいィィィィッ!!!」

 

 

 

コブラの挑発染みた発言を聞いた瞬間、“火竜の咆哮”を新生六魔将軍の面々に向かって放った。だが…

 

 

 

 

ビュオオオオオオオオッ…!!!

 

 

 

 

「ナツの炎が散らされた!?」

 

 

 

 

「あれは…」

 

 

 

 

「風の魔法…!?」

 

 

 

 

その炎は前に出て来たローブ姿の男によって、あっさりと防がれてしまったのだ。それを見たグレイ、エルザ、ウェンディが当然驚きを露わにする…。

 

 

 

 

「風……そんな穏やかなモノではない。嵐だ…嵐が来る…!」

 

 

 

 

「! ねえ、あの顔、あの声…もしかして…!?」

 

 

 

 

「っ! お前は…!」

 

 

 

 

ローブの男がそう言うと、ここでハッピーとナツが男の正体に気付いた。それは…

 

 

 

 

「あ、ご明察ゥ~ッ!! あの方は元“鉄の森(アイゼンヴァルト)”、エリゴール様に確・定・だぁ~!!」

 

 

 

 

「俺の名は“グリムリーパー”だ…」

 

 

 

 

「エリゴール!!?」

 

 

 

 

「こいつが…!!?」

 

 

 

 

(! それって、確か…)

 

 

 

 

熊のような人物のカミングアウトを聞いて、驚きを隠せないナツとグレイ。一方で、レイルもまた“鉄の森”というギルド名に心当たりがあった…。

 

 

 

 

「お前、その姿…!」

 

 

 

 

「私の記憶が正しければ、“鉄の森”は7年前にギルドマスター定例会の襲撃を企てた闇ギルドだった筈ですが…」

 

 

 

 

「ああ。そしてそのマスターを務めていたのが、あそこにいるエリゴール…いや、今はグリムリーパーだったか…」

 

 

 

ジェイドの発言を聞いて、依然驚きを隠しきれない様子ながらも補足をするエルザ…。

 

 

 

 

「人って変わるもんだね…」

 

 

 

 

「何でもいい!! ぶん殴ってやるから降りてきやがれッ!!」

 

 

 

7年という時間の流れを、ハッピーが目の前の敵の姿を見て思わず実感する中、ナツは更に苛立ちを見せながら声を上げた。それに対し、

 

 

 

 

「ブレイン、いつまでここで暇潰しをする気だ?」

 

 

 

 

「我等には大きな目標がある筈…」

 

 

 

 

「分かっている。だが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)…7年前の屈辱は忘れん…」

 

 

 

 

やはり当の六魔将軍の面々は取り合うこともなく、隻眼の男――――コブラとエンジェルの問い掛けにブレインがそう言うと…

 

 

 

 

「少し遊んでやれ、コブラ、レーサー」

 

 

 

 

「ああ」

 

 

 

 

「フッ…」

 

 

 

 

シュンッ!!×2

 

 

 

 

ブレインの命を受けたコブラとレーサーが動き出した。それを見て……

 

 

 

 

キィィィィィィィィンッ…!!

 

 

 

 

「来るぞ! 迎え撃てッ!!」

 

 

 

 

「「しゃあッ!!!」」

 

 

 

 

エルザが“悠遠の衣”へと換装しながら声を上げ、ナツやグレイと共に迎え撃とうとする。

 

 

 

「邪魔だ」

 

 

 

 

シュンッ!!!!

 

 

 

 

「ッ…! ダメです!! ナツさん、グレイさん、エルザさんッ!!!」

 

 

 

 

レーサーの動きを見た瞬間、レイルは直観的に何かを感じて叫んだ。しかし、時既に遅く…

 

 

 

 

ガガガガガガガッ!!!

 

 

 

 

「「ぐわあっ!!!」」

 

 

 

 

「ぐっ…!!」

 

 

 

 

「何だ今の!? 何にも見えなかった…!」

 

 

 

 

レーサーの高速な攻撃によって、3人はあっさりと吹き飛ばされてしまったのだ。そのあまりの速さに、驚愕するしかないハッピー…。

 

 

 

 

「くそっ!! 何だありゃ!!?」

 

 

 

 

「まるで別人だな、スピードもパワーも…。〝スロー”の魔法は?」

 

 

 

 

「使われた感じはねえな…!」

 

 

 

 

「まるで獣だな…獲物を狙う野獣そのものだ…!」

 

 

 

 

(〝スロー”は確か、一定範囲内の生物の体感速度を下げる魔法だった筈。でもこれは、明らかに純粋な速さによるもの……ッ!)

 

 

 

 

チャキッ!

 

 

 

 

「! レイルさん…?」

 

 

 

 

グレイとエルザがレーサーの変わり様について話している間にも、当の本人は近くにいたリオンやジュビアを吹き飛ばしていた。そしてその話を聞いていたレイルが考察をしていると、何かを感じてウェンディとシャルルの背後に回り、愛刀〝エコートレイサー”を抜いて身構える。すると…

 

 

 

 

「流石に気付いたか。どうやら話に聞いていた通りのようだな」

 

 

 

 

「「っ!?」」

 

 

 

 

その先にいたのは、悠然とした雰囲気で立っているコブラだった。ウェンディとシャルルはいつの間にか背後を取られていたことに気付き、驚きを露わにする…。

 

 

 

 

「よぉ、久しいな。天空の巫女…と、猫…。ちょいと、聞きてえことがあるんだが…」

 

 

 

 

「「(ゾクッ!!)」」

 

 

 

 

(ッ! まずいッ…!!)

 

 

 

 

コブラの鋭い眼光を見てまたしても何かを感じ、睨み返すかのようにジッとコブラの方を見るレイル…。

 

 

 

 

「ほぉ、俺の覇気を相殺したか…。だが、どうやらテメエ等は知らねえらしいな。なら用はねえ…」

 

 

 

 

と、そこへ、

 

 

 

 

「待ちやがれコブラッ!! テメエの相手は、俺だああああああああああああああああああああッ!!!!」

 

 

 

 

 

ナツがそう叫びながら、拳に炎を纏ってコブラに突っ込んできた。だが…

 

 

 

 

 

「まったく、相変わらず耳障りな声だッ…!!」

 

 

 

 

「ッ! ブラン!!」

 

 

 

 

「分かっています」

 

 

 

 

「ウェンディ! ごめんッ!!」

 

 

 

 

「失礼しますよ、シャルル」

 

 

 

 

「ふぇっ////////!!?」

 

 

 

 

「ちょっ…!?」

 

 

 

 

レイルとブラン(既に大型化)が咄嗟にウェンディとシャルルを抱えて飛び上がった瞬間、

 

 

 

 

パチンッ!!

 

 

 

 

 

【俺だあああああああああああああああああああああああッ!!!!!】

 

 

 

 

コブラが指で音を鳴らしたかと思うと、先程のナツの叫び声が凄まじい音量で響き渡り……

 

 

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ…!!!!!

 

 

 

 

「大丈夫、ミッシェル!?」

 

 

 

 

「何とか……」

 

 

 

 

ナツの周囲一帯が爆発したかのように吹き飛んだのだ。その結果、多数の妖精の尻尾の者達が甚大なダメージを被ることになってしまった。ルーシィとミッシェルは、比較的ダメージを受けなかったようである。一方、

 

 

 

 

 

「今のは一体…!?」

 

 

 

 

 

「まるで、音が凄い圧力の壁になって迫って来たような…」

 

 

 

 

 

「まさにそれが正しいと思うよ、ウェンディ。あれは多分、ナツさんの叫び声を記憶して、増幅させたんだ」

 

 

 

 

 

「“音圧”と表現するのがいいでしょう。音はその大きさによって、衝撃波を発生させることがありますからね~…」

 

 

 

 

 

そう言うシャルルとウェンディに対し、コブラの行動に関する推測を述べるレイルとブラン。ちなみに先程の衝撃波を、レイルは造形した黒金剛の盾で、ブランは黒い魔力で構成された盾で防いだため、4人は一切ダメージを負っていない…。

 

 

 

 

「コブラッ!! てんめえッ…!!!」

 

 

 

 

「聞こえる、テメエ等の絶望が……! 己の声に滅べ……」

 

 

 

 

そして怒りを滲ませるナツに対し、コブラがそう言い放った、その時、

 

 

 

 

「炎帝の怒りを受けよ、吹き荒べ業火…〝フレア・トーネード”!!」

 

 

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオッ…!!!!

 

 

 

 

「なっ…!?」

 

 

 

 

突如としてコブラの居た辺りに〝炎の竜巻”が発生したのだ。ナツはいきなりのことに驚くが、当のコブラは動揺した様子もなく直前にその場から退避している…。

 

 

 

 

「なるほど。心の声を聴くことが出来るというのは、どうやら本当のようですねぇ…」

 

 

 

 

「フッ、ようやくお出ましという訳か、〝死霊使い(ネクロマンサー)”…」

 

 

 

 

〝炎の竜巻”を繰り出してきたのは、右手に槍を手にして臨戦態勢を整えているジェイドだった。すると…

 

 

 

 

「闘争心を高まらせている最中に失礼ですが、選手交代です」

 

 

 

 

「あぁっ!? どういう意味だよ!?」

 

 

 

 

「見ての通り、彼とあなたの相性はどうやら最悪のようです。あなたがまた無闇に叫びながら突っ込めば、周りへの被害は更に拡大しますよ?」

 

 

 

 

 

「ふざけんなっ!! こいつは俺が絶対ぶっ飛ばすッ!!!」

 

 

 

 

「はぁ、やれやれ…」

 

 

 

 

 

頑としてコブラの相手を譲ろうとしないナツに、左手で頭を軽く押さえながら溜め息を漏らすジェイド…。と、そこへ、

 

 

 

 

「諦めた方がよろしいと思いますよ、ジェイド」

 

 

 

 

「ええ。ハッピーの受け売りみたいだけど、それがナツなのよ…」

 

 

 

 

「お、落ち着いてください、ナツさん…!」

 

 

 

 

「おや、流石にあなた方は無事だったようですね」

 

 

 

 

「ええ、まあ…」

 

 

 

 

飛空していたレイル達が丁度降りてきたのだ。更にブラン、シャルル、ウェンディがそう言う中、ジェイドの皮肉混じりの言葉に対してレイルは苦笑いを浮かべる…。

 

 

 

 

「ジェイドさん、この人の相手をお願いしてもいいですか?」

 

 

 

 

「少々懸念材料もありますが…やむを得ませんねぇ」

 

 

 

 

「すみません。僕は……」

 

 

 

 

と、次の瞬間、

 

 

 

 

ガッ!!!!

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

「ふっ…!!」

 

 

 

 

 

「チッ…!!」

 

 

 

 

突如背後に現れたレーサーの攻撃をレイルは左手で受け止め、エコートレイサーを一閃した。だがレーサーは舌打ちをしつつも素早く回避する…。

 

 

 

 

「レイルさん!!」

 

 

 

 

「大丈夫だよ、ウェンディ」

 

 

 

 

「俺の速さについて来てる…だと?」

 

 

 

 

「速さだけでは決定打になりません…。あなたの相手は僕がします。ブラン、ウェンディとシャルルを」

 

 

 

 

「分かりました」

 

 

 

 

驚いている様子のレーサーに対し、ブランにウェンディとシャルルを任せて構えるレイル。一方、

 

 

 

 

 

「でやああああああああッ!!」

 

 

 

 

 

「ハアアアアアアアアアッ!!」

 

 

 

 

 

こちらではグレイとエルザが空中にいるグリムリーパーに攻撃を仕掛けようとし……

 

 

 

 

 

「前方からの強風……のち、竜巻……」

 

 

 

 

ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

 

 

 

「「ッ……!!?」」

 

 

 

 

逆にグリムリーパーの発生させた竜巻によって、返り討ちに遭おうとした、その時、

 

 

 

 

 

「月華! 斬光閃ッ!!」

 

 

 

 

 

ズバンッ!!!!!

 

 

 

 

 

「ッ…!!?」

 

 

 

 

 

2人の前に1人の人物が現れ、その竜巻を両断し霧散させたのだ。これにはレーサー同様、感情の起伏が乏しそうなグリムリーパーも動揺を隠しきれない。その人物とは…

 

 

 

 

「無事か、御二人さん?」

 

 

 

 

 

「あ、ああ…」

 

 

 

 

 

「すまない。助かった、ガイ」

 

 

 

 

 

「気にしなくていいさ。さて…」

 

 

 

 

 

右手に自らの愛刀である“宝刀・ガルディオス”を持つガイだった。そしてグレイとエルザの様子を確認したところで、再び依然として宙に浮いているグリムリーパーに目を向ける…。

 

 

 

 

 

「悪いが、ここからは俺も加わらせてもらうぜ? 覚悟はいいな?」

 

 

 

 

 

「俺の予報を狂わせるとは…まずは貴様から潰してくれる…」

 

 

 

 

 

「フッ、やれるものならやってみろ…!」

 

 

 

 

その瞬間、レイル達クロニクルの面々を中心とした戦闘の第2ラウンドが始まった…。

 

 

 

 

 

 

「ブラックメイク! 手甲(ザ・ガントレット)ッ!!」

 

 

 

 

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ…!!!!

 

 

 

 

 

「くっ…俺の速さについて来れるとは…許せん…!」

 

 

 

 

 

「それはこっちの台詞です。他の皆さんを潰した借り……返させてもらいますッ!」

 

 

 

 

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ……!!!!

 

 

 

 

 

レイルはレーサーと超高速戦闘を繰り広げ……

 

 

 

 

 

「上空より雹(ひょう)…」

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドドドドドッ!!

 

 

 

 

 

「おっと…!」

 

 

 

 

 

「のち竜巻……」

 

 

 

 

ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!

 

 

 

 

 

「甘いな…!」

 

 

 

 

ダッ!!!

 

 

 

 

 

「ふっ!!!」

 

 

 

 

ガキィィィィィィィィィィンッ…!!!

 

 

 

 

 

ガイはグリムリーパーの天候を駆使した攻撃を素早く避け、彼に一太刀を入れようと鍔迫り合いを起こし……

 

 

 

 

 

 

 

「吹き飛びやがれ…」

 

 

 

 

 

『俺だあああああああああああああああああああああああッ!!!!』

 

 

 

 

 

「風塵皇旋衝ッ!!!」

 

 

 

 

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!

 

 

 

 

 

「ッ! 槍の衝撃波だけで弾き飛ばしたか。その上…」

 

 

 

 

 

「ええ。あなたは心の声を聴く能力というのは確かに厄介ですが、生憎私は自分自身にも割と“嘘つき”でしてね。或る意味あなたの天敵かもしれません。煌めきよ、威を示せ……“フォトン”!!」

 

 

 

 

 

「チッ……!」

 

 

 

 

ジェイドは実に皮肉なことを言いながらコブラを相手にしていた。だが1つ言えるのは……レイル達が六魔将軍の面々と対等以上に渡り合っているということである。それを見て……

 

 

 

 

「凄い…!」

 

 

 

 

「レイルの仲間って聞いた時点で、強え奴等だとはある程度予想してたが……」

 

 

 

 

「フッ、やはり予想を超えていたな」

 

 

 

 

「レイルの仲間も規格外なんだね…」

 

 

 

 

「俺も混ぜろーーッ!!!」

 

 

 

 

「ダ、ダメですよ、ナツさん…!」

 

 

 

 

「そうよ! ジェイドの言ってた通り、また大声出されたら被害が拡大しちゃうじゃない…!!」

 

 

 

 

上からルーシィ、グレイ、エルザ、ハッピーがそれぞれを思ったことを口にしている一方で、突っ込もうとするナツをウェンディとシャルルが必死に止めていた。しかし何にせよ、皆一様に同じようなことを思っていた……これで一気に状況がこちらに傾いた、と……。すると、次の瞬間、

 

 

 

 

 

「「「………!!!」」」

 

 

 

 

 

ズガガガガガガガアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!

 

 

 

 

 

「ッ! レイルさんッ…!!!」

 

 

 

 

 

「何だ、今のは!?」

 

 

 

 

「あいつ等、横槍入れやがったのかッ!!」

 

 

 

 

「いいえ、どうやら違うようですね~」

 

 

 

 

「ああ、これは一体……」

 

 

 

 

 

突如戦闘をしている最中のレイル達3人に、おどろおどろしい紫の魔力の塊が直撃し、爆散したのだ。それを見たウェンディとグレイが声を上げ、ナツが残りの六魔将軍の誰かによるものと考え怒りを露わにするが、ブランとエルザはそうではないと推測した。

 

 

 

 

 

ボフッ……!!×3

 

 

 

 

 

「! レイルさん…!!」

 

 

 

 

「どうやら無事みたいね…」

 

 

 

 

「でも、本当に何が起こったの?」

 

 

 

 

 

土煙の中から現れたレイル達3人を見て、安心した様子のウェンディとシャルル。そしてハッピーが再び先程の出来事について疑問を感じ始めた、その時…

 

 

 

 

 

 

「匂いますねぇ…あの忌々しい弱小ギルドの匂いが…」

 

 

 

 

 

「っ!?!? 何…これ……!!???」

 

 

 

 

「ッ!! この気持ち悪ぃ魔力……どっかで……」

 

 

 

 

そんな声が聞こえてくるのと同時に突如感じた凄まじい魔力に、震えが止まらない様子のルーシィ。一方、ナツはその魔力について何か心当たりがあるようだが、それ以上にあからさまな反応を見せている者達がいた…。それは……

 

 

 

 

「おい…嘘だろ……?」

 

 

 

 

「そんな筈はない…あの時、確かに終わったはずだ…! それなのに……」

 

 

 

 

グレイとエルザだった。2人の様子は明らかに異常で、驚愕と同時にある種の“恐怖”すら抱いているように見える。だが、それも無理もないだろう。その魔力の持ち主は、恐らく妖精の尻尾にとって“最も因縁の深い人物の1人”なのだから…。そして……

 

 

 

 

 

 

「久しぶりですねぇ…妖精の尻尾(フェアリーテイル)…」

 

 

 

 

 

「何故、貴様がここにいる……ッ!!!! “ジョゼ”ッ!!!!」

 

 

 

 

その男―――――ジョゼの姿を見た瞬間、エルザは声を上げるのだった……。

 

 

 

 

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