FAIRYTAIL~絶対なる黒龍戦記~   作:無颯

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いきなりテイルズオブシリーズのキャラが登場します。まあ、大分意外なキャラかもしれませんが……。


そしてオリ主達の正体も明らかに……?





妖精との邂逅

マグノリア郊外にある古い酒場のような建物……。実はここはあるギルドの本拠地となっている。そのギルドの名は、″妖精の尻尾(フェアリーテイル)″。つい最近まで半数以上のメンバーが訳あって居らず廃れていたが、現在はそのメンバーも無事に帰還し、以前同様の 活気を取り戻している。そんなある日のこと……

 

 

「何? ウェンディとシャルルが?」

 

 

「まだ帰ってないの。隣町での簡単な依頼だから、もうとっくに終わってるはずなんだけど……」

 

 

カウンターを挟んでそんな話をしているのは、緋色のロングストレートの髪が目を引く女性―――エルザ・スカーレットと、銀色のロングヘアーが特徴の女性―――ミラジェーン・ストラウス。共にギルドにおいてトップクラスの実力を持つ2人である……。

 

 

「そんなに心配しなくてもいいんじゃねえのか? ああ見えてウェンディが強えのはお前等も知ってるだろ?」

 

 

「勿論それはそうだけど……。それとまた服脱いじゃってるわよ、グレイ」

 

 

「うおっ!? いつの間に!?」

 

 

ミラジェーン……略して″ミラ″に指摘され慌てているのはグレイ・フルバスター。こちらもギルド内ではかなりの実力者である。と、そこへ、

 

 

「仕事だ仕事ーーッ!!」

 

 

「アイサーッ!!」

 

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよあんた達ー!?」

 

 

騒がしくやってきたのは2人の少年少女と……1匹の猫。桜色の髪とマフラーが特徴の少年はナツ・ドラグニル。金髪ツインテールの少女がルーシィ・ハートフィリア。そして背中から翼を生やして飛んでいる青猫がハッピー。それぞれこのギルドにおける優秀(?)な

魔導士である……。

 

 

「あ? お前ら何話してんだ?」

 

 

「お前達か、丁度いい……」

 

 

「実はね、ウェンディとシャルルがまだ戻ってきてないの」

 

 

「えっ!?」

 

 

「ウェンディとシャルルが!?」

 

 

ナツの問いにエルザとミラが答えると、それを聞いたルーシィとハッピーは驚きを露わにした。

 

 

「そ、それって2人に何かあったかもしれないってこと!?」

 

 

「分からない。だが気掛かりなのは確かだ」

 

 

「どっかで美味いものでも食ってるんじゃねえのか!?」

 

 

「そりゃお前だろ………」

 

 

ルーシィとエルザが話している中、ナツの考えにグレイは呆れながらツッコむ。

 

 

「それで一応ジェットに隣町まで様子を見に行ってもらってるの。そろそろ帰ってくる頃だと思うけど……」

 

 

そしてミラがそう言っていた、その時、

 

 

バンッ!!!

 

 

「た、大変だ……!!」

 

 

ギルドのドアが勢い良く開け放って叫んだのはジェット。フェアリーテイル最速の速さを持っている男である。

 

 

「あ、ジェット!」

 

 

「一体どうした!? ウェンディとシャルルは……!?」

 

 

「そ、それが……!」

 

 

彼の慌てた様子にチームを組んでいるカチューシャを付けた青髪の少女―――レビィ・マクガーデンとエルザがそう尋ねると、それに対しジェットは………

 

 

「ウェンディとシャルルの依頼主の家が、闇ギルドに襲われたッ!!」

 

 

『っ!!??』

 

 

その知らせにギルド内の空気が一気に緊迫したものとなった……。

 

 

「お、おい! それ本当かよ!?」

 

 

「間違いねえよ!! むこうの町は軍の奴等もいて大騒ぎになってる!!」

 

 

「2人のことは探したの!?」

 

 

「ああ……!! けどむこうの町は勿論、マグノリアやギルドまでの通り道なんかも全速力で隈無く探したが何処にもいなかったッ!!」

 

 

ギルドのトップである4代目マスター―――マカオ・コンボルトと、ミラの妹にあたる銀髪ショートカットの少女―――リサーナ・ストラウスの2人の問いに、若干声を荒げながらジェットは答える……。

 

 

「じゃあウェンディ達は襲われた時にまだその家にいたって言うのか!?」

 

 

「で、でも何でウェンディ達の依頼主が闇ギルドに襲われるのよ!?」

 

 

「確か依頼主は町でも有名な子爵だから、やっぱりお金目当てで……!」

 

 

グレイとルーシィ、更にミラが立て続けにそう言うと、それに対し、

 

 

「そうじゃねえ……一番問題なのはその襲った闇ギルドだ」

 

 

「! 襲った連中の正体が分かってんのか……?」

 

 

「何処の闇ギルドなんだよ……!?」

 

 

ジェットは今まで以上に厳しい表情で話し出した。そしてそれを見た長い黒髪で悪人面な男―――ガジル・レッドフォックスと、七三分のくすんだ金髪の男―――マックス・アローゼはその口ぶりからそう尋ねると………

 

 

「……恐禍の狩人(テラーズ・ハント)だ……」

 

 

『なっ………!?』

 

 

ジェットの問いに大きく反応したのは、マカオ達を始めとする最近帰還した者達以外のメンバーだった……。

 

 

「聞いたこともない名前だが………」

 

 

「俺達がいない間に大きくなった闇ギルドなのか……?」

 

 

エルザと共にそう聞くのは、左目に傷がある黒豹のような猫―――パンサー・リリーである。まあ、それは置いといて……

 

 

「あ、ああ……それもあのバラム同盟並みにヤバいって噂のあるくらいにな」

 

 

「えええええっ!!??」

 

 

「そ、それってあの″六魔将軍(オラシオン・セイス)″や″悪魔の心臓(グリモア・ハート)″と同じくらいってこと!?」

 

 

マックスの言葉にハッピーとルーシィがそう声を上げるが、他の帰還メンバー達もこれには少なからず驚きを露わにしていた。当然である。″バラム同盟″と言えば闇ギルド全体の中核を為す程の強大なギルドであり、その強さは彼ら帰還した面々が一番よく知っているのだから……。

 

 

「一月前に検束魔導士部隊が討伐に行ったんだけど、結果は全滅……」

 

 

「それより前にも他のギルドの魔導士が″恐禍の狩人″の連中と出くわして、全員ボロボロにされてんだよ……」

 

 

「そ、そんなに危ないギルドが私達のいない間に出来てたんだ……」

 

 

更に続けてバイオレット色の髪のポニーテールと眼鏡が特徴の女性―――ラキ・オリエッタと、チームを組んでいる巨漢の男―――ドロイからの話を聞いたレビィは思わず戦慄するが、

 

 

「だが奴等が危険視されてるのはその強さよりも、やっていることの方だ」

 

 

「? どういうことですか……?」

 

 

ここでウェスタン風の衣装が特徴の男―――アルザック・コネルの意味深な発言を聞いた色白な青髪の少女―――ジュビア・ロクサーが尋ねる。すると……

 

 

「恐禍の狩人(テラーズ・ハント)は拐った人達を他の闇ギルドとかに売り飛ばす人身売買を生業としてるのよ」

 

 

「それも奴等が狙うのは、魔力の高い小さな子供だ……」

 

 

「こ、子供を……!?」

 

 

「っ!? もしかして……!」

 

 

緑色のロングヘアーとウェスタン風の衣装が特徴の女性―――ビスカ・コネルと、

アンテナのような髪が特徴の男―――ウォーレン・ラッコーの言葉にリサーナが思わず愕然とする中、ミラはここで最悪の考えに辿り着く。それは………

 

 

「むこうで聞いた話じゃ、屋敷の中にいた奴等は皆ボロボロに痛め付けられてて、しかもそこの一人息子だけが行方が分かんねえらしい」

 

 

「! ウェンディ達の依頼は″依頼主の子供の世話″なの……!」

 

 

「じゃ、じゃあまさか、ウェンディとシャルルはその子供と一緒に闇ギルドに連れ去られたってこと……!?」

 

 

マックスからの報告とミラの話を合わせて考えたルーシィは、ミラの最悪の考えと同じ結論に達した……。

 

 

「確かにあの子達は並の魔導士よりも魔力は高いからねぇ……」

 

 

「恐禍の狩人(テラーズ・ハント)の連中が2人を見逃すはずがねえって訳か……」

 

 

そしてウェーブの掛かった茶髪のロングヘアーが特徴の少女―――カナ・アルベローナと、薄目で葉巻をくわえている男―――ワカバ・ミネがそう呟く中、

 

 

バゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ………!!!

 

 

『っ……!!!』

 

 

一人の少年の怒りが頂点に達し、思わず机を拳一つで破壊してしまった。その人物とは……

 

 

「上等じゃねえか…………。俺達の仲間に手を出したんだ……新しい闇ギルドか何だか知らねえが、ぶっ飛ばすしかねえよなぁッ……!!!」

 

 

火竜(サラマンダー)の異名を取る少年―――ナツである……。更に、

 

 

「俺もだ、話を聞いただけで怒りが収まらねえッ……!!」

 

 

「オイラもだよ!! シャルルとウェンディを拐うなんて絶対に許せないッ!!!」

 

 

「仲間に手を出された以上、戦争すんのが漢(おとこ)だーーーッ!!!」

 

 

グレイとハッピー、そして

色黒で筋肉質な大男―――エルフマン・ストラウスも怒りを露わにする。だが、

 

 

「落ち着け!! マスターが不在の今、闇雲に闇ギルドを相手取る気かッ!!」

 

 

「何で止めんだよエルザ!! 仲間に手を出されて黙ってろって言うのかッ!!」

 

 

「そうは言わん!! だが何処にアジトが在るかも分からんのに、一体どうやって奴等を潰そうと言うのだ!?」

 

 

エルザがここで毅然とそう言ってきたのだ。これを聞いたナツは当然激しく噛みつくが、彼女の意見ももっともだった……。

 

 

「おい、一応マスターならここにいるんだが……」

 

 

「少なくとも今じゃあんたの意見は聞かないんじゃない?」

 

 

「威厳がねえからな、微塵も」

 

 

「」ズーンッ……

 

 

ちなみにそんな中でマカオがラキとワカバの一言に撃沈していたのは………まあ、気にしなくていいだろう……。一方で、

 

 

「だからってここでジッと待っててもしょうがねえのは事実だろ!」

 

 

「のんびりしてる場合じゃねえよ! エルザ姉ッ!!」

 

 

「そうだよ!! こうしてる間にも2人がどんな目にあってるか分かんないんだよ!?」

 

 

「そんなことは私にも分かっているッ!! だが闇雲に動いてどうにかなるような問題ではないのは、お前達にも分かるだろうッ!!」

 

 

「ちょ、ちょっと……!」

 

 

「み、皆落ち着いて……!」

 

 

グレイとハッピー、そしてマカオの息子の少年―――ロメオ・コンボルトも加わって熱くなっていく状況に、リサーナとミラが慌てて諫めようとするが……

 

 

ガッ!!

 

 

「だったら力ずくで押し通るまでだ……手加減はしねえぞ、エルザッ!!!」

 

 

「ナ、ナツ……!?」

 

 

それで収まるようなナツではなく、臨戦状態になりながらそう言ってきたのだ。しかもよく見るとグレイやエルフマン、ロメオ、更にはハッピーまでもが同様の様子であり、これには当然驚くルーシィ。すると……

 

 

「……後悔するなよ、貴様等ッ!!!」

 

 

「エルザまで!?」

 

 

「おいおい、ここでやる気か!?」

 

 

「お前等頭冷やせ!! ギルド壊す気か!?」

 

 

まさかの凄まじい一触即発の状況に、マカオとワカバの年長者コンビも加わって止めようとするが、収拾の着く兆しさえ見られない……。そして両者同時に仕掛けようとした、その時、

 

 

「失礼します」

 

 

『っ!?』

 

 

「妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆さんですね……?」

 

 

突如入り口から聞こえてきた声にメンバー達は一斉にそちらの方を向いた。そこにいたのはナツ達よりも少々年下くらいの、薄い金色の髪が特徴の少年。だがそんな少年より真っ先にメンバー達の目を引いたのは………少年の抱えているものの方だった。それは………

 

 

『ウェンディッ!!!』

 

 

たった今まさに安否を気にしていた少女―――ウェンディ・マーベルだった……。

 

 

「安心してください。今は気を失っているだけで、怪我は一切していませんから……」

 

 

そして驚きを露わにする妖精の尻尾の面々を見た少年が一言そう言った、その時、

 

 

「火竜の………」

 

 

「っ……!!」

 

 

「ちょ、ちょっとナツ……!?」

 

 

「鉄拳ッ!!」

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 

 

ナツがいきなり炎を纏った拳を放ってきたのだ。ルーシィがこれに驚く中、少年は咄嗟に避けて難を逃れたが、その拳の威力は凄まじいもので床を大きく破壊してしまった………。

 

 

「ま、待ってください! は、話を聞いて……っ!?」

 

 

少年は慌ててそう求めるが、むしろ止まるどころか………

 

 

「アイスメイク……!」

 

 

「グ、グレイまで……!?」

 

 

「! 止めんか、お前達ッ!!」

 

 

今度はグレイまで攻撃態勢に入っていた。それを見たルーシィとエルザは止めようとするが、もう遅かった……。

 

 

「俺達の仲間に………!」

 

 

そして………

 

 

「槍(ランス)ッ!!」

 

 

「何しやがったてめええええええええええっ!!!」

 

 

グレイの放った氷の槍の群れと、ナツの炎の拳が少年の目の前まで迫ってきた、その時、

 

 

「くっ……!!」

 

 

ガッ……!!!

 

 

「なっ!?」

 

 

少年は左腕でウェンディを抱えながら右手でナツの拳を受け止め……

 

 

シュンッ!!

 

 

「失礼しますよ」

 

 

バキィィィィィィィィィィィィンッ!!!

 

 

「何ッ………!?」

 

 

グレイの攻撃は突如姿を現した成人体格並の体を持つ黒豹のサーベルによって粉々に砕かれた……。それを見て、

 

 

「ナツの攻撃を……」

 

 

「す、素手で受け止めた……!?」

 

 

少年を見て驚きを露わにするエルザとルーシィ……。

 

 

「エ、エクシード……!?」

 

 

「しかもああもグレイの攻撃をあっさりと打ち破るとは……」

 

 

突如現れた黒豹のような生き物……もとい″エクシード″を見てリサーナとリリーが驚きを見せる。と、ここで、

 

 

「! シャルル!!」

 

 

「えっ!? あ………!!」

 

 

「ああ、ご心配なく。こちらの彼女も意識を失っているだけですので、その内お目覚めになるでしょう」

 

 

ハッピーが黒豹のエクシードの左腕に抱えられているシャルルに気付くと、その声に反応したレビィも思わず声を上げた。そして黒豹のエクシードが丁寧な口調でそう説明すると………

 

 

「お前! シャルルに何したんだッ!?」

 

 

「………はい………?」

 

 

敵意を剥き出しにしながらハッピーにそう訊かれたのだ。するとそれを聞いたエクシードは一瞬唖然として…………

 

 

「レイル……どうやら我々は酷い誤解をされているようですねぇ……」

 

 

「う、うん。そうみたいだね、ブラン……」

 

 

隣にいる少年―――レイルに思わずそう言った。一方のレイルも思わぬ状況に困惑を隠しきれない様子で頷く。そんな中、

 

 

「おい、ナツ。こいつら………」

 

 

「ああ………こいつら、強えぞ……」

 

 

ナツとグレイは感じていた。目の前の少年とエクシードが相当な″強者″であることに……。

 

 

「こいつは手加減してる余裕はなさそうだな……」

 

 

「ああ……燃えてきたぞ……!!」

 

 

「え……ええっ!?」

 

 

「おやおや、これは……」

 

 

「「オラアアアアアアアアアアアアアアッ……!!!」」

 

 

そしてレイルが更に困惑し、黒豹のエクシード―――ブランもどうしたものかと考える中、ナツとグレイが一気に突っ込んでいこうとした、その時、

 

 

「いい加減止めんかァァァァァッ!!!」

 

 

ゴオオオオオオオンッ!!×2

 

 

「「痛ええええええええええええええっ!?!!?!?」」

 

 

エルザの渾身の拳骨が炸裂した………。

 

 

「な、何しやがるエルザッ!!」

 

 

「お前達は馬鹿かッ!!訪ねてきた人間を話も一切聞かずに殴りかかってどうする!!」

 

 

「けどよ! あいつ等ウェンディとシャルルをあんな風にした敵なんだぞ!?」

 

 

「そうだよ! 敵の話なんか聞く必要ないよ!!」

 

 

エルザからいきなり強烈な一撃をもらったことにグレイとナツは抗議し、更にそこへハッピーも加わるが……

 

 

「いやいや、ちょっとよく考えなさいよあんた達!! この2人が傷付いたウェンディとシャルルを運んできたからって、この2人がウェンディ達を傷付けた張本人とは限らないでしょ!?」

 

 

「「「……あ………」」」

 

 

「今更気付いたんかいッ!!」

 

 

ルーシィからそう言われてあっさりと3人は気が付いた。そしてあまりの抜けっぷりに思わずルーシィがツッコむと、ここで、

 

 

「えっと………とりあえずこの2人を安静に寝かせた方がいいんじゃ……」

 

 

「! そ、そうね! キナナ、ウェンディをお願い」

 

 

「あ、はい!」

 

 

「お前はシャルルを寝かせに行った方がいいのではないか?」

 

 

「! う、うん……!」

 

 

レイルがそう言ってきたので、ミラとリリーの指示を受けて紫髪のショートヘアーの少女―――キナナとハッピーがウェンディとシャルルをそれぞれ預かり、2階の部屋に連れていった……。

 

 

「とにかくまずはお礼を言わせもらうわね。ありがとう、2人をここまで運んでくれて……」

 

 

「あ! い、いえ……!」

 

 

「それと先程はすまなかった。この2人の暴走に関しては私からも謝罪させてもらう……。ほら、お前達も」

 

 

「「す、すんませんでした………(ボロボロッ)」」

 

 

「いえいえ、反省しているのであれば我々から言うことは何もありませんので」

 

 

ミラとエルザからそれぞれ礼と謝罪を言われ、それに対しレイルとブランはどちらも謙遜した様子で言葉を返す。ちなみにナツとグレイがボロボロな理由は………聞かなくていいですよね、うん……。と、ここで、

 

 

「さて……ではいくつか聞きたいことがあるんだが……」

 

 

エルザが改まった様子でそう言ってきたかと思うと……

 

 

「お前達は一体何者だ?」

 

 

一気に彼女の雰囲気が鋭いものに変化した……。

 

 

「ナツとグレイの攻撃をあそこまで楽々とあしらえる者はそうはいない。だが見たところ、お前達はギルドの人間という訳ではないように感じるのだ。だからあえて聞かせてもらう………お前達は一体何者だ……?」

 

 

「「………………」」

 

 

「ちょ、エ、エルザ……!?」

 

 

エルザの言葉から感じられたのは、紛れもない″警戒″。そう、先程謝罪を述べたとはいえ、それは信用したという訳ではないのだ。恐らく何か疑わしき点が出てくれば、彼女達を含む何人かが一斉に攻撃してくるだろう。それはついさっき笑顔でお礼をしてきたミラとて例外ではない……。そしてそんな雰囲気にルーシィ達数名が困惑していた、その時、

 

 

「そこまでじゃ、エルザ」

 

 

『っ!!!!』

 

 

突如現れた新たな来訪者の声にこの場にいた全員が驚きを露わにした。いや、″来訪者″という表現は正しくないであろう………。何故ならその人物は″妖精の尻尾″を語る上で無くてはならない存在なのだから……。

 

 

「その2人について儂等は感謝こそすれ、警戒すべき相手ではないからのぉ……」

 

 

『マスター(じっちゃん)(じいさん)ッ!!!』

 

 

そう、この小柄な老人こそ″妖精の尻尾″3代目マスター、マカロフ・ドレアーである……。ちなみに4代目は言うまでもなくマカオです。

 

 

「マ、マスター! どうしてこちらに!? ギルド連盟の方へ行っていたのでは……!」

 

 

「フンッ……家族に何かあったと聞けば、そんなもんさっさと切り上げてくるわい……」

 

 

「! ウェンディとシャルルのこと、ご存知なんですか!?」

 

 

エルザに対しマカロフがそう言うと、ミラは彼がウェンディ達の件を知っていることに驚く。すると、

 

 

「ああ……″ある男″から話を聞いての」

 

 

「? ある男……?」

 

 

そしてマカロフの″ある男″という単語にジュビアが疑問を感じた、その時、

 

 

「主要メンバーの帰還の噂……まさか本当だったとはな」

 

 

「っ!? 誰……!?」

 

 

物陰から1人の人物が姿を現す。それは長身で眼鏡を掛けており、赤土色の長髪が何よりも目を引く男だった……。すると、

 

 

「久しいな、レイル……」

 

 

「! リヒターさん!?」

 

 

その男―――リヒター・アーベントの登場に真っ先に反応したのはレイルだった。更に、

 

 

「はーい、久しぶりね~♪ 陰険ブラン……」

 

 

「! その声は………」

 

 

リヒターに続いて姿を現したのは、水色の長い髪が特徴のどこか″魚″っぽい印象を抱かせるエクシードだった……。

 

 

「やはりあなたも居ましたか、アクア……」

 

 

「何? 私がリヒター様と一緒に居ちゃ悪いのかしら?」

 

 

「誰もそのようなことは言っていないのですが……」

 

 

「エクシードがもう1人だと……!?」

 

 

「おー! ハッピーの仲間がまた増えたー!!」

 

 

ブランが若干憂鬱そうな様子で新たなエクシード―――アクアと話す中、リリーとナツは更なるエクシードの登場に思わず声を上げた。すると……

 

 

バシャッ!!

 

 

「ぶふぉっ!?」

 

 

「あたしをそこの陰険な奴と一緒にしないでくれないかしら? 火竜(サラマンダー)」

 

 

ナツの言葉が癇に障ったのか、アクアは軽く振った手から突如水を発生させ、彼の顔に浴びせたのだ……。

 

 

「何しやがるてめえっ!!!」

 

 

「あら、闘(や)る気? 言っておくけど、あんた程度には負けないわよ?」

 

 

「上等だぁ……!! 後悔すんなよコノヤローーーーッ!!」

 

 

そして一触即発の雰囲気をナツが打ち破ろうとした瞬間、

 

 

「止めんかァッ!!」

 

 

ゴォンッ!!

 

 

「ごあっ!?」

 

 

本日2度目のエルザの拳骨を喰らう羽目になった……。

 

 

「先程言った側(そば)から手を出す奴がどこにいるッ!! あァッ!?」

 

 

「ア、アイ……!」

 

 

エルザの阿修羅の如き形相に、思わずハッピーのような返事をするナツ。その一方で、

 

 

「お前もだ、アクア。出過ぎた真似はするな……」

 

 

「は、はい。ごめんなさい、リヒター様……」

 

 

アクアもまたリヒターにそう言われ、シュンとしてしまっていた……。と、ここで、

 

 

「! 思い出した……!!」

 

 

「? どうしたんですか? アルザックさん」

 

 

「リヒターって名前、どこかで聞いたことがあると思ったんだ……!!」

 

 

「え?」

 

 

アルザックが急に声を上げたため、ジュビアとレビィが思わず尋ねる………。

 

 

「リヒター・アーベント………ここ数年で勢力を増した闇ギルドを次々と単独で潰し回ってる傭兵で、潰したギルドは全て灰と化していることから、″断罪の炎帝″の異名で呼ばれてる男だ……」

 

 

「ってことはだ、つまり……」

 

 

「闇ギルド潰し専門の魔導士ってこと!?」

 

 

彼の話をグレイより先にルーシィが纏めて思わず叫んだ。当然であろう、何せ単独で闇ギルドを潰そうとする人間など普通はいない。もしいるとすれば、それは相当な実力者であることを示しているのだ……。すると、

 

 

「フッ……俺程度の人間でそう驚いていては、貴様等はこの先持たんだろうな……」

 

 

「あァ……?」

 

 

「どういう意味だ、そりゃ……?」

 

 

リヒターの意味深な発言に訝しげな表情を浮かべるガジルとエルフマン。そんな中……

 

 

「ウェンディとシャルルは無事だったか……?」

 

 

「! はい……2人共意識はまだ戻ってませんけど、特に怪我もしてなかったですし、その内目を覚ますと思います」

 

 

「! そうか……2人とも無事で何よりじゃ……。さて……」

 

 

ここでマカロフからそう尋ねられたので、ミラは2人が大丈夫である旨を伝えると、それを聞いたマカロフはある人物達の前に移動する。それは………レイルとブランの前だった……。

 

 

「話はそこにいる男を通じて聞いておる。まずは1つ言わせてくれんか……」

 

 

そして………

 

 

「儂の子供(ガキ)を救ってくれたこと、3代目ギルドマスターとして心から感謝する……」

 

 

「! い、いえ……僕達が彼女を助けたのは偶然です! ですからどうか頭を上げてください、マスターマカロフ……!」

 

 

自ら頭を下げてきたのだ。そんな彼の行動に慌ててそう言うレイル。と、ここで、

 

 

「マ、マスター! それって……!?」

 

 

「こいつ等本当にウェンディ達の命の恩人ってことかよ!?」

 

 

ルーシィとグレイを始め、ギルドのメンバー達は皆一様に驚きを見せ始めた。すると……

 

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! ウェンディ達はあの″恐禍の狩人(テラーズ・ハント)″に捕まってたんだろ!? なのにそこから救ったって………」

 

 

「本当に何者なんだよ、お前等………?」

 

 

ウォーレンとマックスがそう尋ねる。そう、それはつまり闇ギルドを相手取ったということを意味するのだ。前述の通り、そんなことができる人間は………只者ではない……。

 

 

「レイル、まだ正体を明かしてなかったのか……?」

 

 

「あ、はい……」

 

 

「少々名乗る状況ではありませんでしたので……。では改めて名乗ると致しましょうか、レイル」

 

 

「うん、そうだね……」

 

 

そしてリヒターに対しそう返したところで、ついにレイルとブランは……自らの素性を明かした……。

 

 

「初めまして、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆さん。僕はレイル・アスフォード。フィオーレ王国直轄特務最高機関″クロニクル″所属の魔導士で、軍では一応“元帥”を務めています」

 

 

「同じく私は元帥補佐官のブランズ・センチュリオンと申します。私も軍では“大佐″の地位を仰せ付かっておりますので、どうぞ以後お見知りおきを……」

 

 

『………はああああああああああああああああ(えええええええええええええええ)ッ!!!!????』

 

 

 

建物全体にギルドメンバー達の叫び声が木霊した………。

 

 

 

――――こうして少年は妖精の尻尾と相対した……。果たしてこの先に待ち受けるものとは、一体……――――

 

 

 

 

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