命の答えを得た最強のペルソナ使いは異世界でも最強   作:Hetzer愛好家

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なんか速筆だな……()
アンケートは暫く募集します。お答え頂けると非常にありがたいです。


フレンドリーファイアは勘弁して欲しい

「「「「「グウウアアア!?」」」」」

 

マハジオを受けて感電したゴリラのようの魔物が壁からせり出してきた。壁と同化していた体は、今は褐色となっている。姿形は完全にゴリラなので、岩に擬態していたという事も考えると名前は“ロックマウント”と言ったところか。

 

ロックマウントは感電から立ち直ると、ゴリラのようにドラミングをして咆哮を上げた。前線に立つのは光輝パーティー。俺は後方支援である。

 

金剛力士像のようにドッシリと構え、ロックマウントと真正面から殴り合う龍太郎の横を光輝と雫が駆け抜けて包囲しようと動く。だが、如何せん狭い空間でかつ足場も悪いが故にそれは上手くいかない。

 

モタモタと包囲出来ずに居ると、ロックマウントは後ろに下がり仰け反りながら大きく息を吸った。

 

直後、

 

「グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!」

 

部屋全体を震動させるような強烈な咆哮が発せられた。

 

「ぐっ!?」

「うわっ!?」

「きゃあ!?」

 

前線組の動きが固まった。あの咆哮を受けてから急に動きを止めたのを見るに、きっと何かしら細工があるのだろう。一時的に動けなくする、みたいな。

 

兎に角、このままではマズい。

 

ロックマウントはその隙に突撃するかと思えばサイドステップし、傍らにあった岩を持ち上げ香織たち後衛組に向かって投げつけた。

 

魔法を使って迎撃しようとする香織たち。しかしその顔が一気に引き攣る。

 

何と、投げられた岩もロックマウントだったのだ。空中で見事な一回転を決めると両腕をいっぱいに広げて香織たちへと迫る。その姿は、さながらル○ンダイブで、「か・お・り・ちゃ~ん!」という声が聞こえてきそうである。しかも、妙に目が血走り鼻息が荒い。

 

「〝マハジオダイン〟!」

 

すぐに広範囲電撃を発動させてロックマウントを炭に変え、オマケのように後方で突撃のタイミングを測っていた奴も感電させて動きを封じた。更にアティス自身を突撃させて手に持っている短刀で風を起こして一時的ながら完全にロックマウントを封殺。その間に俺は最前線に立った。

 

大技を大胆に放っては崩落の恐れがある。それを考えると、俺はこの状態ではロックマウントを全滅させるのに地道な作業を強いられる。どうしたものかと悩みながらも俺はアティスを動かしていると、そこへ複数本の矢が飛来した。

 

矢は数本外れたが、それでも一体のロックマウントを仕留め切り、もう一体のロックマウントには深傷を負わせた。

 

「結城くん、僕もやるよ!」

 

すっかり逞しくなったハジメである。どうやら最後方から前線までやって来たらしい。話を聞くに、錬成で地面を盛り上げてからクラスメイトの頭上を飛び越えてきたそうだ。

 

この介入は非常にありがたい。アティスの短刀攻撃はタナトスやジークフリード程強くないため、一体撃破するのに数発必要だ。しかしそこへハジメが加わった事でかなり効率よくロックマウントを倒す事が出来るだろう。

 

「なら、頼んだぞ」

「任せて……よっ!」

 

早速ロックマウント一体に矢を命中させたハジメに続き、俺はアティスを突撃させて手負いの魔物を葬り去る。非常に効率が良い。

 

ハジメが放つ矢は基本的に燃えているため、命中しなくても生物の本能が「危険だ」と判断するので動きが如何しても鈍くなりがちだ。そこへアティスが容赦なく攻撃するので、さっきみたいに一々気を遣わなくて済む。

 

一気に気楽になった魔物討伐に頬が緩んだ俺。だが、それはどうも悪手だったようだ。

 

「貴様……よくも香織たちを……許さない!」

 

怒りに濡れた光輝の怒声が聞こえた。もの凄く、それはもうもの凄く嫌な予感がした俺はアティスを引っ込めてその場に伏せた。

 

そしてそれと同時に、光輝の詠唱が響き渡った。

 

「万翔羽ばたき、天へと至れ――〝天翔閃〟!」

「あっ、こら、馬鹿者!」

 

メルドの静止も聞かず、光輝は大上段に構えた己の剣を振り下ろした。

 

射線上に居た俺は更に横へコロコロ転がる事で回避を試みる。

 

俺が転がってその場を退いた次の瞬間、詠唱により強烈な光を纏っていた光輝の剣から、その光自体が斬撃となって放たれた。逃げ場などない。曲線を描く極太の輝く斬撃が僅かな抵抗も許さずロックマウントを縦に両断し、更に奥の壁を破壊し尽くしてようやく止まった。

 

あっぶねえ! ……おっと、取り乱した。申し訳ない。

 

現在、俺が発現させているペルソナはアティスである。アティスは斬撃、打撃、そして貫通攻撃に耐性を持っている。しかし、光属性の攻撃は食らってしまうと簡単にダウンしてしまう。要するに、光属性が弱点なのだ。

 

そしてその特性は、ペルソナを召喚している俺にも適応されるのである。

 

どういう事かお分かり頂けただろうか?

 

俺は、この状態で光属性の攻撃を食らったら割とヤバい。そういう事だ。

 

めちゃくちゃ冷や汗かいた。弱点攻撃されて喜ぶような変態ではないので、俺の心臓は忙しなくドックンドックンと跳ねている。

 

「へぶぅ!?」

「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」

 

光輝はメルドに叱られている。まあ、当然だろう。この狭い空間で放つような技ではなかった。現に俺は、本来ならあっという間に片付けられるはずのロックマウントに手数不足で面倒くさいと思っていたぐらいなのだから。

 

だが、一番の問題点は面目上は一応味方のはずの人間が射線上に居るというのに大技を発動させたことだ。フレンドリーファイアを気にしない性格を光輝がしてるなら、早急に改善しなくてはならない。

 

「……なあ、俺が居たの気がついてた?」

「ゆ、結城。いや、これは……」

「まさか、分かっていて撃ったのか? じゃあ何だ。君は俺をあわよくば殺そうと?」

「違う! 第一、彼処にはロックマウントしか居なかったじゃないか!」

「は? 君、目は付いてるよな? 目が付いてるのにそんな事を言うのか? それとも怒っていて視力が一時的に失われてた?」

 

なんだこいつ。メギドラオンとマハムドオンをぶち込んでも文句は言われないよな?

 

……ではなくて。光輝の言い分をそのまま信じるなら、彼は頭に血が上って周囲の確認が疎かになっていたという事だ。

 

まあ、俺を殺そうという気持ちは別にどうでもいい。問題は、仲間が射線上に居ても躊躇なく技を放てるその精神だ。

 

「取り敢えず、射線上に人が居たのに技を君は放った。同じ事を繰り返していたら、何時かは他のクラスメイトを巻き込むかもしれないから気を付けてくれよ」

「あ、ああ。すまなかったな。くそ、もう少しで……

 

ダメだ。確信犯だった。うん、これからは背中には十分気を張ろう。でないと必要ないダメージを受けてしまうかもしれない。

 

うん、そうしよう。マジで気を付けよう。命がほぼ無限にあるのしても、これは危ない。

 

「……ごめんなさい、理。後で光輝にはキツく言っておくわね」

「いや、大丈夫だ。要らない心配をかけてすまなかったな、雫」

 

昨夜、晴れて(?)特別な関係になってしまった雫が眉をハの字にしながら謝ってきたので、気にするなと伝える。

 

そうでもしないと、雫は一人で厄介事を背負ってしまいそうだ。だが、雫は普通の女の子。厄介事を一人で背負うにはあまりにも若いし、何よりか弱い。

 

その時、ふと香織が崩れた壁の方に視線を向けた。

 

「……あれ、何かな? キラキラしてる……」

 

その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた。

 

そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。まるでインディコライトが内包された水晶のようである。

 

メルドが、あれはグランツ鉱石という物であると説明してくれた。特別な力は持ってないが、美しく涼やかな光沢を放つためご令嬢方や求婚の際のプレゼントに人気らしい。

 

……だが、花のように都合良く生えてるなんて怪しすぎる。トラップの可能性大だ。もしタルタロスで見かけたら、間違いなく先輩から「近づくな!」と警告が入るだろう。

 

だが、あのグランツ鉱石は危険だということに気が付かない者も居るらしい。

 

「だったら俺らで回収しようぜ!」

 

グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく人が一人。それは檜山大介とかいう奴だった。

 

檜山はハジメに対するイジメの主犯格という事もあり、俺は極力関わらないようにこれまで立ち回ってきた。だって、何だかクソ野郎に見えるし。その予想は悲しいぐらいに的中してたのがまたやるせないな。

 

檜山の行動に慌てたのはメルドだ。

 

「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」

 

しかし、檜山は聞こえないふりをして遂にグランツ鉱石のある場所へ辿り着いてしまった。

 

それとほぼ同時に、騎士団の一人がフェアスコープというトラップがあるかを見れる特殊ゴーグルで鉱石の辺りを確認する。そして、一気に青褪めさせた。

 

「団長! トラップです!」

「ッ!?」

 

その警告は一歩遅かったらしい。

 

檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間に、鉱石を中心に魔法陣が広がる。綺麗な花にはトゲがあるとは良く言われるが、まさか本当に目の当たりにするなんてな……。

 

あ、でもその言葉はアリスにも当てはまってるか。これは迂闊だった。

 

魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していった。まるで、教室からトータスへ召喚された時の再現だ。

 

誰かが動く前に光がカッと視界を潰したと同時に一瞬の浮遊感が俺を襲った。そして空気が変わったのを感じたのと同時に、俺は地面に叩き付けられた。どうやら転送されたらしい。

 

素早く受身を取って立ち上がり、俺は召喚器を手に持って周囲を睨む。どうやら、俺たちは巨大な手すりなしの橋の中央に立っているようだ。

 

橋の両サイドには魔法陣が二つ。出口へと繋がる上り階段方面には無数の小さな魔法陣が、そして反対側の下り階段方面には一際目立つ巨大な魔法陣が地面に刻まれている。

 

それを確認したメルドが、険しい表情をしながら指示を飛ばした。

 

「お前たち、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

動き出しが遅い以上、此処での戦闘から逃れることは不可能だ。俺は脱出を諦めて召喚器をこめかみに当てた。

 

まず、階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現した。更に、下り階段側の魔法陣からは一体の巨大な魔物が現れる。

 

小さな魔法陣から現れたのは、骨格だけの身体に剣を持っている魔物だ。個々の力は大したことなさそうだが集団だと厄介かもしれない。

 

だが、問題は巨大な魔物である。十メートル級の魔法陣からは体長十メートル級の四足で頭部に兜のような物を取り付けた魔物が出現したからだ。もっとも近い既存の生物に例えるならトリケラトプスだろうか。

 

トリケラトプスに似ているだけであり、オリジナルにはない要素を幾つも持っているが、まあトリケラトプスモドキで良いだろう。

 

「ペルソナ……!」

 

ガキイン!!!

 

オルフェウスを召喚し、トリケラトプスモドキが動き出すのをジッと待つ。

 

俺のペルソナ召喚音で我に返ったのか、メルドは茫然と呟いた。

 

「まさか、ベヒモスなのか……?」

 

と。

 

あのトリケラトプスモドキの名前はベヒモスか。一応覚えておこう。

 

今は兎に角、この場を切り抜けることが大切だ。俺は、目を鋭く細めてベヒモスを睨みつけるのだった。




スキルが弱い(原作基準)なのは、それで十分魔物を倒せるという表れです。というか、通常技でも凄まじい破壊力を発揮する結城さんと彼の操るペルソナがヤバいって事です()
まあ、全ステータスカンスト&全コミュMAX&全ペルソナ所持というバケモンですからね、今作の結城さん……。

レイシェンさんの扱いについて

  • 彼女候補入りして!
  • 妹分が良いかなあ
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