命の答えを得た最強のペルソナ使いは異世界でも最強   作:Hetzer愛好家

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うん、賛否両論になるのは察してました。それを受けての最新話更新です。前回はハッキリしなかったクラスメイトの安否確認になります。


命の重さを知る者の後悔

「……んっ、おお?」

「目、覚めた?」

 

意識を失ってからどのぐらい時間が経過したのだろうか。取り敢えず、俺は知っている天井を見つめていた。そして、どうやら俺は雫に肘枕されていたらしい。

 

起きて早々、かなり得した気分になった。

 

「大丈夫? まだ寝ていても良いのよ?」

「いや、大丈夫だ。起きる」

 

ヒョイと頭を持ち上げて起きる。雫を見ると、目立った傷は一つも付いていない。

 

良かった。ペルソナの力を行使するときにはなるべく香織と雫の傍に着弾しないように調整していたが、何分キレていたので調整がしっかりと利いているか怪しかったので心配だった。

 

「そうだ。クラスメイトは?」

「……生きてる人は部屋に居るわ。火傷や凍傷だったり切り傷だらけでとても動けない人が多いけどね」

「……誰が死んだ?」

「檜山と近藤、あとは斎藤ね。中野と光輝は意識不明の重体。幸運な事に四肢を欠損した人は居なかったけどね」

 

確実に三人は死んだらしい。しかし、その他のクラスメイトは大怪我こそ負っているが五体は無事だそうだ。

 

だが、五体は無事と言っても内面的な怪我までは流石にコントロール出来てなかったらしく、雫から伝えられた現状に驚かされた。

 

「でも、生存しているクラスメイトの殆どは精神疾患を引き起こしてるわ。特に恵里の容態が酷いわ。ずっと光輝に付き添ってるのもあるんでしょうけどね……」

「精神疾患、ね。あれか? トラウマになってる、みたいな。もっと言うならPTSD辺りか」

「その通りよ。アレを見せられたら無理もないでしょうけど」

 

何でも、光属性即死魔法を至近距離で食らった、または目撃した多くのクラスメイトが中心に精神疾患を起こしたらしい。

 

その後、ほぼ無傷だった人物の名を伝えて雫は一端部屋を出て行った。

 

伝えられた無傷かつ精神疾患が見られない人物は雫、香織、園部優花、菅原妙子、宮崎奈々、谷口鈴、辻綾子、遠藤浩介だ。此れ等の人物が中心となって倒れた俺を含むクラスメイトを宿泊施設まで連れてきたそうだ。

 

騎士団もかなりの手傷を負ったらしく、宿泊施設にクラスメイトを運んでから全員ぶっ倒れたようだ。現在は治療中か。

 

それにしても、死亡したのが何れもハジメの事をイジメていた中心的人物ばかりだ。激昂していたとは言え攻撃対象を選別はしていたらしく、特にその四人付近に攻撃が集中していたのは覚えている。

 

檜山の死因は〝亡者の嘆き〟で間違いない。中野の意識不明になった原因もきっと亡者の嘆きによる物だろう。大方、檜山が傷付けられるのを見て恐怖の感情を抱いた瞬間に亡者の嘆きが炸裂したに違いない。そうなると、中野は助からないだろう。

 

近藤は俺が〝ラグナロク〟をぶつけた時点で気配が消失していたので、きっと焼け死んだのだろう。斎藤は〝真理の雷〟で身動きが取れなくなった所に降り注いだ〝マハンマオン〟で跡形もなく消し去った記憶がある。

 

……今更だけど、かなり過剰な攻撃だったな。ニュクス・アバターは分からないが、並大抵のシャドウでは瞬殺される魔法を連発している。

 

まだ奥の手が控えているとは言え、これは明らかにやり過ぎた。反省しないといけない。

 

と、まあ悶々と反省している俺だったが、ガチャリと扉が開いたことによって我に返った。

 

「結城理さん」

「レイシェンか。どうした?」

 

部屋にレイシェンが入ってきた……のだが、その後ろには雫から基本的には無事だと伝えられたクラスメイトも居た。

 

念の為に召喚器を手に取ってこめかみに当てようとすると、レイシェンから「殺意はないので落ち着いてくれ」と言われた。

 

「彼らは、単に貴方とお話をしたいそうです」

「俺と? 何のために?」

「さあ……私には分かりかねます」

 

レイシェンはただクラスメイトを連れて来ただけらしい。感情が乏しく嘘は吐かないと知っているので信じることにした。

 

「その、結城。えっと……」

「焦るな。ゆっくりで良い。園部、何を話したいんだ?」

「……ごめんなさい。私、檜山が火球を撃ったのを見ていたわ。それなのに声もかけられなくて、本当にごめんなさい」

 

ペコリと頭を下げた園部。すると、他のクラスメイトも次々に「檜山が火球を撃ったのを見た」や「光輝も結城に向けて魔法を撃った」と話され、そのまま頭を下げられた。

 

頭を下げた理由を尋ねると、「止められなくてごめんなさい」との事である。

 

「天之河が抗議した時点で止めることも出来たんだ。だけど、私は怖くて出来なかったの」

「怖いって、何が?」

「実はね。天之河から『結城側に付いたら許さない』って脅されてたの。もし結城側に付いたら、怒って殺してしまうかもしれないと思うと何も出来なかった」

 

……正真正銘、本当の腐れ外道勇者だった。彼はクラスメイトの事を大切な仲間と口走っていたが、その実はただ脅して無理やり仲間にしただけだったのか。

 

呆れて物も言えない。人間として完全に終わっている。これなら心臓に剣を刺してから追い打ちをかけて確実に息の根を止めた方が良かった。

 

……人を殺した。殺した方が良かった、か。俺も人のことを言えないな。人間として破綻しているじゃないか。

 

怒りに任せて動いてはいけない。それはよく知っているはずだったのに、俺は人間として最低なことをしてしまった。

 

人の命を、俺はこの手で奪った

 

誰よりも命の重さを知っていたはずなのに、俺は人の命を奪ったのだ。

 

「……いや、謝らなくて良い。謝罪される資格なんて、俺にはない」

「え、待ってよ。結城は南雲が殺されたから、それに対して怒ったんでしょ? もし人殺しをした事を恥じているなら……」

「恥じるべきなんだよ! 俺は、人としてやってはいけない事をやってしまったんだ!!」

 

気圧されたのか、クラスメイトが口を閉じる。ただ、レイシェンと雫だけは特に臆した様子もなかったが。

 

「……少し、一人にしてくれないか。考えたい事があるんだ」

 

突き放すように言葉を紡ぐと、俺は毛布を被って背を向けた。

 

漸く己のしでかした事の大きさに、俺は絶望して死んでしまいたかった。だが、それは俺の体質が許してくれない。死という逃げ道は最初から塞がれている。

 

俺のあまりにも重たい空気を居心地悪く思ったのか、クラスメイトは「また後で来ようと」約束しながら部屋を出て行った。

 

……今度は入れるつもりはない。

 

だが、雫とレイシェンは出て行く気配がない。

 

何だよ。憐れみの念なら必要ない。早く、独りにしてくれよ。

 

ギシリと音を立てて二人がベッドの上に腰掛けた。そして、雫は俺の顔を無理やり毛布から引きずり出すと、頭を己の膝の上に置いた。

 

良いように肘枕をされたのが悔しくて、俺はせめてもの抵抗でそっぽを向く。

 

……が、そっぽを向いたらその方向にレイシェンがやって来た。万事休す。

 

「……何だよ。一人にして欲しいって言ったじゃないか」

「放っておいたら勝手に手の届かない所に貴方が消えてしまう。そんな気がするから“独り”にはしないわ」

「やめてくれ。俺は人殺しだぞ。君みたいな優しい人の傍になんて……」

「私が近くに居たいのよ。ごちゃごちゃ言わないで」

 

雫の手が俺の口を塞ぎ、物理的にも物を言う手段を奪われた。

 

レイシェンの顔を見れば、無表情ながら彼女もコクリと頷いている。どうやら雫と気持ちは同じらしい。

 

俺はそれでも独りになりたいと伝えようとしたが、物理的に口を塞がれているのでそれは叶わない。結果的に諦めて、俺は雫にされるがままになることにした。

 

「貴方が人を殺してしまった事に対しては、正直混乱しているわ。それに貴方の事を少し怖いとも思うわね。でも、それ以上に私は貴方の事が大好きなの」

「雫……」

「貴方が檜山たちを殺して光輝にも剣を突き立てた時。私はなんて思ったか分かる?」

 

――殺されて当然。刺されて当然。そう思ったわ。

 

「……だから、私も理と同罪。幼馴染みが瀕死の重傷を負わされて、クラスメイトが何人も死んだと言うのに、私は悲しまず喜んでるんだから」

 

悲しそうに微笑んでいる。顔が見えなくても、雫がそんな表情を浮かべていると分かる。

 

雫の優しさに触れて、俺の荒れてる心は少し安らぐ。だが、またすぐに荒れて病んでしまう。人を殺したという実感がないからこそ、俺は自分自身が怖くて仕方がない。

 

このまま俺は、逃避行を目指して歩き出したかった。それをはたして雫たちが許してくれるのかはさて置き、ただこの現実から逃げ出したかった。

 

次第にそれは言いようのない怒りへ変わっていく。そして、そんな自分にまた自己嫌悪する。

 

――何故、俺を異世界へ呼び出した。何故、二度も異世界召喚をした。俺はあのまま死に、ニュクスが二度と再び目覚めないよう永遠に監視するつもりだったのに

 

――どうして俺は人間として終わってる者と関わらないといけないのか。生き返れて最初は嬉しかったが、今となっては恨み言が出てくる

 

――人殺しをしたくなるような感情を、何故味わう事になるんだ。好きで戦う力を得た訳ではないのに、どうしてこうも厄介事に身を置かないといけないのか

 

「結城理さん、もっと吐き出してください」

「あっ……漏れてたのか。ゴメンな。こんな汚い本心を聞かせてしまって」

「……もっと吐き出してください、結城理さん。思いつく限り、吐き出すんです」

「いやだから、ゴメンって言ったろ? 雫だって、俺の本心なんて聞きたくないだろ」

「むしろ逆ね。聞かせて欲しいわ」

 

……嘘だろ? 嘘だと言ってくれ。

 

と、現実逃避をする余裕はなかった。あっという間に俺は座らされ、雫とレイシェンにサンドイッチされたからだ。

 

こうなれば逃亡は不可能である。俺は逃げることを諦めた。こうなった以上、ありったけの本心をぶちまけてやろう。

 

「分かった。話すよ。だから……その、腕に抱き付かないでくれるか。話しにくいから」

「イヤよ」

「ダメです」

「……勘弁してくれ」

 

……やっぱり逃げたい。

 

──────────────────

「光輝くん……起きないなあ」

「が、ああ……」

「あれ? 待ってよ。もしかしてこの魔法を使えば、光輝くんをボクだけの物に出来ちゃうんじゃない……? そう考えたら、この力はボクの願いを叶えるのに最適じゃないのか?」

「う、ぐうう……ゆる、さない。結城、お前、だけはっ」

「光輝くん、とっても苦しそうだね。 ……待っててね。今、ボクが楽にしてあげるから。そして、二人で何時までも、ずっと、ずうっと幸せに暮らそう? 物語の王子様と、お姫様のように……ね?」

 

――運命の歯車は、既に動き始めている。




デスは暫く登場しません。当分は普通のペルソナがバンバン登場します。

本作限定の裏設定ですが、光属性即死魔法は心に抱えた負の感情が大きいほど即死する可能性が高くなります。回転説法なんかは素で80%……だったかな? それを超える即死確率になる可能性も出てきます。仮に即死しなくても、高確率で精神疾患が残るという「光」なのに全然「光」っぽくないのが光属性即死魔法です()

レイシェンさんの扱いについて

  • 彼女候補入りして!
  • 妹分が良いかなあ
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