命の答えを得た最強のペルソナ使いは異世界でも最強   作:Hetzer愛好家

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メタ君さん星9評価ありがとうございます!
原作だとオスカーが狂った神の事を伝える話になります。ここからオリジナル色が強くなってくるかも……しれない。

※感想や高評価、ぜひお願いします。一つでも増えるとモチベーションが上がります。


真の歴史を知った

久方ぶりに体全体が何か温かで柔らかな物に包まれているのを感じる。これはそう、あれだ。ベッドで寝ている感触だ。

 

メギドラオンを撃ってから俺の意識は吹き飛んだので、恐らく雫たちが俺を担ぎ、跡形もなくなったヒュドラの脇を通り過ぎて奥にあった扉を開け、中に入って偶然見つけたベッドに俺を放り投げたのだろう。

 

俺の隣には、雫が腕に抱き付く形でスヤスヤと眠っている。どうやら、俺のことをずっと見ていてくれたらしい。それなりに長い時間近くにいてくれたのか、グッスリと熟睡している。

 

「……相変わらず優しいな」

 

艶がかった雫の髪の毛を優しく撫でる。サラサラしていて心地良い。

 

まだ少し眠たい。俺は雫を抱き寄せると、彼女の体温を感じながらもう一度眠りに落ちることにした。

 

女性特有の甘い匂いが鼻いっぱいに広がる。前の世界に住んでいた頃から良く鼻に入ってきた匂いだ。こうして近くに居てくれると、不思議と俺も安心する。

 

離したくない。心からそう思う。無理やり引き剥がされてしまったら、俺は己という存在を保てるかは結構怪しいところだ。下手したら、世界を滅ぼしかねない程暴走するかもしれない。

 

雫にガッツリ依存しているらしい事が分かり、俺は少しだけ苦笑した。

 

「おやすみ、雫」

 

俺は再び、夢の世界へ旅立つ。腕には、大切な人の体温を存分に感じながら。

 

──────────────────

 

次に目を覚ますと、俺は雫の膝の上で寝ていた。さっきとは逆で、今度は俺が髪を撫でられている。慈愛の女神もかくやという瞳で見てくる雫の視線がくすぐったい。

 

「おはよう」

「……おはよう。起きてたのか」

 

ジッと見つめられて恥ずかしいので、俺はフイッと視線を外した。

 

一層、雫が笑みを深めている気がするが彼女の顔を見ることはしない。見てしまったら、その魅力的な笑顔で俺のハートはズッタボロに破壊されてしまうだろう。

 

「全く、無茶したわね。でも、貴方の御蔭でみんな無事よ。あの魔物は跡形もなく消えちゃったわ」

「流石はメギドラオン……」

「新しいペルソナはメサイアだったかしら? オルフェウスとタナトスが合体したような見た目をしてたわね」

「まあ、元はその二体を合体させて作るからな。似ていて当然だ」

 

雰囲気は何処かロマンチックだが、話の内容は至って健全である。これが俺と雫の関係の全てだ。

 

……意気地なしとか言わないでほしい。少なくとも現時点で責任が取れない俺に、彼女を抱くなんて事は到底不可能だ。仮に抱く勇気を得たところで、最終的には罪悪感が幸福感を勝るだろう。

 

本当の意味で俺が責任を取れるようになったら、その時初めて考えてみても良いかもしれない。

 

「そうだ。此処は?」

 

一番の疑問を口にする。

 

それも最もだ、という様子で雫は俺の質問に答えてくれた。

 

「反逆者の住処ね。いや、〝解放者〟かしら……」

 

新しい呼び名が出てきた。反逆者の後に解放者と出てきたので、恐らく同一の人物たちであろう。

 

「詳しい話は後にするわ。今は貴方に見せたい物があるの」

「分かった。案内は頼んだぞ」

 

雫を追う形で俺は住処を歩く。途中、立派な書斎や掃除用だと思われるメイドロボットを通り過ぎて、俺たちは三階へやって来た。

 

三階には一部屋しかないらしい。奥にある扉を開けて雫の後に部屋へ入る。

 

部屋には直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。いっそ一つの芸術といってもいいほど見事な幾何学模様である。

 

そして魔法陣の奥に鎮座している椅子には、お化け屋敷のオブジェクトとして置いてあっても違和感がない骸が座っていた。

 

「これは……解放者って奴か?」

「そうね。詳しい話は、その魔法陣に足を踏み入れたら分かるわよ」

 

言われるがままに、魔法陣に踏み入る。魔法陣の中央に踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げた。

 

凄まじい光量に思わず目を閉じる。直後、何かが頭の中に侵入し、まるで走馬灯のように奈落に落ちてからのことが駆け巡った。

 

やがて光が収まり、目を開けた俺の目の前には、黒衣の青年が立っていた。

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」

「なん、だって? オスカー・オルクス……?」

「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

オスカーが口にしたこの世界の“真実”は、俺を仰天させるには十分な内容であった。

 

要約するとこうなる。

 

まず解放者というのは遥か昔に産まれた、神代から続く神々の直系の子孫の集まりである。中心人物の七人は先祖返りとも言われるほどの力を持っており、かなり強力な集団だったようだ。

 

解放者のリーダーは、ある時意図せずにではあるがこの世界の神々の真意を知ったらしい。

 

――神は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していた。

 

狂った神々を討つため。そして、弄ばれる人類を救うために、解放者たちは立ち上がった。しかし、その目論見は実際に神々と戦う前に破綻してしまった。

 

神々は、人類を言葉巧みに操ったのである。「解放者は世界を滅ぼそうとしている」と嘯き、人と人による同士討ちを実現させた。

 

同族を傷付ける事が出来ずに、解放者は次々と死んでいったのである。最後に残った中心人物の七人だけは命からがら逃げ延び、様々な場所に大迷宮を創って潜伏した。

 

試練を用意し、それを突破した強者に自分たちの力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。

 

「……と、此処までが我々解放者の話だ。解放者が共通して伝えなければならない事項、と言っても良いね」

 

どうやら、まだ大切な話があるらしい。雫の表情を見るに、此処から本番なようだ。

 

少しだけ躊躇う仕草を見せたオスカーだが、すぐに気を取り直したらしい。再び口を開くのに、そう時間はかからなかった。

 

「……実は、私には長い年月を過ごしても拭えない罪の記憶がある。本来なら話す必要もないが、念の為に伝えておこうと思う」

 

オスカーの口から語られたのは、人工ペルソナの話であった。

 

「この世界とは別の世界が存在する事を〝概念魔法〟によって突き止めた私たちは、とある世界を覗いた時に魅力的な物を発見したんだ。その名を、別世界ではペルソナと呼んでいた。唯一、無からでも物を作り出せる私はペルソナを何とかして再現出来ないかを試行錯誤していたんだ。そしてある時、私は人工のペルソナを完成させた」

 

しかし、人工のペルソナには問題点が山積みであった。

 

まずこの人工ペルソナだが、能力を得るには人間に“ペルソナの種”という物を埋め込むらしい。その時点で人間の肉体には多大な負担がかかり、最悪死亡してしまったようだ。

 

よしんば人工ペルソナを発現出来たとしても、今度は“強力だが、ペルソナの力を長時間使えない”や“寿命が大幅に縮むので早死にする”と言った致命的な欠点も露見した。

 

「託す立場で本当ならこんなことを言う資格はない。だが、敢えて言わせて欲しい。私は、人工ペルソナを実用化するまでに数多くの人間の命を奪ってしまった。そんな悲劇を、この力を受け継ぐ君には起こして欲しくない。だから、これは私個人の願いだ。神殺しを強要するつもりはないし、力を悪用するなとも言わない。だが、ペルソナだけは作り出さないで欲しい。どうか、頼むよ」

 

言葉には出さない。だが、少なくとも俺はオスカーの願いを叶えるつもりだ。すなわち、自発的にペルソナを作らない。それだけである。

 

軽く頷く俺を他所に、オスカーは最後に柔和な笑みを浮かべた。瞳の奥には深い悲しみも宿っているが、それ以上に未来への希望を信じている明るい表情だ。

 

「話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

 

そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。同時に、俺の脳裏に何かが侵入してくる。どうやらオスカーの使えると思われる力を脳に直接刷り込んでいるらしい。

 

ズキズキと痛むが我慢していると、そのうちに痛みは治まった。そして、何か新しい魔法の知識が漠然と脳内に浮かび上がった。

 

「……凄い話だったな。解放者に神々の真意。そして人工ペルソナか」

「理はどうするの? ハジメたちは世界を旅して迷宮を制覇して、概念魔法って奴を手に入れるって言っているわ」

 

概念魔法があれば、元の世界に帰れる。彼はそう確信したのだろう。ハジメに同調した香織とユエも旅に出る気らしい。

 

「まあ、それは彼らの好きにさせれば良いだろ。俺は神殺しには興味ないし、概念魔法とやらも別に気にならない。むしろ概念魔法なしで元の世界に帰れる方法を探したいぐらいだな」

「それじゃあ……」

「旅はするぞ。指名手配されてるだろうからな。だけど、迷宮攻略は見つかったらやろう。まあ基本的には世界各国を旅しながら武者修行だ」

「理らしい答えね。私は貴方と一緒に何処までも行くだけだから何でも良いけど」

 

勿論レイシェンもね、と付け加える雫。戦力バランスがハジメたちは少々偏ってるのが気になるが、まあ何とかなるだろう。

 

ところでそのハジメたちは何処に居るのだろうか。気になって、俺は雫に尋ねてみた。

 

すると、

 

「え、と……その、みんな一つの部屋に入ったわ。ノンビリしてると思うわよ」

 

と、顔を真っ赤にしながら告げられた。

 

大人の階段を登ったのは、どうやらハジメの方が先だったらしい。

 

──────────────────

おまけ

 

その後、俺は疲れを落とすためにも住処内にあった露天風呂に入ることにした。

 

大迷宮というイレギュラーな場所だったので、こうして温かい湯船につかるというのは久しぶりだ。ただボケッとするだけで荒んだ心も洗われていく気がする。

 

俺は無類の風呂好きでもあるため、迷宮攻略中はゆっくりと風呂にも入れなくて何気に辛かったのもあって気持ち良さは三割増しだ。

 

「うーん……やっぱ風呂は、こうして一人でノンビリするのに限るなあ」

 

軽く伸びながらそんな事を人知れず呟く。

 

だから、一人で居るとばかり思い込んでいた所に声を掛けられたので俺はめちゃくちゃ驚いた。

 

『お風呂きもちいいね!』

「ほげえああっ!?」

 

何時の間にか隣に一糸纏わない状態で湯船につかっていたのは、他ならぬアリスさんである。ほんのり顔を上気させているのが色っぽい。見た目は完全に小学生なのに、色っぽい。

 

……て、そんな事を呑気に考えている場合ではない。このままでは変態紳士の烙印を押されてしまう。そうなったら寝込む自信しかない。

 

「……なんで出てきた?」

『えー? お風呂入りたいからかな!』

「レイシェンと入れば良いじゃないか。そんなに我慢出来ないのか?」

『お兄ちゃんともお話したいの!』

 

全国のアリスファンの皆様。特に大きなお兄さんたちへ。本当に申し訳ない。俺はこの娘を、ポイッと湯船から放り投げるなんて事は出来ない。

 

こんな可愛い生物を引き剥がすなんて酷なことは出来ないのだ。許してくれ。

 

「……まあ良いか。ただ、今度からは雫やレイシェンに一言告げてくれよ」

『はーい!』

「で、体は俺が洗うのか? もうこの際何でも良いんだけどな」

『それじゃあお願い!』

「前は自分で洗えよ。髪と背中は流すからな」

 

既に体は洗ってしまってるので、また出るのは少々気が憚るが、アリスさんの髪と背中を流すためにも俺は湯船を出た。

 

アリスを備え付けの椅子に座らせると、俺はシャンプーを手に付けて金糸のような髪の毛をワシャワシャと洗う。

 

モコモコと泡を立てているアリスの頭をシャワーで流すと、今度は背中をボディーソープを付けたタオルで優しく擦る。

 

と、その時である。ヒタヒタと足音が、俺の耳に聞こえてきたのは。

 

「……結城理さん?」

 

レイシェンである。やはりと言うべきか、アリスと同じで一糸纏わぬ素晴ら……ゴホン、けしからん姿だ。

 

いやいや、そんな場合じゃない。これは非常にマズい状況だ。アリスが出てくるよりも遥かにヤバい状況である。

 

「え、あ……その、これはだな」

「……アリスさんのお背中を流しているのですか? でしたら、私も結城理さんのお背中を流させて頂きます」

「背中を? いや、俺は……」

「流しますね。雫さんには黙っておきますので」

「……はい」

 

このあと、めちゃくちゃ背中を擦られた。なんだかタオル以外の物でも洗われた気がするが、気にしてはいけない。




原作だとユエさんがハジメくんを襲うお話でもある今回ですが、金髪繋がりでアリスさん登場です。また、ユエさんがハジメくんを頂いたシーンは軟化させて雫さんとのイチャコラに変更。風呂のシーンにはレイシェンさんの嫉妬シーンを織り込んでみてます。

そして人工ペルソナですが、これは今後重要になってくるキーワードです。

ハジメにワイルドの能力は必要?

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