命の答えを得た最強のペルソナ使いは異世界でも最強   作:Hetzer愛好家

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遅くなりました。軽いスランプに陥ってはいましたが、リアルが落ち着いたのを皮切りに少しずつ執筆を再開してリハビリしてます。


多分、きっとライセン大迷宮

「「「……」」」

「まあ、そんな感じの反応するよな」

 

翌朝。発見したライセン大迷宮の入り口であろう場所を見て雫とレイシェンは絶句して立ち呆けている。レーリスはそもそも何が起こっているのかが分かっていないので対象外だ。

 

それっぽい場所を見つけたのは良いのだが、これが本当に大迷宮の入り口なのかが疑わしすぎて熱心に調べようという気持ちにはならない。

 

俺一人では到底判断が出来ないと思ったのでこうして三人を連れてきたのだが、これは判断をするのにかなりの時間が必要みたいだ。

 

大迷宮と言うのは非常に危険な場所である。故に、勝手な想像で大迷宮を作った解放者は厳かなイメージを抱いていたのだが……それは随分と早い段階で崩された。

 

「どうする?」

 

念の為、問いを三人に投げかけておく。レーリスは詳しい概要を知らないので今回は深く考えてもらわなくても大丈夫だが、この世界の真実を知っている雫とレイシェンはかなり悩んでいる。

 

レーリスが同行していなければ脳筋思考で突撃したかもしれないが、彼女が居る以上は安易に判断するのはNGだ。

 

幾らハジメのアーティファクトで実質的な戦闘力が上がっていたとしても、大迷宮と言うのは俺たちの予想を超えてくる可能性が十二分にある。そんな場所に彼女を連れて行くのは正直言って気が引ける。

 

しかし気になっているのも事実だし、上手いこと使えばレーリスの最終訓練場所にも使えそうである。尤も、これが本当に大迷宮の入り口であるという前提条件が必要だが。

 

「理はどうしたいの?」

「ん、俺か? 俺は調べてみても良いと思ってるよ。レーリスの訓練にも使えそうだからな」

「そう。なら、私は賛成よ。そこまで考えられているなら何とかなると思うわ」

「私も賛成です。貴方なら何があっても彼女を守れるでしょうから」

 

一も二もなく賛成してくれたので少し拍子抜けした。正直、もっと反論なり何なりされる物だと思っていた。

 

思っている以上に俺たちが考える事は似通っているらしい。聞けば懸念していた事柄も殆ど同じであった。自分たちは何だかんだでどうにかなる。レーリスだけが心配。その気持ちは変わらなかった。

 

「そうか。なら行くか……」

「ちょ、ちょっと待ってよ! 大迷宮って、アンタたちが少し前まで潜っていた危険な場所よね? アタシなんかが挑んだらどうなるか……」

 

不安げなレーリス。彼女の言いたい事は何となく分かる。戦闘経験が兎に角浅いレーリスは、大迷宮に挑んだら速攻で死んでしまうのではないかと言いたいのだろう。

 

しかし彼女は気が付いていない。彼女が手にしているハジメお手製のアーティファクトがどれだけ凄まじい物なのかを。

 

挙げていけばキリがないので、今回はたった一つだけ告げることにしようか。

 

「なあレーリス。君が持っているそのアーティファクトな。装備してるだけで攻撃に関する大概の能力値が最低でも3000は上昇するんだけどな」

「え、はあっ!?」

「何ならこの世界で一番硬いとされるアザンチウム鉱石ですらも切り裂ける」

 

つまり、相手の装甲を実質無効化できると言うことだ。レーリスの種族としての特性を十全に活かすことが出来たなら、このアーティファクトは恐ろしい凶器へと早変わりするだろう。

 

ハジメはこの手甲鉤の凄まじい特性をこんな言葉で表していた。

 

“速烈”と。

 

あくまでも彼がそう呼んでいただけだが。

 

「それに、だ。君は最初の頃よりも遥かに強くなってる。俺が保証するよ」

 

レーリスの瞳を真っ直ぐ見つめる。目を逸らそうとしたレーリスの頬をガシッと両手でロックし、万が一にも逃げられない状態にしてから告げた。

 

「それでも心配なのは分かる。だけど安心しろ。俺たちが君を全力で守る」

「っ、ああ……」

「信じられるか? 俺のことを」

「当たり前よ……もう、そんな見つめられたら誰でも信じたくなるわ」

 

洗脳しているみたいで何とも言えない。だが、事実を告げただけだから問題ないはずだと思い直した。

 

全員が納得したのを確認した俺はこの場所が大迷宮であった時を想定した作戦を伝える。

 

魔力が分解されてしまう以上、今回はフォーメーションを本来なら深く考える必要はない。だが、レーリスという初心者が居るためよくよく考えておくべきなのだ。

 

レーリスと雫は常にペア行動を。俺とレイシェンは基本的には二人の援護。レーリスが疲れを感じたらすぐに前線を交代するように。そう伝えると三人はコクリと頷いた。

 

それを見た俺は何も言わずに文字が刻まれた壁を調べ始める。文字を叩いてみたりなぞってみたり。しかし反応はない。どうすれば良いのかはサッパリだ。

 

「うーん……うおっ!?」

 

そう思いながら壁をペタペタと触っていると、いきなり一箇所がガコンッ! と音を立てて内に凹んだ。

 

ビックリして変な声を上げた俺だが、途端に視界が暗転した事によって一気に冷静さを取り戻した。何か、来る……!

 

ヒュヒュヒュ!

 

無数の風切り音が響いたかと思うと暗闇の中を自分に向かって何かが飛来した。

 

自分の勘を信じて片手剣を抜いた。もう形なんて物はなく、ただひたすらに迫り来る殺意に向かって我武者羅に剣を振り回す。

 

カンカンッと金属同士がぶつかり合う音が響いたが、それも漸く収まり辺りは静寂を取り戻す。そしてそれと同時に雫たちが同じ空間に入ってきた。

 

「ま、理?」

 

軽く息を上げる俺を心配する雫に「問題ない」と伝え、やや明るくなってきた空間を見渡す。

 

まず、飛来してきたのは無数の矢であった。闇に紛れてしまいそうな黒塗りだったので正体がすぐには分からなかった。そして俺たちが立っている空間は、十メートル四方の部屋で、奥へと真っ直ぐに整備された通路が伸びていた。そして部屋の中央には石版があり、看板と同じ丸っこい女の子文字でとある言葉が掘られていた。

 

 

 

〝ビビった? ねぇ、ビビっちゃった? チビってたりして、ニヤニヤ〟

〝それとも怪我した? もしかして誰か死んじゃった? ……ぶふっ〟

 

黙って俺は石板を拳で破壊した。すると、砕けた石板の跡、地面の部分に何やら文字が彫ってあり、そこには……

 

〝ざんね~ん♪ この石板は一定時間経つと自動修復するよぉ~プークスクス!!〟

 

うざったい石板がまた現れた。

 

「「「「……」」」」

 

一同、皆が言葉を失う。おそらく内心の言葉は全員が一致しているであろう。何人かは顔に表情に出ている。特に雫とレーリスが顕著だ。

 

しかし、此処は腐っても大迷宮。感情的になる時間はなるべく減らしておきたい。一瞬の気の緩みが命取りとなる。

 

「はあ……行くぞ。どうせこの先もこんな感じだろうけどな」

 

召喚器を取り出して溜息を一つ。それで気を静めると、俺は先行して歩き出した。

 

どうやら魔力の分解作用がかなり大きく働いているので、これまでのようにペルソナを表に出すという方法は取れなさそうだ。その対策として編み出した〝降魔〟なら何とかなりそうなのが幸いである。

 

取り敢えず〝ユノ〟を召喚して降魔させ、索敵能力を底上げして道なりに進む。

 

 

やがて、俺たちは広大な空間に出た。そこは、階段や通路、奥へと続く入口が何の規則性もなくごちゃごちゃにつながり合っており、まるでレゴブロックを無造作に組み合わせてできたような場所だった。一階から伸びる階段が三階の通路に繋がっているかと思えば、その三階の通路は緩やかなスロープとなって一階の通路に繋がっていたり、二階から伸びる階段の先が、何もない唯の壁だったり、本当にめちゃくちゃだった。

 

如何にも大迷宮と言った見た目である。だが、残念だったな。

 

「……こっちだ。一際大きい魔力反応がある」

 

魔力の分解によって多少能力が落ちているとはいえ、ユノの索敵能力をバカにしてはいけない。全開にすればオルクス大迷宮の最下層から表の大迷宮の最上階までに生息している魔物を全て探知できてしまう。

 

このライセン大迷宮の環境で、大きい魔力反応を見せる何かを目指すのが、必然的に最奥へ早く辿り着くための近道になる。そう信じて、俺は魔力トラップや物理トラップを警戒しながら前へ前へと進むのだった。

 




最近、様々な物に目が行ってモチベがいまいちな状態です。更新もかなりゆっくりになることが予想できますが、待っていただけると嬉しく思います。
※エブリスタにも手を出しましたので、興味がある方はよろしくお願いします。
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