トレーナーの本音が知りたいので盗聴してみた   作:ハメス

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今回は、pixivよりちょっと先にこっちに投稿しました!




「んで?次の質問は?」

 

「お、だいぶ乗り気になったな?」

 

「どうせ嫌でも聞いてくるだろ...。」

 

俺は、そう言ってため息をつく。

 

「まあな」

 

伊藤はそう言って笑いながら酒を一気に飲み干した。

 

「じゃあ次の質問行くな?」

 

「おう」

 

「妹にしたいウマ娘は?」

 

「妹?」

 

「うん」

 

「まあ、順当に行けばライスじゃないか?」

 

「まあ、そう言うと思ったわ」

 

 

「.....妹...。」

 

ライスはじっと画面を見つめる...。

 

「まあ、あれだけ毎回毎回お兄様お兄様って言ってたらなぁ」

 

伊藤はケラケラと笑いながら酒を飲む

 

「...うぅ...ヒック...。」

 

「ライスさん?」

 

ミホノブルボンが心配そうに顔を覗き込むと...。

 

「....どゔじで...。ライスじゃ...ライスじゃダメなの...?お兄様って呼ぶから...ヒック...ライスを...女の子として...ヒック...見てくれないの...?」

 

暗い瞳をしながら只々、画面を見つめ涙を流すライスの姿があった。

 

「これより、ライスさんを泣かせたということで、伊藤トレーナーの抹〇及びマスターの捕縛を開始します」

 

ミホノブルボンがそういうと、すっと立ち上がり外に向かおうとする。

 

「ちょっ!ちょっと!ブルボン!お、落ち着いて!気持ちは分かるけど今は落ち着いて!」

 

「そ、そうですわ!」

 

テイオーとマックイーンが必死に食い止めようとブルボンにしがみつく。

 

「ていうか誰なのさ!こんな質問したの!誰も、妹なんて望んでないんだからこうなるのは分かってるはずなのに!!」

 

何とか、ブルボンを抑えたテイオーは思わず声を大にして言った。

 

すると...耳がすっかり垂れてしまっている一人のウマ娘が手を挙げた。

 

「ご、ごめん!ま、まさかそこまでなるなんて思って無くて...」

 

「ス、スペちゃんだったの?」

 

ライスシャワーの背中をさすっているスズカが驚いたように答える。

 

「う...うん。その...余り質問が思い浮かばなかったというか...だからその...無難な質問をしたつもりだったんだけど...まさかこうなるとは思わな無くて...。本当にごめんね!ライスちゃん!そのライスさんを傷つけたくてやったわけじゃないの!」

 

スペシャルウィークはライスシャワーの元へ行き両手を合わせ謝った。

 

「ううん...気にしないで...。スペシャルウィークさんに悪気があった訳じゃないのはライスも分かってるから...。」

 

ライスシャワーは目こそは泣き腫らしてはいるが笑顔で答えた。

 

「だけど、もし仮にスペちゃんが選ばれてたらどうだったの?まあ、それを質問するって事は余り気にしないのかもしれないけど」

 

テイオーが何気に聞くとスペシャルウィークは急に雰囲気を変え

 

「私はね...例えトレーナーさんの一番になれなかったとしてもトレーナーさんの側にいるだけで幸せでいっぱいだから...。」

 

「ス、スペちゃん...?」

 

スズカが心配そうにスペシャルウィークをみると

 

「それにね...私よりもみんなの方が可愛いし、私なんかスズカさんに着いて来てこのチームに入ったから正直あんまり意識されないと思ってた...。だけど、いつも私のことを励ましてくれたり私が勝ったら私以上に喜んでくれて...そうやってずっと過ごしてるうちにどんどん想いが大きくなってね、日本一のウマ娘になるっていう夢は変わらない。でもね、いつの間にかトレーナーさんの為に走ってたの。トレーナーさんに喜んでもらう為に。トレーナーさんの凄さを他の人達にわからせる為に。その為なら私もっともっと強くなってみせる...トレーナーさんが望むならどんなウマ娘にだって...」

 

「ス、ストップ!ストップ!!スペちゃん!一旦落ち着いて!」

 

普段の明るさは見る影も無く、瞳を暗くし表情を無くし機械のように淡々と俯きながら呟くスペシャルウィークに皆、怯えしまい誰も声を掛けられないなか、スズカが何とか抑えようとスペシャルウィークに待ったをかけた。

 

「ふぇっ!ス、スズカさん!?ど、どうしたんですか!?」

 

スペシャルウィークは驚きの声を上げまるでさっきまでのことが無かったようにスズカを見つめる

 

「ス、スペちゃんさっき自分が何言ってたか覚えてないの?」

 

「え?うーーん...。何か、トレーナーさんの事を考えてて、本当は独り占めしたいけど皆んなの事も考えると、とか色んなこと考えてたら...頭がぐちゃぐちゃになって...そこからは余り...覚えてない...かな...。」

 

 

普段は、トレーナーに対して好意は抱いてはいたもののあまりテイオーやマヤノの様に直接的にアプローチをかけるわけでも無いためスペシャルウィークの本当の想いを声にして聞いた皆んなは只々彼女を見るだけしか出来なかった。 

 

沈黙が続く中、それを破ったのはマックイーンだった。

 

「その...スペシャルウィークさんの気持ちは十分に分かりますわ...。勿論、私はメジロ家の誇りを持って走ってるつもりです。ですが、私もトレーナーさんの為に走りたい、走り切った後にあの人の元に行って抱き締めて頭も撫でてもらって、沢山褒めて欲しい。そんな事を考えるようになってしまっていますもの。」

 

「そうだよね〜。ボクもトレーナーに褒められたくて走ってるとこあるし。」

 

テイオーもそう続くと

 

「あの...すみません皆さん。既にマスターは次の質問に進んでいる事を確認。質問内容はけ、結婚願望との事です。」

 

ブルボンは少し顔を赤らめながら言った。

 

「け、結婚願望ですって...!」

 

「つ、遂に私の質問が来ましたわね...!」

 

マックイーンがそう言うと、皆んなしてまた画面を見つめた。

 

 

 

「結婚願望ね〜」

 

俺がボーっとそう呟くと

 

「もうそろそろお前もいい歳なんだしさ〜って言いたいけど、まだアレ引きずってるのか?」

 

「...まあな」

 

俺は、ため息を吐き持っていたグラスを置いた。

 

「まあ、あんな事あれば結婚なんてとか思ってもしゃーないか...」

 

伊藤は、そう言って複雑そうな顔をする。

 

「あれ以来、女性が苦手になったんだっけ?」

 

「まあ、そうだな...。でも、今一緒に過ごしてるウマ娘は勿論だけど、桐生院トレーナーとかたづなさんとかなら平気だよ。」

 

「そうか...。まあ、仕事に影響出ない分まだ良いか...」

 

「はぁ...あの時はあの子達に色々と迷惑かけちまったなぁ」

 

俺はあの時の事を思い出していた...。

 

 

 

「大丈夫だ、トレーナー君。君が辛い思いをして、女性に対して不信感が出てしまったのも十分に分かってる。だけど....いや、だからこそ私達を信じて欲しい。私達は、決して君の事をあの女の様に裏切ったりしない!」

 

そう言うとルドルフは俺を抱きしめた。

 

「そうだよ!確かにボク達はトレーナー程長く生きてないから、異性との交流もそんなに多い方じゃない...でも!もっとボク達を頼って欲しい!....それともトレーナーにとってボク達はそんなに頼りない存在なの?」

 

テイオーは涙ながらに訴え、その後ろにいる俺のウマ娘達も心配そうに見つめる。

 

「そうか...俺...一人でずっと...俺には...こんなにも頼れる人たちがいるのに...。」

 

俺はその後ずっとルドルフの胸の中で泣いていた。

 

 

 

 

 

あの時は、色々大変だったなぁ。女性に対して苦手意識出来たからトレセン学園退職直前まで行ったし

 

「にしても大変だったよなぁ...。急に俺の家に来て何事かと思ったら、いきなり辞めるなんて言うからさぁ」

 

伊藤は笑いながらしかし何処か懐かしむように当時の事を話すと

 

「あの時は、本当に辛かったんだよ。結婚相手に裏切られたんだ。女性不信にもなるよ。」

 

俺は、苦笑いでそう答えながらお酒を呑んでいると、伊藤が何か思い出したかのように一人で呟いた。

 

「そういえば...前から大概だったが、あの子達が今まで以上にあいつに執着するようになったのって確かあの時以来だよな...。」

 

伊藤はちらっと〇〇の方を見る。

 

「...愛され過ぎるのも考えものだな...。」

 

そう言ってまた酒を口に運んだ。

 

「...そうですか...。やはりトレーナーさんはまだ...女性に対して...。」

 

「でもでも!ボク達は平気なんでしょ?なら良いじゃん!そのままで!」

 

マックイーンとテイオーがそう言うと

 

「私の過去のデータログによれば、マスターに人間の女性は不要と判断。マスターには私達ウマ娘だけいれば良いかと。」

 

「ライスもそう思う...。だって...あんな辛そうなお兄様...もう二度と見たくないもん!」

 

ブルボンとライスも続き

 

「トレーナーさんには、私達だけいれば良いんです。私達もトレーナーさん以外の男性には一切興味がないから...」

 

「そうね...。」

 

 

 

「じゃあ、ウマ娘の子達ならどうだ?お前が相手だったら向こうもウェルカムだろ」

 

 

「「「「「「ガタッ...!!!」」」」」」

 

伊藤のその言葉に全員がテレビに穴が開くぐらいの勢いで食い入る様に画面を見る。

 

「ウ、ウマ娘か...」

 

俺は思わず吹き出しそうになった

 

「なんだよ、その反応...」

 

「いや、彼女の時も言ったけど、あの子達のことそう思って見た事ないんだよなぁ。」

 

「まあまあ、とりあえず頼むよ」

 

「正直、結論から言うと思い浮かばん」

 

「え?」

 

伊藤は思わず気の抜けた声を出した。

 

「どう考えても俺じゃ釣り合わんだろ。年齢がどうこうとか置いておいても。」

 

俺は納得した様に腕を組み頷く。すると伊藤はガクッと肩を落とし言う

 

「お前、絶対に本人達の前で言うなよ?そんな事。」

 

もっとも、もう遅いけどなと内心考えながら伊藤は言うが当の本人は知るよしもない。

 

 

「「「「「「.............」」」」」」

 

その場が凍りつく様な空気の中、口を開いたのはスズカだった。

 

「やっぱりトレーナーさんには"分からせる"必要がありそうね。」

 

「はぁ...あれだけ慕っていると申しているのにあの人といったら...。」

 

「ねえねえ、やっぱりトレーナーを一回監禁して皆んなで襲った方が良いんじゃない?」

 

「そんな事してしまっては、マスターの女性不信が更に進行してしまうかと...。」

 

「うっ...。やっぱそうだよね...。カイチョーやグラスさんにだけは怒られたくないし...。」

 

ブルボンの指摘に思わず項垂れるテイオー。

 

「とにかくトレーナーさんには、私達で誘惑して私達に依存してもらうのが一番の得策だと思いますわ。」

 

「でも、トレーナーさんが私達の誘惑に掛かるイメージが余り湧かないけど...。」

 

 

マックイーンの提案に不安そうに言うスペシャルウィーク。するとブルボンが

 

「そこは問題ありません。私の提案した質問でマスターが私達の事を性的に見ているかが恐らく分かるかと...」

 

「ブ、ブルボンさん...一体なんの質問したの?」

 

 

夜はまだまだ深い...。




すみません。今回でまとめきれませんでした。次回で盗聴シリーズは終わりです。
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