高校生からの物語 2期   作:月島柊

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第15話 着いて

 那須塩原に着くと、私は改札を出てお兄ちゃんを探した。改札から出てると思ったけど、出てないのかな。

私が改札内に戻ると、冬ねえが前を通り過ぎた。

 

「冬ねえ!」

「風那?それに沙理華も。遅かったね」

「電車運休で在来線できたもん」

「疲れたでしょ?お兄ちゃん、下にいるよ」

 

私と沙理華は下にいるお兄ちゃんのところに向かった。

お兄ちゃん♪お兄ちゃん♪

 

「ふっふふーん♪」

「お姉ちゃん、ご機嫌だね」

「そお?けどお兄ちゃんに会えるからね♪」

 

私は鼻歌を歌いながらお兄ちゃんの元に行った。スキップして行くと、お兄ちゃんはベンチに座っていた。

 

「お兄ちゃん♪」

「風那?着いたか。おはよう」

 

お兄ちゃんは笑顔で言ってくれた。

 

「お兄ちゃん、疲れたよぉ」

「そうか。じゃあ着いてからいっぱい撫でてやるからな」

「わーいっ」

 

私が戯れていると、沙理華と冬ねえがやっと追いついた。

 

「速いよ……」

「おっ!みんないる!」

 

奥の方からいなかった6人が駆け寄った。次は19:20発黒磯行き。

 

「もう暗くなっちゃったしな。早く行こう」

 

お兄ちゃんは私たちを連れて電車に乗った。

 

【月島柊視点】

 

 高久には19:34。ここから歩いて10分のところに今回の目的地がある。

真っ暗な中を歩いていく。新幹線の線路の下を通り、しばらく歩くと、かなり広い家があった。ここが目的地。

 

「ここ?」

 

かりなが俺に聞く。周りも俺を見つめていた。

 

「そう。ここに住みたい人は住んでいいぞ。住める人だけだが」

 

住めるっていうと、多分藤花と風那だけ。それ以外は高校だったり、俺と暁依は仕事、香奈は大学生だったりと、住めない理由がある。

 

「じゃあ、私来よっかな」

「私は沙理華がいるから」

 

風那は拒否した。ということは藤花で一人暮らしか。大変そうだけど大丈夫か。

 

「藤花、一人で平気か」

「多分?」

 

信用ならない。でも誰かと一緒にいれないし。

 

「たまに来てくれるでしょ?」

「あぁ。じゃあ大丈夫か」

 

俺はそれだけで済ませた。

 

 家に入ると、部屋の分担が始まった。俺は勝手に、ど真ん中の部屋に決まったが、それ以外はみんな争奪戦だった。

暁依は紳士的に譲り、暁依は壁際の部屋になった。

 

「お兄ちゃん~、撫でて~」

 

風那が部屋に入ってきた。確かに約束していた。

俺は風那の頭を撫でた。

 

「んんーっ、ここここ~」

 

風那は頭を動かして撫でるところを変えてくる。猫。

 

「お兄ちゃん何してるの?」

「なんか撫でてる」

 

かりなは俺の隣に座って言った。

 

「じゃあマッサージしてあげる」

 

かりなは俺の肩を揉んでマッサージしてくれる。

 

「ああ、気持ちいい……」

「よかった」

 

俺は気持ちよくなりながら、風那を撫でていた。

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