那須塩原に着くと、私は改札を出てお兄ちゃんを探した。改札から出てると思ったけど、出てないのかな。
私が改札内に戻ると、冬ねえが前を通り過ぎた。
「冬ねえ!」
「風那?それに沙理華も。遅かったね」
「電車運休で在来線できたもん」
「疲れたでしょ?お兄ちゃん、下にいるよ」
私と沙理華は下にいるお兄ちゃんのところに向かった。
お兄ちゃん♪お兄ちゃん♪
「ふっふふーん♪」
「お姉ちゃん、ご機嫌だね」
「そお?けどお兄ちゃんに会えるからね♪」
私は鼻歌を歌いながらお兄ちゃんの元に行った。スキップして行くと、お兄ちゃんはベンチに座っていた。
「お兄ちゃん♪」
「風那?着いたか。おはよう」
お兄ちゃんは笑顔で言ってくれた。
「お兄ちゃん、疲れたよぉ」
「そうか。じゃあ着いてからいっぱい撫でてやるからな」
「わーいっ」
私が戯れていると、沙理華と冬ねえがやっと追いついた。
「速いよ……」
「おっ!みんないる!」
奥の方からいなかった6人が駆け寄った。次は19:20発黒磯行き。
「もう暗くなっちゃったしな。早く行こう」
お兄ちゃんは私たちを連れて電車に乗った。
【月島柊視点】
高久には19:34。ここから歩いて10分のところに今回の目的地がある。
真っ暗な中を歩いていく。新幹線の線路の下を通り、しばらく歩くと、かなり広い家があった。ここが目的地。
「ここ?」
かりなが俺に聞く。周りも俺を見つめていた。
「そう。ここに住みたい人は住んでいいぞ。住める人だけだが」
住めるっていうと、多分藤花と風那だけ。それ以外は高校だったり、俺と暁依は仕事、香奈は大学生だったりと、住めない理由がある。
「じゃあ、私来よっかな」
「私は沙理華がいるから」
風那は拒否した。ということは藤花で一人暮らしか。大変そうだけど大丈夫か。
「藤花、一人で平気か」
「多分?」
信用ならない。でも誰かと一緒にいれないし。
「たまに来てくれるでしょ?」
「あぁ。じゃあ大丈夫か」
俺はそれだけで済ませた。
家に入ると、部屋の分担が始まった。俺は勝手に、ど真ん中の部屋に決まったが、それ以外はみんな争奪戦だった。
暁依は紳士的に譲り、暁依は壁際の部屋になった。
「お兄ちゃん~、撫でて~」
風那が部屋に入ってきた。確かに約束していた。
俺は風那の頭を撫でた。
「んんーっ、ここここ~」
風那は頭を動かして撫でるところを変えてくる。猫。
「お兄ちゃん何してるの?」
「なんか撫でてる」
かりなは俺の隣に座って言った。
「じゃあマッサージしてあげる」
かりなは俺の肩を揉んでマッサージしてくれる。
「ああ、気持ちいい……」
「よかった」
俺は気持ちよくなりながら、風那を撫でていた。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
-
YES
-
NO