月島柊
新井寛也
糸井陽南
以上3名
4月の下旬から三者面談が始まった。この学校の三者面談は不思議で、1年前の生徒で行う。だから1年6組1番から。前半で男子、後半で女子がする。
「新井寛也君、時間だからいいよ」
出席番号1番の新井君は、今年2年3組の田島先生が担任だ。
「先生、お願いします」
「はい。まず、新井君、志望校はどこかな」
「宮之浜高校です」
宮之浜高校か。偏差値60の大体平均あたりの公立高校。
「今の新井君は、1年生学年末テストで合計430点。実力テストでは偏差値61だったね」
「寛也、行けますか?宮之浜」
「はい、今の状態では行けますね。新井君、学校でものすごい勉強してるんですよ。私も音楽、数学担当なので分かりますが、授業が終わると、すぐに授業準備をして、時間ギリギリまで前の授業の質問をしてくるんです」
新井君は勉強熱心で、休み時間で分からないと、放課後、教育相談室で教えている。他の先生も同様だ。
「ですから、学習面は心配しなくていいですよ。あとは、生活面ですね。ご家庭でのお手伝いとかどうですか?」
「週に4回は手伝いますね。寛也、家事とか得意なんですよ」
新井君が家事が得意なのは初めて知った。
「そうなんですね。新井君、先生の仕事とか、手伝ってくれてもいいんだよ」
「はい……」
「はは、冗談だよ。なにか頼むかもしれないが」
通知表の「奉仕」の欄にも◯がつくからおすすめ。俺はつけられたことないけど。
「じゃあ、お母様の方から何か聞きたいことはあります
か」
「いえ、もう十分分かりました」
「そうですか。それじゃあ、これで終わりにしますね」
俺はドアを開けて見送る。
今日の最後は糸井陽南。お母さんが来ていた。俺は最後なのもあり、長めに取ろうとしていた。
「糸井さん、お願いします」
「はい」
三者面談の進行はほとんどの人が生徒。
「これから、三者面談を始めます。こちらは、私のお母さんです。掃除などを細かくしてくれます」
「お母様は掃除好きなんですか?」
「はい。キレイ好きなので」
「糸井さんはやられたりするんですか?お掃除」
こうやって家の生活に繋げる。
「しないことが多いですね……」
苦笑いしながら言う。
「手伝いは苦手かい?糸井さん」
「はい……ゲームとか……」
「ああ、よくあるパターンだ。今度、二者面談の時に話すとして、志望校はどこですか?」
2年生だったら志望校も重要になってくる。
「鴻巣南高校と言っているんですが……」
鴻巣南高校。偏差値68の公立高校。結構高めなのだが、今のままだと、とてもじゃないが無理かもしれない。
「偏差値は前回の実力テストで56だったね」
「はい。でも、勉強したんです」
「なるほどね……高校を目指して?」
「はい」
努力してるんだったらいいのかな。行けるかもしれない。
「あとは、学校の成績だね。成績は……数学だけ悪かったかな。それ以外は概ね取れてると思います」
「陽南、数学頑張りなさい」
「分かんないし……」
「だったら放課後、俺のところに来てもいい。空いてるから」
来るぶんには構わない。来てほしいぐらいだ。
「あと、委員会は生活委員会ですね。生活チェックは1年生の時やってたけど、2年生ではどう?」
「1年生と同じようにやってます」
委員会も問題ないね。じゃあ部活か。
「糸井さん、美術部なんだよね。ご両親と喧嘩したって聞いたけど、大丈夫?」
「あ、えっと──」
「本当はバスケ部に入らせたかったんですけどね」
「今は糸井さんの話すタイミングです。お母様はお静かに」
ぶっちゃけ言ったら、三者面談じゃなくてもいい。二者面談の方が効率はいい。
「運動、苦手で……」
「そうか、吹奏楽部はどうだった」
「走るって聞いたので…」
「そっか。部活は喧嘩収まったのかな」
喧嘩してるようには思えないけど。
「……今もたまに……」
「そっか。二者面談ではなそうね。それでは、今回は以上になります。お母様の方から聞きたいことはありますか?」
「ないです」
「分かりました。気を付けてかえってね」
俺はドアを開けて見送った。
明日は休みで、5時間授業だ。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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YES
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NO