高校生からの物語 2期   作:月島柊

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第18話 帰宅

 俺とかりなは胡桃に約束していたため、18:50発黒磯行きで宇都宮へ向かった。宇都宮で深谷までのグリーン券を買う予定だ。

18:55に黒磯に着くと、一旦改札から出て、Suicaで入り、19:00発宇都宮行きに乗り換えた。オールロングシートで、俺はかなりの隣に座った。

 

「お兄ちゃん、もっと近づいちゃダメ?」

「いいけど」

 

かりなは俺にぴったりくっついた。かりなは俺に頬ずりしようとするが、俺は手で防いだ。

 

「人居るから。ね」

「むーっ、くっつくーっ!」

「少しは我慢しろ」

 

かりなはぶーぶー言いながら前を向いた。

 

 19:51、宇都宮に到着すると、俺はグリーン券情報をSuicaに読み込ませ、かりなの分も2つ行うと、5号車のグリーン車に乗車した。グリーン券の区間は宇都宮から深谷。大宮で高崎線に乗り換える。

 

「お兄ちゃん、どっちにする?」

 

窓側か通路側か。

 

「かりなが窓側に行っていいよ。俺通路側でいいから」

「それじゃあ、お言葉に甘えて」

 

かりなは窓側に座った。

 

「19:59発、上野東京ライン東海道線直通、熱海行きです」

 

車掌からのアナウンスが入った。時刻は19:56。あと3分で発車だ。

19:59、時刻通り出発した。宇都宮線内、途中駅の通過待ち等はなく、宇都宮線内は東京まで先行する。やけに眠気が襲ってきて、俺は雀宮を出発した時にはもう寝ていた。

 

 20:40過ぎ、鉄橋を渡る音で俺は目を覚ました。かりなは俺のことをじーっと見つめていて、起きたのに気付くと、目をそらした。寝顔見てただろ。

 

「かりな、バレてるよ」

「んにゃっ!」

 

かりなは「えへへー」とにっこりと笑った。

 

 21:16、大宮に到着すると、8番線に向けて歩き始めた。次の高崎線は21:30発高崎行き。結構早すぎているため、俺とかりなは大宮のそば屋さんで夜食を済ませた。

 

「今度の電車っていつ?」

「22:15発高崎行きかな」

 

今は21:50。53分発もあるが、籠原行きで、籠原で乗り換えるのは22:15発の電車と同じ。

 

「家に着いたら何する──」

「胡桃にハグする」

 

俺は即答した。胡桃、抱き心地いいんだよなぁ。

 

「おっ、胡桃から電話」

 

俺は胡桃からかかってきた電話に出た。

 

「どした」

《何時着だったっけ~》

「23:07?」

《5分じゃなくて?》

「休日だから多分7分」

《分かった~》

 

胡桃は電話を切った。胡桃に早く会いたいなぁ。

 

「お兄ちゃん、電車来るよ」

「あぁ」

 

俺とかりなは11番線へ移動した。

 

 22:15、時刻通り出発した。この電車は、東海道線の平塚から新宿を経由して大宮まで来ている。11番線からは宇都宮線も出発するが、この電車は大宮で分岐し、高崎線に直通する。

大宮を出ると、宮原、上尾、北上尾、桶川、北本、鴻巣の順に進んでいった。最近起きた地震で、駅の構内は未だに立ち入り禁止のところもあった。

鴻巣の近くにある、俺が先生をやっている学校もしばらく休校。再開はいつなのか判明していない。

そんな感じだが、JRの在来線は通常通り運転していた。そのおかげで帰れている訳だが。

 

「お兄ちゃん、学校、まだ休みなの?」

「あぁ。安全確認で」

 

まだ確認できていないらしく、再開の目処はたっていない。

 

「じゃあ、今は暇なの?」

「まぁ、そんなとこかな。一応事務所の方もあるけど、そんなにないし」

 

だから胡桃といちゃついてるわけだが。

 

 23:07、深谷駅に着くと、俺が乗っている4号車のグリーン車の乗車口に胡桃が立っていた。胡桃だ、飛びついてしまいそうだ。

俺は「開」と書かれたボタンを長押しした。こうすると、車掌が押しボタン式にした瞬間にドアが開く。なるべく早く胡桃に会いたい。

ただ、飛びつくのは我慢した方が良いだろう。俺が飛びつくと、胡桃が倒れてしまう。

 

「お兄ちゃん、ボタン押すの早いよ」

「早く胡桃に会いたいんだ」

 

俺はドアが開いた瞬間にホームに出た。俺がホームの真ん中に行ったところで、胡桃は飛びついてきた。飛びつくのは胡桃だったか。

 

「柊くん!」

「胡桃!」

 

俺と胡桃はホームでくるくる回りながら抱き合っていた。

 

「寂しかったんだよ、柊くん」

「ごめん。もう一緒に居よう?」

「うんっ!」

 

俺と胡桃は手をつないで階段を上がった。かりなは後ろをついてくる。

 

「歩いてきた?」

「ううん。車」

 

意外。ゆっくり手繋いでいたいのかと思ったのに。

 

「早く帰って、柊くんとくっつきたい」

「胡桃……かわいいっ」

 

俺は胡桃に抱きついた。

 

「もうっ、しょうがないなぁ」

 

胡桃は俺のことを優しくハグした。

 

「胡桃、早く帰ろう」

「うんっ」

 

俺は胡桃の車に乗って家まで帰った。

 

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