俺とかりなは胡桃に約束していたため、18:50発黒磯行きで宇都宮へ向かった。宇都宮で深谷までのグリーン券を買う予定だ。
18:55に黒磯に着くと、一旦改札から出て、Suicaで入り、19:00発宇都宮行きに乗り換えた。オールロングシートで、俺はかなりの隣に座った。
「お兄ちゃん、もっと近づいちゃダメ?」
「いいけど」
かりなは俺にぴったりくっついた。かりなは俺に頬ずりしようとするが、俺は手で防いだ。
「人居るから。ね」
「むーっ、くっつくーっ!」
「少しは我慢しろ」
かりなはぶーぶー言いながら前を向いた。
19:51、宇都宮に到着すると、俺はグリーン券情報をSuicaに読み込ませ、かりなの分も2つ行うと、5号車のグリーン車に乗車した。グリーン券の区間は宇都宮から深谷。大宮で高崎線に乗り換える。
「お兄ちゃん、どっちにする?」
窓側か通路側か。
「かりなが窓側に行っていいよ。俺通路側でいいから」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
かりなは窓側に座った。
「19:59発、上野東京ライン東海道線直通、熱海行きです」
車掌からのアナウンスが入った。時刻は19:56。あと3分で発車だ。
19:59、時刻通り出発した。宇都宮線内、途中駅の通過待ち等はなく、宇都宮線内は東京まで先行する。やけに眠気が襲ってきて、俺は雀宮を出発した時にはもう寝ていた。
20:40過ぎ、鉄橋を渡る音で俺は目を覚ました。かりなは俺のことをじーっと見つめていて、起きたのに気付くと、目をそらした。寝顔見てただろ。
「かりな、バレてるよ」
「んにゃっ!」
かりなは「えへへー」とにっこりと笑った。
21:16、大宮に到着すると、8番線に向けて歩き始めた。次の高崎線は21:30発高崎行き。結構早すぎているため、俺とかりなは大宮のそば屋さんで夜食を済ませた。
「今度の電車っていつ?」
「22:15発高崎行きかな」
今は21:50。53分発もあるが、籠原行きで、籠原で乗り換えるのは22:15発の電車と同じ。
「家に着いたら何する──」
「胡桃にハグする」
俺は即答した。胡桃、抱き心地いいんだよなぁ。
「おっ、胡桃から電話」
俺は胡桃からかかってきた電話に出た。
「どした」
《何時着だったっけ~》
「23:07?」
《5分じゃなくて?》
「休日だから多分7分」
《分かった~》
胡桃は電話を切った。胡桃に早く会いたいなぁ。
「お兄ちゃん、電車来るよ」
「あぁ」
俺とかりなは11番線へ移動した。
22:15、時刻通り出発した。この電車は、東海道線の平塚から新宿を経由して大宮まで来ている。11番線からは宇都宮線も出発するが、この電車は大宮で分岐し、高崎線に直通する。
大宮を出ると、宮原、上尾、北上尾、桶川、北本、鴻巣の順に進んでいった。最近起きた地震で、駅の構内は未だに立ち入り禁止のところもあった。
鴻巣の近くにある、俺が先生をやっている学校もしばらく休校。再開はいつなのか判明していない。
そんな感じだが、JRの在来線は通常通り運転していた。そのおかげで帰れている訳だが。
「お兄ちゃん、学校、まだ休みなの?」
「あぁ。安全確認で」
まだ確認できていないらしく、再開の目処はたっていない。
「じゃあ、今は暇なの?」
「まぁ、そんなとこかな。一応事務所の方もあるけど、そんなにないし」
だから胡桃といちゃついてるわけだが。
23:07、深谷駅に着くと、俺が乗っている4号車のグリーン車の乗車口に胡桃が立っていた。胡桃だ、飛びついてしまいそうだ。
俺は「開」と書かれたボタンを長押しした。こうすると、車掌が押しボタン式にした瞬間にドアが開く。なるべく早く胡桃に会いたい。
ただ、飛びつくのは我慢した方が良いだろう。俺が飛びつくと、胡桃が倒れてしまう。
「お兄ちゃん、ボタン押すの早いよ」
「早く胡桃に会いたいんだ」
俺はドアが開いた瞬間にホームに出た。俺がホームの真ん中に行ったところで、胡桃は飛びついてきた。飛びつくのは胡桃だったか。
「柊くん!」
「胡桃!」
俺と胡桃はホームでくるくる回りながら抱き合っていた。
「寂しかったんだよ、柊くん」
「ごめん。もう一緒に居よう?」
「うんっ!」
俺と胡桃は手をつないで階段を上がった。かりなは後ろをついてくる。
「歩いてきた?」
「ううん。車」
意外。ゆっくり手繋いでいたいのかと思ったのに。
「早く帰って、柊くんとくっつきたい」
「胡桃……かわいいっ」
俺は胡桃に抱きついた。
「もうっ、しょうがないなぁ」
胡桃は俺のことを優しくハグした。
「胡桃、早く帰ろう」
「うんっ」
俺は胡桃の車に乗って家まで帰った。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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