雪掻きを持ち、俺は裏口の雪をどかした。ここはそんなに広くどかす必要がなく、家の中に早く進入できる。
「柊くん、スノーダンプ」
「おっ、ありがと」
俺はスノーダンプを持ってどかした。
「ドア、内開きだよな」
「うん。だからちょっとどかして、ドアノブ捻って押せば開く」
そうか。じゃあ上だけ退かそう。
「意外とあるな」
「湿り気あるから堅いね」
俺と胡桃は2人で掘っていた。
10分ほどで、ドアノブより上がみえてきた。
「ドアノブいけるか」
胡桃はドアノブを捻る。
ガチャッ
「開いた!」
「入るぞ」
俺はドアを押して、中に入った。
「紅葉!どこだ!」
俺は紅葉を探した。というか、家の中がかなり寒い。ここら辺は停電も起きてるらしいし、電気ストーブも効かない。
「柊くん……柊くん……」
奥の方から声が聞こえた。俺はその声の方向へ走った。
「紅葉!」
紅葉がうずくまっていた。
「柊くん……来たんだ……」
「あぁ、もちろんだ。早く出よう、外の方が暖かい」
俺は紅葉の手を掴んだ。
「冷たっ!」
俺は反射的に手を離す。手袋をしてからもう一回握る。
「とりあえず、ユウキの車のとこ行こう。暖まった方が良い」
「うん……」
俺は裏口から外に出て、ユウキの車の中へ入った。
「ユウキ、暖房効かせて」
「うん」
ユウキは暖房をつけた。車を車庫に入れた方が良いため、車庫まで少し除雪したあと、車庫に入れた。
「とりあえず除雪しよう」
「うん」
俺たちは地面の除雪を始めた。
家の近くにあった雪を溶かしたところで、再び猛吹雪になった。もう23時近く、車中泊になるつもりでいた。
「つっきー、終わりにしよ」
「あぁ」
俺は全員を連れて車庫に向かった。
が、来たのは7人。8人いるはずだから、1人足りない。誰が足りないんだ。
胡桃は俺と手繋いでるからいる。さっきあーやと話して、あーやが前を歩いてたから、あーやもいる。絢梨はその隣にいたし、龍夜と蒼真は話し声が聞こえた。あと、なぎ……
「なぎ!」
「嘘だろ……凪沙、こんな天気で……」
23時で真っ暗。さらに、懐中電灯が効かない猛吹雪。さらには山奥。熊はまだ冬眠中。ただ、遭難したなんていったら……
そう思っていると、吹雪の中からクラクションが聞こえた。少し離れた集落に住んでいる、仲の良い男友達、海斗だった。
「柊、帰ったって聞いたから来たんだが、空気が重そうだな」
「あぁ。友達がどこか行っちゃってな……」
海斗は車を空いているスペースに入れた。
「もしかして、この子かな」
海斗は後部座席に寝ている子を見せた。間違いなく、なぎだった。
「どうして海斗が」
「さっき、俺の方に走ってきててね。乗せたら、はぐれたって言ってたから、とりあえず乗せてたんだ」
そうか。きっと視界に入らなくなってはぐれたんだろう。
「海斗、着いたかしら」
助手席の女の人がむくっと起きた。あれ、見た覚えが……髪型に、胸……いや、見たことがある。
「鳴子、やっとおきたのかい」
やっぱり、鳴子だ。
「あら、柊くん。久しぶりね」
「久しぶり。鳴子も元気だったか」
海斗のガールフレンド。みんながポカーンとしてる。そろそろ言ってあげよう。
「ボーイフレンドとガールフレンド」
みんなは一礼した。
「柊くん、最後の会ったのいつだったかしら」
「さあ。けど、俺が事務所の仕事始める前だな」
もうかなり前になる。
「おっと、そうだ。ここから結構行ったところに、停電してない地域があってね。そこのホテルにみんなで泊まろうって」
ナイスタイミング。流石だ。
「あぁ、そうするよ。車は3台行けるかな」
「2台じゃない?」
胡桃が横から言った。
「海斗の車、ユウキの車、紅葉の車で3台」
「私運転できないよ?こんな手じゃ」
凍傷になってて、まだ手は赤くなっていた。
「元は俺が秋田で運転してた車だから。できるさ」
俺は早速車の分担を始めた。海斗の車は「アルファード」、紅葉の車は「プリウス」、ユウキの車は「アクア」。俺が紅葉に「プリウス」をあげたから、プリウスは運転できるはず。聞いたところ、もうスタッドレスタイヤにしてるらしく、ユウキはチェーンだった。アルファードはスタッドレスタイヤ。
「じゃあ、胡桃はプリウス。鳴子はアルファードだな」
「じゃあ、人数で分けよう」
龍夜が言った。残りは7人。3台で分けると、2~3人がいい。
「アルファードは3人でいいよ」
「じゃあ、あーやと絢梨、蒼真がアルファード行って。かりなはこっち来よう。それで、龍夜もこっち。残りはアクア乗せて」
なぎと紅葉になる。なぎが寝るスペースもあるし。
「じゃあ、鍵取ってくるね」
紅葉が家に向かった。
家の鍵を閉め、車の鍵を開けてくれた。鍵を俺に渡し、紅葉はアクアへ。
「さーて、アルファードについてくからな。シートベルトいいか」
「いいよ!」
「オッケー!」
「安全運転で頼むぜ」
安全運転はするさ。ゴールド免許なんだから無事故無違反。流石俺。
「多分土崎とか行くんじゃないかな。とりあえずついてこう」
俺は車を走らせた。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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