高校生からの物語 2期   作:月島柊

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方言を多用しますが、「」の下に《》があるときは、それが標準語の翻訳です。

例)
「んだ」
《そうだよ》


第23話 暖

 車を運転していると、今度後ろに座っていた紅葉が言った。

 

「お兄さん、カイロ買いたい」

「寒いからだろ」

「うん」

 

すると、かりなが言った。

 

「紅葉ちゃん、“お兄さん”じゃなくて“お兄ちゃん”だよ」

「そうなの?おべねがった」

《そうなの?知らなかった》

 

おい、秋田弁使っても分からねぇぞ、かりなは。

 

「お、おべね、がった?」

「んだ、おべねがった」

《そう、知らなかった》

 

少しくらいのってやるか。

 

「おめはおべねがったか」

《お前は知らなかったか》

「かりなぢゃん、おべねがったんだね」

《かりなちゃん、知らなかったんだね》

「かりなぢゃん、知らねがったんだね」

《かりなちゃん、知らなかったんだね》

 

胡桃のそれ、たしか山形弁じゃなかったっけ?しゃべれるんだ。

 

「おめ、山形弁さしゃべれるんだね」

《お前、山形弁しゃべれるんだね》

「んだ。なすてが話しぇですまうの」

《うん。なぜか話せちゃうの》

「な、何を話してるの?」

 

かりなが完全に置いてけぼり。

 

「悪かったな、方言を話してたんだ。それで、カイロだっけ」

「んだ」

《そう》

 

俺は近くのコンビニに車を止め、店員さんに言った。店員さんは地元が秋田のおじさん。ここに俺が居たときからずっと続けている。

 

「カイロ買でえんだども、どさある」

《カイロ買いたいんだけど、どこにある》

「奥の棚さ入ってら」

《奥の棚に入ってる》

 

俺は奥の棚に向かった。カイロがいくつも置いてあって俺はそれを手に取り、会計を済ませた。

 

「久しぶり、元気だったが」

《久しぶり、元気だったか》

「元気だった。暇だったげど」

《元気だった、暇だったけど》

「まだ来るがもしれねぁ。そん時はよろしくな」

《また来るかもしれない。その時はよろしく》

「分がった、いづでもこい」

《わかった。いつでも来い》

 

俺は車の中に戻ると、すぐに紅葉にカイロを渡した。

 

「ほら、カイロ」

「あったかいやつ~」

 

紅葉はカイロを握った。俺はあと少しで着く家に向かって車を走らせた。

 

「今日はどこの除雪しようか」

「道路とか?」

「車庫の前ってこと?」

「そう」

 

車庫の前は確かに除雪しておいた方がいいな。

 

「いいんじゃないか。そうしようか」

 

俺は家に向かって走り続ける。

 

 家に着くと、除雪を開始した。停電が解消され、もう電気ストーブなどを使えるようになっていた。外にいる限りは関係ないが。

 

「柊くん、あげる♡」

 

なぎが白い物を投げてきた。俺は咄嗟に手でそれをはらった。

 

「すご……」

 

あ、雪玉だった。やっただけ損したか?

 

「あのなぁ、なぎ。可愛く言って雪玉投げるの、普通に怖い」

「あげる♡ってやつ?」

「それ」

 

可愛かったけど、怖い。

 

「えいっ」

 

かりなが雪玉を投げた。俺はよけられずにぶつかった。

 

「がっ」

「やった!当たった!」

「当たった」

「私も当てるっ」

 

胡桃が投げた。流石によけられる。

 

「龍夜くんもっ!」

 

なぎが龍夜に投げた。そして、当たった。

 

「柊、男と女で分かれて勝負しよう」

「あぁ、いいぜ」

 

みんなやる気だった。

 

「僕は強いぞ」

 

海斗は雪玉を持って言った。

 

「んじゃ、スタート!」

 

本気の雪合戦が始まった。

 

 雪合戦が終わったときには、みんな寒くて、家の中に入っていた。みんなでくっついて、暖を取っていた。まるで動物みたい。

 

「寒い」

「ぎゅっぎゅっ」

 

みんなで暖まっていたが、たまに遊んでいることもある。もちろん寒くはなるが。そういえば、寒いんだったら布団を何枚か持ってきて、みんなでかければいいと思うだろう。みんな離れたくないから誰も持ってこないんだ。俺だって離れて寒くなりたくない。

 

「絢梨、さむくない?」

「大丈夫じゃない」

 

あーやが絢梨のことをハグして暖めた。

 

「あったかい」

「そう?なら良かった」

 

あーやは絢梨のことをかわいがっていた。よっぽど好きなんだろう。

 

「胡桃も来るか」

「うんっ!」

 

胡桃も俺に飛び込んできた。

 

平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?

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