なぎ、龍夜、蒼真を残し、俺たちは帰ることにした。新幹線は動いていないため、仕方なく在来線で帰った。
最寄り(といっても車で30分)の羽後境まで車で行き、奥羽本線で新庄、乗り換えて羽前千歳、仙山線で仙台まで行き、常磐線でひたすら南下、水戸まで行ったら特急、上野から快速。20時近くに着く長旅だ。
羽後境に着くと、俺たちはホームに向かった。送ってくれた紅葉は「泣いちゃうからっ」と言って先に帰った。
「6:19発新庄行きだな」
「まだ着かないけどね」
胡桃は笑って言った。確かに、あと13時間半ある。
6:19、定刻通り出発すると、あーやが言った。
「あと何時間?」
「2時間35分」
「遠い」
仕方ないだろう。これしか無かったんだから。
「柊くん、眠い」
「寝たらいいじゃん」
「冷たくない?」
「ハグしよっか?」
「そういうことじゃないけどいい」
変なやりとりだな。と思いながら、俺は胡桃をハグ。すると、胡桃は寝息を立てて眠った。
「寝ちゃった」
「かわいい……」
新庄に着くと、山形行きの奥羽本線に乗り換えた。新庄で線路幅が変わっていて、新庄以北は1067mm、新庄以南は1435mm。368mmの差があり、36.8cmの差だ。ざっくり理由を説明すると、新幹線が同じ線路を使うためなのだが、乗り換えは電車の目の前。楽な乗り換えだ。
新幹線でもよかったのだが、同じ電車になるため、節約で普通電車にした。
「胡桃ちゃんはまだ寝てる?」
「おんぶしてるんだけど」
寝てる。おんぶまでしてるのに起きないのはもう病気じゃないだろうか。
「30近い男性が同い年の女性をおぶってる……」
絢梨がそんなことを言った。
「うっ、確かに」
そう考えるととんでもない違和感。よくあるのだったら、「幼児を大人の男性がおぶってる」だったら分かる。
しかし、今回は、「今年28歳になる女性を同い年の男性がおぶっている」ということになる。俺の力もよく耐えられるものだ。女性だからといって、体重が30kg以下な訳がない。少なくとも50kgはある。
そんな力あったのか。と自分に驚き、俺は電車に乗った。
ようやく家に着くと、みんなは疲れ果て、自分の部屋でごろごろした。俺は久しぶりにきなこに会いに行った。
「きなこ、ただいま」
きなこはぴょんぴょん跳びはねながらこっちに来た。
「寂しかったか?」
きなこはぴょんぴょん周りを飛び跳ねる。
「なんだなんだ、嬉しいか」
飛び跳ねるのを一切止めず、なついてくる。
「餌やるからな」
俺は餌を開け、きなこにあげた。
「食べな。少しだけど」
きなこはもぐもぐと、可愛く鼻を動かして食べている。
「食べ終わったら撫でてあげるからな」
きなこは少しずつ食べていた。かわいい。
「撫でたくなるじゃん」
俺は思わず撫でた。もふもふだ。
「かわいいなぁ」
俺はきなこと戯れていた。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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