高校生からの物語 2期   作:月島柊

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第26話 かえり

 なぎ、龍夜、蒼真を残し、俺たちは帰ることにした。新幹線は動いていないため、仕方なく在来線で帰った。

最寄り(といっても車で30分)の羽後境まで車で行き、奥羽本線で新庄、乗り換えて羽前千歳、仙山線で仙台まで行き、常磐線でひたすら南下、水戸まで行ったら特急、上野から快速。20時近くに着く長旅だ。

羽後境に着くと、俺たちはホームに向かった。送ってくれた紅葉は「泣いちゃうからっ」と言って先に帰った。

 

「6:19発新庄行きだな」

「まだ着かないけどね」

 

胡桃は笑って言った。確かに、あと13時間半ある。

6:19、定刻通り出発すると、あーやが言った。

 

「あと何時間?」

「2時間35分」

「遠い」

 

仕方ないだろう。これしか無かったんだから。

 

「柊くん、眠い」

「寝たらいいじゃん」

「冷たくない?」

「ハグしよっか?」

「そういうことじゃないけどいい」

 

変なやりとりだな。と思いながら、俺は胡桃をハグ。すると、胡桃は寝息を立てて眠った。

 

「寝ちゃった」

「かわいい……」

 

 

 新庄に着くと、山形行きの奥羽本線に乗り換えた。新庄で線路幅が変わっていて、新庄以北は1067mm、新庄以南は1435mm。368mmの差があり、36.8cmの差だ。ざっくり理由を説明すると、新幹線が同じ線路を使うためなのだが、乗り換えは電車の目の前。楽な乗り換えだ。

新幹線でもよかったのだが、同じ電車になるため、節約で普通電車にした。

 

「胡桃ちゃんはまだ寝てる?」

「おんぶしてるんだけど」

 

寝てる。おんぶまでしてるのに起きないのはもう病気じゃないだろうか。

 

「30近い男性が同い年の女性をおぶってる……」

 

絢梨がそんなことを言った。

 

「うっ、確かに」

 

そう考えるととんでもない違和感。よくあるのだったら、「幼児を大人の男性がおぶってる」だったら分かる。

しかし、今回は、「今年28歳になる女性を同い年の男性がおぶっている」ということになる。俺の力もよく耐えられるものだ。女性だからといって、体重が30kg以下な訳がない。少なくとも50kgはある。

そんな力あったのか。と自分に驚き、俺は電車に乗った。

 

 

 

 

 

 ようやく家に着くと、みんなは疲れ果て、自分の部屋でごろごろした。俺は久しぶりにきなこに会いに行った。

 

「きなこ、ただいま」

 

きなこはぴょんぴょん跳びはねながらこっちに来た。

 

「寂しかったか?」

 

きなこはぴょんぴょん周りを飛び跳ねる。

 

「なんだなんだ、嬉しいか」

 

飛び跳ねるのを一切止めず、なついてくる。

 

「餌やるからな」

 

俺は餌を開け、きなこにあげた。

 

「食べな。少しだけど」

 

きなこはもぐもぐと、可愛く鼻を動かして食べている。

 

「食べ終わったら撫でてあげるからな」

 

きなこは少しずつ食べていた。かわいい。

 

「撫でたくなるじゃん」

 

俺は思わず撫でた。もふもふだ。

 

「かわいいなぁ」

 

俺はきなこと戯れていた。

 

 

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