高校生からの物語 2期   作:月島柊

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第32話 戦闘

 仮想世界サンドスペニア。

俺はここで湊翔と琴葉を待っていた。もちろん用があるわけだが、厳しいものだ。

 

「あ、もういたのか」

「君らが遅いんじゃないか」

「えへへ」

 

2人が来ると、俺は映し出して説明した。

 

「早速だけど、家の特定から進めたい。10分間この位置から移動してないんだったら家とみていい」

「あぁ、特定したあとはどうする」

「外出を待って人質を救出しよう」

 

人質はいるだろうし。

 

「結構時間かかりそうだね」

「そもそもとして、家に帰るかが分からないが」

 

なんとかなる。多分。

 

「じゃあ、ゆっくり見てるか」

「はーい」

 

俺たちは永遠に位置情報を見ていた。

 

 3時間経過。何も進展はない。

 

 4時間経過。またまた進展はない。

 

 5時間経過。もう暗くなってきたが、ようやく進展があった。

 

「もう10分止まってるな」

「じゃあここに向かうか」

 

俺たちはこの場所に向かい始めた。5時間も待ってようやくだ。

 

「結構近い?」

「隣のエリアだな。遠くはない」

 

遠くないだけいいんだが、人質の状態が心配になってくる。

その場所に着くと、家、というより洞窟だった。岩を掘って作られている。

 

「出てきてから突入しようか」

「また待つのかぁ」

「早くしないかね」

「そんなこと言ったって……」

 

俺がそう言った瞬間、暗闇の中から1人の男が出てきた。

 

「あ、出てきた」

「え!?」

 

そんなことあるのかよ。

 

「じゃあ突入しよっ」

「人質の身柄どうする」

「身柄って言い方……」

 

俺の言い方に湊翔が突っ込んだ。

 

「私がやろっか?」

「あ、じゃあ頼む」

 

湊翔が言った。遠距離がいなくなるのは心許ないが、大丈夫か。

俺たちは家の中に入って人質を捜した。もちろん琴葉が最初に見つけたのだが、男子だと思った人質は女子だった。しかも少女。

 

「大丈夫?」

「え、あ、えっと……」

「俺たちは味方だよ」

「ひっ……」

 

少女は少し怯えた。

 

「湊翔、怖いぞ」

「怖いか……?」

「ごめん、ホントに味方だよ」

 

少女は小さくお辞儀をすると、琴葉の服の袖をきゅっと掴んだ。

 

「あはは、怖い?」

 

少女はこくりと頷く。

 

「俺はどうかな」

 

少女は首を傾げると、こう言った。

 

「怖くない、です」

「お、よかった」

 

俺が嫌われてなくてよかった。

 

「じゃあ、琴葉。頼んだ」

「うん」

 

俺と湊翔がデスソードを倒しに行こうとすると、少女が呼び止めた。

 

「待って下さい」

「ん?」

「デスソード倒しに行くんですよね」

 

俺は頷いた。

 

「デスソードさん、背後が弱いんです。ただ、正面からくらうと多分HPの8割はもってかれます」

 

弱点の説明か。

 

「人数って分かる?」

「少ないですよ。少なくてソロです」

 

人質になってただけあって、結構知っていることがあるな。

俺は目線を少女に合わせて言った。

 

「ありがとう。絶対倒してくるからね」

 

俺は湊翔と一緒にデスソードの向かった方角に行った。恐らくそこまで離れていないはずだ。

 

 しばらく移動すると、デスソードの背中が見えてきた。

 

「湊翔、投げナイフで奇襲かけよう」

「分かった」

 

湊翔はナイフを投げ、デスソードに当てた。こっちの存在に気付いて貰うためだ。

 

「気付いたな」

「取りあえず、背後から徐々に削ってくか」

 

俺は頷いた。湊翔はデスソードの背後に行き、剣を振る。湊翔も強力な剣を持ってきているが、全く歯が立っていない。背中に堅い装備があるのだ。

湊翔は一旦こっちに戻ってきた。

 

「どうする」

「俺が正面から突っ込んでみる」

 

俺はデスソードに正面から突っ込んだ。防護魔法を使いながら、俺は数少ない攻撃魔法、火炎魔法を使った。

案の定、デスソードは俺に剣を振ってくる。

 

「ぐがっ!」

 

一気にHPが削られる。防護魔法で40%軽減されるのにも関わらず、8割以上削られた。俺は僅かな体力で後ろに下がった。

 

「どうしたんです?早く来てみなさい。ホンモノのナンバー1」

 

デスソードは煽るように言ってくる。

 

「正面突破は無理だ」

「だったら背後から徐々に削るしかないか」

 

徐々に削ったってきりがない。ただ、正面から突っ込むと即死の可能性だってある。

 

「遠距離がいないからな……」

「柊!前!」

 

デスソードが俺に突進してきた。咄嗟に避けたことで、ギリギリ避けられた。

 

「もう少しずつ削るしかないか」

「分かった。行こう」

 

俺が引きつけ、湊翔が背後から攻撃する。これを何回も繰り返した。

しかし、装備も相まってデスソードのHPは全く減らない。

 

「まずい……」

 

俺がそう思っていると、デスソードの突進に気付かず、まともにくらってしまった。

 

「っ……」

 

HPが残り僅か。最初は30000以上あったHPも、もう100を切っていた。

 

「お兄ちゃん!」

 

その声とともに、俺のHPは急激に回復した。瞬く間にMAXまで回復した。

 

「お兄ちゃん、私がいるから」

 

かりなだった。こんな時に来てくれるなんて、救世主だ。

 

「ありがとう。回復頼んだよ」

「うん。頑張れっ」

 

俺は今までできなかった正面突破をし始めた。回復するんだったら怖いものはない。俺はナイフを持ち、魔法を込めてデスソードに刺す。

 

「なんだ……」

 

デスソードが言葉を発せていない間に、俺はもう1発刺す。

 

「死ねぇ!」

 

デスソードがそう叫ぶ。剣を振るが、当たってもすぐにフル回復。

 

「これで終わりだ」

 

俺は最後に傷口に氷結魔法を放った。

 

「くそ……」

 

デスソードは光と共に消えていった。現実世界の転移先は警察署だろう。そう望が設定した。

 

「ふぅ……」

「お兄ちゃんっ♪」

 

かりなが寄ってきた。

 

「どうしてここに」

「なんとなーく」

 

なんとなくでここを通ったのか。運が良いな。

 

「それで、このあとは」

「お兄ちゃんについてこっかな」

 

決めていなかったらしいが、俺に着いてくるんだったらいいだろう。

 

「んじゃ、行くぞ」

 

俺は3人で琴葉のところへ戻った。

 

平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?

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