琴葉のところに帰ってきて、俺は少女にデスソードを追放したことを伝えた。
「デスソード、倒したよ」
「ホントですか!良かった……」
安堵の表情を浮かべた。脅威となる存在がいなくなったからだろうか。
「それで、君をこのあとどうするかなんだけど」
「お母さんとか、いる?」
「デスソードが殺しました……」
両親がいない状況か。だったら誰かが親権を持って、引き取ることが必要になるか。
「桃奈ちゃん、誰がいい?」
桃奈っていうのか、この子は。
「琴葉ちゃんがいい……あの人、怖いし……」
「だとさ、湊翔」
「うっ……」
湊翔がショックで俯いた。
そんなことより、琴葉が引き取れるかどうかだ。
「じゃあ、私の家に来よっか」
「いいのか?」
「一人だし。あ、転移先ってどうするの?」
転移先か。どこ分からないんだったら、俺が一緒に転移した方が良いだろう。2人以上の同時転移は魔法使いしかできないし。
「琴葉、家の最寄り駅どこ」
「えっとね、北本なんだけど」
なんだ、結構近いな。
「俺がこの子を送るからさ、駅で待ってて」
「うん。桃奈ちゃん、しばらく柊くんと一緒だけどいい?」
「うん。平気」
この2人は結構仲良くなったみたいだ。
「じゃあ、お願い」
「あぁ。んじゃ、みんな帰るぞ」
俺は桃奈の近くに行って、転移魔法を使おうとした。
「おっと、桃奈ちゃん、手繋ごうか」
こうしないと一緒に転移ができないんだった。
「あ、はい」
「敬語じゃなくていいからね。柔らかくさ」
俺は桃奈と手をつないで現実世界に転移した。
現実世界に転移すると、俺は桃奈を琴葉のところに送るため、深谷駅に向かった。
「桃奈ちゃん、現実世界久しぶりだよね」
「あ、うん。多分2年くらい来てない」
そんなに来てなかったか。だったら授業とかもあるだろう。
「学校、俺の学校に来るといい」
「どこなの」
「鴻巣なんだ。近いんだから、来るといい」
俺は桃奈に言った。
「ん。行く」
「待ってるよ」
深谷駅に着くと、すぐに来た高崎線で北本に向かった。14:17発熱海行きだ。
「琴葉とは仲良くしてるのか」
「うん。楽しい」
「そうか。きっと琴葉も嬉しいだろうね」
琴葉ってそんなに好かれるんだな。湊翔や俺とは違うな。
「おっ、そろそろ北本だぞ」
「また遊びにいっていい?」
「もちろん。いつでも仮想世界に来るといい」
桃奈はドアが開くと素早く降りた。俺もそれに続いて降りる。こうしていると、親になった気分になる。娘を見てる親、みたいな。
「早く行こ」
桃奈は俺を手招きする。
「あぁ」
俺は急いで桃奈についていく。
改札から出ると、琴葉が待っていた。迎えに来てるからだ。
「じゃ、琴葉。頼むよ」
「うん。安心して」
桃奈は俺と琴葉の間に立って俺たちを交互にみた。
「じゃあな、桃奈」
「うん」
「行こっ、桃奈ちゃん」
桃奈は琴葉と手をつないで歩いていった。桃奈が手を振っていたから、俺も手を振り返した。
なんか寂しい気もしたが、俺には胡桃がいる。寂しくないはずだ。
家に着くと、いつも通り胡桃が出迎えてくれた。
「おかえり、ダーリンっ」
「ただいま」
胡桃は俺にハグする。
「むぎゅーっ」
「元気だね」
「えへへー」
俺は胡桃の頭を撫でた。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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