地震は首都直下地震の前兆だ、という報道がなされ、学校は大事をとって休校になった。
JR東日本は首都圏から郊外へ運行する路線を減便
西武・東武鉄道は郊外を運行する路線で減便
東急・京王・京急・京成は一部優等種別を運休
地下鉄は8割程度の運転本数で運転
ということになった。
高崎線も例外ではなく、通常平日9時台上りは籠原駅基準で8分、21分、25分、42分、51分発が運転されているが、この内、21分、51分発が運休。籠原駅基準では8分、25分、42分発の3本になった。
深谷駅でも18分、37分、44分、58分発が運転されていたものが、18分、37分の2本。58分発は籠原10:04発で運転取りやめになった。
理由として、高崎や新前橋、籠原などに置く電車を増やすためだそうだ。
その影響を受け、深谷10:23発は約50分ぶりの電車のため、激しい混雑になった。籠原からも10両で運転のため、終点上野まで大混雑だったらしい。
ちなみに、なぜ知っているかというと、胡桃が乗っていたからだ。胡桃から連絡が来て、苦しいほどだったらしい。
「胡桃大変だな」
俺とかりな、彩夏が家に居た。
「私たちはのんびりだもんねー、お兄ちゃん」
「ぎゅうぎゅうの車内なんて、かわいそう……」
彩夏が心配そうに言った。たしかに心配だ。
痴漢、窒息、疲労、怪我……
考えるだけで鳥肌が立つ。
「胡桃……」
無事だろうか。怪我はないだろうか。痴漢されてないだろうか。
「胡桃ちゃん、帰ってこれるといいね」
「あぁ……」
胡桃は23時過ぎに帰ってきた。
「胡桃!」
「柊くん!」
胡桃は優しくハグした。
「大丈夫だったか、無事か」
「大丈夫。帰りは座れはしなかったけど空いてたし、行きも鴻巣あたりまでは空いてたよ。大宮から先が身動き取れないほどだったけど」
「今度は俺も行くからな。胡桃に何かあったら嫌だから」
胡桃は耳元で「ありがと」と囁いた。
「じゃあ、柊くん。明日は朝早く出るよ!」
「あぁ、分かった」
俺は胡桃にくっついたまま言った。
翌日からは混雑状況を踏まえ、毎日休日ダイヤで運転になった。もちろん籠原駅留置線に置く電車を増やすため、高崎行き終電は籠原行きに変更、朝始発の高崎発は籠原発に変更になる。
俺たちが乗ったのは深谷6:49発。上野東京ライン直通中止のため、上野行き。籠原で15両になり、上野へ。
周辺の電車は7分前に上野行き、7分後に湘南新宿ライン国府津行きがあったため、混雑は激しくはなかった。
「昨日よりかは空いてるよな?」
「うん。昨日はホントに身動き取れなかったから」
大宮7:45、赤羽8:01、上野には先行電車の詰まりで2分遅れた8:16。
「胡桃はこれからどうするんだ」
「ナナニジの事務所の手伝い」
「俺は魔法の上野支部行ってくる。終わったら連絡して」
「りょーかーい」
俺は早速上野支部に向かった。
疲れた。かなり疲れた。支部に行っただけなのに。胡桃からはもう連絡が来てるし、俺が遅れていた。
胡桃からの連絡から1時間が経ち、ようやく俺は上野駅に向かい始めた。時間はもう20時を過ぎていて、もう胡桃も待ちくたびれていることだろう。
「あれ、柊くんじゃない?」
俺が振り返ると、そこには猫塚がいた。
「あ、美紗」
「久しぶり!元気だった?」
「あぁ。今は何してるんだ」
「仕事!」
美紗に会ってしまった。
「あ、じゃあ私もう帰るね。まだ仕事残ってるんだ」
「あぁ。じゃあな」
美紗は手を振って歩いていった。これで胡桃に会える。
20時半になりそうな時間になり、ようやく胡桃のところに着いた。
「ごめん、胡桃」
「遅い~」
胡桃は俺にハグしてきた。胡桃はハグしたまま頭を動かして、やがて俺から離れた。
「次は20:44発か」
「始発なのはいいよね」
俺たちは44分発で帰った。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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