秋になり、涼しくなってきた。
衣替えも近づいてきて、季節が変わるのを実感する。
他にも、秋といったらやはり体育祭だろうか。俺が務めている学校も来週体育祭だ。
「今日も練習はあるか?」
「はい。2時間目と学年練習が」
そうか。2限から体育なのか。俺の2限は……3年1組の数学か。
家に帰ると、かりなが飛び跳ねてこっちに来た。
「ねね、お兄ちゃん」
「なんだ?嬉しいことでもあったか」
「体育祭、再来週の土曜なんだけどさ、来れそう?」
再来週か。土曜日だったら暇だし行けるか。
「あぁ。もちろん」
「やった!あのね、高校の体育祭すごくてね!あ、明日の9時くらいから私走るんだけど!」
かりなは楽しげに言う。親ではないが、なんか嬉しい。
かりなは楽しそうでよかった。俺みたいな学生時代じゃなくて。
「ね、お兄ちゃん?」
「なんだ?かりな」
「絶対来てね!お兄ちゃんのために頑張るから」
「分かった。頑張れ」
俺はかりなの頭を撫でた。
「月島さん!エラーが!」
「月島さん!こっちもです!」
金曜日。仮想世界のシステムウェアがハッキングされ、日本全国の仮想世界のシステムが停止。仮想世界に取り残される被害が1万人に、仮想世界へ入れない人が3万人に被害が出た。
「どこからハッキングしてるんだ……」
俺はハッキング元を調べ始めた。何時間も捜索を続けているが、手がかりすらない。
「柊くん、九州の方無事だって」
「だったら九州から動かし始めろ」
俺は止まっている根元にようやく辿り着いた。捜索をしてから10時間、ようやくだ。
「なんだ、保護されてないじゃん」
俺は根元から捜査している端末に入った。ようやくだったが、何重にもパスワードがかけられ、解除に時間がかかる。
「保護されてなかったのに、そういうことか」
保護できないからパスワードを何重にもかけた。そういうことだろう。
「月島さん、もう日付変わりますよ!」
「あと少しなんだ。やってやる」
俺は再びやり始めた。
土曜日午前8時、俺はようやく終了した。
「終わったー!」
「月島さん、お疲れ様です!」
俺は最後の復旧に入った。
「月島さん、今日妹さんの体育祭ですよね。やっときますよ」
「いいのか?」
「急いでください。妹さん、待ってますよ」
「……ありがとう。行ってくる!」
俺は外に出てすぐに駅まで走った。早くしないと、かりなの最初の競技が始まる。確か9時だったか。
駅まで走っても、次は8:14発高崎行きで変わらない。これが深谷まで行く最速ルート。
俺は胡桃に連絡を取った。昼ご飯を作ってるはずだから、無理を言えば来てくれずはずだ。
柊〈胡桃、悪い。深谷まで迎えに来てくれるか?〉8:09
胡桃〈8:14発?〉8:11
柊〈そう〉8:11
胡桃〈分かった。お仕事お疲れ様〉8:12
柊〈ごめん、ありがとう〉8:12
胡桃〈大丈夫。待ってるね〉8:12
胡桃は快く待ってくれるらしい。
熊谷8:30、籠原8:36着、8:45発、深谷8:49着。
8:49、定刻通り深谷に着くと、胡桃が駅前のロータリーにいた。かりなの高校までは深谷駅歩いて20分。走ったって15分が限界。10分以内で着くなんて不可能だ。だから車を呼んだ。
「もうっ、お弁当作ってたんだよ?」
「悪かったな。急いでたから」
「ふふっ、かりなちゃん喜ぶね」
胡桃は車をすぐに発進させた。
9:01、少し遅れてしまったが高校に着いた。
「よかった。まだ始まってないな」
「柊くん、スーツで行くの?」
「まぁ、そうだろ」
普段着だって今無いんだから。
「じゃあこれに着替えればっ」
胡桃はトランクから俺の普段着を出した。
「柊くん、着替えるかなって」
「ありがとう。助かるよ」
俺は素早く車の中で着替えた。
着替え終わると、胡桃は俺のスーツを持って車で帰った。弁当がまだ作り終わってないらしい。
俺はグラウンドに出てかりなを探した。
「あ、いた」
かりなは丁度リレーの種目で出ていた。
「がんばれ、かりな!」
俺が手を振ったのにかりなは気づき、笑顔で俺の前を走り抜けた。
「ってか、遠目だと彩夏とかりなの区別つかねぇな」
俺はかりなが走り終わったところまで見ていた。
「あっ、柊くんだ」
後ろを向くと、彩と春菜が立っていた。
「久しぶりだね。彩夏の体育祭だろ」
「うん。暁依はもう応援席にいるらしいけどね」
早いな、あいつ。
「私たちも応援席行こうよ」
「柊くんも行こっ」
「分かった」
俺は3人で応援席に向かった。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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