2023年はちょっと少ないかもしれないですが、よろしくお願いします。
かりなは競技が終わるたびに児童席ではなく、観覧エリアに来た。
「お兄ちゃん、わざわざ来てくれたの?」
「あぁ。我が妹の体育祭だからな」
忙しかったが、かりなの体育祭はかなり重要だった。
「ありがとう、お兄ちゃんっ」
かりなは俺のすぐ横に立つ。彩夏も彩たちのところに行って、暁依に甘えている。
「お兄ちゃん、胡桃ちゃん来たよ」
かりながそう言って、俺はかりなが向いた方向を見た。見てみると、確かに胡桃がこっちに来ていた。いつもより一回り大きいバッグを持っている。弁当かな。
「ごめん、遅れちゃった」
「いいよ。次の競技まで時間あるから」
俺は胡桃の持っているバッグを持った。
「重いな、これ」
「お弁当だけど、張り切っちゃった」
胡桃は「てへっ」と舌を出した。
「全く……可愛いから許すけどさ」
「ありがとっ」
かりなは俺たちの様子を見て笑っていた。
「仲良いねー、お兄ちゃんたち」
「当然だろ?」
かりなは「そっか」と言って、プログラムを見た。
「あ、あと5分で始まっちゃう」
「頑張っておいで。俺もここにいるから」
「ありがとっ!大縄頑張ってくるね」
「がんばれ!かりなちゃん!」
かりなは手を振ってグラウンドに出て行く。
かりなのやっている大縄はクラス対抗らしかった。かりなのクラスは一度に120回跳んで引っかかってしまった。俺もかりなに手を振って応援する。
かりなに伝わったのか、かりなのクラスは次に150回跳んだ。合計270回。ダントツの1位だ。
かりなのクラスが退場し、俺と胡桃は退場門に行った。
「やった!1位取れたよ!」
「やったな、かりな」
「おつかれさま」
俺と胡桃でかりなを褒める。彩と春菜、暁依も来て、彩夏もいる。
「おつかれさま、かりなちゃん」
「彩夏ちゃんも、おつかれさま」
かりなと彩夏はハグして励まし合った。
「柊の応援あったからなぁ」
「なんだ、気付いてたか」
「だって目立ってたもん」
暁依と春菜が言う。そんなに目立ってたかな、俺。
「次、借り物競走だってよ」
「へぇ。どんな借り物だろ」
「最初3年生だからさ。1年生最後なの」
3年生がグラウンドに出て行く。
内容は至って平和なもの。お題となるものがグラウンドのどこかに置かれていて、それを取りに行く感じ。メモ用紙にはちゃんと書いてあるっぽい。
「面白そうだね」
「借り物競走、あんな感じなんだ」
暁依が言った。
「お前はやったことないか」
「あぁ」
借り物競走、恋愛とか色んなのありそうだけど、実際ないんだよなぁ。
やがて1年生の出番になった。全員参加で、1年生の児童席はすっからかん。
お題の乗っているテーブルはもうない。借り物ないじゃん。徒競走と化してないか?
「徒競走じゃん」
「だよな」
俺と胡桃が話していた。
すると、先頭で来たランナーがメモ用紙をめくると、すぐにあたりを見渡した。
「これさ、『好きな人』とか書かれてるんじゃない?」
「あぁ、ロマンチックだな」
俺は少しかりなの引くお題が気になりながら見ていた。
かりながお題を引いた。すると、かりなはすぐに俺のところに走ってきた。
「お兄ちゃんっ」
「なーに」
「おんぶしてっ」
「は?」
かりながお題を見せる。書かれていたのは
『女子:好きな人におんぶして
男子:好きな人をおんぶしてゴール』
好きな人を俺にするあたり、かりならしい。
「ほら、乗って」
「わーいっ!」
かりなは俺の背中に乗る。
「じゃ、行ってくる」
「いってらっしゃい」
胡桃に見送られて俺はトラックへ。誰が兄を連れて来るなんて思っただろう。
「お兄ちゃんはやーい!」
「かりなが来るの早かったんだよ」
俺は早歩きで行ったが、他の人たちが来ないままゴールした。そりゃあ戸惑うよな。急に好きな人とか書かれて。しかも1年からすると年上しかいないんだから。
「お兄ちゃん、すきー」
「ありがとう」
俺はそう言ってかりなを下ろした。
彩夏がどんなお題を引いたか気になったが、彩を連れていたあたり、なんとなく予想はつく。
「彩夏、どんなお題だったんだ」
「1番可愛いと思う人を連れてゴール」
これも男子からしたら大変だろうな。
「かりなちゃんどんなお題?」
「好きな人のおんぶされてゴール。だからお兄ちゃん」
「かりなちゃんらしいね」
「えへへ~」
アナウンスが入り、全員が退場した。今日1番疲れたかもしれない。
「次の競技は、保護者参加の借り物競走です!」
保護者参加なんてあるのかよ。
「胡桃、いっといで」
「はーい」
胡桃に行かせた。
「あ」
待って、胡桃に行かせたらお題によってはまた俺が行くことになる。変わらないじゃないか。
スタートしてしまった。胡桃が最初のお題につく。最初のお題は隣の人とじゃんけんで勝つとかかな。勝ったら進んだし。
ラストのお題で胡桃がこっちに来た。やっぱり来るよな。
「どうした、胡桃」
「来てきて!あ、かりなちゃんも」
「私も?」
俺とかりなは一緒にトラックに行った。
「お題なんなの?」
「家族と一緒にゴール!」
俺とかりなを家族として見てたってことか。嬉しいだろうな、かりなからしたら。
「やったー!」
胡桃がゴールする。こういうお題入れてたんだな。
そのあとは昼休憩。彩たちと合流し、6人で食べた。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
-
YES
-
NO