高校生からの物語 2期   作:月島柊

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明けましておめでとうございます。
2023年はちょっと少ないかもしれないですが、よろしくお願いします。


第38話 体育祭

 

 かりなは競技が終わるたびに児童席ではなく、観覧エリアに来た。

 

「お兄ちゃん、わざわざ来てくれたの?」

「あぁ。我が妹の体育祭だからな」

 

忙しかったが、かりなの体育祭はかなり重要だった。

 

「ありがとう、お兄ちゃんっ」

 

かりなは俺のすぐ横に立つ。彩夏も彩たちのところに行って、暁依に甘えている。

 

「お兄ちゃん、胡桃ちゃん来たよ」

 

かりながそう言って、俺はかりなが向いた方向を見た。見てみると、確かに胡桃がこっちに来ていた。いつもより一回り大きいバッグを持っている。弁当かな。

 

「ごめん、遅れちゃった」

「いいよ。次の競技まで時間あるから」

 

俺は胡桃の持っているバッグを持った。

 

「重いな、これ」

「お弁当だけど、張り切っちゃった」

 

胡桃は「てへっ」と舌を出した。

 

「全く……可愛いから許すけどさ」

「ありがとっ」

 

かりなは俺たちの様子を見て笑っていた。

 

「仲良いねー、お兄ちゃんたち」

「当然だろ?」

 

かりなは「そっか」と言って、プログラムを見た。

 

「あ、あと5分で始まっちゃう」

「頑張っておいで。俺もここにいるから」

「ありがとっ!大縄頑張ってくるね」

「がんばれ!かりなちゃん!」

 

かりなは手を振ってグラウンドに出て行く。

かりなのやっている大縄はクラス対抗らしかった。かりなのクラスは一度に120回跳んで引っかかってしまった。俺もかりなに手を振って応援する。

かりなに伝わったのか、かりなのクラスは次に150回跳んだ。合計270回。ダントツの1位だ。

かりなのクラスが退場し、俺と胡桃は退場門に行った。

 

「やった!1位取れたよ!」

「やったな、かりな」

「おつかれさま」

 

俺と胡桃でかりなを褒める。彩と春菜、暁依も来て、彩夏もいる。

 

「おつかれさま、かりなちゃん」

「彩夏ちゃんも、おつかれさま」

 

かりなと彩夏はハグして励まし合った。

 

「柊の応援あったからなぁ」

「なんだ、気付いてたか」

「だって目立ってたもん」

 

暁依と春菜が言う。そんなに目立ってたかな、俺。

 

「次、借り物競走だってよ」

「へぇ。どんな借り物だろ」

「最初3年生だからさ。1年生最後なの」

 

3年生がグラウンドに出て行く。

内容は至って平和なもの。お題となるものがグラウンドのどこかに置かれていて、それを取りに行く感じ。メモ用紙にはちゃんと書いてあるっぽい。

 

「面白そうだね」

「借り物競走、あんな感じなんだ」

 

暁依が言った。

 

「お前はやったことないか」

「あぁ」

 

借り物競走、恋愛とか色んなのありそうだけど、実際ないんだよなぁ。

 

 やがて1年生の出番になった。全員参加で、1年生の児童席はすっからかん。

お題の乗っているテーブルはもうない。借り物ないじゃん。徒競走と化してないか?

 

「徒競走じゃん」

「だよな」

 

俺と胡桃が話していた。

すると、先頭で来たランナーがメモ用紙をめくると、すぐにあたりを見渡した。

 

「これさ、『好きな人』とか書かれてるんじゃない?」

「あぁ、ロマンチックだな」

 

俺は少しかりなの引くお題が気になりながら見ていた。

かりながお題を引いた。すると、かりなはすぐに俺のところに走ってきた。

 

「お兄ちゃんっ」

「なーに」

「おんぶしてっ」

「は?」

 

かりながお題を見せる。書かれていたのは

 

『女子:好きな人におんぶして

 男子:好きな人をおんぶしてゴール』

 

好きな人を俺にするあたり、かりならしい。

 

「ほら、乗って」

「わーいっ!」

 

かりなは俺の背中に乗る。

 

「じゃ、行ってくる」

「いってらっしゃい」

 

胡桃に見送られて俺はトラックへ。誰が兄を連れて来るなんて思っただろう。

 

「お兄ちゃんはやーい!」

「かりなが来るの早かったんだよ」

 

俺は早歩きで行ったが、他の人たちが来ないままゴールした。そりゃあ戸惑うよな。急に好きな人とか書かれて。しかも1年からすると年上しかいないんだから。

 

「お兄ちゃん、すきー」

「ありがとう」

 

俺はそう言ってかりなを下ろした。

彩夏がどんなお題を引いたか気になったが、彩を連れていたあたり、なんとなく予想はつく。

 

「彩夏、どんなお題だったんだ」

「1番可愛いと思う人を連れてゴール」

 

これも男子からしたら大変だろうな。

 

「かりなちゃんどんなお題?」

「好きな人のおんぶされてゴール。だからお兄ちゃん」

「かりなちゃんらしいね」

「えへへ~」

 

アナウンスが入り、全員が退場した。今日1番疲れたかもしれない。

 

「次の競技は、保護者参加の借り物競走です!」

 

保護者参加なんてあるのかよ。

 

「胡桃、いっといで」

「はーい」

 

胡桃に行かせた。

 

「あ」

 

待って、胡桃に行かせたらお題によってはまた俺が行くことになる。変わらないじゃないか。

スタートしてしまった。胡桃が最初のお題につく。最初のお題は隣の人とじゃんけんで勝つとかかな。勝ったら進んだし。

ラストのお題で胡桃がこっちに来た。やっぱり来るよな。

 

「どうした、胡桃」

「来てきて!あ、かりなちゃんも」

「私も?」

 

俺とかりなは一緒にトラックに行った。

 

「お題なんなの?」

「家族と一緒にゴール!」

 

俺とかりなを家族として見てたってことか。嬉しいだろうな、かりなからしたら。

 

「やったー!」

 

胡桃がゴールする。こういうお題入れてたんだな。

そのあとは昼休憩。彩たちと合流し、6人で食べた。

 

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