夏休み。
俺と胡桃、かりなの3人は夏の旅行に行っていた。2泊3日の旅行で、行き先は奈良、京都。足りるかは分からないが、3日間で全力で楽しんでくる。
5:37発上野東京ライン東海道線直通熱海行きで東京まで行き、7:09発のぞみ291号新大阪行きで京都へ向かう。
どんなに早くしても、この電車が最速。
京都には9:21。先に荷物をおくため、京都から9:35発京都市営地下鉄烏丸線、国際会館行きで烏丸御池へ。烏丸御池近くのホテルを取ってある。
俺の服装は夏なのにも関わらず黒が基調。黒の半袖に、黒に濃いめのグレーが入った半ズボン。ゆとりのある大きさで、涼しい。
「ねーねー、最初どこ行く?」
かりながピョンピョン跳びはねて言った。
かりなの服装はレースのついた半袖にひらひらしたスカート。夏っぽい服装だ。
「そうだな……どこ行きたい?」
「鹿さんに会いたい!」
胡桃が言う。なんか子どもっぽかったなぁ。気のせいかな。
胡桃の服装はミニスカートにゆとりのある白のTシャツ。涼しげな服装だ。
「じゃあ奈良公園行こうか」
「うん!」
俺たちはホテルに荷物を置くと、また烏丸御池駅に戻った。
11:08発竹田行きで竹田まで。胡桃は俺の隣に抱きついて周りから離れているようだった。
「胡桃?」
「柊くん以外にくっつきたくないもん」
「私も?」
胡桃は「そんなことないよぉ」と言ってかりなに頬を擦りつけた。
「あのな……電車の中でそんなことするな」
「むぅ……」
胡桃は俺とかりなを抱き寄せた。少し恥ずかしいが、内心嬉しかったりもする。
竹田11:25発近鉄京都線急行、橿原神宮前行きで大和西大寺まで。電車は大和西大寺から近鉄橿原線に入るため、大和西大寺で大阪難波からの近鉄奈良線に乗り換える。烏丸線であんな抱きついた分、近鉄京都線は静かだった。
12:01に大和西大寺に到着。12:04発近鉄奈良線、特急近鉄奈良行きで近鉄奈良へ。
「鹿さん鹿さん♪」
「もうすぐだからな」
胡桃がスキップしながら言う。奈良公園の鹿は人懐っこい。胡桃もきっと好きになれるはずだ。
奈良公園に着くと、すぐに鹿に会いに行った。胡桃は乗り気で鹿せんべいも買っていたが、かりなは少し怖そうだった。俺の後ろに隠れ、ひょこっと顔を出すだけ。
「かりな、鹿苦手か?」
「うん……なんか、おっきい……」
確かに鹿は思っているより大きい。小動物に慣れていたかりなからしたら怖いのかもしれない。
「大丈夫だよ、かりなちゃん」
胡桃が餌をあげながら言う。他の鹿が寄ってきても知らないぞ。そんな呑気にあげてると……
「あ、いっぱいきた……」
かりなは俺に抱き付く。俺はかりなのためにも少しその場から離れる。
「あ、待って!そんなにないってば!」
胡桃は餌があった手を高く上げる。
「胡桃!そんなことしたら!」
胡桃の足下に鹿がよる。そのまま鹿が上を向く。
「ふぇっ!」
胡桃のミニスカートがめくられる。俺は胡桃の近くに寄って鹿を離す。俺もそんなに鹿は得意じゃないのだが、胡桃のためだ。
「スカート!」
「直せるんだったら直してくれ。俺は鹿で手一杯だ」
鹿は離れようとしない。仕方ないと思い、半分力技で離した。
胡桃の近くに防護結界を張り、その結界を少しずつ広げていく。若干強引だった。
「ほっ……」
胡桃はスカートを直せた。危うく胡桃の下着が公に晒されるところだった。ロクな下着着てないだろうし。
かりなの近くに戻り、3人で近鉄奈良駅まで歩いた。鹿はもう満足だったらしい。
「あの鹿さんエッチだった……」
「パンツ見ようとしたもんね」
胡桃とかりなが話している。その会話には入りづらいんだよ。
「お兄ちゃん、この電車どこ行き?」
「え?あぁ、えっと……」
俺は車内の電光掲示板を確認する。
「神戸三宮行きだね」
「神戸まで行くんだぁ」
かりなが俺に話を振ってくれた。流石俺の妹だ。
14:26に出発。胡桃はお尻のあたりをずっと触っていた。不自然だった。
「胡桃、なんかあったか?」
「……悔しい……」
俺は胡桃の背中をポンポンとたたく。
「悔しい!だって柊くん以外に触られたんだよ!?」
「俺だったらいいのかよ!?」
俺たち以外に人がいないからよかったものの、他の号車でやってたら冷たい視線を向けられたことだろう。
「柊くん以外に触られたのが嫌だったの!柊くん以外はダメ!」
「いやだから俺はいいのかよ!」
かりなは間に割って入ってくる。
「はいはーい、結局胡桃ちゃんは悔しいんだから、それでいいのっ」
「はい……」
妹には絶対服従、という感じなのだろうか。
俺たちは電車の中でそんなことで騒ぎながらも移動した。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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