高校生からの物語 2期   作:月島柊

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第40話 旅行

 

 夏休み。

俺と胡桃、かりなの3人は夏の旅行に行っていた。2泊3日の旅行で、行き先は奈良、京都。足りるかは分からないが、3日間で全力で楽しんでくる。

5:37発上野東京ライン東海道線直通熱海行きで東京まで行き、7:09発のぞみ291号新大阪行きで京都へ向かう。

どんなに早くしても、この電車が最速。

京都には9:21。先に荷物をおくため、京都から9:35発京都市営地下鉄烏丸線、国際会館行きで烏丸御池へ。烏丸御池近くのホテルを取ってある。

俺の服装は夏なのにも関わらず黒が基調。黒の半袖に、黒に濃いめのグレーが入った半ズボン。ゆとりのある大きさで、涼しい。

 

「ねーねー、最初どこ行く?」

 

かりながピョンピョン跳びはねて言った。

かりなの服装はレースのついた半袖にひらひらしたスカート。夏っぽい服装だ。

 

「そうだな……どこ行きたい?」

「鹿さんに会いたい!」

 

胡桃が言う。なんか子どもっぽかったなぁ。気のせいかな。

胡桃の服装はミニスカートにゆとりのある白のTシャツ。涼しげな服装だ。

 

「じゃあ奈良公園行こうか」

「うん!」

 

俺たちはホテルに荷物を置くと、また烏丸御池駅に戻った。

11:08発竹田行きで竹田まで。胡桃は俺の隣に抱きついて周りから離れているようだった。

 

「胡桃?」

「柊くん以外にくっつきたくないもん」

「私も?」

 

胡桃は「そんなことないよぉ」と言ってかりなに頬を擦りつけた。

 

「あのな……電車の中でそんなことするな」

「むぅ……」

 

胡桃は俺とかりなを抱き寄せた。少し恥ずかしいが、内心嬉しかったりもする。

竹田11:25発近鉄京都線急行、橿原神宮前行きで大和西大寺まで。電車は大和西大寺から近鉄橿原線に入るため、大和西大寺で大阪難波からの近鉄奈良線に乗り換える。烏丸線であんな抱きついた分、近鉄京都線は静かだった。

12:01に大和西大寺に到着。12:04発近鉄奈良線、特急近鉄奈良行きで近鉄奈良へ。

 

「鹿さん鹿さん♪」

「もうすぐだからな」

 

胡桃がスキップしながら言う。奈良公園の鹿は人懐っこい。胡桃もきっと好きになれるはずだ。

 

 奈良公園に着くと、すぐに鹿に会いに行った。胡桃は乗り気で鹿せんべいも買っていたが、かりなは少し怖そうだった。俺の後ろに隠れ、ひょこっと顔を出すだけ。

 

「かりな、鹿苦手か?」

「うん……なんか、おっきい……」

 

確かに鹿は思っているより大きい。小動物に慣れていたかりなからしたら怖いのかもしれない。

 

「大丈夫だよ、かりなちゃん」

 

胡桃が餌をあげながら言う。他の鹿が寄ってきても知らないぞ。そんな呑気にあげてると……

 

「あ、いっぱいきた……」

 

かりなは俺に抱き付く。俺はかりなのためにも少しその場から離れる。

 

「あ、待って!そんなにないってば!」

 

胡桃は餌があった手を高く上げる。

 

「胡桃!そんなことしたら!」

 

胡桃の足下に鹿がよる。そのまま鹿が上を向く。

 

「ふぇっ!」

 

胡桃のミニスカートがめくられる。俺は胡桃の近くに寄って鹿を離す。俺もそんなに鹿は得意じゃないのだが、胡桃のためだ。

 

「スカート!」

「直せるんだったら直してくれ。俺は鹿で手一杯だ」

 

鹿は離れようとしない。仕方ないと思い、半分力技で離した。

胡桃の近くに防護結界を張り、その結界を少しずつ広げていく。若干強引だった。

 

「ほっ……」

 

胡桃はスカートを直せた。危うく胡桃の下着が公に晒されるところだった。ロクな下着着てないだろうし。

かりなの近くに戻り、3人で近鉄奈良駅まで歩いた。鹿はもう満足だったらしい。

 

「あの鹿さんエッチだった……」

「パンツ見ようとしたもんね」

 

胡桃とかりなが話している。その会話には入りづらいんだよ。

 

「お兄ちゃん、この電車どこ行き?」

「え?あぁ、えっと……」

 

俺は車内の電光掲示板を確認する。

 

「神戸三宮行きだね」

「神戸まで行くんだぁ」

 

かりなが俺に話を振ってくれた。流石俺の妹だ。

 

 14:26に出発。胡桃はお尻のあたりをずっと触っていた。不自然だった。

 

「胡桃、なんかあったか?」

「……悔しい……」

 

俺は胡桃の背中をポンポンとたたく。

 

「悔しい!だって柊くん以外に触られたんだよ!?」

「俺だったらいいのかよ!?」

 

俺たち以外に人がいないからよかったものの、他の号車でやってたら冷たい視線を向けられたことだろう。

 

「柊くん以外に触られたのが嫌だったの!柊くん以外はダメ!」

「いやだから俺はいいのかよ!」

 

かりなは間に割って入ってくる。

 

「はいはーい、結局胡桃ちゃんは悔しいんだから、それでいいのっ」

「はい……」

 

妹には絶対服従、という感じなのだろうか。

俺たちは電車の中でそんなことで騒ぎながらも移動した。

 

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