翌日、俺は通常通り起きた。今日は学校があるし、行かないとまずい。
「俺もう行くけど、胡桃も行くか」
「行く!あ、そういえば、柊くん疲れたまってるから担当教科数学だけだって」
え、そうなの?そんなの俺知らないんだけど。
「数学が来年から図形担当と計算担当で分かれるらしくて、柊くんが計算担当なの」
計算担当か。別にいいけど。
「だから、今日から試験的に分けるんだって。しばらくは私が奇数クラス、柊くんが偶数クラス担当だからね」
偶数クラスだと俺が担任のクラスも見れるのか。結構いい分け方だな。
「オッケー。んじゃ、行こっか」
みんなまだ寝てるのかな。あーやたちに任せるけど、大丈夫だろ。
俺と胡桃は電車に乗り、クロスシートに2人ならんで座っていた。
「胡桃は担任持たないのか」
「持ちたいけどね」
持ちたいんだったら頼めばいいのに。副担任も楽しそうだけど。
「そうだ、今日の担任胡桃がやるか?」
「えっ、いいの?」
「やってみたいんだろ?」
胡桃は嬉しそうに喜んでいた。なんか担任やりたいなんて珍しいな。あれ、じゃあ副担任だから朝の時間廊下回ってるか?
「早めに行って仕事しとけよ。教室でやってもいいけど」
俺は別に職員室にいるしかないから。
「柊くんも来てよぉ」
「え?なんで。担任だろ?」
「柊くん居ないと不安」
なんだよそれ。絶対担任やれないじゃん。
「あのなぁ、担任なったら俺いないんだぞ」
「今は違うもん」
「今日はそうなんだろ?」
胡桃はぷっくりと頬を膨らませる。不貞腐れてるな、絶対。
「頑張れよ。少しくらい」
「はーい……」
胡桃はしゅんとしていた。悲しそう。
学校に着くと、昇降口が開くのを待っている生徒に会った。
「開かねぇの」
「はい。なんか遅くて」
確かに今は7:55。開錠時刻は7:45なはず。もう10分過ぎてるからおかしい。
「結構来ちゃってるな。待ってて、開けれたら開ける」
俺は胡桃と一緒に学校内には入り、南京錠の鍵を探した。事務室にあるはずだが。
「お、あったあった」
「なんで開けてないんだろうね」
「忘れてるんかな」
俺は昇降口に戻る。内側から開けると、少しの隙間から生徒がなだれ込んでくる。結構溜まってたからな。
「ほら廊下走らないよー」
「おはよう」
俺と胡桃で生徒の誘導をしていた。
いなくなってくると、俺は職員室、胡桃は2年6組に向かった。今日は1時間目と4時間目だけだな。少ないっ。
「月島先生」
「どうしたんだ、上西先生」
「なんか勝島先生遅いんだけど」
「知らん。遅刻か?」
なんか遅い気がするけど、遅れることくらいあるだろ。
「まぁいい。それより、クラス大丈夫か」
「あ、やべっ!つーか、月島先生もだろ!?」
「俺は胡桃に任せた。やりたいって言ってたから」
「ずりーな」
上西先生はそう言いながら職員室から出て行った。すると、ノックする音が聞こえ、2年生が言った。
「失礼します、2年6組の浅雛由月ですが、吹奏楽部の件で、月島先生に用があってきました」
あ、俺なの?というか、由月ってそういえば吹奏楽部か。集金かな?
「はいはーい、ここだよ。来な」
「え、あ、しっ、失礼しますっ」
なんであたふたしてるんだよ。もうちょっと堂々と入ってきていいのに。
「集金か?」
「はい。コンクール、お母さんが来るので700円を」
「オッケー。700円ね。あ、胡桃どう?」
「え、あぁ、なんか焦ってますよ。みんなでフォローしてますけど」
なんだ、自分からやりたいって言ったのに……
「分かった。フォロー頑張って」
「はい。じゃあ、失礼しました」
胡桃だったら大丈夫だろ。そこまでやることないから。
1時間目の準備で1回6組に向かうと、胡桃のところだけが朝の会を終えていなかった。おいおい、頼むぜ。
「胡桃、変わるよ」
「あ、ごめん……」
「慣れないもんな。大丈夫さ」
俺はいつも通りに進めようとする。
「どこまでいった」
「健康観察が終わりました」
じゃあ、俺の話まできてたのか。
「えっと、今日は特にないんだよなぁ。みんな元気で。終わり」
何にも話すことなかったし。
号令が終わると、一斉に準備を始めた。そうだ、由月に聞こっと。
「由月、1時間目なに?」
「社会っ!」
職員室だとさすがに敬語は外しずらかったか。
「オッケー。じゃあ後ろにいていい?」
「へっ!?後ろって、どこに!?」
「今日由月の隣休みだろ。だからそこにいようかと」
2時間目は俺の数学だし、いても問題ない。
「う、うん。いいけど……」
「決まりだな。じゃあ荷物持ってくるから待ってて」
俺は数学の用意を調整室から取ってきた。すぐに6組に戻り、PCを開く。授業中に仕事を進める。量はちょっとしか無いけど。
「先生、もうすぐ3年生の担任ですね」
「うん?あぁ、そうだな。由月はまた同じクラスにしようかなぁ」
もう3月上旬だし。クラス替えの時期だ。
「やったー!何組なの?」
「おいおい、まだ決めたわけじゃないぜ。来年は何組かなぁ。気分でね」
ずっと6組だったから5組とか1組とか7組とか?いろんなとこ行きたいなぁ。学年主任は嫌だけど。
「おはよう、社会係準備お願い。あと……月島先生、何でそこに」
「んあ?次俺の授業だからいいだろって思ってここにいる」
「あぁ、そうか。ってことは、次は計算系なのか」
そう言うことになるよな。
「普通に授業進めてくれ」
まずは授業を進めてくれないと俺もできない。社会は好きな方だし、結構わかるだろう。まぁ、聞くだけだが。少しくらい役に立てるかもしれないが。
チャイムが鳴り響き、1時間目が始まった。隣の由月も社会のノートを開く。
って、ん?1次関数?y=ax+bって……
「由月、それ数学のノート」
「えっ!?あ、じゃあ仕舞いにっ!」
「次数学なんだから机の中入れとけよ。社会ノートはこれか」
俺は「浅雛由月」と書かれたノートを見せた。
「それ!先生ありがとう!」
「おうよ。ほら、歴史始まってるぞ」
徳川家康かぁ。じゃあ参勤交代とかの時期かな。
1時間目はほとんど小テストで、前回の地理の復習らしかった。俺は由月を応援するしかできないが、少しくらいは教えた。
1時間目が終わり、号令が終わると、すぐに前に行って勝島先生を追い出すように前に立つ。
「おいおい……」
「いいじゃんか、少しくらい。今日は定規必要だからなー」
1次関数のグラフだ。
「じゃあ、もうすぐ始めるぞ」
俺は準備をした。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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