俺は近くの電線へと上った。本来、電線に触ってはいけない。しかし、地面に触れて電気が流れるからいけないわけで、浮いていれば何の問題も無いわけだ。要するに、ジャンプして電線に捕まる。ということは感電しないのだ。
これを利用し、俺は浮遊魔法を使ってまずは電線と同じ高さへ行き、鉄の棒を電線に付ける。そして、逆流して変電所が爆発しないようにするために、鉄の棒のすぐ前にもう1本鉄の棒を付け、池の中に流す。まぁ、要するに漏電だが、災害時なんだから気にしない。
さて、前の鉄の棒には俺が電気魔法で電流を流す。家にだけ電気が供給される。
なんて、ことをやろうとしたのだが、まず第一、鉄の棒を付けるだけでは電気は逃げない。さらに、危険。そのため、結局俺がやったのは、家に電気があればいいわけだから、変電所から電気を流せばいい。ということで。
「悪いね、ゆい」
月野ゆい。ハッカーだ。
「早速だけど、あの変電所に電気流して」
「え?送電元の東京電力停電してるよ?」
「俺の魔法で流す」
ゆいは納得してハッキングし始めた。うわぁ、一瞬だな。
一瞬にして電気がつく。俺はゆいも呼んで、災害の避難がてら家に呼んだ。
「先生、久しぶりだね」
「やめてくれ、もう先生じゃない。君の教育は終わった」
「そう言わずに~。人生の先生でしょ?」
なんだそれ。俺はそんな先生になった覚えはないが。
「ふふっ、ゆっち、一緒にお風呂入ろ?」
「うん。かりちゃん」
その「ゆっち」ってあだ名いつ付けたんだろう。
「柊くん、さむいーっ」
まぁ今年は異常気象続きだからな。8月は40度を超えたり、逆に3月は最高気温が5度だったり。今日は最高8度、最低ー6度だった。
「エアコンはまだ効かないからなぁ。おいで、胡桃」
胡桃は震えながら俺にしがみつく。お風呂、あったかそう……というか、俺寝るんじゃないか?
「あったかぁい……」
「眠い」
窓を開けてないと空気はこもるし、それにいつ地震が来るか分からない。
「あ、揺れてる」
俺は胡桃を抱いたまま簡単なプログラムを作った。Bluetoothでスマホに接続させて、その強震モニターで埼玉県内の震度を読み上げる。読む間隔は1秒開ける。また、最大震度、マグニチュード、震源も読み上げさせた。すると、早速来た。
《20:27頃の地震、マグニチュード5.4の最大震度4の地震。震源地は東京湾。埼玉県内、深谷市は震度3》
プログラム通りのアナウンスだ。
《20:30!地震発生!推定マグニチュード5.8、最大予測震度5弱、震源地千葉県北東部!深谷市予測震度4!》
俺は電気から離れ、胡桃を抱きかかえた。
アナウンスの約1秒後、地震が来た。カタカタと音を立てたが、倒れなかった。
《20:30頃に地震、マグニチュード5.9、最大震度5弱、震源地千葉県北東部、深谷市は震度4》
不安だ。これから地震が来ると思うと。
しばらくして、かりなとゆいがあがってきた。ゆいだけなぜか裸なんだが。俺は焦って上を向く。
「あ、ごめん。着替えこっちに忘れちゃったの」
冷静だな!なんでそんな冷静なんだよ。
「いいよ、もう」
ゆいがそう言うと、俺は胡桃の方に視線を落とした。
「お風呂入ろ?」
「私も一緒がいいなぁ」
なぎがじーっとこっちを見てくる。やめてくれ、その目は。
「しょうがないな。じゃあ行こうぜ」
「にゃんっ」
「ぴょんっ」
なんだこいつら、かわいいな。
お風呂に入ると、3人だからか結構溢れた。あがったら追加しとこ。
「柊くん」
「なんだ」
胡桃が何を言い出すかと思ったら……
「おっぱいおっきくなってるかな」
「は?なんで」
「だって!もっとおっきくなりたいじゃん!」
「そうだよ!女は胸が武器なの!」
こいつら何を言ってるんだ。絶対違うって。胡桃も、それなりの……いや、俺も何言ってるんだ。
「いいから!そのままで!」
「柊くん!?」
もう吹っ切れよう。うん。それがいい。
「胡桃もそれくらいが俺は好きだし」
「私はどうなの!」
なぎは知らないんだよなぁ。
「それでいい!」
適当。
「わーっ!すきっ」
「きゃーっ、大好き!」
大好きっ子なんだよなぁ。胡桃となぎは。うさぎと猫だし。
「あ、ちょっ、風呂に!」
俺が言ったときには、もう時すでに遅し。俺は角に躓いて風呂に転びそうになっていた。というか、もう転んでいて、上から胡桃が覆い被さるように転んだ。
「きゃうっ」
「いって……胡桃、大丈夫か」
「柊くんが好きだから大丈夫」
なんだそれ。そういう自覚があったら大丈夫なのかな。
「それより、その、この格好……」
そう、全裸で男女が羽交い締めにされている格好。
「凪沙ちゃんに見られてるしぃ、ちょっと恥ずかしいなぁって」
「あ、ごめん……」
羽交い締めにしたままだった……危なかった。
「あ、あがろっか」
俺は焦りながらもそう言った。
平行世界の物語(第3話で実施したもの)を別作品で投稿した方がよい?
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