ま、幻想郷組が勝たないと物語的にアウトですからね。
鎌霞団アジト 不知火の庭
此処では早くも決着が付こうとしていた。防戦一方だった紫が起死回生の逆転を収めたのだ。
5分前
2人はこれといった決定打を決める事ができずにいた。幸嗣の動きが素早く、弾幕をあまり命中させる事ができないからだった。
が、だからと言って当てられないというわけではない。幸嗣の動きに翻弄されつつも、2人の以外なコンビネーションで少しずつではあるが着実に被弾させてゆく。
紫に向かって幸嗣は、上段から切り掛かってゆく。紫は、持前の反射神経で少し横にずれると隠していた扇子でいなす。
「む、刀を弾くとは。その扇子硬度高すぎではないのか」
呆れ顔で扇子の硬さに文句をつける幸嗣。
「ふふん、この扇子は特注品なのよ。そこらの粗悪品とは出来が違うわ」
「出来が違う違わないの問題ではない気がするのだが」
「う、煩いわね。貴方はさっさとやられてくれればいいのよ」
紫の苦しい言い訳に溜息を吐きつつ、刀を構え直す。
「そろそろ諦めたら如何なんだ。我もいい加減疲れてきたのだが」
幸嗣は紫とのやり取りに一瞬だけだが気をそらしてしまった。その事を見逃さなかったフランは幸嗣を倒すべく、自分の持つ中でも上位に入るスペルカードを使う。
QED「495年の波紋」
フランの放った弾幕に一瞬気を取られた幸嗣はすぐ傍に迫る廃線に気付けなかった。
廃線「ぶらり廃駅下車の旅」
勢いよく撥ねられた幸嗣はそのまま宙を舞った。赤い鎧も所々が破壊され、深い傷を負っているのが見える。
「ぐっ、油断したな。だが此処で終わる訳にはいかない。我も最後の攻撃といこうか!」
2人は攻撃に備えて身構え、避ける体制をとる。
妖刀「-神速-真田抜刀術・東雲」
幸嗣から夥しい程の斬撃が飛び交い、紫とフランを切り裂いてゆく。腕、脚、顔など様々な箇所に切り傷ができてゆく。永遠にも続くと思われた斬撃は突如止んだ。
紫が幸嗣の方向を見据えると、妖刀の妖力が尽きて立ったまま気絶している赤き鎧の男の姿があった。
「はあ、はあ、これで真田の子孫とやらは破ったわ。あと残っているの・・は・・あら?」
移動したとも判らぬうちに、いつの間にかとある小部屋に移動していた。
2人の視線の先には、5つのモニターがあり、他の団員との戦いが中継されていた。
部屋の角にあるスピーカーから声が聞こえる。
「お2人とも強いねー。幸嗣は鎌霞団の中でもかなりの実力を持っていた筈なんだけどね。それはさて置き、君達2人が倒した幸嗣の鍵は解けました。残りは5人。2人は其処のモニターで他の人が頑張ってる所を見て待っててね~。それじゃ」
その音声を最後に通信は途切れた。納得がいかないが、後は応援するしかできないのだ。
「皆、頑張って。そいつらを倒さなきゃ、幻想郷は滅亡してしまうのだから。必ず倒してよ?」
不知火の庭の戦い 真田幸嗣の妖力が尽きた事による自滅により勝利
鎌霞団アジト 元興寺の屋敷
其処では、庵とアリス、妹紅の激しい戦いが続いていた。
庵は自身の能力を駆使して金属を飛ばし、万が一外したとしても再び使える様になるという言わばリサイクルの様な事をしていた。
対してアリス達は四方八方から飛んでくる金属に対応しながらも、反撃をしていた。
戦符「リトルレギオン」
不死「火の鳥-鳳翼天翔-」
そんな2人の弾幕も小さな金属の玉を広げたり延ばしたりして、変化させた鉄をぶつけて相殺してしまう。しかも再利用可能。
追討ちを掛ける様に、高校時代にやっていた弓道も使ってくる。
「ちっ!あいつ弓使うなんて聞いてねえぞ。弓使いは永琳1人で十分だ」
「いやいや、実際僕は貴女達に言った覚えはありませんけどね」
舌打ちをしながらも妹紅は手を休めない。
するといきなり庵は攻撃の手を止めて、2人の方へと歩いて来る。
「もういいや、面倒くさい。貴女達、勝った事にしていいよ。千里の様子が何時もとは違うって気付いてはいた。だから今回の幻想郷襲撃は反対だったんだ。僕の鍵はあげる」
2人はそんな庵の様子を見て少し驚く。気を取り直してすぐさま質問しようとするも、2人は小部屋へと移動していた。紫とフランが待機する部屋とは別の部屋へと。
「此処は何処よ?・・・ってあれは!」
アリスは部屋のモニターに映る4つの画面を食い入る様に見つめる。
いきなり部屋のスピーカーがザザっと音を立てる。
「えー、おめでとう御座います。これで鍵はあと4つ。庵が先頭忌避する所なんて初めて見ましたよー。アリスさんと妹紅さんはあと残っている皆さんの応援宜しくお願いしますね~。じゃ、また後で」
「ちょっ、待ちなさいよ!聞きたい事は沢山あるんだから!!ちょっと、聞いてるの?」
アリスは虚空に向かって叫ぶも、その願いは宙へと消えた。
元興寺の屋敷の戦い 神楽庵の戦闘忌避による不戦勝
今は戦闘の描写が希薄ですが、一応千里戦は長くしようとは思っています。