勝てる可能性があるならば、最終章辺りで登場する「あの人」ぐらい。
別に幻想郷の人を弱くしたい訳ではなく、自分の想像するキャラが妙に濃かっただけ。・・・だと思われる。
忌符「ダーインスレイヴ」
一度鞘から抜くと、生き血を完全に吸うまで鞘に収まらないと言われる呪われた魔剣を何処からともなく取り出す。
狂気の魔剣を霊夢に向かって振り下ろす。ターゲットを見定めたダーインスレイヴは、霊夢を標的とし、血を吸おうと更に速さを増す。
あまりの速さの切り付けに、霊夢も判断を欠いて不覚にも一太刀喰らってしまう。
肩口を大きく切られ、鮮血がこぼれ落ちる。余程霊夢の血が美味だったのか、更に血を吸おうと暴れ出す。
「おいおい、いくら霊夢さんの血が美味しかったからって無暗に突っ込んじゃダメだよ?」
納得したのか、先程よりは大人しくなる。だが、剣が意志を持っているかのように勝手に切っ先を霊夢に向ける。
「しょうがないね。もっと多くの血が欲しいんだったら、僕ので我慢するかい?」
考える素振りを見せるダーインスレイヴ。案外血だったら何でもいいらしく、突然千里の手のひらを傷つける。
「痛って、いきなりすぎないか。もっと前もって言ってくれないと」 (今だ!)
神技「八方鬼縛陣」
霊符「夢想封印 集」
隙が出来た千里に、ここぞとばかりに畳みかける。先ずは鬼縛陣で行動に制限を掛け、合わせて夢想封印 集で止めを刺す。・・・という作戦の筈だった。
爆風で辺り一面が煙に覆われ、何処に誰が居るか判らない。煙が晴れると、腹に幾つかの怪我を負った千里が居た。以外と深かったのか、大きく咳き込み血を吐く。
「ぐはっ、やられましたね。しかも不意打ちって。不意打ちは卑怯だからやっちゃいけせんってお母さんに習わなかったんですか?」
「生憎、私のお母さんはそんなことをとやかく言うお母さんじゃなかったからね。卑怯だろうが何だろうが勝ちゃあいいのよ」
夢想封印を防ぐ際に、ダーインスレイヴは主を護って自ら折れた。
「ちっ、結構いい剣だったのに。しかも、僕を護って折れるなんてね。ふむふむ、ダーインスレイヴでは駄目か・・・。ならば」
罪花「アスポデロスの楽園」
空中に赤い花が咲き乱れ、その花が一斉に霊夢に向かってくる。一つずつ丁寧に避けていくも、うっかり一本の花に腕が当たってしまう。途端に花が噛みつき、肉を食いちぎる。
「痛っ!何なのよこの花は!」
力任せに引っ張るが、全然離れない。
「もう、こうなったら自棄だわ。一か八か・・・」
霊夢は自分の腕に一枚の札を当てる。
符の参「魔浄閃結」
相当威力を軽くした弾幕で、アスポデロスの花を引き剥がそうとする。
だが、アスポデロスの花も必至に抵抗し、もっと肉を貪ろうとして離れない。それが更に霊夢の怒りを買う事になる。
「いい加減にしなさいよ。もっと痛い目に遭いたいのかしら?」
恐ろしい顔で迫られたアスポデロスの花達は、これ以上調子に乗ると命が危ないと感じたのか、悲鳴を上げて逃げて行った。
「ははは、アスポデロスの花を恐怖で怯えさせるなんて初めて見ましたよ。戦ってて面白いですよ、本当に。じゃあ、次いってみますか」
禍符「雪鬼灯鱗・地獄道」
禍符「月禍桜蹄・不夜城」
禍符「花斬天翼・裏鬼門」
雪月花に例えられる攻撃が、煌びやかに三重に重ねた高密度の弾幕となって襲い掛かる。
1つ上空に千里が故意に上げた輝く月と、舞い散る花、降り注ぐ雪がまさに雪月花を思わせる。
思わず見とれてしまい、月が段々と誘爆されていくさまに気付かなかった。今度はまともに喰らってしまい、所々に深い傷が見える。
「はあ、はあ、結構危なかったわ。そっちこそ卑怯じゃない。あんな綺麗なもん見せられて攻撃を回避出来るやつなんてそうそう居ないわよ」
「いやはや、あれは普通の攻撃だった筈ですが。霊夢さんが勝手に余所見したのが悪いんじゃないですか。なのに卑怯呼ばわりだなんて」
「へらへら笑ってんじゃないわよ。あんたはまだ全然余裕なくせして。ま、いいわ。これで最後にしましょ。だからあんたも本気で来てよ?」
そんな言葉がくるとは思っていなかった千里は、不意を突かれた様な表情になる。
「ふうん。本気でいって・・・・・良いんですね?」
「良いわよ。私もこんな時の為に取って置きはあるんだから」
「じゃ、これで最後です」
「夢想天生」
影翼「エンシェントカイザー」
幻想郷の希望を乗せた七色に輝く弾幕と、影麒麟の持つ絶望が混ざった黒く渦巻く弾幕がぶつかり合う。
互いに相殺し合って辺り一帯に爆風が吹き荒れる。煙で何も見えなくなり、どっちが勝つか全く予想がつかない。先程から戦いの一部始終を見学していた残りの幻想郷メンバー達。
この場に居ないのは、八雲紫唯一人。姿を消してから、一度も現れない。
煙が晴れていき、そこに立つ影は一つ。姿が視認できるようになるまで然程時間はかからず、影の正体が判明する。
その正体は・・・・・博麗霊夢その人であった。
「やったああああ!!!霊夢が勝ったんだああー!!」
飛び上がって喜ぶ幻想郷組。全身傷だらけで、立っているのもやっとな霊夢。なのにいきなり抱き着く魔理沙。
「ちょっ、抱き着かないでよ魔理沙。痛っ、痛いって、離れてよ。・・・早く離れやがれクソ魔理沙―!!」
霊夢の怒りを買いながらも更に強く抱き着く。
ワイワイと騒がしくなってきた場に、いきなり空間に裂け目が出来る。そこからやっと八雲紫が現れる。
「あれ、紫。そういえば居なかったわね」
そんな霊夢には見向きせず、一直線に千里の元へと向かう。
「非時千里さん・・・でいいのよね?」
紫の問いに曖昧な返事で返す千里。やはり相当な疲れが溜まっているらしい。
「柊蓮華さんの救出に成功しました。これで、貴方が悪魔に従う理由は無くなったわね?」
フッと笑ったかと思うと、突然笑い出す千里。そんな彼を見た紫を除く全員が唖然とした表情になる。
「はははっ、やはり僕の読みは間違いではなかったという事ですか。紫さん、貴女は予想以上のお人でしたね。僕の意図を理解するなんて」
「ええ、結構手こずりましたよ。何故貴方が私をこのアジトに来させたかったか、最初は全く判りませんでしたよ」
「ま、それはそうと。蓮華さんは何処なんでしょうか?」
「心配しなくても、ちゃんと連れてきましたわ」
紫が空中にスキマを出現させ、そこから現れたのは一人の少女だった。
白いワンピースの上に、更に白いダッフルコートを羽織った可愛らしい格好をしている。
「千里くん、有難う。助けに来てくれて」
「いえいえ、お礼なら紫さんに言って下さい。実際、僕は時間を稼ぐ為に霊夢さんと戦っていただけですから」
ブンブンと首を横に振り、千里の言葉を真っ向から否定する。
「違うよ、千里君は私の為に態々こんな人達と戦ってくれたんだよ」
「ふふ、僕も霊夢さんなんかの相手に本気を出さないのが苦労しましたよ」
いきなりのカミングアウトに霊夢を含む全員が驚愕する。
あれが本気ではないのだとしたら、千里の実力はどれ程のものなのかと今更ながら恐ろしい相手と戦っていたのだと実感する。
「でも、これで貴方が悪魔に従わなくてすむんじゃ、良かったのでは?」
紫が尤もな疑問を言うと、千里が突然険しい表情になり、全員を震え上がらせる一言を放つ。
「いいえ、これで終わりなんかではありません。寧ろこれからが本番と言っていい。何故なら、悪魔側が幻想郷にせめいる口実が出来てしまったのですから」
やっと霊夢達が勝利を収めてくれました。
ここからは、少しばかり鎌霞団員の過去を入れてしまおうと思います。
自分で書いておいてなんですが、話が重いです。
以上、報告終了!