長くなりそうなので、鎌霞団員の過去編は千里で一旦終わりにします。
今回名前を伏せた人物(人ではないけど)は、また出てきます。お楽しみに。
影麒麟の隠れ里
此処は麒麟と対をなす影麒麟の住む里。
ある日、麒麟と影麒麟の若者が恋に落ち、子を身籠った。
両一族は生まれてきた子を始末しようと企んだが、影麒麟・麒麟共に領主の跡取りだった為に断念した。
先に生まれた男の子は両方の特性を持っていたが、影の方が濃かったようで、影麒麟の里へ引き取られる。
後に生まれた女の子は、圧倒的なまでの麒麟の力を持っていたので、麒麟の里へ引き取られていった。
「よしよし、千里は良い子だな。唯、心配なのは千里の身体に莫大な禍の力が秘められていることか」
言葉の意味を理解する年齢ではないのか、首を傾げる程度で疑問を露わにする千里。
この男は影麒麟一族当主、非時轟(ときじく ごう)。
今では立派な父親として嫁である非時凪沙(ときじく なぎさ)を支えている。
千里は里の小学校に通い、五年が経った。後一年程で卒業できるところまで来ていた。
何時も通りに家へと帰り、母親の家事の手伝いをしていた時だった。
「侵入者だー!!おい、こっち来たぞ!・・・・止めろ、やめ・・ぎゃあああああ!!!」
里に響き渡る同志の悲鳴に、轟はいち早く反応した。
「誰かは判らんが、こちらに来るな。凪沙、千里を護ってろよ」
勢いよく扉が壊され、一人の人物が中に入ってくる。
赤髪で、目元に大きな刀傷を負っている。手には、一振りの大立ちが握られていた。
「よお、影麒麟一族当主様。あんたの首には賞金が掛かっているんだよねん。そういう訳で、さっくりと殺させて頂きますよ」
普段から鍛えている轟にすら見えない速さで移動し、一瞬で轟の胸に大立ちが深々と突き刺さる。
口から大量の血を吐き、崩れ落ちる。凪沙は、他の部屋でその様子を見ていた。
「千里、隠れてなさい。さあ、早く」
千里を押入れに素早く入れると、その瞬間襖が破壊される。
「やっぱこっちに居たか。あんたも殺らせてもらうよん」
先程轟を殺したのと同じ方法で、あっという間に凪沙も殺されてしまい、息を引き取る。
押入れの中で、千里は男に復讐する方法を考えていた。ただ闇雲に突っ走っても敢え無く反撃されてしまうだろう。
突然何を考えたか、銃を創って押入れの隙間から男を狙う。
「あ~、言っておくけど。さっきから気配が丸わかりだからね?小さい勇者さん」
こちらの気配がばれていたことに驚くも、銃に込めた力は抑えられなかった。
引き金を引き、銃弾が復讐の対象へ向けて飛んでいく。だが、そんな復讐の念も虚しく銃弾は空を切る。
「銃如きで俺を殺せると思った訳?残念でした。じゃあね、小さい勇者さん」
殺されると思い、咄嗟に目を閉じる。しかし、何時まで経っても自分が死んだという感覚は無かった。
状況を知る為に、目を開けてみる千里。そこに居たのは、赤髪の男を蹂躙する黒いローブを羽織った男と、それを見てニコニコ笑っている少女だった。
「はははっ、足りねえぞ。こんな力じゃ」
赤髪の男はもう命乞いすらしておらず、殴られているだけだ。
「あの、もう止めた方が「ウルセエ、餓鬼!俺の楽しみを邪魔するとお前もこうなるぞ!」
まだ子供だからか、怒鳴り声にびくっとする千里。
「まあまあ、■■■君も其処までにしときなよ。この子が怖がってるよ?」
「判った判った。もうしませんよ」
鬱陶しそうに手を振り、赤髪の男を殴るのを止める。
少女が千里に向き直り、声を掛ける。
「大丈夫だった?此処に赤髪の賞金首狩りが出没したと聞いて飛んできたんだけど、一足遅かったらしいね。あいつの目標は達成されたっぽいし」
「おい、蓮華。さっさと此処を離れるかしねえと、伊邪那岐の野郎が嗅ぎ付けるんじゃねえか?」
そんな男を全く無視して千里に話しかける。
「あ、良かったら鎌霞団に入らない?えーっと・・・「非時千里です」
「そうそう、千里君。で、どうよ?」
「ちょっと待てや、蓮華。こんなクソガキ仲間にしたって得なんて無えだろ」
困惑する男を宥めて冷静にさせる。
「この子は相当な力があるよ。■■■君に修行を付けてもらいたいんだ」
「俺にこいつの師匠になれと?冗談は止めてほしいぜ、全く。いいか?俺は蓮華に着いていきゃあ面白いもんが見られると思って着いてきた訳なんだぜ。それをクソガキのお守をしなきゃなんねえときた(ry」
早口で一気に捲し立てる男の話を耳の前に手を添えて、野々〇議員のように聞こえない振りをする蓮華。
「畜生!聞いてねえだろ、こいつ。だが、一つ聞こう。本当に素質があるんだな?」
疑いの目を向けられて少し萎縮する千里。そんな千里を後目に、男の質問に首を縦に振る蓮華
「・・・はあ、判ったよ。さっさとそのクソガキを連れて行こうぜ。伊邪那岐の野郎に見つかったら、面倒な事になる」
「うん、君も何時か千里君を鍛えて良かったと思う日がくる。きっとね」
小さい笑みを浮かべた蓮華が怪しく光る何かを見つめていた。
更新が酷く遅れてしまいました。すいません。
更に、遅れた割に話としては微妙な所です。
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