ギリギリセーフだったよ。
守矢神社 境内
「ふ~ん、まあ、面白かったですよ。守矢の神様さん」
そこには、傷だらけになって気を失っている守矢神社の二柱の神を一瞥し、自身についた砂埃を払う蓮華が居た。
いくら強いといっても、所詮は妖怪だと侮っていた諏訪子は、様々な罠に自ら飛び込んでいって自滅。
単純な力比べを蓮華に挑んだはいいが、はったりと本命の境目を見きれておらず、不意打ちをくらいまくった神奈子も結局敗北してしまった。
「一応、ブランクは取り戻せた・・で、いいのかな?」
自分より弱いものには、もう興味がないかのようにため息を吐いた。
「はぁ、神様って言うから期待してたんですけどねー。・・いたっ」
諏訪子はともかく、神奈子はかなりの善戦に持ち込んでいた。
攻撃が当たる瞬間に、少しばかりのカウンターを決めていたのだ。
「あらあら、神社の神様も少しはできるんですね。・・・ふむ、これだけ戦えれば、あるいは・・・」
幻想となったとはいえ、元は神様。実力は十分であろうと確信した蓮華は、二人を介抱して去っていった。
魔界
「おい、そろそろ準備が整う時期ではないのか?」
その問いかけに、側近らしき悪魔が応える。
「あー、もうちっとだねぇ。それまでガマンしてな。・・全く、愛娘があっち側に居るってだけで攻め込まれるあっち側の気持ちにもなってみい」
「それは、あちら側の都合だろう。魔界には魔界なりの方法があるのだ」
「へいへい、ったく、最近来たあの嬢ちゃんに唆されてから魔界の雰囲気が変わっちまったねぇ」
いつまでもグチグチと文句を言っている悪魔に呆れるルシファー。
「文句ばかり言っていないで、働いたらどうだ、レヴォルガ」
「わーった、わーったって。うるさいんだから、全く」
ルシファーの小言も右耳から左耳へと流れていく。
着々と、幻想郷侵攻への手筈は整っていった。
博麗神社 本堂
この日も、千里と特訓を続けている霊夢達七人。
「あーもう!どうして当たらないのよー!」
先程からありったけの弾幕を打ち続けてはいるのだが、これっぽっちも当たる気配を見せない千里に、嫌気が差してきた霊夢は地団駄を踏んでいた。
「怒りっぽいと、当たるものも当たりませんよ、霊夢さん」
千里に便乗する魔理沙。
「そうだぜ、霊夢。やっぱり、弾幕はパワーだぜ!」
やはり、この数日で千里のスピードが目に残っているのか、魔理沙のレーザーは時折、千里にかする程度まで成長していた。
「はは、魔理沙さんの努力は目を見張るものがありますからね。やはり、今まで努力を怠ってきた霊夢さんのツケがまわってきたんじゃないですかね」
「・・う、うっさいわね!私は教わらなくても出来てきたのよ!」
「やれやれ、天才ってのも考えものですねぇ」
(そう、霊夢さんは素の力が引き出せていない筈なんだ。どうやった・・ら・・)
突如考え出す千里に、これ幸いと弾幕の嵐をこれでもかと浴びせかかる。
が、そんなことで千里は動じず、いつの間にか上空へと逃げていた。
(・・・・この気配、もしかすると。・・やはり、悪魔か。でも、あそこは幸嗣が居るところだ。心配する程ではないな)
「あっ、居ません!」
居なくなった千里に気付いた早苗が声をあげるが、既に遅かった。上空からのスペルカード宣言は成されていたのだ。
黒符「デスペランサ・エストレージャ」
黒く染まったこぶしぐらいの大きさの弾幕が霊夢達に降り注ぐ。
攻撃の予測をしていなかった為、次々と被弾していくが、文一人だけが持ち前の速さで躱していく。
「いや~、危なかったですね~。ですが、私も伊達や酔狂で幻想郷一速いと言っている訳ではありませんからね」
文が弾幕は全て躱しきっていると勘違いしている隙に、背後へと回り込んでいた。
「文さん!危ない!!」
星の忠告は、慢心している文の耳には届かず、文は完全に不意打ちをくらうことになった。
「あ~あ、惜しかったですね。最後の最後で詰めが甘いんですよ、文さんは」
全員が千里に組み伏せられてしまったので、またもや霊夢達の負けが決定してしまった。
「はぁ、これで何連敗目ですかね。いい加減、こっちもやる気が削がれるといいますか」
あからさまに機嫌を悪くし、そっぽを向く文。
「ふ~む。・・あ、そうだ。皆さん、其々が新しいスペルに挑戦してみるというのはどうでしょうか?」
「「「えっ、ええええええぇぇぇぇ!!!???」」」
この言葉に全員が驚愕することになったのであった。
中途半端な時間ですいませんね。
次回は半神伝の番ですので、そこんとこよろしく。