紅魔館の襲撃とほぼ同時刻。白玉楼に降り立つ1人の影があった。
白玉楼 庭園
そこには、髪に黒いリボンの付いたカチューシャをし、腰に2本の刀を差した少女がいた。彼女の名は魂魄妖夢、この白玉楼の庭師をしている少女である。
妖夢はいつも通り、庭番をしていた。すると階段の下から夥しい程の怨念の塊の気配を感じた。
「何でしょうか?此処は冥界。迂闊に人の立ち入る場所ではないのですが」
妖夢は疑問に思いながらも、階段へと近づいて行く。
なんと、階段の真ん中辺りにどす黒い怨みのようなオーラを纏った着物姿の女性が登ってきていた。
「な、何あれ?あんな深く、重い怨念は見た事がない」
妖夢が少し目を離した隙に女性は階段の1番上まで来ていた。
「御機嫌よう、此処で1番偉い人に合わせてくれないかしら?」
白玉楼を治める者は1人しか思い当たらない。西行寺幽々子である。
そのことに気付いた妖夢は、相手に自分の使う剣、楼観剣を向ける。
「この先にいる幽々子様には指一本触れさせません!」
妖夢の勇ましい声を聞き、女性はクスクスと笑い始める。
「あらあら、それは大した自信ですこと。見たところ貴女は剣を使うみたいね。私の仲間にも剣を扱う人がいるけどね。あの子はこっちに来れば良かったのに」
女性は笑うのを止め、妖夢にこう言った。
「申し遅れたわね。私の名は骸白羽、一応鎌霞団の副団長をしておりますわ」
白羽と名乗る女性は妖夢に向かってほほ笑む。
この時点で、相手を敵だと判断していた妖夢は2本の剣を構える。
「あら、怖い。でも邪魔するのなら倒させてもらうわ」
そう言うと白羽は、ある拳法の構えをとる。
骨法「人骨掌底・破龍」
白羽の放った掌底は、妖夢の心臓を的確に狙った。しかし、妖夢は間一髪で躱すも、左肩に当たってしまった。
左肩の骨が外れる音を耳元で聞いてしまい、その後に激しい痛みに襲われる。妖夢は痛みの強さに持っていた刀を落としてしまう。
「あ、うあああああ!!」
妖夢は左肩を抑えようとするが、触った瞬間に激痛がはしるため迂闊に触る事ができない。
「ふふ、白玉楼の庭師さんの力はこんなものなのかしら」
「く、まだだ、まだ右は使える。これで戦うことはできる」
「なら、右も潰しましょうか。庭師さんの腕が二度と使い物にならないように」
クスクスと笑い、白羽は右肩へと狙いを定める。そして一気に妖夢の元へ迫る。
骨法「人骨解体・破邪」
白羽は腕に回転を加えて、威力を倍増させる。
先程の攻撃で動けない妖夢はもろにくらってしまう。今度は骨を脱臼させるのではなく、破壊したのである。
妖夢は2回も骨に打撃を与えられ、あまりの痛みに気を失ってしまう。
「あら?先程の威勢はどうしたのかしら」
戦いを終えた白羽はクスリと笑い、妖夢に背を向けて幽々子の所へと歩いていった。
白玉楼 本殿前
白羽は妖夢を倒し、本殿前に来ていた。
其処へ何者かが上空より下りてくる。その女性こそが白玉楼の主、西行寺幽々子であった。
「ようこそ白玉楼へ、何か御用かしら。ふふふ」
「いえいえ、特に難しい事ではありません。貴女に此処から居なくなってもらうだけですわ」
幽々子と白羽は互いに正面に向かい合う。
「だったら、無理な事ですね。貴女に私は倒せません」
「そう言っていられるのも今の内です。貴女の驚く顔が楽しみですわ」
「その言葉、そっくりお返し致しますね」
2人の間に険悪な雰囲気が漂い、一触即発の空気がその場を支配する。
先に仕掛けたのは幽々子。自分の中でもかなり上位に入るスペルカードを発動する。
亡舞「正者必滅の理-死蝶-」
色とりどりの蝶が白羽へ向かって放たれる。幽々子は最初から本気のようだ。
それに負けじと白羽も対抗する。
骨弓「尖骨の破魔矢-陽蘭-」
白羽の周りに現れるは、10本程度の弓矢。しかし、その弓が矢を放つとすぐさま矢が番えられ、再び発射できるようになる。
蝶の形の弾幕と骨の矢がぶつかり合う。矢は蝶と当たってなおその勢いを落とす事はなく、一直線に幽々子へと向かう。幽々子は避けてはいたが、そのうちの1本が右手の甲へと刺さってしまう。
「ぐっ、何これ?力が入らない。これは・・毒?」
幽々子は全身から力が抜けてゆき、地面へと落ちていった。高さ数十mから一気に落下し、石畳に勢い良く叩きつけられる。
倒れている幽々子へと白羽は近づき、こう告げる。
「ご名答、その毒は其処に存在するものは実態があろうがなかろうがこの毒に侵される。例外はないわ。一応解毒薬も持ってきてはいるけど・・・このままじゃ、あと2時間てとこかしらね、面白そうだから貴女の近くに置いておくわ。頑張って取ってみてね」
その時、白羽の耳に付いたインカムに連絡が入る。
「ええ、私よ」 「えっ、今いいとこなのに?」 「分かった、帰るわ」
白羽は誰かと話し、帰るように言われたらしい。帰還珠を取り出し、かみ砕く。
幽々子は白羽が消え、少々驚いたがすぐに解毒薬のもとへと向かう。だが身体が思ったように動かないため、匍匐前進のような態勢になってしまう。
「あと・・・すこ・・・・し・・」
幽々子の意識はそこで途切れ、倒れてしまった。
「・・・さま」
「ゆゆこさま」
「幽々子様!」
(・・・誰だろう?今気持ちよく眠ってたのに)
「起きて下さい、幽々子様!」
(この声は妖夢かしら?)
幽々子は重い身体を起こし、状況を確認する。すると其処には、右肩をダランとさせて苦痛に顔を歪めた妖夢の姿があった。
「妖夢?」
「良かった、意識はあるみたいですね。幽々子様が倒れている所を発見した時はどうしようかと思いましたよ。でも無事で良かったです」
「妖夢、貴女その右肩はどうしたの?見たところ骨折しているみたいだけど」
妖夢は、白羽に負けた後少し気絶しており、起きて幽々子の身に危険を感じて自分の左肩を無理やり元の位置に戻したと言う。相当な痛みだったと妖夢は笑った。
此処に来た時、幽々子が倒れているのを発見し、急いで駆け付けた。その時傍に落ちていた小瓶を見つけて幽々子に飲ませたという事だった。
「あ、小瓶の傍に1枚の紙があったんですよ。{この薬は貴女の主人を助ける薬よ、飲ませるかどうかは貴女次第。}って。だから一か八かで飲ませてみたんです」
幽々子は妖夢の咄嗟の機転に感謝し、頭を撫で回した。
「ちょ、幽々子様、何なんですか?」
「いーのいーの、今日は。ありがとね、妖夢」
妖夢は幽々子の行動に疑問を感じながらも、されるがままにしていた。
白玉楼 魂魄妖夢が左肩骨折及び右肩脱臼により戦闘不能
感想に書かれた通り、作者は原作をやった事がありません。
ですので、東方キャラの弾幕の描写が曖昧な所が多々あります。
ご了承下さい。