六花で吠える太陽の牙狼   作:graphite

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歌姫と牙狼の出会い

 

 

「シルヴィアちゃんよろしくお願いします!」

 

「わかりました。今日もよろしくお願いします」

 

シルヴィアはライブ直前に時間ができるとこれまでも何度か陽翔と連絡を取り合っている。特別な意味はきっと今はない............でも彼の言葉には何故か私を落ち着かせたり心強くしてくれたりしてくれる不思議な力みたいなのがあるからこうして連絡を取っているのかもしれない。それはきっと彼と初めて会った時に言われたことが関係あるのかもしれない

 

 

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「うぅ~上手くいかないなぁ............」

 

今から一年前だっただろうか。《王竜星武祭(リンドブルス)》が近くなったころ歌手としても一人の戦士としても行き詰っていたころでマネージャー兼学園理事長でもあるペトラによって少し息抜きでもして来いといわれ街に変装してお忍びで遊びに来ていたのだ

 

(どうしたんだろ私.............はぁ~)

 

気分が落ちこむのを隠せないままシルヴィアは特に目的もなく街中を歩く。息抜きに何をしようかと考え歩いていると.............

 

「おいおい姉ちゃん偉いべっぴんだなぁ~?」ニタニタ

「俺達と一緒に遊ばね?絶対楽しいぜぇ」ニタニタ

「ククッ........気持ちよくしてやるよ」ニタニタ

 

厭らしく下卑た笑みを浮かべ変装したシルヴィアにそう話しかける三人組。不機嫌気味な彼女はその三人が煩わしくて仕方がない。だが下手に手を出せば自分の正体がばれるかもしれないし、他人に迷惑がかかりかねない。だからまずは言葉で対応する

 

「私.......今機嫌悪いから消えてくれないかな?」

 

「怒ってるのか?可愛い顔が台無しだなぁ~オイ」

「だから俺達が気持ちよくしてやるって言ってるだろ?」

「そうそう楽しもうぜ?」

 

そう三人は全くひるまずに遂にシルヴィアの腕をつかむ

 

「ッ!触らないで!いい加減どっか行ってよ!」

 

すぐに不快感から掴まれた手を振り払う。だがそうすれば当然相手の男たちもヒートアップする

 

「テメッ....!優しくしてれば調子乗りやがって!」

 

「良いからついてこいこのアマが!」

 

今度は男が二人係でシルヴィアの両腕を掴む。シルヴィアもこうなっては実力行使するしかないと考えていると.............

 

「うるさいぞ下衆野郎ども」

 

そこに現れたのはシルヴィアと同じくらいの少年...........そう、牙山陽翔だ

 

陽翔は不機嫌そうな顔でそう男どもに言い放つと男たちはその陽翔の態度が気に入らないのかシルヴィアから意識を外して陽翔を囲み睨みつける

 

「オイオイ.....ヒーロー気取ってんじゃねぇぞ!引っ込んでろカスが!!」

「ボコってやろうか........アン?」

 

レヴォルフの校章をつけていることからしてこういった暴力や恫喝に慣れているのだろう。だから三人で凄めばどうにかなるとでも思ってるのだろうが.............

 

「だからうるさいんだよ.............こっちは休日に腹黒に買い出し押し付けられて腹が立ってるんだ。今俺を怒らせると痛い目見るぞ?」

 

陽翔はただいま休日に買い出しを押し付けられて少し機嫌が悪いのだ。確かに街に行く予定ではあった..........だが、買い出しの内容が陽翔の当初の目的地と真逆であったため面倒なことを任されたとイライラしていたのだ

 

「はぁ?意味わからないこと言ってんじゃねぇッ!!」

 

男の一人が何のためらいもなく陽翔に殴りかかるが............

 

パチンッ!

 

陽翔が指を鳴らすと突如男が消えた

 

「な、なにしやがったテメェ!!」

 

「うるさいな.........上見てみろよ」

 

「上だぁ?........ってあれは!?」

 

シルヴィアも上を見るとそこには先の消えた男がこちらに向かって落下していたのだ。

 

「上空100メートル位に転移させた..........まぁ、星脈世代なら死にはしないだろう」

 

相手の男の存在する空間座標を入れ替え上空に飛ばしたのだ。殴って黙らせてもよかったが労力がもったいない。地面に適当な高さから打ち付けるほうが楽だ

 

「テメッ!.....「何だお前も紐なしバンジーしたいか?」......そ、それは..........」

 

とはいえ流石に大怪我させるのは面倒だ。もう一度能力で足元に能力で転移させた男を戻す

 

「はっ!.........俺生きてるのか?」

 

男は自分の体を確認しているところで............

 

「さて...........それでもう一度聞くけどお前らも紐なしバンジ―するか?もしくは全身バラバラにされるか..............どうする?」

 

全身から星辰力(プラーナ)を放ち脅しかける。自慢じゃないが俺の星辰力(プラーナ)はかなり多くそれこそ《孤毒の魔女(エレンシュキーガル)》には及ばないがそれでも六花内でもかなり多いほうである。その重くのしかかるような星辰力(プラーナ)を放たれたチンピラ共は........

 

「な、何だよコレ.........まるで.........」

「ひ、ヒィッ!!い、いくぞお前ら!」

「り、リーダー!!」

 

怯えたチンピラ共は走り去っていってしまった。まったく...........これだからレヴォルフは煩わしい。昔から奴らは本当に面倒だ。

 

(これでいいだろう..........さて、シルヴィアの今日発売のCDでも買いに行きますかね)

 

陽翔の目的は今日発売のシルヴィアのCDを買うためである。楽しみにしていた分仕事をいれられイライラしてたが少しストレス発散出来てある意味良かったのかもしれない。

 

陽翔がそのまま立ち去ろうとしていると.............

 

「ま、待って!」

 

「ん.........えっと怪我でもしてたか?なら治療院まで付き添うけど?」

 

陽翔は怪我も無さそうだったしナンパされた後に男に話しかけられるのは嫌かと思い何も言わず立ち去ろうとしていたが腕を掴まれ止まる

 

「君のおかげで怪我はしてないよ?助けてくれてありがとう!それで私何かお礼したいんだけど..........」

 

「感謝は受け取ったしそれで十分だぞ?それに俺もストレス発散になったし」

 

「うんうん、それじゃ私の気が済まないよ。せめて何か驕らさせてくれないかな?」

 

「う~ん............ホント気にしなくていいんだぞ?」

 

「ダメ!お礼はちゃんとさせて、ね?」

 

「..........わかった。取り合えず俺音楽ショップ行きたいからその後でもいいか?」

 

「うん!」

 

(ナンパされるだけあって美人だからなぁ..........上目遣いで聞かれたら頷くしかないからホント卑怯だよな美人って)

 

因みに頼まれていた買い物は済ませて全部生徒会室に飛ばしておいた。腹いせにクローディアの頭上に座標指定してだが...........

 

そのためあとは自分の買い物だけだなため名も知らない彼女を引き連れて音楽ショップへ向かった

 

***************

 

 

「それで君は何を買いに来たの?」

 

「それは.........これだ」

 

「これって..........(私のCD..........彼、私のファンなんだ )」

 

音楽ショップにつくと早速今日発売なだけあって大々的に売り出されていた。流石は世界の歌姫と言うべきだろう。

 

「そっ.......シルヴィア・リューネハイムの新曲CD。これが楽しみだった分仕事押し付けられてイライラしてたんだよなぁ~」

 

「そ、そうなんだ~やっぱり生徒会の仕事って大変なの?(面と向かって楽しみにしてたなんて言われると照れるけどやっぱり嬉しいなぁ~)」

 

「まぁな。何せ生徒会は俺含め会長と二人だけ........ってあれ?何で俺が生徒会って知ってるんだ?」

 

「え?だって君星導館学園序列二位《太陽の牙狼(ソレイユ・ルー)》だよね?彼って生徒会所属だって聞いたことあったけど..........」

 

冒頭の十二人(ページワン)でもあればそれなりに六花内でも名は知られる。その上陽翔は中等部に3年になって編入した経歴を持ちそこから数か月でいきなり序列二位になったこともありちょっと話題にもなっている

 

「あぁ........そういうことね。なんて言うか俺が言うのもアレだけどプライベートないないな」

 

陽翔はシルヴィアの新曲CDを見ながら苦笑を漏らす。彼女に比べればおこがましいがそれでもやはり個人情報が出回ってしまうとなればそう思ってしまうのは仕方ないだろう

 

「あははは........確かにそうだね(現に私変装してるし........)」

 

そんな二人はそれぞれのプライベートに関しての感想を零すとシルヴィアは思いついたように陽翔に問いかける

 

「(そうだ!)ねぇねぇ、君ってシルヴィアのファンなんだよね?」

 

「まぁ、そうだな。それがどうかしたのか?」

 

「彼女のどこが好きなのかなぁ~って思ってね。聞いてもいいかな?」

 

ちょっとした悪戯心からの問いだった。元々助けてくれた彼には正体を教えるのもありかと思っていたのもありその反応次第で揶揄ってみようかなと考えたからだった

 

「............俺にとっての救い、だからかな?」

 

「え?」

 

懐かしむように、それでいて哀しそうでもあるようなそんな色々な感情を織り交ぜたよう表情だった。少なくともいい感情ではなさそうだった

 

「悪い........俺これ買ってくるわ」

 

(何かあったの.........かな?)

 

シルヴィアは気になるもの聞く前に陽翔は足早にレジに向かっていった。

 

 

***************

 

 

陽翔がCDを買い終えるとシルヴィアは自身のおすすめのカフェに来ていた

 

「ここのチーズケーキ美味しいんだよ!」

 

と言う彼女のおすすめ通り、チーズケーキとオリジナルブレンドを頼んだ。彼女も同じものを頼み終えたところで気づいたのだがそう言えば彼女の名前聞いてないな........

 

「そう言えば名前聞いてないけど聞いてもいいか?」

 

「あ~...........」

 

「?まぁ、別に嫌ならいいけど」

 

「うんうん嫌じゃないよ?えっと言う前に一つだけ約束してほしいの」

 

「なんか仰々しいな.......まぁ、わかった。それでなんだ?」

 

「私の名前聞いても大きな声とか出さないでね?落ち着いて聞いて欲しいの」

 

「まぁ、わかった」

 

「それじゃ耳かして」

 

そう言われたので俺は席を立ち彼女の方へ耳を傾ける。すると彼女も立ち上がり顔を俺の耳に近づけ呟くようにその驚くべき名を口にする

 

「私の名前はシルヴィア・リューネハイムだよ」

 

「..............へ?」

 

俺は間抜けな声を出して硬直する。

 

(今彼女はなんと?あの世界の歌姫.......シルヴィア・リューネハイムと言ったのか?)

 

そんな呆然とする俺の方を彼女は悪戯が成功したような子供のように笑みを浮かべて俺の次の言葉を待っているようだった

 

「OK............冷静になれ俺........その、一応もう一度聞くけどマジ?」

 

「ふふふ、マジだよ?さっき買ったCD特別にサイン書いてあげよっか?」

 

「お、お願いします.........え?今俺あのシルヴィア・リューネハイムとお茶してるの?明日雪降るのか?」ボソボソ

 

陽翔は彼女のファンであるため当然そんなある種のあこがれを抱いた相手がいるとなれば困惑するのも当然だ。そんな様子を見てシルヴィアは先の男たちに絡まれた兼もあり思ったよりかわいいところがあるんだなぁと陽翔の困惑した様子を見ていた

 

「さてと.......確か君は牙山陽翔君だったね............それじゃあハル君って呼ぶね?」

 

「あ、あぁ。構わないけど.......まさかあの歌姫に愛称で呼ばれる日が来るとは思いもしなかったぞ」

 

「もしかして嬉しいの?ハ~ル~君!」

 

「そりゃな///////.........えっと、俺はどう呼べばいい?下手に呼ぶのは拙いだろ?」

 

「そうだね~......シルヴィでいいよ。親しい人はみんなそう呼んでるから」

 

「わかったシルヴィ.......てか、聞いといて何だがいいのか?俺に名前教えちゃっても?」

 

「ハル君なら問題ないって思ったの。これでも私見る目はあるんだよ?」

 

「そうか.......まぁ、勿論このことは他言無用しない。俺はシルヴィのファンだし悲しませることも君のその目を裏切ることはしたくない。それに何より俺は君に感謝しているからね」

 

「そっか。ありがとうハル君」

 

そんな話をしていると丁度注文していたものが届き二人はそれぞれケーキを食べ始める。そこでシルヴィアは気になっていたことを聞いてみることにした

 

「ねぇ、CD買った時にハル君私が救いだって言ったけどどう言う事かな?私達って初対面だよね?」

 

「初対面だぞ..........まぁ、その件に関してはあれだ......聞かないほうがいいぞ?あんまり気分のいい話じゃないし何よりシルヴィの耳を穢す様な話だしな」

 

「ハル君がどうしてもっていうならいいけど私が救いだなんて言われたら気になっちゃうんだけど?」

 

「......俺は別にいいけどホント聞かないほうがいいぞ?」

 

「聞かせてよ。さっき私を助けてくれたお礼に私にできることなら協力するからさ」

 

優しい笑みを向けられてどうしたものかとあれやこれやと考えるが結局その笑顔にほだされ陽翔は言う事にする

 

「...........分かった。でも言っとくけどホント気分のいい話じゃないからな?」

 

「大丈夫!だから聞かせて?」

 

「........わかった。そうだな.......俺が初めてシルヴィの歌を聞いたのは俺が六花に始めて来た日だった」

 

その切り出しから始まった陽翔の過去についての話...........

 

「そして俺がここに来た当初の理由は..........〝死ぬ〟ためだった」

 

ありがちな一人の哀れな子供の話だった

 

「ッ!?」

 

シルヴィアが息をのむのを感じながら陽翔は話をつづけた

 

「細かいところは省くが俺は星脈時代の中でも結構星辰力(プラーナ)が多いほうだった。だからか俺は暴走した際に危険だという理由からかまだろくに親の顔も覚えてないときに親に捨てられた」

 

そう、ありがちなことであった。人は異端なものに対し恐怖するため至極当然の行いだった

 

「それから孤児院や施設を転々とするが今度は俺の魔術師(ダンテ)としての能力を恐れられ虐められたし、ロクに食事すらもらえなかった。下手に暴走させたり制御できなかったら他の奴らに比べて危険だからってな」

 

空間系の能力は得てして扱いが難しいうえ、暴走した際にその危険性は他の能力者たち以上に危険度が高い。そのため陽翔は星辰力(プラーナ)の件も含め二重の意味でおそれられた

 

「虐められて、ロクに食事も食べられなくて絶望してた。でも、いつか見返してやると小学校の時は勉強に打ち込んで中学・高校までの知識は詰め込んだ..........けど結局耐えられなかった。辛くて、悲しくて、痛くて、寂しくて耐えられなかった。だから最後に六花だけでも見てそれから死のうと考えた」

 

時代の最先端である六花のその情景だけ胸に焼き付け人知れず何も残さずに消えようとそう決め陽翔は年齢を偽装しお金を稼いで六花に行く分だけためてすぐに当時入っていた施設を出た

 

そうしてきた六花は陽翔の目には煌びやかに輝く街並みが美しく映ったが同時に憎くもあった。自分がこんなにも絶望しているのになぜそこにいる人たちはこんなにも満たされているのかと............

 

「死に場所を探しながら彷徨っていたら偶々大型空間ディスプレイであるライブ映像が流れていたんだ」

 

そう、その映像に出ていた者こそ——

 

「もしかして........私のなの?」

 

そう、シルヴィアだった。彼女の歌声に.........その歌声に込められた彼女の心に俺はあと一歩のところで救われたのだ

 

「あぁ。死ぬ前にこれも何かの偶然..........そう思って聞くことにしたんだ。でも、シルヴィの歌を聞いたら死ねなくなった。シルヴィの歌を聞いたら不思議とこれまで絶望しかなかった俺の中に光がさしたんだ」

 

あの日、大型の空間ディスプレイに映し出されるライブ映像を見て陽翔は涙した。自分が見切りをつけたこの世界にまだ光が........希望があると知ったからだ。そして自分がしようとしていたことがどれ程愚かだったのかと言うことも同時に気づかされた

 

「死のうとしてた自分が途端に愚かしくなった。だからもう少し頑張ってみようと思ったんだ。それから俺は行く当ても金もないから星猟警備隊に行って雇ってくれと頼み込んで中等部三年になるまで事務作業と再開発エリアでのチンピラたちの取り締まりや剣の修行に明け暮れて今の俺に至るわけだ」

 

事務作業はまだしも修行の方は本当にキツかった。ヘルガさんには主に能力の制御と基礎を教えてもらっていた。あのヘルガさんの扱きは本当にキツかった。だが俺に剣を教えてくれた鬼師匠の方と言えばもう.........今でも震えてしまいそうなくらい........いや、〝アイツ〟に比べればどっちも可愛いものかもしれない。何せ〝アイツ〟は存在からして別格だしな

 

「そう......だったんだ」

 

「だからシルヴィには感謝してもしきれないくらい感謝している。本当に.......本当にありがとう。今俺がこうして生きているのはシルヴィのおかげだ。ホントは《王竜星武祭(リンドブルス)》に出て直接対峙した時にお礼を言うつもりだったんだけどな」

 

今シーズンのに出ればよかったのではと思うだろうが今年いきなり出ても彼女の前に立つにはまだ実力不足と判断したからだ。次シーズンまでにもっと鍛えないといけないと考えているからだ

 

最も陽翔を鍛えたといえる三人の師たちは十二分に優勝とまではいかずともベスト4以上には十分食い込むだけの実力はあると評価していたりするのだが自己評価が低い陽翔である。

 

「さて気分の悪い話聞かせて悪かったな?まるで自分が一番不幸ですよなんて感じで気持ち悪かったよな..........俺なんかきっとこうしてられるだけましなのに。ホント薄汚い人間だよな俺」

 

自虐的な笑みを浮かべて謝罪を加える

 

きっともっと辛い思いをした人がいる。それこそ死んでいった人たちだっているはずだ..........だから俺は俺の事をまだ認められないし認めてはいけないと思う。どうすれば贖いができるのかわからない。だがいつか必ず贖わなければいけないのだ

 

そんなんことを考えていると................

 

「違う............ハル君は薄汚くなんかない!ハル君が今幸せならその幸せを大切にしないとそんなの嘘だよ!だからハル君が自分を悪く言うのはやめて。ハル君は頑張った........ハル君は十分頑張ったよ」

 

シルヴィは真剣な表情でそう陽翔に向き合い言葉を投げかける。その言葉を受けるに自分が値するのかわからない。

 

でも、自分を救った彼女がそう言うのなら信じられる

 

「...............わかった。ごめんシルヴィ。そしてありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ」

 

 

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これがシルヴィアと陽翔が始めたあった日の思い出。悲壮な過去を抱えた自分が救った少年との出会いだった。

 

だが、シルヴィアにとっても陽翔の言葉は救いだった。当初行き詰っていた自分が救った存在に会えたこと。そして彼の感謝がシルヴィアの心にあったわだかまりを消してくれた。

 

ライブは成功し、《王竜星武祭(リンドブルス)》も優勝こそできなかったがその時の自身のベストはつくせた。だから悔しい思いはあっても後悔だけはなかった

 

それから彼とは連絡先を交換して連絡を取り合うようになり休みが合えば変装してだが一緒に街で遊ぶ機会も多くあった。彼といるととても楽しくいつもふわふわした幸福感を覚えるようになった。

 

(私は彼と話したり遊んだりする彼との時間が好きだ。私も彼が同じ思いだったらいいなぁ)

 

奇しくもシルヴィアも陽翔と同じことを考えていた

 

そんな思いを胸に彼女は世界の歌姫として彼を救った日と同じようにステージへと上がるのであった

 

 

 

 






今回はここまでです。陽翔の過去についての設定含めシルヴィアとの始めたあった回想回でした。原作の設定とずれていることなどあるかもしれないとは思いますがご都合主義と言うことでどうかご容赦ください。今はまだお互い親友で過ごす時間が好きだという感じですがいづれ恋へと発展させていくつもりですので楽しみにしていただければ幸いです

さて、今回もここまで読んでくださりありがとうございます!またコメントやお気に入り登録、評価をしてくださりありがとうございます!
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