「これまでアリスは軽く三桁に及ぶ様々なマシンをアーキテクトしてきました。だから特長が無いのが特徴のラファールや打鉄の中量二脚でもアリスの手にかかればたとえ生物兵器や管理者用アーマード・コア、ネクスト、アームズ・フォートが相手だって倒せます!」
自室で自信満々に語るイレギュラーこと天童アリスだったが
「アリリン、学校のISは訓練機だから自分では好き勝手に弄れないよー?」
「そんな!? デフォルト機体で高難易度ミッションに挑むのは変態の称号だと聞きます! アリスは変態ではありません!」
一部のベテラン傭兵を変態扱いしてはいけない。
「んー……搭載武装くらいなら変更できるけどー」
「神バズや1000マシ、もしくはKARASAWAはありますよね! 火炎放射器でオバヒ狙いは!?」
いい加減ACから離れよう。
「特殊な奴は無いねー」
「世界は闇に覆われてしまった……」
項垂れたアリスだったがその脳内に突如中学時代の先輩方からの
「逆に考えるんだ、無いなら自作すればいいのさ。
ほら、このサブマシンガンを見てごらん。弾丸の代わりにタバスコを発射できるんだよ。これでいつでもピザにタバスコかけ放題さ」
「こっちはBluetooth搭載型のハンドガンだよ。便利でしょ」
「それは宇宙戦艦用レールガン! 本体の宇宙戦艦は予算が足りなくてお蔵入りしました!」
……ロクなのがいないけど大丈夫ですか?
一週間後、セシリア・オルコットは専用機ブルー・ティアーズを展開し、アリーナにて天童アリスが出てくるのを待っていた。織斑一夏は専用機がようやく届き、いまだ一次移行が終わっていない為、アリスとセシリアが先に試合を行う予定だ。
セシリアが耳にした噂ではこの一週間、アリスは授業後から寮の門限まで整備室に入り浸っていたとのことだが、何をしているのかまでは把握していなかった。
ただ、今日の試合の為に訓練機のラファール・リヴァイヴを予約したり、副担任の山田真耶に相談していたとだけは聞いている。
目を閉じて精神集中をしているとアリーナの反対側のピットからアリスが出てきたようだ。
「お待たせしました!」
「やれやれ遅かったですわね。IS学園最初の試合を黒星で塗り潰す覚悟はできて……」
セシリアは目を見張った。そこにあったのは想定していた訓練機のラファールではなかった。
白と青をメインカラーとした全身装甲。ラファールの腕が2本、打鉄の腕が背面に2本、脚部もラファールと打鉄の脚が利用され計6脚もついている。
後は普段アリスが持ち歩いている
「な、なんですかそのISは!?」
「一週間でジャンクからアーキテクトしたIS。愛称は『ウォル』です!」
ウォルは破損で廃棄が決定していたISパーツをニコイチどころかサンコイチ、ヨンコイチを基本として無理矢理形にしていったジャンクISである。
最初はアリスと本音の二人体制で作業していたが、面白がった整備科の上級生や自分のIS作りの参考にと4組の更識簪が手を貸し、パーツ改良やら多脚多腕用OSやら投入された結果、このキメラのような異形のISは誕生した。余談であるが名前は光の戦士ことウォーリアオブライトの略称を元に付けられている。
「ISコアはどうしたのです!?」
「今日貸し出し予定のラファールをバラして引っこ抜きました!」
犠牲になったラファールのISコアは泣いていい。ついでにアリスはこの試合後、担任からの拳骨制裁が決定した。
「ま、まぁ構いません。驚きはしましたが所詮はジャンク品、ブルー・ティアーズの敵ではありませんわ!」
「光よ! 我に加護を!」
結局アリスは敗北した。
そもシミュレーターは何度か走らせたが実戦起動はこの時が初めてだったのだ。織斑一夏のIS『白式』も初の起動ではあったが、学生主体で僅か一週間で作り上げたジャンクISとISの生みの親である天災・篠ノ之束が織斑一夏の為にそれなりの時間をかけて調整した白式では月とスッポン……否、月とミカヅキモレベルの違いがある。
更に言えばこのウォル、空を飛べない。ISなのに飛ぶことを想定していない。多脚は地上戦特化仕様というAC3設定に拘った為か飛行能力は低空ホバリング程度に留め、地対空戦闘に割り切って武装も選択されている。
それでも健闘はできた。
アリス持参品の
後にアリスは敗因をこう語る。
「火力不足です。やはりワンチャン狙いの
違う、そうじゃない。
その後、ブレオンの一夏には分厚い弾幕で勝利したが、白式が発した『零落白夜』を見てアリスは一夏を自分と同じ勇者の称号を持つ者と認定。セシリアと共にクラス代表を彼に譲ることになった。なお、ウォルはそのまま学生達による技術試験機として正式にIS学園で運用が決まった。本当に犠牲となってしまったラファールは泣いていい。
戦闘シーン書けない病です。