IS短編集   作:魔法科学は浪漫極振り

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おひさ。シリアスばっかり書いていると頭空にして書きたくなるよね。


IS×ブルーアーカイブぷらす!③

 生徒会長拉致事件の後。我らが担任様から絞りに絞られたアリスはMPをごっそりと奪われながれも無事生還。花月荘の渡り廊下を進んだところで、庭先を見つめる一夏とセシリアを発見した。

 

 

「勇者一夏と銃士セシリア。二人はそこで何をしているのですか?」

 

「ん、ああ、千冬姉の説教は終わったか? あれだよ、あれ」

 

 

 一夏の指先には『引っ張ってください』という貼り紙と地面からウサ耳が生えていた。それを見たアリスは察した。

 

 

「花月荘の採集ポイントですか!」

 

 

 それは違うよ。

 

 

「それで、その不審物はどうしますの?」

 

「こういう事をする人には当てがあって、これを抜いたらある程度の面倒事が予測できるんだ。でもそれ以上に無視した場合の反動が怖い」

 

「具体的にはどうなるんですの?」

 

「……拗ねるんじゃないか?」

 

 

 相手を知らないセシリアには意味不明だろうが、推定仕掛け人の天災科学者は機嫌を損ねると面倒だ。癇癪の被害が世界規模になってもおかしくはない。本命の箒はアリスが到着する前に逃げ出したが、ここで一夏まで逃げてしまうのは、とてもまずい気がする。

 

 

「……よし、抜くか」

 

 

 諦めの境地に達した一夏がウサ耳に手をかけ勢い良く引っ張る。が、簡単に抜けた為、勢い余って背中から倒れる。ウサ耳の先には何も無く、何事も起こらない。困惑している一夏とセシリアを傍目にアリスは内蔵センサーで空から降下してくる物体を察知していた。……それは人参型の一人用ポッドであった。

 

 

「これは……!」

 

 

 それが一夏の数センチ先の地面に落着すると即座に演算結果を叩き出したアリスは、閃いた。

 

 

「ここは幾度となく惑星インパクトを救い、目押しと連打力を鍛えたアリスに任せてください!」

 

 

 君はゴ〇モンインパクトではないし、落ちてくるのも衛星爆弾ではないのだが。

 

 

「いきます!」

 

 

 まだ落下物に気付いていない二人をよそにアリスは予測落下地点である一夏の目の前に仁王立ち、空を見上げて手を掲げる。

 

 

「対象を直接視認、落下速度、計測、キャッチにかかる各部への負担を計算中!」

 

 

『ファッ!?』

 

 

 アリスの飛び込みに最も慌てたのは人参型ポッドに搭乗する篠ノ之束であった。アリスに何かあればキヴォトスから監視中のハレに怒られるどころではない。急いでPICの機能を最大稼働させて衝撃を軽減させるが、少しばかり遅かった。落下速度は減速したものの、完全停止前にアリスの手の届く範囲にまで落ちてしまった。

 

 

「キャッチ成功! 続けて出力最大フルパワー!」

 

 

 想定より軽い衝撃でキャッチに成功したアリスは人参型ポッドの先端を掴んだままその場で足を軸にしてグルグルと回転を始める。見た目は完全にゲッ〇ー3の大雪山おろしである。

 

 

『ちょ、ま、ア、アーちゃん! スト、ストップ! スタァァァップッ!』

 

 

 ポッドの外部スピーカーからガンゴンという硬い何かがぶつかり合う音と悲鳴が聞こえてくるが、残念な事にゴエ〇ンインパクト気分に浸っているアリスは落下物を宇宙まで送り返す演算に全リソースを費やしていた為、まったく聞いていなかったのである。……そして、時は満ちた。

 

 

「光よ! エナジーオーバーロード……リリィィィィス!」

 

『ア――――――ッ!?』

 

 

 PICで重力軽減効果が作用していた人参型ポッドはアリスの手を離れて勢い良く空へと送り返される。金属製の人参は重力の楔から解放された状態で、そのまま空の彼方へと飛んでいき、やがては星となった。

 

 

「目標反応消失。……ミッション、クリア。次のステージに移動しましょう!」

 

 

 センサーから対象の反応が消えた事で二度目の落下は無いと判断したアリスは満足げに頷くと、再度海へと繰り出す事にしたようだ。とてとてと旅館の廊下を歩いていくアリスを見送った一夏とセシリアはもう一度空に視線を戻す。

 

 

「あ、あの、一夏さん、どうしましょうか……」

 

「セシリア、俺達は何も見なかった。そういう事にしよう」

 

「あっ、はいですわ」

 

 

 一年一組において、スルースキルは嗜みである。

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