A:インスピレーションを受けた。場面もちょうど良かったし、書かなければならないと思った。
こ、こんにちは。ミレニアム製爆弾60号と申します。名前の通り、ミレニアムサイエンススクール産です。
え、えっと、これでも一応ナパーム弾です! ぜ、全長23cm、体重44㎏、それから……ね、年齢は秘密です……っ!
キヴォトスの海水浴場『無為ヶ浜』にある花火職人の売店でチンピラに購入された私は花火代わりに空へと舞い上がり、一瞬の輝きの世界を思い出として彩るという役目を与えられ、その生涯を終えたのです。
あの海辺で兵器として扱われずに過ごす日々は一抹の寂しさこそありましたが、流れゆく白い雲と潮の満ち引きが奏でる波音、水平線の彼方へと沈んでいく黄昏の夕日を眺める経験は戦場では感じられない、実に代えがたい時間でもありました。
その為、散る間際は自身の本懐を遂げる満足感と同時に少々の名残惜しさもあったのです。
そんな私を神様が哀れんでくださったのでしょうか。
気が付くと私はインフィニット・ストラトスなるパワードスーツ用の後付武装として、前回と同規格で生まれ変わっていました!
しかも一年生の実地訓練に使用する為に海へと搬送されるとか。なんという幸運。あの青い輝き、潮の香りを再び感じる事ができるなんて……!
……そう思っていたのですが。
どうやら何事か事件が発生し、海辺での実地訓練は一時中止となってしまったそうです。
事件そのものは無事に解決したみたいなのですが、訓練課程は中断、明日の朝には全員、IS学園へ帰還するとか。
……ああ、私はコンテナの奥底に仕舞われたまま海を再び見る事もなく、暗いIS用弾薬庫の中で肥やしとなってしまうのでしょうか。
嘆いていた私の
「発見しました!」
とても髪の長い小柄なお嬢さんが私を一人で軽々と持ち上げて海辺へと運んでいきます。おお、暗くてもよく分かります。
ここは海! 潮の香りと波音を
「おーい!おーい!」
「え……えぇ!?ア、アリスさん!?」
「今度は何をする気なんだお前ッ!?」
お嬢さんのお友達のようです。彼女に気付いたのは金髪縦ロールのお嬢様と銀髪眼帯の少女。他にも何人か同年代の子供達が集まっています。
どうやら海辺で一人の少年を女の子達が追いかけ回していたと見えます。夏の海ではよくある光景ですね。
みんな追いかけっこを止めてお嬢さんに注目しています。
「海では花火イベントを達成して思い出を作る事がセオリーだとモモイが言っていました。なのでおっきい花火を持ってきました!」
ふむ、おっきい花火。この流れはとても覚えがあります。
「いきます!」
「「「「「「待て待て待てぇぇぇぇ!?」」」」」」
ウキウキしながら私に点火するお嬢さんは皆さんの慌てふためく様子に気付いていない模様。これはいけない。
少年、少女達よ。刮目してください!
『ミレニアム製爆弾60号』改め『ミレニアム製花火60号』。笑顔と思い出を届ける為、再び空へと一花咲かせにまいります!
ミレニアム製爆弾60号――ッ!