IS短編集   作:魔法科学は浪漫極振り

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ここからフレイの一人称視点で進めます。それと短編と銘打ってるけど、この作品はキャノンボール・ファスト辺りまでの中規模シナリオを検討しています。


IS×ガンダムSEED②

 ──この子を殺すわ! 

 

 ──パパの艦を撃ったら、この子を殺すって、あいつらに言って!! 

 

 ──そう言ってぇぇぇっ!!! 

 

 ──いやあぁぁぁぁぁぁ!! 

 

 

 

 

 

 

「……はぁー」

 

 夢見が悪くて目が覚めてしまった。時々夢で見る()()()出来事。特に()()()()()が死ぬ瞬間の夢なんて思い出したくない記憶トップ3に入る。そしていつも疑問に思うのだ。なぜ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。無論、これは私の容姿も含まれる。

 

 ここはコズミック・イラじゃない。人は宇宙を生活の場とせず、ナチュラルとコーディネーターで戦争なんてしていない。前世の記憶を思い出した私は困惑したし、パパにさり気なく聞いてもコズミック・イラのことを何一つ覚えてはいないようだ。他にも何人か、前世で見知った人達がいたが、いずれも記憶を引き継いだりはしていなかった。なぜ私だけが覚えているのか。

 

 

 ……もしかして今見ているのは死ぬ間際に私が作り出した夢なのではないか。そう何度も思ったけれど、この十五年、夢が途切れることは無かった。実はコズミック・イラの方が壮大な夢落ちだった可能性も……いや、やめよう。この件は考えるだけ無駄だと私は既に学習したのだ。

 

 

 ベッド傍の目覚まし時計を確認するが、起床予定時間より一時間は早い。だけど、この時間から二度寝をして起きれる自信が無い。仕方がないので身支度を整えることにした。それにテニス部に入れば朝練でこれぐらいには起きる必要が出てくるだろうから、その予行練習と割り切ろう。

 

 

「セシリアおはよー。ちょっと早いけど先に出るわ」

 

「ふぁ……おはようござぃます……」

 

 

 シャワーを浴び、身嗜みも整えた私は起床したばかりで顔に貼った保湿パックすら外していないセシリアに声をかけてから朝食に向かうことにする。勿論、トリィは既に定位置の肩の上だ。

 

 

 

 

 

 もしかしたら一番かも。そう思って開いたばかりの食堂を訪れたが既にポツポツと何人かの生徒が朝食を摂っていて、朝練前のエネルギー補給をしている先輩方かなと様子を伺うと、意外にも内二人はクラスメイトだった。

 

 織斑一夏と篠ノ之箒、二人は同じ席で食事をしているようだ。せっかくなので相席させてもらおう。

 

 

「織斑君、篠ノ之さん。おはよう。相席しても大丈夫?」

 

 

 揃って日本食を食べている二人の前に野菜中心のサンドイッチを持って声をかけてみた。流石に本人達に許可なく座ったりはしない。

 

 

「あ、ああ、大丈夫だよ。えーっと……たしか、鳥の人」

 

 

 鳥の人。まさか織斑君にそういう覚え方をされているとは思っていなかった。だいたいトリィが悪い。嗾けたのは私だけど。

 

 

「おい一夏。……アルスターだったな。私はできれば名前の方で呼んでくれ」

 

「私もフレイで良いわ。よろしく箒」

 

 

 篠ノ之さん、ではなく箒は憶えていてくれたようで良かった。許可もとれたので二人の反対側の席を利用する。

 

 

「ごめん、アルスターさん。まだクラス全員の名前を憶えてなくて」

 

「大丈夫よ。私だってあなたが珍しい人だから覚えていただけだもの。それとフレイで良いわ」

 

「フレイね。よし、覚えた、俺も一夏でいいよ。千冬姉……織斑先生と同じ名字は分かりにくいだろ」

 

「じゃあ一夏で呼ぶわ。……それより二人とも朝は早いのね。ちなみに私はたまたま早起きしただけよ」

 

「遅い時間だとまた人が集まって大変そうだからな。今日は早めに動くことにしたんだ」

 

 

 それはそうか。この学園、男っ気無いものね。恋に恋する年頃の女子ばかり。仕方ない。顔も良いし、あの大人気な織斑先生の弟でもある。男への免疫が無い女子達は今後大変だろう。その点、私は好みのタイプから離れている上に前世では男性経験もある。大丈夫。

 

「あー……気になったんだけど」

 

「何かしら?」

 

「その……ペットロボットって持ち歩いていいのか?」

 

 

 一夏は私の肩からテーブルの上に居場所を移したこの子が気になる様子。

 

 

「トリィのことね」

 

「そのまんまな名前だな」

 

 

 私も最初は思った。鳴き声までトリィだし。友達から作ってもらったとは聞いたけど、その由来までは『彼』に聞いたこと、無かったな。

 

 

「持ち歩きだけど大丈夫、ちゃんと許可は出ている……というかずっと何処にでも連れ歩かないといけないのよね」

 

「そうなのか?」

 

 

 そうなのだ。

 

 

「だってこの子、私のIS。つまり専用機の待機状態だもの」

 

 

 そういうと二人は驚いてトリィを見た。だいたいの人がその反応するわ。

 

 

「ISの待機状態って基本的にアクセサリーみたいな邪魔にならないものになるって聞いたんだが」

 

「そうだけど……私の『ストライクルージュ』はこうなっちゃったのよ。これも個性って奴なのかしら」

 

 

 でも彼のトリィそっくりなのは、私の記憶を反映したからだとは思う。どうしてこの姿をISが選んだかまでは分からない。

 

 

「ストライクルージュ?」

 

「私の専用機の名前。トリィっていうのはあのペットロボットの愛称よ」

 

 そう、()()()()()。彼が私達を助ける為に何度も乗ったモビルスーツ。夢で見たそれを思い出しながらデッサンしていたらパパがたいそう気に入って、付き合いのあるIS関連の企業『()()()()()・インダストリ』にデザインプランとして提案したらしい。そして最終選考を抜けた。私は頭を抱えることになった。

 

 しかもここで話が終わらない。その後、お休みの日の団欒でISに興味があるとパパに伝えたらIS適性検査を含めてあちらこちらへと連れ回され、最終的には財界のトップが集うパーティでアズラエル財閥のCEO『()()()()()()()()()』本人と顔を合わせていた。前世で彼の狂気を見てしまった私としては正直御免被りたかったが、パパの顔を潰す訳にもいかず、全力の作り笑顔で対応させてもらった。幸いにも彼も前世の記憶を持っていないようで一安心したのだが、彼は私の何を気に入ったのか、アズラエル・インダストリで開発中の第二世代ISストライクルージュの専属パイロットにならないかと持ち掛けてきた。どう考えてもIS素人の私を選ぶ理由は無い。とりあえず開発が完了するまでISについて学んだ上で返答させていただきます、とだけ答えてその日は逃げ帰ったのだ。そして現在ルージュは私の手元にある。つまりそういうことである。

 

 

「へぇ……。あ、じゃあISと直接意思疎通出来たりするのか?」

 

 

 そうそう、私も考えたわ。ISの中心部である『ISコア』にはコア人格なるものがあるそうだ。もしかしたらトリィ経由でISと話せるんじゃないかって思ったけど……

 

 

「それがさっぱりよ。ほら、日本の怪談に『こっくりさん』ってあるでしょ。ああいう感じで単語を繋いで会話ができないか試したけど、出来なかったわ」

 

 

 まだコア人格が形成されていないのか、それとも別の理由か。困っている訳じゃないからいいけど、ちょっぴり残念ではあった。




Q:なんでカガリのルージュ使ってんだてめぇふざけんな!
A:SEEDの初期プロットはルージュがフレイの機体だったんですー!
  あのカラーリングは元々フレイのイメージの名残なんですー!
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