IS短編集   作:魔法科学は浪漫極振り

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戦闘シーン?奴さん消えたよ。(原作から大きな変更点も無かったから)俺がカットした。


IS×ガンダムSEED④

「フレイさん、ありがとうございます」

 

「どうしたの急に」

 

 

 セシリアが就寝前にお礼を言ってきた。理由は察するが一応その意図は確認しておこう。予想と違ったら恥ずかしい。

 

 話によると彼女は一夏との試合に至るまでの話が広まって以降、周囲から距離を置かれていたそうなのだが、今日は珍しくクラスメイトから声をかけられたとか。その生徒曰く、

 

 

「ISという危険物を扱うことに無関心が過ぎる一夏を心配して発破をかけるべく、わざと煽った」

「一夏の専用機の搬入が遅れている為、試合の日程変更を打診した」

「イギリス本国から一夏との戦闘データを要求され、立場もあり断れなかった」

「知人経由で一夏が訓練機を使える機会を作った」

 

 

 その他いろいろ。虚実入り混じった話ではあったが概ねセシリアはあえて嫌われ役を演じているという流れであり、それが事実なのか確かめに来たそうだ。セシリアは訳が分からず黙秘を貫いたが、それがかえって信憑性を高める結果に繋がり、セシリアへの接触を控えていた生徒達から話しかけられることが増えたらしい。ちなみに噂の内容は多少の尾鰭は付いてるけどだいたい私がそれとなく流したものである。

 

 

「噂の出所がフレイさんだと既に分かっています。ただ私は噂のような出来た人間では……」

 

「ストーップ!」

 

 

 せっかく流行らせたセシリアポジティブキャンペーンを全否定して無かったことにされたら困るし、そもそも寝る前に友人の自虐なんて聞きたくない。夢見が悪くなる。

 

 

「間違えたならそこから変わればいいだけ。噓も貫き通せば真実よ」

 

「で、ですが……」

 

「困ったら手を貸すって言ったじゃない。それとも迷惑だった?」

 

「そんなことはありませんわ! 私、これほどの恩をどう返せばいいのか分からなくて……」

 

 

 私は困っている友達を助けただけ。そこまで深く考えることもないとは思うけど、この友人は一度言い出すと納得するまでが面倒なのでこちらから見返りを要求するとしよう。

 

 

「セシリア、アンタも部活はテニス部に入部するって言ってたわよね?」

 

「え……はい、そのつもりですが」

 

 

 突然部活の話を持ち出されたセシリアは意図が分からないようだが、私がアンタに求めるものはひとつよ。

 

 

「私とダブルスペア組みましょう。それでいいわ」

 

「そ、そんなことで?」

 

「イギリス代表候補に選抜される程の運動神経を持つエリート様と先約でダブルスを組めるのよ? 破格の条件じゃない?」

 

 

 そこそこ付き合いがあるので、セシリアは持ち上げて、持ち上げてとにかく持ち上げるのが有効だと知っている。

 

 

「し、仕方ありませんわね! そこまで言われては私としても無碍にはできませんわ!」

 

 

 ほらね。……このチョロさは将来が不安になる。

 

 

「じゃ、テニス部でも今後ともよろしくね」

 

「はい! オルコットの名に賭けて勝利をお約束いたしますわ!」

 

 

 だから言葉に重みを持たせ過ぎよ! 

 

 

 

 

 

 

 そして訪れた月曜日。つまりクラス代表決定戦当日。

 

 セシリアには一夏が受領したばかりの専用機が一次移行を終えていないことを事前に伝えたので一次移行完了まで彼の歩行や飛行の動作確認に付き添ってもらった。その後の試合も、事前に短時間でのワンサイドゲームにしないよう言って聞かせたので最初はレーザーライフル『スターライトmkⅢ』だけ、次は彼女のISブルーティアーズの代名詞、遠隔無線誘導型ビットの数を少しずつ増やす形で難易度を上げさせた。予想外だったのは一夏の機体慣れが想像以上の速度で、セシリアの手加減した攻撃に瞬く間に対処できるようになった点だろう。

 

 想定より早い段階で彼女が全力を出すことになってしまったが、結果そのものは一夏が彼のIS『白式』が持つ単一仕様能力の無駄撃ちをしてしまい、エネルギー切れを起こした。つまりセシリアの勝利で幕を閉じたのだ。

 

 試合後、セシリアは正式に一夏やクラスメイトに謝罪。事前に流した噂の効果もあり、彼女はすんなりとクラスに受け入れられた。これでクラス代表もセシリアが担当すると思ったのだけど……

 

 

「一夏にクラス代表を譲ると」

 

「はい、彼は本番に強いようでしたので今後のことを考えると実戦経験の場は多い方がよろしいかと思いまして。ただ、私がクラス代表になっても歓迎される状況を作ってくださったフレイさんには申し訳ありませんが……」

 

「別に気にしないで良いわよ。セシリアが決めたなら私はそれでいいわ」

 

「ありがとうございます。一夏さんが代表として相応しくなるよう、個人的な訓練の指導もしていきたいと思っていますわ」

 

 本人が納得しているのだから、そこは良いのだ。問題は……

 

「……セシリア。ちょっと距離近くない?」

 

「そうですか? ……確かにそうですね。失礼いたしましたわ」

 

 英国貴族の淑女としてこれまで一線引いた感じだったセシリアが距離を詰め、時折スキンシップを行うようになってきた。本人も無自覚なのだろうけど、より親しみやすくなった良い傾向への成長とみるべきか、昨今の女尊男卑社会の影響でマイノリティではなくなりつつある新世界への扉が開く予兆とみるべきか。……私にその気はないので後者だけは勘弁してほしい。




セシリアは原作と違ってフレイのフォローと指示により慢心したまま一夏へ挑むことが無くなり、心の平静を保てた為、彼への即落ちは免れました(…が、今後落ちないとは言っていない。あのチョロさは伊達ではない)。
なお本作にガールズラブ要素は 絶 対 に ありません。
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