プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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百十五枚目 人質

 互いに三ターン目まで動きがなかった。アレックスの四ターン目だ。

「マインターン。ドロー。チャージ。コスト4でマジック発動。獣鬼発進基地デース。ターンエンドデース」

 魔霧の使い手の五ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト3でハイパービーストを召喚。ハイパービーストでプレイヤーに攻撃」

 アレックス生命力:10→8

 

 アレックスの口角が上がる。

「手札の獣鬼コンプレッサーパンダのエフェクト発動シマース。このカードを捨てることで、受けたダメージ分山札の上からセメタリーに送って受けたダメージ分ドローシマース」

「なんだそのカード」

「バッドマインフィールドに獣鬼カード以外のカードがあるか、獣鬼カードがナッシングならば使えマセーン。タイミングが遅かったデース」

「ぐぬう。ターンエンド」

 まあコンプレッサーパンダは獣鬼以外で使えたらだれもが悪用するようなカードだし。

 

 アレックスの五ターン目だ。

「マインターン。ドロー。チャージ。コスト1で獣鬼マンドリルを発動シマース。獣鬼発進基地の下にこのカードを置いて手札の獣鬼トラックを一枚トラッシュ。山札の獣鬼クレインを一枚手札に加えることがデキマース。コスト2で獣鬼クレインを発動シマース。獣鬼発進基地の下に置くのデース。クレインのエフェクトで獣鬼と名の付くカードを二枚リトゥリーブシマース。獣鬼コンプレッサーパンダと獣鬼トラックをセメタリーからリトゥリーブ。ターンエンドデース」

 マンドリルでトラック落としてクレインでコンプレッサーパンダと一緒に回収するという盛りすぎムーブ。この二枚とも獣鬼発進基地がなかったら効果使えない仕様じゃなかったら禁止になってると思うの。

 

 魔霧の使い手の六ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドロー発動。そしてコスト2で口笛の邪精霊を召喚。口笛の邪精霊でプレイヤーに攻撃」

 アレックス生命力:8→7

「ターンエンド。コンプレッサーパンダの効果を使わせたくねえ」

 大抵の獣鬼にはバーンか盤面をそろえて一気にケリをつけるのが正しい対応だったりするのよね。

 

 アレックスの六ターン目だ。

「マインターン。ドロー。コスト3で獣鬼トラックを発動シマース。獣鬼発進基地の下に置いてエフェクト発動シマース。マインデッキオアマインセメタリーから合体獣鬼と名の付くカードをリトゥリーブシマース。デッキの合体獣鬼王 ジュウキキングをリトゥリーブ。ターンエンドデース」

 魔霧の使い手の七ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト3でハイパービーストを召喚。コスト4でトリプルドロー発動」

「準備が万端デース」

 これはちょっときついな。

 

 ちょっと握力が強くなった。

「ぐ……ぐぅ」

「早くしないともっときつくなるぜ。降参すれば命だけは助けてやるよ」

「アイキャンノットトラストユー。信頼デキマセーン。どうも妙……ストレンジです」

「本当だよ。だってコイツの命だけは一旦助けてやるから。まあお前を抹殺した後で、すぐ同じ場所に送ってやるよ」

 何て奴だ。

 

 アレックスは俺を見つめる。

「ノープロブレム。ウィークモンスターに言われるまでもなく、スピーディーにエンドシマース」

 魔霧の使い手は指を揺らした。

「じゃあやってみろよ。ターンエンド」

 なんか企んでいるなこいつ。

 

 アレックスの七ターン目だ。

「マインターン。ドロー。チャージ。コスト4で合体獣鬼王 ジュウキキングをサモン。ジュウキキングのエフェクト発動シマース。獣鬼発進基地の下の獣鬼カードを三枚このカードの下にイン」

 虎と鶴とマンドリルの合体ロボットが君臨する。

「合体獣鬼王 ジュウキキングでハイパービーストにアタック」

 ハイパービーストは粉砕された。

「ターンエンドデース」

 俺の口に水が入り込む。

 

 お、溺れる。これはまずい。

「チマチマしてんじゃねえ」

 水が俺の口から出た。

 

 魔霧の使い手の八ターン目だ。

「ドロー。コスト6で湖の邪精霊……様を召喚」

 俺をつかんでいる腕だけが動いた。

 

 湖の邪精霊は腕しかないのか。

「湖の邪精霊……様の効果発動。自分の場の邪精霊と名の付くモンスター以外をすべて手札に戻す」

「アルラウネと組み合わせると強いな」

「それだけじゃない。今回は人質付きだ」

 湖の邪精霊の水が俺の口にするりと入る。

 

 口が勝手に動く。

「魔霧の使い手。早くしないか。早くこの者の命を捧げろ」

「ですが先ほど人間を差し上げたばかりでは」

「あんな少しでは余計に食欲が湧いてお腹が減る」

 あ~分かる。ちょっとだけ食べると余計にお腹すくよねー。

 

 ってコイツラ人喰ってんのかよ。

「ヘイガール。何を言っているのデース?」

「湖の邪精霊様が人質の口だけを借りたのだ。人質が自分の意志でこれを言ってたら怖いだろ。割とそんなことはどうでもいい。湖の邪精霊……様でジュウキキングに攻撃。ターンエンド」

 湖の邪精霊はジュウキキングに裏拳を当てる。

 

 アレックスの八ターン目だ。

「マインターン。ドロー。チャージ」

「いいことを教えよう。湖の邪精霊に攻撃したら事故が起こって人質が傷つくかもしれない」

「……ターンエンド」

 なんて卑怯なコンビだ。見ることしかできないのがもどかしい。

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