プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
魔霧の使い手の九ターン目だ。
「ドロー。湖の邪精霊……様で攻撃。ターンエンド」
アレックスの九ターン目だ。
「マインターン。ドロー。獣鬼王の玉座にはかつての獣鬼の皇の亡骸が相応しい。コスト5で合体獣鬼玉座 デカイザーを召喚。このモンスターはジュウキキングがいなければサモン出来マセーン」
一分だけ溺れた。
魔霧の使い手の十ターン目だ。
「早くしないと溺れちゃうぜ。さっき反応がなかったからもう少しかもしれないなぁ。ドロー。コスト10で巨獣ギガントを召喚。巨獣ギガントでデカイザーに攻撃。ターンエンド」
アレックスの十ターン目だ。
「マインターン。ドロー。巨躯なる獣鬼の帝は玉座にすら収まらぬ。コスト7で合体獣鬼帝 キョダイザーを召喚シマース。合体獣鬼玉座 デカイザーにライドオン。巨獣ギガントにアタックシマース。ターンエンドデース」
体が冷えてきた。低体温症か。
魔霧の使い手の十一ターン目だ。
「ドロー。チャージ。ターンエンド。早くしないとアイツ死ぬぜ」
「卑怯デース」
「ハハハなんとでも言え。負け犬がほざいておるわ」
性格が悪い。
アレックスの十一ターン目だ。
「マインターン。ドロー。チャージ。コスト8で合体獣鬼秘技 ジュウキソードを発動シマース。ユーのフィールドのモンスター全てに戦闘ダメージを与えマース」
「湖の邪精霊様が人質取ってるんだぞ。良いのかそんな事して」
「悪しきものだけをデストロイシマース。バッドキョダイザーはアタック出来マセーン」
巨獣ギガント以外破壊した。
……ということは俺が落ちると言うことか。覚悟して目を閉じた。
「落ちるぞ。壁に叩きつけたトマトみたいになるぞ」
これまでの思い出を振り返りながら重力に身を任せていると、硬い物の上に落ちた。
「ぎゃん」
背中が痛い。
生きてやがる。
「セーフ」
見えるもの的にキョダイザーの手のひらにいるみたいだな。
湖の邪精霊が現れた。
「お前はこれまでよく尽くしてくれた」
「これからも尽くしますよ」
「我という暴力装置が欲しいから尽くすつもりなのだろうな」
内輪揉めだ。ありがたい。
湖の邪精霊は魔霧の使い手をつまむ。
「無能な見立てと指示で我の体を傷つけるというだけで重罪。今までは失敗していないから、お前が我を利用しているのを見逃していただけだ」
「お、お許しください」
魔霧の使い手の口に水が入り込んだ。
魔霧の使い手は首を動かした。大量の水が重力に従って落ちる。
「我の体が治るまで魔霧の使い手の体をもらう」
「なんでわざわざ弱い体をもらうんだ。俺を乗っ取った方が色々と便利なのに」
「フフフ。ただのミスだ」
それはミスなのか。
「ターンエンド」
マイペースかよ。
魔霧の使い手の十二ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト3でヴァンパイアファング発動。巨獣ギガントを選択。巨獣ギガントでキョダイザーに攻撃。ターンエンド」
アレックスの十二ターン目だ。
「マインターン。ドロー。チャージ。コスト4でけものエンジンズ発動デース。四枚ドロー。コスト4で獣鬼トータスクレーパーを発動シマース。獣鬼発進基地の下に置いてエフェクト発動デース。マインフィールドオアマインセメタリーの合体獣鬼カードを一枚リトゥリーブシマース。合体獣鬼帝 キョダイザー。カムバック」
キョダイザーがデカイザーになった。
デカイザーが巨獣ギガントに傷つけられたはずのキズが直っていた。
「デカイザー。巨獣ギガントにアタックデース。ターンエンドデース」
「攻撃出来ないはずだろ」
「アタック出来ないのはあのときマインフィールドにいたキョダイザーだけデース。つまりデカイザーと次のターンにサモンするキョダイザーはアタック出来マース。アーンドデカイザーは一旦カードの下に言ったので、生命力が戻ってマース」
魔霧の使い手は納得がいかないという顔をする。初見じゃ納得できないよな。俺も納得出来なかった。
魔霧の使い手の十三ターン目だ。
「ドロー。チャージ。巨獣ギガントでデカイザーに攻撃。ターンエンド」
アレックスの十三ターン目だ。
「マインターン。ドロー。チャージ。巨躯なる獣鬼の帝は玉座にすら収まらぬ。コスト7で合体獣鬼帝 キョダイザーを召喚シマース。合体獣鬼玉座 デカイザーにライドオン。キョダイザーで巨獣ギガントにアタックシマース。破壊しマシタ。ターンエンドデース」
魔霧の使い手の十四ターン目だ。
「ドロー。チャージ。ターンエンド」
アレックスの十四ターン目だ。
「マインターン。ドロー。チャージ。コスト6で獣鬼スクランブル発動シマース。マイン手札とセメタリーの獣鬼カードをすべてマインデッキの下に戻してからシャッフルして、山札の上から四枚をセメタリーに送り、その中の獣鬼カードをすべてマインフィールドの獣鬼カード一枚の下に置きマース。置かなかったものは全部セメタリー送りデース。セメタリーにドロップした獣鬼クレイン、獣鬼マンドリル、獣鬼トラック、獣鬼ロードローライノスを獣鬼発進基地の下に置きマース。ターンエンドデース」
魔霧の使い手はドローしてからチャージしてターンを終えた。
アレックスの十五ターン目だ。
「マインターン。ドロー。コスト5で獣鬼スタヒバリライザを発動シマース。獣鬼発進基地の下に置いて、獣鬼スタヒバリライザのエフェクト発動シマース。マインデッキから獣鬼カードを手札に加えマース。キョダイザーで口笛の音の邪精霊にアタックデース。破壊。ターンエンドデース」
魔霧の使い手の十六ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト6でクワトロブースト。コスト3でハイパービーストを召喚。ターンエンド」
目が諦めてねえ。逆転の手段があるとでもいうのか。
アレックスの十六ターン目だ。
「マインターン。ドロー。チャージ。五つの鋼の獣の魂が勝利を呼ぶ。コスト5で合体獣鬼王 ジュウキキングファイブを召喚しマース。獣鬼カードを五枚このカードの下に置きマース。ジュウキキングファイブのエフェクトで攻撃力をハーフにして直接アタック。デカイザーでハイパービーストに攻撃。ターンエンド」
これだけしても何かが不安だ。何かを見落としてる感じが拭えない。