プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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十二枚目 キャラメルキャメル

 五日後に出発した。なんでもリルテックシティーはここから移動用モンスターを使って往復で二日かかるんだとさ。

「なんでラーナ様がいらっしゃるのですか?」

「いて悪いということもないわよね」

「ラーナ様はフラム家の次女のはずですよね」

「この確認毎年していないかしら?」

「この確認をすればもしもの時になんかの役に立つかと思いましてね」

 毎年このやり取りをしてるのか。

 

 ラーナちゃんが息を吸った

「お仕事中毒のお姉ちゃんがやってくれるから問題ないわ。それに長距離移動用のモンスターを飼ってないのよ。パパとママとカネスキのお父様とお母様に許可は取っているので問題ないわ」

「なら大丈夫ですね。私は仕事があってついて行けないので、お付きの者をモンスター場に呼びつけてあります」

「毎年ついて行ってないわね」

「何か事情があるのですわ」

 どういった事情があるんだろうね。

 

 例のスパッツと半袖シャツを持たされてからモンスター場に行くと大きな扉の前に黒髪で線の細いイケメンがいた。

「ちゃんと筋トレしたり飯食ったりとかしてるのかな。細くて心配なんだけど」

 イケメンは驚いたような顔をする。顔に書いてあるんだよなあ。

「先生殿とは初めてお会いしますね。お嬢様に好かれていると聞いたので人当たりのいい人だろうなとは思っていましたが、女の子とは思いませんでした。あ」

 イケメンが何かに気が付いたような顔をした。

 

 イケメンがお辞儀をする。

「すみません。自己紹介がまだでしたね。ボクはアメラと申します」

「ドロウです。よろしくお願いします」

「ドロウですか。珍しい名前ですね」

「俺もそう思ってますよ。何しろ俺の故郷にもこういう名前はなかなかいませんからね」

 アメラが俺の右手の甲にキスをした。

 

 俺が本物の女ならドキドキしてるんだろうなぁ。胸がちょっと高鳴ってるのは驚いただけだから。絶対そうだから。

「さあ行きましょうお嬢様方」

 が扉を開けるとひんやりとした空気が流れ込んだ。

 

 アメラはカードを一枚選んで取り出してから扉を閉めた。

「ここではカードを最高の環境で保存してあります。我が家は代々ここの管理を任されていますね。私で八代目です」

 アメラはカードのイラストを見せた。

「キャラメルキャメルを召喚いたします」

 キャラメルのような色をした5mぐらいのラクダが現れた。

 

 ……どう考えても地上でスピードを出すフォルムじゃねえ。

「こう見えても夏場の馬車の十倍速くて環境もいいですわ」

「そんなに早いのか」

 ラクダのこぶに扉が出来た。

 

 アメラははしごでラクダのこぶまで上がる。こぶに扉が出来てアメラがこぶの中に入った。さすがモンスター。俺の持っている常識が全く通じねえ。

「大丈夫ですよ」

 こぶに穴が開いてアメのような汗が垂れて固まってガラスのようになった。

 

 はしごを登ってこぶの中に入る。

「地図を壁に押し込むとちゃんと行ってくれるので問題ないです。ただ私が近くにいて面倒見ないといけないのです。なのでマイスさんにはついでとばかりにお付きの者の任務も押しつけられたんですよね。他の家のお嬢様もいらっしゃるので緊張していますよ」

「まあいざとなったら俺が盾になりますよ。一回死後の世界を見ましたからね」

「何を言っているかわかりませんが、よろしくお願いします」

 何かあったら大問題だもんなあ。

 

 ラーナちゃんとお嬢様がこぶの中に入った。

「では行きますよ」

 窓の外の景色が早く流れる。

 

 でもその割に中は揺れていないから意外だ。

「分かってはいますがヒマですわねえ」

「デッキ構築でもすればいいと思いますよ。デッキ構築にはいくら時間があっても足りませんからね」

「そうですわね」

 お嬢様とラーナちゃんはデッキを出してカードを広げた。

 

 お嬢様は首をひねる。

「完璧なデッキ構築ですわ」

 なにかが足りないんだよなあ。

「完璧なデッキ構築なんてこの世にはありませんよ。少なくともお嬢様のデッキには足りないものがあります」

「それを教えてくださいまし」

 なんか足りねえとは思うんだけど何が足りないのか分からねえ。

 

 それらしいことを言ってごまかすか。

「俺が言ったらお嬢様は俺に頼ることになりますよね。お嬢様が自分で考えるのが大事なんです。なので自分で考えてください」

「もっともな意見ですわね」

 これほど素直なのになぜ今まで家庭教師が決まっていなかったのか分からねえな。

 

 ラーナちゃんも悩んでいるな。

「何かが足りないとは思うんだけど」

「ラーナちゃんのデッキには火力の出せるカードが足らないんですよね。このカードなんかフラムビーストデッキに合うと思いますよ。余ってるのであげます」

「いいの?」

「ただしこの詰め勝負に勝ったらですがね。カネスキお嬢様もアメラさんもチャレンジしていいですよ。早い者勝ちですので」

 カードを片付けさせて工具箱からカードを選んで並べた。

 

 ラーナちゃんが一番最初に解くことが出来たので、焼鳥屋に賛成するにわとりを4枚と高次元のスピードラットとレッドリストをあげた。こんなカード10枚持ってるからな。それにエクストラウィンのメタカードなんて限定的過ぎて使えない。そして高次元のスピードラットとかレッドリストとかどうしても俺のデッキにゃ合わない。




 このターン中に勝て。 
 相手:生命力3 カレー屋さん(攻撃力0防御力2 職業効果使用済み) 
 場:LC(ロープコード) ハニワコマンドガール(コスト5 種族:ガーディアン 攻撃力1 防御力4 生命力6 効果:なし)
 手札:なし
 自分:生命力1 所持コスト6 ファイター(攻撃力3防御力1 職業効果使用済み)
 場:素通り門番、ゴブリンサモナー×2
 手札:ガーディアンズコネクト(コスト6 自分の場の種族:ガーディアン一体の効果と生命力以外のステータスを他の種族:ガーディアンのモンスター一体を選んで与える。そのターン自分の場の種族:ガーディアンは攻撃できない) 

ヒント:自分の場とは言っていない
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