プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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百二十三枚目 捕らぬ狸の皮算用

 オークションに来ていた客どもがカードを出した。

「カードを使うのか。でもここじゃモンスターを使えないよな。モンスター封印結界が使われてるんだから」

「なら召喚者を直接張り倒せば良いだけだろ」

 目付きの悪い女の子は壁をするすると登った。

 

 オメンオクはデッキを構える。

「モンスター封印結界を解けばいいじゃないか。そうすればカードファイトで私を倒せるからね。私はカードファイトが出来て、お前は邪魔者をどかすことが出来る。どっちが勝っても得しかないね」

「じゃあ降りてくださいよ。降りないとカードファイト出来ないですよね」

「その前に暴れないように説得してくれよ。さっきからちょくちょく魔法撃たれて危ないんだよ。こんな状況で降りたら間違いなく袋叩きにされる」

 天井を這うように避けているので、ゴキちゃん味を感じる。

 

 鎖が出て来てオークションの客どもを縛った。

「アカネさんのような正義の味方もまとめて商品にすれば良いだけです。華奢な男のような体なので需要がないので臓器にしますよ」

「私は金貨30枚で買うぞ」

「良かったですね。命が助かりましたよ。商品を傷つけて欲しくないので、止めてください。売りませんよ」

 このやり取りをとらぬ狸の皮算用と言う。

 

 鎖がなくなった。

「商品を傷つけて欲しくないので、止めてください。もし傷をつければ売りませんよ」

 暴れる客どもがピタリと止まる。

 アカネは落ちながらデッキを構える。

「それでいい。カードファイトエントリー」

「カードファイトエントリー」

 オメンオクのデッキが赤く光った。

 

 オメンオクはチャージだけしてターンを終えた。アカネの1ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト1でタクロウライターを召喚。ターンエンド」

 オメンオクの2ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト1でスピードラットを召喚。ターンエンド」

「攻撃しないのかよ。意気地無しめ」

「意気地無しで結構。タクロウライターの効果は墓地肥やしには優秀なので、あまり手出ししない方がよいのです」

 アカネは舌打ちをした。

 

 アカネの2ターン目だ。

「ドロー。チャージ。ターンエンド」

 その後3ターン目まで主な動きはなかった。オメンオクの4ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト3で魔海のサハギンを召喚。魔海のサハギンの効果発動。1枚ドロー。ターンエンド」

 手札が増えたな。

 

 アカネの4ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト4で電卓小僧を召喚。電卓小僧の効果でデッキの上から三枚を墓地に置いて、魔法カードを一枚回収。墓地の強化外骨格ガシャどくろの秘術を手札に加える。電卓小僧で魔海のサハギンに攻撃。ターンエンド」

 オメンオクの5ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト4で手札の魔海のはぐれ者 バーマ湖の悪魔の効果発動。手札からこのモンスターを捨てて三枚ドロー。ターンエンド」

 バーマの効果は強いなぁ。

 

 アカネの5ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト4でトリプルドロー発動。ターンエンド」

 オメンオクの6ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト6で魔海の術式発動。ターンエンド」

 準備が整ったわけだ。

 

 アカネの6ターン目だ。

「本気でいかないとダメだね」

 アカネはサングラスをかけた。

「ドロー。チャージ。コスト5で強化外骨格ガシャどくろの秘術発動。コスト1でタクロウライターを召喚。ターンエンド」

 サングラスかけてやることがたったそれだけなのか。

 

 オメンオクの7ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト2で魔海の鍛治屋を召喚。効果で魔海のサハギンを手札に加えます。そしてドロー。コスト3で魔海のサハギンを召喚。効果で一枚ドローしてドロー。ターンエンド」

 アカネの7ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト7でチョキチョキを召喚。効果でアヤカシ忍者角ハンゾウと大鯖と化け鯨と塵塚怪王を墓地に送る。シャッフルはしない。チョキチョキで魔海のサハギンに攻撃。電卓小僧でスピードラットに攻撃。破壊。ターンエンド」

 次の次のターンに塵塚怪王が出るかもね。

 

 オメンオクの8ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト6でクワトロブーストを発動。ターンエンドです」

 アカネの8ターン目だ。

「ドロー。チャージ。コスト6でクワトロブースト。ターンエンド」

 奇しくも同じ行動……

 

 オメンオクの9ターン目だ。

「手札にある魔海大陸の闇白剣 アトランティスソードのモンスター効果発動。コストを支払う代わりにこのカード以外の手札のカードを好きな順番で九枚以上山札の下に戻して、魔海大陸の闇白剣 アトランティスソードを召喚します」

「オーラがすごいな」

「さらに魔海大陸の明黒剣 メガラニカソードのモンスター効果発動。三枚ドローしてターンエンド」

 次のターンに名前の聞こえないアレがくる。悠長にしてる場合ではない。

 

 アカネの9ターン目だ。

「ドロー。チャージ。パックで当てたばかりのコイツを召喚する。コスト9でジャッジメントアンゼを召喚。このモンスターがいる限りモンスターを場に出すときコストゾーンのカードを使用しなきゃいけねえ。そしてこのモンスターがいる限りモンスターのコストは変化せず、軽減しない」

 ジャッジメントアンゼはアジ・ダハーカ使いにとってはつらい性能をしている。

「それが何ですか。倒せば良いだけです」

「やってみろよ。ターンエンド」

 魔海の弱点はジャッジメントアンゼみたいな軽減メタだ。でもまさかメタルアヤカシデッキに入れてるなんて思わねえよな。

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