プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~ 作:黒点大くん
オメンオクの体が震える。オメンオクの10ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト7で魔海獣 タレイを召喚。手札をすべて山札の上にもどしてシャッフルしてから発動。相手モンスター一体の効果を無効化してから手札に戻します。ジャッジメントアンゼの効果を無効化して手札に戻す。ターンエンド」
効果無効化は普通に強い。
アカネの10ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コスト8で塵塚強化術発動。ターンエンド」
次のターンに塵塚怪王がくるな。
オメンオクの11ターン目だ。
「ドロー。コスト8で魔海獣 デネスを召喚。前のターンに戻した手札の枚数分ドロー。この効果を使用したターン攻撃できません。ターンエンド」
「このターンだけで十五枚もドローしやがった」
山札がゴリゴリ削れてやがる。
アカネの11ターン目だ。
「ドロー。このカードはデッキの上から五枚を墓地に送らなければ召喚できない。コスト5でファイブおめんを召喚」
宙に浮く五つの仮面が現れて引っ付いた。引っ付いた仮面から右脚、左脚、左腕、右腕、それぞれ五本ずつ生えた。
「ファイブおめんですか。モンスターでなければ、凄く儲かりますね。勿体ないです」
「ファイブおめんは墓地から好きなカードを一枚手札に加えることが出来る。ターンエンド」
臓器売買を生業としている奴ならではの視点だな。
オメンオクの12ターン目だ。
「ところで三本目の魔海大陸の剣には警戒しないのですか?」
「失礼しまーす」
「三本目があるなんて知らなかった。それを早めに言ってくれれば警戒してたね」
「ドロー。チャージ。このカードは自分の場に魔海と名の付くカードが三枚以上ある時に発動できます。コスト5で魔海の取引術を発動。手札を全て山札に戻してからシャッフルして戻した枚数分ドロー。ターンエンド」
あの様子だとまだ三本目は引けてないみたいだな。デッキを60枚にすれば回りにくいという弱点が響いたな。
アカネの12ターン目だ。
「ドロー。チャージ。強化外骨格ガシャどくろの術の効果でコストを9支払って墓地の塵塚怪王を召喚。攻撃力は8。魔海大陸カードにそれぞれ二回ずつ攻撃。破壊。魔海のサハギンに攻撃。破壊。魔海の鍛冶屋に攻撃。破壊。魔海獣 タレイに二回攻撃。破壊。ターンエンド」
圧倒的な殲滅力だなあ。今んとこ敵になってないのが幸いだな。
オメンオクの13ターン目だ。
「ドロー。来ましたよ。チャージ。コスト4でトリプルドロー発動。コスト5で大地と知啓の逆転発動。すべてのプレイヤーのコストゾーンのカードと手札を入れ替えます。しかしこのターンカードを使用できません。ターンエンドです。これでコストは16です」
「もしかしてちゃんとコストを払ってあれを召喚しようとしてるんじゃないだろうな」
「あれってなんだ?」
「三本目の魔海大陸の剣のことだ。でもあれコスト20もかかるからあと4ターンはしのがなきゃいけないぞ」
アカネの口角が上がった。そっかあと4ターンなら何とか出来るもんね。
アカネの13ターン目だ
「ドロー。チャージ。手札はいっぱいコストは少ない。これじゃどうにもやりにくい」
「噓を付け。塵塚怪王がいるから何とかなるだろ」
「相手が趣味の悪いジョークを放ってきたから、趣味の悪いジョークを返しただけだ。塵塚怪王で魔海獣 デネスに攻撃」
「攻撃する前にこのカードを使わせてもらいます。コスト7でピースフルワールド。このターンダメージを与えることはできません。もちろんこの今の攻撃も中止してもらいます」
「見たことないカードだ。トバクファイトにすりゃあ良かったかもな。ターンエンド」
ピースフルワールドなんて普通魔海に入らないぞ。
それからオメンオクの14ターン目だ。
「ドロー。チャージ。コストを3減らしてコスト17で、魔海大陸の不可視剣 「 」を召喚します。召喚時効果で手札とコストゾーンと墓地のカードを全て山札に戻して一枚ドロー。そして私が山札に戻した枚数分ドローあなたはドローしなければなりません。コストは17、10枚以上、墓地は4枚以上、つまりあなたは少なくとも34枚ドローしなければなりません。あなたのデッキは残り幾つですか?」
「20枚ぐらい……」
アカネは山札を引き切った。
場からモンスターが消え去る。
「貴女の負けですね」
「それがなにか……あっ。めっちゃ悔しい。負けったアアアア」
白々すぎてもはや半透明だ。
アカネ立ち上がる。
「一つ言いたいことがあるんだけどさ」
「聞いてあげましょう。私にも朝露ほどの慈悲はありますからね」
「トバクファイトでもトゥルーファイトでもなくカードファイトを挑んだことにおかしいとは思わなかったのか?」
「思いませんでしたよ。なぜなら私は強いカードファイターですからね」
「そういうこと言っちゃうのか」
目の前にシンズルがいた。
シンズルは俺の耳元に口を当てる。
「一応お伺いは立てましたよ。誰も聞いていなかったのですけれども。静かにしててくださいね」
アカネが次々と話しかける。時間を稼いでるのか。