プレイしていたVRカードゲームの世界にTS転生したらしい ~カードゲーマーは異世界でもカードから離れられない~   作:黒点大くん

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百三十枚目 ライオンとティラノサウルス 最強議論

 カシヨの買ってきたアイスクリームを食らう。

「今日は仕事もないからのんびりできる。と思ったんだかなぁ」

「カードファイトで負けてパシらされただけで、のんびり出来ていないとほざくとはな」

 正直アルカナンバー使われてたら危なかった。この街に捨てられてるカードだけでデッキを組んでカードファイトしたから勝てた。でも勝ちは勝ちや。

 

 奢ってもらった食べ物はいつもより美味しく感じるね。

「それにレアカード見かけたら仕事するんでしょ?」

「ああ。バリバリ仕事をするぞ。着せられたまともじゃない服装で仕事するぞ」

 世間一般的にはまともな服装なんだけどカシヨのファッションセンスは滅茶苦茶なので、まともじゃないらしい。

「少しは休め。そんなんだから肝心な時に限っていないんだぞ」

 今俺の横にいるのが肝心な時にはいないカシヨ。

 

 ハイパーティラノサウルスがメガライオンを破壊した。

「カードファイターって貴重的なこと言われてたけど、そんなことはないね。カードファイトを子供同士でヤってるよ」

「昔は貴重だったってだけで今は貴重ではねえ。昔は五千人に一人ぐらいしかいなかったけど、今は十人に一人がカードファイターだからな。そのくらいカードファイターがいれば、合法盗賊団みてえなのがポコポコ増えるのも当然」

 カードファイターの価値が五百分の一に下がったというわけか。

 

 メガライオンが召喚されて、ハイパーティラノサウルスを破壊し、ハイパーティラノサウルスを召喚した子にダメージを与えた。そしてメガライオンと周りの灌木が消え去る。

「勝ったぜ。やっぱりハイパーティラノサウルスよりメガライオンの方が強いな」

「いや、ハイパーティラノサウルスに一回破壊されたからやっぱりハイパーティラノサウルスの方がメガライオンよりも強い」

 ハイパーティラノサウルスとメガライオンの違いは種族だけだから、こうして論争をするのが無駄なのだがそれを言うのは野暮だ。

 

 そもそも議論で相手の意見を否定しあうのは褒められたことじゃないんだよなあ。

「負けたけど、それはお前がカードファイターとして強かっただけで、メガライオンの実力に直結しない」

「いや、逆だろ」

「俺たちもこんなところでのんびりしていられないぞ」

 さっきはのんびりできると言っていたのに。

 

 ……急な仕事が入ったってことか。社会人は辛いねえ。スーツ着て。

「仕事か。ハイパーティラノサウルスもメガライオンも言うほどレアじゃないだろ」

「そうじゃねえ。さっきアレックスを見かけたんだよ。ここにいることがバレたら、面倒臭いことになる。トゥルーファイトで倒しちゃいけないし最高に面倒くせえ」

 なんで倒せないんだ。実力が足らない訳じゃないだろ。

 

 カシヨは考え込む仕草をする。イケメンだから絵になるな。いやならないならない。なに考えてんだ俺は。

「次元の巫女の力を持ってるからだ。あれを味方に引き込めればすげえことになる」

 アレックスの性格からして味方にはならなさそう。

「み、味方にならねーんだから、倒せばいいだろ。アレックスの性格からしてカードハンターと協力するのはあり得ないからな」

「それもそうか。勿体ないけどそうするしかねえのか。出来れば味方に引き込めれば良かったんだが」

 カードハンターになったとしても、内部妨害させるためにカードハンターになっただけというオチだろうしな。

 

 クリームイエロー色のローブを着て、ピンク色のテンガロンハットを被った怪しさ満開の奴が子どもたちに近づく。

「ティラノサウルスとライオンのどちらがストロングかどうでもいいデース。バッドティラノサウルスとライオンよりもストロングな物を知っていマース」

 この口調……絶対アレックスだな。もう嗅ぎ付けられたのか。

 

 今のうちに逃げるか。あっ。カシヨはもう逃げてやがる。抜け駆けすんな。

「なんだこのオバさん」

「知らない人と話しちゃいけないとお母さんに言われてるだろ」

 しっかりした子達だ。

 

 アレックスは子どもたちにカードを渡した。

「これはハイパーティラノサウルスとメガライオンの強さを合わせたカードデース。そのカードのネームはハイパーメガティライオンデース。間違いなくこれがストロンゲストデース」

「「わーい。ありがとー。あれ? いない」」

 アレックスはあっという間に消えた。

 

 なんだ。ただ単に子どもたちにカードを配っただけか。

「お久しぶりデース」

「ギョアア」

 振り向くとアレックスがいた。チビりかけた。

 

 心臓が止まったらどうするんだ。まあ喜ぶか。アレックスはそういう奴だと思ってる。

「あのオバさんいたー」

「アイアムアティーンエイジャー。オバさんではなくてお姉さんとコールしてクダサーイ」

「この子がカードファイトに勝ったらデッキをプレゼントすると言ってマシタ」

 ファッ!?

 

 超久しぶりに(サイドエフェクト)デッキを使うか。カードハンターの伝手で改良も出来たしな。

「2対1でかかってこいよ。倒してやる。カードファイトエントリー」

「カードファイトエントリー。バカにするなー」

 勝てばいいんだよ。

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